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「きたね。『決闘クラブ』」
ドキドキだなー。ワクワクだなー。ハリーは、嬉しそうにつぶやく「僕は誰と組むかなー。寮隔てるならロンかなー。」ほんと、楽しそうでなによりだ。僕といえば気が気ではない。決闘クラブでは、以前ヘビをだしてしまって大騒動になった。そこでハリーがパーセルマウスだということが知れていっきに後継者=ハリーの図式ができあがったのだ。僕も鮮明に覚えているし、あの夜ハリーも「この日」のことをよく覚えているように言っていた。あれだけは、回避しなければならない。
「とまぁ、冗談はここまでにしておいて。今回も僕と組んでね。ドラコ」
「決めるのは先生方だろう」
「なんとかする。そんでもって前回と同じようにヘビを出して欲しいんだ。」
正気か?とついハリーを見つめてしまう。すると「正気だよ」と笑顔で返ってきた。
「ヘビを出して。ドラコ。そして僕はその蛇にパーセルマウスで話しかける」
「そんなことをしたら…!」
「そう、そんなことをしたら、僕が継承者だって噂で学校中もちきりになる。そして君が継承者だっていう噂が薄れる。」
ハリーは静かに、僕に言う。
「僕は、僕が継承者だという噂のままで構わない。別にそれで心を痛めるようなことはない」
「知ってる。」
「だったら」
「でも、ドラコが継承者扱いされて僕が傷ついてる!確かに、サラザールの継承者だっていわれてスリザリン生としてはある意味誇らしいかも知れない。でも、今回は前回と同じでわけが違う。同級生をおそったという悪評がついてまわる継承者だ。僕はそれが君についてまわっている現状が耐えられない。君にそういう噂がついて回っているなんて考えるだけでも泣き出したくなる。」
「ハリー…」
本当に今でも泣き出しそうな表情に、僕は困ってしまう。気持ちがわかるからだ。自分に置き換えれば、すぐにわかる。そこまで僕のことを思ってくれているのにも驚きを隠せないし、正直そっちにたいして「なぜ」と痛い気分だった。何も言わない僕に「ふふ」とだけ微笑んで立ち上がった。僕は、僕はどうすればいいんだろうか。
前回同様に、助手はスネイプ先生だった。ロックハートに対してきれいな「エクスぺリアームス」をかけ、どよめきをわかせる。
後ろのほうにサジッタがいるのが見えた。
ジニーと一緒にいるのをみて「ちゃっかりさんめ」と思ったことはこのまま心に秘めておこうと思った。
二人ずつのペアを組ませ、練習をした後に順番に披露していく流れらしい。僕たちは案の定スネイプ先生によって、ハリーがロンと。僕がネビルと分けようとした。が、ハリーが騒いだ。
「やだ。ドラコとやります。」
「ポッター」
「ドラコじゃないと嫌です。」
そばにいたネビルとハーマイオニーから「えっ」と聞こえてくるかのように見つめられた。ロンは「ハリー…すでにドラコの毒牙にかかって…」とつぶやき、パンジー達が「不本意だけど、同意だわ」とロンの意見に賛同していた。
「スネイプ先生。僕は練習といえどもエクスペリアームスを他人とするのは嫌です。練習だからこそ、これは信頼のおける人とするべきじゃないですか。万が一が僕は怖い。だからドラコとやります。」
杖の忠誠。僕はそういうことか、と思い当たる。スネイプ先生もハリーが何をいわんとしているのかがわかったのだろう。「なるほど、ポッター。では、ペアを組み替えよう」といって、他のところも、親しいところで組み直していった。
「なるほどなハリー。僕のサンザシはそんなに気に入ったか」
「まあね。最後をともにした杖だからね」
「はん。」
何人かが、武装解除の呪文を成功させたあと、誰かモデルになってくれる人は?とロックハートの声掛けに、さすがの僕でも引くぐらい楽しそうに「はいはい!僕たちがやりまーす!」とビシッと手を上げるハリーがいた。ロックハートは機嫌をよくし、嬉しそうに僕たちを指名する。「よろしくね」とだけ呟いて颯爽と壇上であがるハリーに、頭を抱えた。
とはいえ、楽しみだったのも事実だ。
ロックハートがカウントをとる。
カウントが終わらないうちに僕は「ディフィンド」を唱えた。
「っはああああ?最初っからそれ繰り出す”?しかも数数えられてないんですけど!」
「はん。貴様がそれを言うか『コンフリンゴ』を『2』カウントで放った貴様が」
「戦場では誰も待ってくれませんー。『デプリモ』」
うわあっと、足場が崩れる。バランスを崩してとっさに『レヴィコーパス』を自分にかける。割れたがれきに『アヴィフォース』をかけ鳥にし『オパグノ』でハリーに攻撃をする。
目のはしに、おろおろと止めに入ろうとするロックハートが見えたが、スネイプ先生がをそれを制しているようだった。
「うっわー。いちいち鳥にかえるあたりがまじで『貴族』って感じ『ボンバータ』からの基本呪文『ステューピファイ』」
「いちいちうるさいな。『プロテゴ』
少々やりすぎたか、と二人は杖をお互いに指し呪文を繰り広げるのを一度ストップする。ハリーは僕に「やれよ」と目で訴えていた。「サーペンソーティア」にするか「エクスぺリアームス」にするか、僕が悩んでいると、目の前に蛇が現れた。そして、大広間をぐるりとみまわした。
生徒は悲鳴をあげて、蛇から逃げようとする。が、ロックハートが攻撃をしかける。「余計なことを!」とハリーに視線をやると、彼も盛大にため息と舌打ちをしていた。蛇はジャスティン・フィンチフレッチェリーに向かって威嚇をする。そしてハリーがやっと前に出てきたのだ。「対処が遅くないか!」と後にいったら「遅かろうが早かろうが結果はかわらないもん」という英雄にそぐわない答えが返ってきた。
ハリーは蛇語を使いこないし蛇を落ち着かせる。
堂々とした使いっぷりで、これは普段から使ってるな。あんなに秘密の部屋に向かっていたらそうもなるか。と変に感心していた。
すると急に広間の後ろのほうから、悲鳴が上がった。
そちらをむくと、ジニーとサジッタが蛇に襲われていた。さきほどのロックハートの呪文で蛇は二匹に分裂していたのだ。サジッタは、ジニーを自分の後ろに守り、蛇と見つめ合っていた。けれども小さな彼らにはなす術もない。スネイプ先生がいそいで向かおうとするが、距離も遠く人も、移動の邪魔になっていた。
とっさだった。鎌首が完全に攻撃の体勢に入ったのだ。必死に「やめろ。手をだすな」と僕は叫んでいた。一瞬蛇が動きをとめる。その隙に、おいついたスネイプ先生がその蛇を処理していた。
恐怖は去った。と思った。その静けさだと周りを見渡すと皆の顔は怖いものを見る目で壇上を見上げていた。あぁ、そういえばハリーがパーセルマウスを使ったから。と彼の方をみると、ハリーは怒った表情で僕に「来て」と僕の腕をつかみ、僕たちの部屋に向かっていった。
「さて、ドラコ言い訳があるならどうぞ」
「はい?」
わけもわからず、僕は頓狂な声をだす。言い訳となんだ。そんなことをする理由は僕にはない。あれか、結局蛇を出さなかったことへの怒りか。それは僕の気持ちも汲み取って欲しい。
「蛇を出さなかったことか」
「やっぱりあれは君が出したんじゃないんだね。ってそんなことはどうでもいい。リドルの日記。君、持ってるの。
「は?持っているわけがないだろう。持っていたら君にすぐに報告をしている。ハリーと違って報連相は身についている。」
「じゃぁ、じゃあなんで君、蛇語使ったの!使えてしまったの!?」
僕がわけもわからないという表情で彼を見つめ返すと、盛大にため息をついて彼はベッドに腰掛けた。「意味わからない。まじで。結局じゃん」
ハリー…。何が起こったのか理解できていない脳みそでハリーの隣に、ベッドに腰掛ける。「僕は、さっきサジッタを襲おうとした蛇にパーセルマウスをつかって話しかけてしまったのか。」さらり、とハリーの髪をすくと「そうだよ」と返ってきた。「そうか」とだけ返事をする。一体何が起きてしまったのか。僕はいままで蛇語を話せたこともなければ話したこともない。
ハリーはガバリと起き上がり。僕の両腕を掴んだ。
「ドラコ。確認だけどいままで蛇語を使えた試しはないんだよね。今から僕蛇語使うから聞いてみて。意味わかった。」僕はフルフルと首を振る。「そう…つまりあの時だけ、君は使えたってことか。蛇をだしたのは君じゃないんだよね…。」ハリーは何やら思案をしている。まあ、つまりはそういうことだろう。
「誰かが、僕を後継者に仕立て上げたがってるということだな」
隣でハリーが絶叫した。「うわあああああああもうううううううやめて!その答えだけにはたどり着くたくなかった!」隣で子供のようにごろんごろん唸っている。「なんで!?僕でいいじゃん!あいつ倒したの僕だよ!スリザリンだよ!こんちくしょう混血じゃダメなのか!?」とか、わけのわからんことを叫んぶ。「やだああああドラコおおおお」いい加減うるさいので、たたいて黙らせた。
「仕方ないことだな。」
「仕方ないっていっても、もうこれでドラコが継承者だってみんなの中で確定しちゃうじゃん」
「いいじゃないか」
「よくない。」
「けれどよく考えてみろ。サジッタもジニーも純血なんだ。なぜ僕が彼等を襲えと蛇に命令するんだ」
「わかんないよー。みんなはそんなとこまで頭回ってないってー。僕にとってはそこ問題じゃないもんん!?は!つまりフレッチェリーが石になれば、僕が後継者扱いになる!?」
「名案だとばかりに正気にもどるな。」