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学校が始まり、いつもどおりの日程がスタートしたとき、ハリーがおもむろに「嘆きのマートル」のところに行こう。と言い出した。どうしたんだと聞くと「多分今日だった気がする。マートルのところにリドルの日記が投げ捨てられる」と返ってきた。
急いで向かうとマートルは号泣していた。彼女を僕がなだめているあいだにハリーはその日記を見つけ出していた。どうにも僕たちが一生懸命頑張ったところで、決まっている道筋というのはあるらしい。一段と重くなった体を引きずって僕たちの部屋に戻った。
「さて、これをどうするかだが」
「秘密の部屋にいってくる」
「いやいやまてまて」
僕は性急にことを進めようとするハリーを必死になってとめる。
「行ったところでどうなるんだ」
「バジリスクと会話してくる。どうせあいつがやってるんだ。」
「あんなに秘密の部屋に言っておいて未だに現れないんだ。日記を持っているからといって会話してくれるとは限らないだろう。それよりもリドルと仲良くなってバジリスクに会ってみたいってお願いしたほうがはやくないか」
「無意味だ」
「確認だけど、バジリスクに人を襲わせていたのは、結局はリドルが日記の持ち主をそそのかしていたからだよね。だったら、僕たちがそれを持っていれば、問題はないのではないか」
「…なるほどそれもそうだ。」
二人は、とりあえず、この問題を棚上げにすることにする。とりあえず、放置だ。これでバジリスクの被害が収まれば、必要の部屋かどこかで悪霊の火のなかにぶち込めばいい。といえばハリーは目からウロコのように「そっか。悪霊の火使えるじゃん。この体で制御できるかわからないから、弱火から確認してみる。」弱火っていい方。まぁ弱火でも十分燃えてしまいそうな古さの日記だ。
「ついでにレイブンクローの髪飾りも回収してくる。」といって回収し、一緒に保管されている。
それからは、とくにバジリスクの被害は起きなかった。(あぁバレンタインで被害にあった人間は少なからずいたようだが)いったい誰が日記を所持していたのか。という問題は残るが。被害がでなければいい。ハリーも悪霊の火がコントロールできるようになったと言ってきたので、そろそろどこかで燃やしてしまおう。という話になっていた。
「前回はクィディッチの試合の時にハーマイオニーが石化したんだ。」だったらまだ先だな。と、さっさと燃やそうと日程を決めた。
そうしたときに、寮監たちに呼び出しを受けた。
連れて行かれた先は、医務室で、隣にはロンとネビルも呼び出されたようだった。そこには石になった、ハーマイオニーが横たわっていた。僕は前回の彼女が、石になっていたのは知っていたが、彼女を見舞った記憶もないので(当然)少なからず衝撃を受けた。ハリーが「なんで、どうして」と呟いてから、医務室を飛び出す。みんながハリーの背中を追うので「僕が、失礼します」といって退出をした。
おそらく、リドルの日記の確認に戻ったのだろう。いままでは全てがおなじタイミングで起きていた。だから、僕たちに変な安心感があった。焦らなくてもいいと。なのに、なぜここにきてタイミングがずれるんだ。しかも、被害は前回同様ハーマイオニーだ…。
僕たちの共有のチェストの前でハリーはその中を見つめていた。「どうだ」と声をかけると「ある」とだけ返ってくる。まあそうだろう。そのチェストは僕たちがしっかりと呪文をかけ、開けられても、正しい方法で開けないと、ホークラックス等危険なものが収められている棚は現れないことになっている。誰が開けたかもわかる追跡機能付きだ。
「むしろ、なんであるんだよ!」
ハリーはぐしゃぐしゃと髪を掻き毟る。それもそうだ。なければまた誰かの仕業だといえるが、そこに在ってしまえば、そのせいにならない。というより、僕たちの仮定がひとつ崩れたことになる「リドルが誰かを操ってバジリスクをけしかけている」と。つまりは、今回のハーマイオニーの石化はバジリスクの独断なのか。
そう話をしながら僕は僕のチェストに手をかける。その瞬間奇妙な感覚がはしる。かけていた呪文が解かれている。そうして、チェストを見下ろしそっと中を開ける。そこに書かれていた文字は、僕が覚えていた数字よりカウントがひとつへっていた。誰かが一度このチェストをあけたのか。
念の為にハリーに確認すると「まさか」と小さな声でかえってきた。明らかな侵入者。
「ちなみに聞くが、そちらは『痕跡』はあるのか」
「ない。痕跡すらもない。なのに、なぜドラコの方だけ?」
はた、と思いつくことがあった。僕は急いできていたローブを脱ぎ、ポケットのものを出すべく逆さにふる。このポケットは検知拡大呪文をかけていて色々なものを無尽蔵に入れていた。言い訳をしておくと、僕のチェストの二段目にもかけていてそちらは、綺麗に整理整頓している。
ゴトゴトと落ちていくもののなかに、昨日入れたはずの薬がないことにきづく。
「まさかと思うけど」
「そのまさかだ」
「なんで!」
「僕が聞きたい。マンドレイク薬の在り処は毎日変えてた。僕の持ち物には全て魔法をかけてあるんだ。ローブに薬を入れ替えたのは昨晩だ。」
「つまり、昨日の夜誰かが僕たちの部屋にやってきて、そのブラックホールみたいなポケットからマンドレイク薬を盗み出したってこと?僕たちこの部屋にいつも侵入者避けかけてるのに!?さすがに不可能でしょ!」
二人で、盛大に声にならない唸りをあげる。
あれは、ハーマイオニーが石になったときのためにつくっておいたようなものだったのに、肝心なときに使えない。いや、使えないのは僕か。と情けなさに涙が出そうになる。無能がすぎるぞドラコマルフォイ。ショックでうなだれていたが、先に復活したのはハリーだった。
「やっぱりバジリスクの独断ではないよ。君の持ち物からマンドレイク薬を盗んだところからも歴然だ。明らかな誰かによる行為だ。誰か、とはトムリドルだけれども、あいつのてとなり足となりうごいている奴が居る。僕たちの部屋に入るのは不可能だけど、そうとも言えない。怪しいのは申し訳ないが」
「同寮のスリザリン。あぁ。可及的速やかに見つけ出そう。」
「おやお怒りモード」
「くっそ腹立てている。僕に恥をかかせたこと後悔させてやる」
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今回のことで、ホグワーツには再び不穏な空気が流れ始めた。授業に行く時は必す教員が引率し、放課後の活動もできなくなった。ロンたちとは携帯でのやりとりのみだ。
そして僕たちは、リドルの日記を保管するのをやめた。無造作に机の上に置いたり、持ち出したりして、餌として動かしていた。けれども、その日記が盗まれることはなかった。ハリーのイライラは募るばかりだった。
その日見たのは、ハグリッドがファッジたちに連れらている場面だった。隣で「そういうこともあったねぇ」と、そんなことにかまけている余裕はないとでもいうかのようにぶっきらぼうにハリーはつぶやいていた。が、その後ろにいる人物をみて急に目を輝かす。いや、まてあれは僕の父上だぞ。
「ルシウスさん。ご無沙汰してますお元気でしたか」
くるり、と父上が振り向く。
「やぁハリー元気そうでなによりだ。ドラコも。ハリーのように可愛らしく私のところにかよってきなさい」
「ルシウスさんは今日のお仕事終わりですか?終わったならすこしお話しませんか?」
二人をみて、「自由だな」と心の底から思った。そして、このハリーを前のハリーに見せてやりたいとも。彼の提案に「用件は終わった。私も君たちに会えればと思ってチョコレートを持ってきたのだ」といって僕たちに手渡してきた。ひとつだけ「ネビルロングボトム」というタグがついていて僕たちのよりワンサイズ大きかったことに、さすが父上抜かりがない。と感心した。
「ダンブルドアには一時退陣をお願いさせてもらった。あの森番については詳しくは知らないが、危険生物に関して前科があるらしく、魔法省はこれを彼に結びつけて考えているらしい。校長の退陣は一時的なものだ。総動が終われば戻ってくる。理事がとかではなく保護者からは今回のことで相当に不満と不安が溜まっていてな。とりあえず象徴を変えることで、溜飲をさげてもらおうという魂胆だ。まあ、危険生物であれば、誰が校長をしようと、何も変わらないとおもうがな」
「それは最もですね。ちなみに、危険生物の種類は特定しているのですか?」
「そこまでは聞いていないが、あの調子では特定していないだろうな」
「そうですか」
父上はハリーと僕に近くによれと招く。すると頭を撫でられた。何事かと思って見上げると「ナルシッサからだ。グレンジャーが被害にあったと聞いてな。あいつが一番ショックを受けている。『友人が被害に遭うだなんてショックが大きすぎる』といって私に『これ』を託けた」
なるほど母上らしい。と僕は笑う。ほんとう心優しい人だ。「ちなみにあの赤毛の分も預かっているのだが、チョコレートと合わせてお前に託ける。」といって父上は帰っていった。残念ながら、僕たちもロンに会えていないんです。最近。
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ハリーが秘密の部屋にいってまたバジリスクに相対してくる。といったので「本当に気をつけろよ」と念をおして見送った。こんなにもバジリスクのとこに足繁く通っているのに、なんでハリーに答えないんだ。と少し不満に思う。すると後ろから「彼の殺気が原因じゃないかな」と聞こえてきて、なるほどそうか。と納得した。