refrain regretシリーズ   作:りづ

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***

 

 

 

 

 

 

その日は、午後の授業をおもうと気が重かった。

それでも、その日一日の授業は変わらない。スプラウト先生のマンドレイクの植え替えの授業ではマンドレイクを掠め取れないか少し考えたが、まぁ数も決まっているし、マンドレイクがなくなったら大騒ぎになりかねないとグッと我慢をした。コガネムシをボタンに変える授業では、いつものごとくハリーと大量のボタンを作ってマクゴナガル先生に加点を頂いた。ハリーが一度だけコガネムシをゴキブリに変えようとしていたから、頭をひっぱたいておいた。本人は「このあとロックハートの顔に投げつけるとかナイスアイディアじゃない?」とか言っていたがよく考えろ。触らぬ悪魔にたたりなしだ。変に関わると面倒に巻き込まれるだけだ。

とまぁ、それで聞くハリーじゃないよな。わかってたさ。クソみたいなミニテスト(ただの自己顕示欲のかたまりプリントだ。解く必要もない)をしている最中。彼が巡視のために通路を歩くたびにロックハートの体に花が咲いていった。最初は頭だったのだが、肩、そして背中へと。隣のハリーをみるとたいへん嬉しそうに彼を見ていたから、おおかた彼が犯人だろう。僕は、真っ白の答案用紙に答えを書き込む。「私の抱いている大きなのぞみは何か。――――体中を花でいっぱいにして世界の女性を喜ばすこと」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ。あなたたち!ロックハート先生の授業がすでにあったのでしょう!どうだった?やっぱり素晴らしかったのかしら?」

 

 

ハーマイオニーが嬉しそうに、声をかけてきたのは昼食のあとの中庭に出た時だった。隣でハリーが隣で「うわ。思い出した」と呟いたのが聞こえる。

 

 

 

 

「彼は、そうだね。うん。体からたくさん花を出していたよ。ねぇドラコ」

「そうだったな。彼の抱いている密かなのぞみはきっと全身を花まみれにすることに違いないな」

 

 

あら、とハーマイオニーは僕たちを咎めるような声をだす。「いいこと、ロックハート先生

の」と、説明しようとしたとき、うしろから小さな少年に声をかけられた。

 

 

 

「あの、ぼく、コリン・クリービーといいます。」

 

 

 

あ、思い出した。ここでのひと騒動。たらりと汗が流れた気がする。ハリーはいい笑顔で「そう。コリン。素敵なカメラだね。」と自分からこえをかけていた。

 

 

 

「せっかくだから記念写真撮ろうよ。ここにるのはみんな僕の友達だよ。ドラコにロンにハーマイオニー。ささ集まって。ハイチーズ」

 

 

 

 

有無を言わさぬテンポで話を進めていく。一枚写真を撮ったかと思うと、彼にカメラを返し「さあ次の授業に遅れないように、いってらしゃい!」と背中を押していた。後ろではロンが「あいつ、昨日談話室でずっとハリーの話をしてたんだぜ。ドラコ2号かと思ったもん。頑張って声かけたのにかわいそうになぁ。」とハーマイオニーと話していた。僕2号とはなんだ。失礼な。僕はストーカーではないぞ。君たちもいずれコリン・クリービーのしつこさにきづくさ。

 

 

 

 

***

 

 

 

「さて、僕たちは確認をしておかなければならないことがあると思うのだが」

「奇遇だね。僕もだ」

 

 

 

僕たちは寮の談話室に貼られた、今年度の「クィディッチ選手の選考会の連絡」をみながらつぶやいていた。普通は空きの枠がなければ、新たな選手として選ばれることはないのだろうが、スリザリンは違う。能力ある人間がそのふさわしいポジションを得ることができる。強きものが欲しいものを得る。それだけである。ここでいう「強い」というのは色んな意味を込めて、だが。

だから申請用紙に書くだけで、あとはフリントとその他のよくわからない皆さんが独断と偏見で決める。正直それでいいのか。という感じだが、それでいいのだ。

 

 

 

「僕はシーカーはしない。ドラコ。君がシーカーをしなよ。」

「は?何を言っているんだ。君がシーカーをすべきだ。僕はチェイサーをする」

「チェイサー?」

 

 

 

ハリーは「なんでまた」と眉をひそめる。

 

 

 

「前回は君がシーカーだったから同じシーカーを選んだんだ。今回はその必要がないし、ビーターも興味あるが、棍棒振り回すのは僕にあわない。クァッフル使ってスピード勝負で点数をいれてみたいね。楽しそうだろう。」

 

 

シーカーは切り札すぎる。荷が重い。楽しいが一試合で一度だけである。それならチェイサーで何度も繰り返し点数を稼ぐという楽しみ方をしてみたい。

 

 

 

 

「そっか。わかった!」

「じゃ、それでいこう。」

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

「で、君はなんでシーカーじゃないんだい?」

「え?」

「君がシーカーで僕がチェイサーだという話でまとまったと思っていたんだが」

 

 

 

 

数日後、寮内に張り出された紙には以下の様にかかれていた。

 

 

『新任選手  ドラコ・マルフォイ…チェイサー

       ハリー・ポッター…チェイサー

 

 

    本日九時から練習をする。支度をして遅れずに来ること   』

 

 

 

 

 

「そうだったけ?一緒にチェイサーできたら楽しそうだなって思って、チェイサー希望でだしちゃった」にこりと嫌な笑顔で僕をみる。スリザリンが板に付いたようだな。はいはい。「九時ってそんなに時間ないな。ハリー、急ごう。こういう自分勝手な上司は嫌われるな。」「は?君に上司なんていたことないだろう」

 

 

 

 

 

練習場にでるとそこにはすでにフリントがグリフィンドールの皆様と一触即発の展開を繰り広げていた。ロンとハーマイオニーとコリンクリービー御一行様もそこにはご丁寧に集合していた。

 

 

 

 

 

「どうしました先輩。ブッキングですか。」

「いや。僕たちはスネイプ先生から『許可』をいただいているんだ」

「もともと予定していたのはどちらですか?」

 

 

 

「こっちだ!」

 

 

 

グリフィンドールのキャプテンであるオリバーが吠える。

まぁ、そうだろうな。聞かなくてもわかる。

 

 

「僕たちは、後日練習しましょう。『今』である必要はないと思います。」

 

 

 

僕は、フリントに物申す。ハリーは僕の隣で頷いている。

 

 

 

「は?練習が必要だろう。優勝を目指しているんだ」

「えぇ、勿論ですとも先輩。僕たちも同じ思いです。しかし、ここで争うほうが時間の無駄ではないかと思いますが。それに、僕たちは『勝ち』ます。そこまで練習せずとも、先輩たちの期待ぐらいなら答えられると思います。が。なぁハリー」

わざとハリーに声をかける。空気に徹していたのに。と少し睨まれたが知るもんか。

 

 

 

「勿論だよドラコ!僕たちは誰よりも素晴らしい連携プレイで点を取ってみせますよ!」

 

 

 

僕を睨んだくせに、自分でも大胆なことを宣言してくれる。まあ、やってみせますよ。やってやろうではないか。

 

 

 

 

フリントは、初めは少し僕たちの偉そげな態度に怒っていたものの、すぐにいつものするぞうな表情になり「そうしよう。けれども、もしお前らが使えないとわかったら一度で、切る。」と宣言した。

 

 

 

まぁリスクがでかいが仕方がないか。寮に戻って土曜日を満喫しようと、ハリーの手を引き帰ろうとした瞬間。後ろから声変わりまえの少年の声か聞こえた。

 

 

「兄様。いかがなされたのですか。」

 

 

 

サジッタ……。

 

 

 

「兄様がクィディッチの練習をなさると聞いて、見学にきたのですが帰られるのですか?スネイプ先生が許可されているのであれば、利用すればいいじゃないですか。正当な理由もありますし。このサインは立派な例外では?と私は思いますけど。」

 

 

 

こてん。と首をかしげながらサジーは言葉を紡ぐ。フリントが「だよなぁ」とサジーの肩を抱く。まぜっかえすな。

余計なことをするな。と口を開こうとしたらハーマイオニーのほうが早かった。

 

 

 

 

「話がまとまったところに、まぜっかえすのはどうかと思うわ。それに、あなたの考えより、ドラコの考え方の方が、平和的だし万人に受け入れられると思うの。」

 

 

「うるさいなぁ。あなたが兄様のことを知った顔で発言しないでくれます?『穢れた血』のお姉さま。」

 

 

 

その瞬間、甲高いいい音が、パアンと響いた。つまり、誰かが誰かの頬をぶった音だった。

 

 

 

 

「あ、ごめんドラコ君の弟ひっぱたいちゃった。」

 

 

そう、それはハリーがサジーの頬をひっぱたいた音だった。ロンをはじめとするグリフィンドールの皆さんは杖を片手に臨戦態勢にはいっていたし、かくいう僕も右手を振りかぶっていたし同様のことをしようと思っていたところだった。むしろ実際に誰かの呪文が発動しなくてよかったし、前回のように乱闘騒ぎに発展しなくてよかったのだろう。

 

 

 

 

「いや、気にするな。むしろ僕じゃなくて君にさせてしまったことが申し訳ない。サジー言うべきことがあるだろう」

 

 

 

サジーは頬に手をあてる動作もせずただ呆然と僕を見ていた。その目は揺れていて何かを訴えているようだった。読めない。開心術が得意であったらサジーの抱えているものを理解してあげることができたのだろうか。

サジーは、肩にのっていたフリントの手を払い、何も言わずに去っていく。

 

 

 

僕は、不承不承の弟に変わり、ハーマイオニー。そしてほかのみなさんに頭を下げた。

 

 

 

 

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