refrain regretシリーズ   作:りづ

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***

 

 

 

 

予定通り、ハロウィンパーティに参加した。ロンたちには昨晩確認したら「絶命日パーティに行く」といっていたから「またどんなだったか教えろよ」と返しておいた。

みんなと軽く談笑してから抜け出す。ハリーが「聞こえる」といってすぐに出たから、ロンたちよりも早く着けるだろう。というよりもそもそも、彼等のなかにヘビ語がわかるやつはいないのだから、三階にたどりつくこともないだろうと気づいたのはあの話をした次の日だった。

 

 

 

予定通りに進んでいるはずだった。

のだが、そこにはなぜか先着がいた。

ロンでもハーマイオニーでも、ネビルでもない。

 

 

 

「スネイプ先生…?」

「ポッター、マルフォイ。」

 

 

 

 

僕たちはスネイプ先生のもとに駆け寄る。そこには石になったミセスノリスと、壁にはあの時とおなじ「秘密の部屋は開かれたり 継承者の敵よ、気を付けよ」と書かれていた。ハリーは、少し呆然としていたが、はっと我に返りスネイプ先生に詰め寄った。

 

 

 

 

「先生!なんでここにいるんですか!?ここに来た記憶がないとか言いませんよね!?いつのまにかここにいたとか言いませんよね?」

「な、何を言っておるのだ。ポッター。吾輩が誰かに操られていると?」

 

 

 

 

ハリーの肩に手をおき、「おちつけ」と制す。

 

 

 

 

「スネイプ先生。なぜこちらに?」

「それは、吾輩のセリフでは?マルフォイ?」

 

 

 

 

そういいながらぎゅっと腕を握るスネイプ先生を見て、全てに得心がいく。あの印はそこまで力があるのか。ヴォルデモートの過去だぞ?記憶だぞ?

 

 

 

「僕たちは、パーティが終わって帰るところだったのですが、せっかくなので大広間に生徒が集まっている今、ホグワーツを散策してみようかと思いまして?」

「ほう」

「そしたらこれですよ。秘密の部屋。みんなが知らない特別な部屋があったらなあと思っていのですが、むこうからヒントが来た。先生、秘密の部屋って何かご存知です?」

 

 

 

スネイプ先生は口をつむぎその威圧感のまま僕たちを見下ろす。無駄です先生。僕、先生と一緒で閉心術得意なんです。心を覗き込もうとしても、見えないですよ。ハリーにだってよませないんですから。そしてとうのハリーは、開心術でスネイプ先生を見つめている。が、くびをふったところをみると無理だったか。そりゃそうだよな。ヴォルデモートにも心悟らせなかったスネイプ先生だもんな。そうは簡単にいかないか。

 

 

 

 

「ごめんなさい。嘘つきました。秘密の部屋が何か知っています。サラザールスリザリンが作ったと言われている部屋ですよね。」

「確か、マルフォイは魔法史が得意だったか。」

「先生。僕は『魔法史』が得意なんではありません。『どれも』できるんですよ。」

 

 

 

にっこにと笑顔を返す。どれだってできる。グレンジャーと首席あらそいをしているレベルだ。ただDADAとかすこしハリーに負けるから得意不得意があるように見えるだけである。まぁ魔法史に関しては息子が得意だったことと、ハリーができないから教えられるように自習がはかどってはいるが。まぁ秘密の部屋を知っていることとは話が別だろう。

 

 

被害が大きくならないうちに、どうにかしなけばいけないのでは、と声を掛けようとして、背後に誰かがいることに気づいた。後ろを振り返るとそこには4人。ロンとハーマイオニーとネビル、そしてサジッタが一緒にいた。

 

 

 

三人は、顔を青くして僕たちを見つめていたが、サジッタだけは静かにこちらを見ていた。

 

 

 

「わ、私たち絶命日パーティに行っていて。それで、えっと、サジッタとはそこであって。先日のことを謝りたいと言ってくれたの。ええと、私何言ってるんだろう…パニックになってよくわからないわごめんなさい。」

 

 

 

パーティは終わったのだろうか、ガヤガヤと人の話し声がする。

 

 

 

「継承者の敵って…どういうことだよ、なんでミセスノリスがそんなことになっているんだ。

 

 

 

生徒がこちらにきづいた。人が増えるのも時間の問題か。

今なら身内で話がつけれられる。すると、ハリーが僕の手を引き抱き寄せる。

 

 

 

「秘密の部屋、継承者、継承者の敵とは、マグルですか、兄様。いや、半純血のことか、純潔の裏切りの結果生まれた半純血。いや、しかしそれだとハリーとスネイプ先生は」

 

 

 

「ドラコ逃げよう」

ぼそぼそと僕の耳元でハリーが言う。

 

 

 

「えっなんで」

「なんでもだ!」

 

 

 

キャアアアアアアアアア。女生徒の悲鳴があがる。なんだなんだと、人がどんどん増えていうく。「秘密の部屋」「継承者の敵」「継承者」という言葉に混じって「ドラコマルフォイ」「ハリーポッター」「純血」「半純血」という言葉が混じって聞こえてきた。

あぁ、そういうことか。と、ハリーが逃げようといった意味に納得していると、ハリーが僕を全面から抱き寄せる。いやいや、どうした。こんなこときにしたりしないぞと、顔をあげると悔しそうな表情のハリーがいた。

 

 

嬉しいとか思っちゃダメだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

その場はスネイプ先生が沈静化させた。ほかの先生たちも集まり状況を整理していく、フィルチも荒れたが、最初に見つけたのがスネイプ教授であったことを知り、怒るのをやめ、ひたすらに涙を流していた。

スネイプ先生は、落ち着くまで研究室を利用してもいいといってくれたが、ハリーがそれを断っていた。「できるだけ、早く戻ってベッドで横になりたいです。」

 

 

 

寮では、みんな心配してくれた、ほんの少しの人々はひそひそと話していたが、ほとんどの人は「大丈夫か」「心配すんなよ」「いくらスリザリンといえど、あんな真似するやる今時いない」と慰めてくれた。バンジーとダフネはあったかい紅茶を入れて待ってくれていた。「早く部屋に戻りたいかなって思って、ティーカップじゃなくて深いマグに入れたの。」そういう気遣いがとても嬉しくて「ありがとう」と微笑んだ。上手に笑えすぎてたかもしれない、もっとツライ風に笑うべきだっただろうか。

 

 

 

 

部屋に戻ってすぐに寝る支度をする。一緒にねようと言ってくると思っていたがハリーは何も言わずに自分のベッドに入っていった。

 

 

 

 

「なぁ、ハリー。そっちにいっていいか。一緒に、寝て欲しいんだが」

「…珍しいねドラコ。意外とショックを受けてる?」

 

 

 

ショックを受けているのはお前だろう。

それは言わないでおいた。

 

 

 

「お得意の開心術で僕の気持ちわかるだろう」

「お生憎様。君のは読めない。スネイプのも読めなかった」

 

 

 

 

断られてはいないと、枕だけもって彼のシーツをめくり入る。

 

 

 

「けど、サジッタのは読めた」

 

 

 

あぁ、そこからなのか。だから彼等が、サジッタが現れたとき、僕を引き寄せたのか。

 

 

 

 

 

「スネイプ先生を読もうとしたんだ。もしかしたら、先生がリドルの日記を持っているかもしれないと思って。よく考えたら生徒に限定する必要はないんだ。前の時は君のお父さんヴォルデモートからもらったものだったろう。だったらエイブリーではなくスネイプ先生が貰っててもおかしくないんだよ。」

「あぁ、僕もあの場面に遭遇してその可能性にきづいた。」

「うん。時間稼ぎしてくれてありがとう。結局分からずじまいだったけど。それで、そのレジリメンスで集中してて、強く意識持ってたからあのとき現れた四人の気持ちが流れてきちゃったんだよね。」

 

 

 

なるほど。そういうことか。「別に、君の弟を疑ってみようとおおったわけではないんだ」ハリーはこちらを向いて、僕を抱き抱える。

 

 

 

 

「それで、僕の弟はなんて?」

「『まさか、兄様が。そんなはずはない』って言ってた。ほかの三人のも流れてきたから、細かくは不鮮明なんだけど、そこの部分、その瞬間思っていただろう言葉だけは強く残ってる。」

 

 

 

 

ハリーの力が強くなる。

 

 

 

 

「まさか。こんな展開になるとは思っていなかった。前回は決闘クラブでパーセルマウスの流れがあってからだったし、僕がパーセルマウスだってことが分かってから一気に「ハリーポッターが継承者では」が広がったんだ。だから、今回も、継承者扱いされるのはどうせ僕だと思い込んでいた。まさか、君がその扱いを受けるだなんて露ほども考えてなかった」

 

 

 

 

 

優しい。やさしいなこの男は、前の時、継承者扱いをされたときのことを考えているのだろうか。それと同じことを僕がうけると想像しているのだろうか。あの時から、僕たちスリザリン生はお前が継承者だなんて少しも思っていなかったさ。半純血が継承者のわけがない。マグル以上に罪深い半純血。そして、純血が多い僕らがサラザールの作った秘密の部屋に怯えることもなかった。

今回も同じだ。見ただろう。僕たちの寮生を。

むしろ継承者であったなら、それは本望だよ。

けれどもあんな雑な、下劣な方法は望まない。

ただ、それだけだ。まぁあんな方法をとったからこそ、この寮内に、僕たちがやったと考えている人はいるまいさ。

 

 

 

 

「大丈夫さ。僕が継承者だなんてこの寮内だれも思っちゃいない。お前が思っているほど、僕は傷ついていないし、傷つかないさ」

「でも」

「僕はスリザリンだ。別の寮の人間の評価なんてどうでもいい。」

 

 

 

 

それに、それでいいんだ。

お前が継承者扱いされるくらいなら。僕が噂されるのなんて。

だから、そんな顔をしないでおくれハリー。

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

僕たちにとっても問題は、誰が日記をもっているか。だったが、校内は誰が継承者か。秘密の部屋とは何かで話がもちきりだった。あの日以降、一番の候補に上がっていたのは常に僕だった。けれど、僕に向かってひそひそ話をする人間も馬鹿にする猛者もいなかった。どうせ友達は少ないしスリザリンのみんなは何も変わらないし、で僕の日常は日常のままだった。

 

 

 

けれども、それに納得していないメンバーがグリフィンドールにいた。呼び出されたのはマートルが居を構えている(怒られそう)女子トイレだった。なんでもコミュニティルームだと人の目もあるし、色々と不都合だから。だそうだ。

秘密の部屋の入口ここだぞ。とは突っ込まず、携帯でロンに呼び出された僕は、ハリーと二人して向かった。

 

 

 

 

 

「あのときは気が動転してしまってごめんなさい。あのあと、色々冷静になってあなたが継承者なわけがないって思って考えたり調べたりしてみたの。」

「僕じゃないって?」

「ドラコじゃない!あんな卑劣なことするもんか!ドラコはハーマイオニーとも仲良くしてる。そういう差別をするスリザリンとは違う!」

 

 

必死にありがとうロン。

あの日の翌日。ロンから長文のメールが届いていたことを思い出した。内容はとっちらかっていたが、彼が僕のことを心配してくれているのは十分に伝わるものだった。

 

 

 

「けれど、調べれば調べるほど、あなただったら条件が合いそうで、ええわかってるわロンちょっと静かにしてちょうだい。それで、無理矢理別の人、当てはまる人いないかなって…そしたら…」

 

 

ハーマイオニーは、申し訳なさそうに目を伏せる。静かにしてちょうだいといわれたロンはそれに素直に従っていた。まぁ、誰が当てはまったかなんて、想像がつくけど。

 

 

 

 

「サジッタだよね。ドラコの弟の」

 

 

 

 

「え、えぇ」ちらり、とハーマイオニーが僕の様子を伺う。僕は困ったように笑みを返した。

 

 

 

「けれどもあいつは、この間の失言を君に謝ったんでしょ?別に、そんなマグルのことを何とかしてやりたいって思ってるわけでもないんじゃないの?しかも、絶命日パーティに参加していたというアリバイもあるわけだし」

「え?彼も参加してたの?」

「…君が言ったんじゃないか。パーティーでであったって。」

 

 

 

 

そうじゃないわ、であったっていうのは階段のとこで出会ったっていったの。ハーマイオニーはそう弁明した。彼は謝ってくれたけど、本音はどうとでも隠せる。純血の子供だし、周りにどう言われて成長してきているかわからない。それに、今年入学してきたから、今年この事件「継承者が現れた」のではないか。そういうことを考えたそうだ。

 

 

 

 

「でも、違うの。私とロンは『ドラコじゃないわ』って言いたいだけなの。そして、サジッタ・エイブリーでもないって思いたいだけなの」

 

 

 

 

なんだか、くすぐったい。

こんなシリアスな場面のはずなのに、心がくすぐったくて暖かくなる。どんだけ学生時代の友人関係に飢えてるのだ僕は。

 

 

 

「それで、どうするつもりなの?」

 

 

 

というハリーの質問への答えは驚くものだった。

ポリジュース薬っておい!難易度高いぞ。は?え?これを、前の時も作ったのか?思わずハリーの顔をみる。ハリーはゆっくりと頷いた。正直素直に感心する。この年齢であの複雑なポリジュース薬を作ったというのか。そして、それを使用したと…。

 

 

 

 

「それは、その、薬を作ることは魅力的だし、取り組んでみたいが」(ハリーに肘でつつかれる)「だったら僕がサジッタに直接聞けばいいんじゃないか」

 

 

 

 

どう考えてもそのほうが早いだろう。まぁ、あいつも僕のことを継承者では、と疑っているふしがあるので、ハリーに頼むか一緒に行って、尋ねてもらうかなど作戦をたてる必要はあるが。そういうと彼らからは「あの子ドラコの前ではいい子しいだから」とハモリで返ってきた。いや、ロンはわかるけど、ハーマイオニーまでなぜそんな。

 

 

ちなみにネビルも協力者なの。

 

 

グリフィンドールですでにパーティが組まれていた。

何とかして、無理はするな。調合も難しければそもそも材料が集まらない。ミスをしたときのリスクも大きいぞ。などなどと自分の知っている知識をつかって彼女たちを説得する。この、説得するというのも今後何度かありそうだな、と同時に一年生のときの説得を思い出していた。

 

 

なんとか、なんとかほかの方法を探そうと話の決着がついたところで、僕はまだ言えていなかった感謝をふたりに告げだ。

 

 

「僕じゃないって信じてくれてありがとう。僕の勇気になる」

「どういたしまして?なのかしら」

「お前じゃない。僕が断言してやる。

 

ハリーは良かったねぇという風に僕のことを見つめていた。

 

「でも、ハーマイオニー。君の考えでいくと、僕だって本心を隠しているかもしれない。心の中では、君も含めマグルなんて汚らわしいって思っているかも」

「あら、まさか。それはこの一年間の自分自信を振り返ってから言ってちょうだい。えぇ、まぁそれで納得ができないのであれば、納得できる理由をいって差し上げます。」

「聞こうか」

「だってあなただったらもっと秘密裏にしそうだもの。あんな自己顕示欲の塊みたいな馬鹿な真似。しないでしょ?」

 

 

 

 

 

スリザリンの皆々様と同じ見解の彼女に僕は失笑した。

さすがだ。

 

 

 

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