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自分で言うのもなんだけど、僕は本当に姫属性なのかもしれない。肝心なときは囚われの身ってどういうことだ。しかも前回同様最後は意識飛ばして、目覚めるのは医務室って。穴があったら入りたい。邪魔だけはしないておこうと思ったクリスマス前、いや僕邪魔にしかなってないな?足でまといだな?帰ってくる場所であろうって、いや自分がとらわれていたら意味ないな。本当、本気で自信をなくしてしまう。
「ドラコ…?目覚めた?からだ大丈夫?」
僕の枕元の椅子に座り、仮眠をとっていたらしいハリーが僕に声をかける。「ぼちぼちだが、体が自由に動かない」「結構複雑な呪文かけられていたから」そういって僕の体をささえ、クッションを背にもたれかかる形に、起き上がらせてくれた。
「終わったのか。」
「まぁ、一応ね」と、
何かを聞こうと口を開くが、ハリーのほうが早かった。
「君と秘密の部屋から戻ってきたとき、すぐにルシウスさんが来たよ。しばらくはいたんだけど、君は一向に目を覚まさなくて。意識はあるし、無駄に屋敷に動かさないほうがいいだろうってことで、僕がここに残った。『目が覚めたら、すぐに連絡してくれ』って」
「そうか…僕はどれくらい?」
「うーん…2・3週間ぐらい?」
「むしろ僕、よく目が覚めたな!?」
衝撃の長さにびっくりする。僕が目覚めない間。色々なことが済んでいた。例えばギロルデイのこと、石化されてしまった人々が、スネイプ先生が作ったマンドレイク薬で無事日常生活に復帰したこと。
「ハリー。」
「なに。」
「解決編。僕に解説を頼む」
ハリーは盛大にため息をつく。心底「嫌だなぁ」という気持ちがこちらに伝わって来る。が、僕もここはひけない、じっと彼の目をみて訴えかけた。「仕方ないよね。」と彼は僕に話す気になったようだった。
さて、解決編スタートということで、しばらく彼の言葉に身を委ねよう。
「といっても、特別なことはないんだ。あの日、君に起こされずに自分で目が覚めたから、君がいないことにはすぐにきづいた。『談話室でまっているのかな』と思いながらもチェストの中を確認したら日記がないから。僕はひどく焦ってすぐに、談話室にいったんだ。
「そしたら、みんながとてもざわめいていて。パンジーなんか泣きそうだった。『何があったのか』と聞いたら、君が、『秘密の部屋に連れ去られた』と
「僕は僕の耳を疑ったね。やられたと思った。君ならあのチェストの開け方を知っている。そこにつけこまれた。と
「そうして、急いで秘密の部屋に降りたら、君たちがいた。君と、トム・リドルがね。そうして、彼等とまぁなんやかんやあって、決着をつけたんだ。バジリスクはこの瓶の中にいる。なんやかんやと誤魔化すな?いちいち説明するの面倒じゃないか。結構平和に会話したんだよ。君は知ってたとおもうけれど、僕はどうしてもバジリスクを生け捕りにしたかったし、まぁ上手くいばリドルもこっち側に引き込みたかったからね。リドルの呼びかけでバジリスクが出てきたところで回収し、そのあとは、リドルと話し合いの結果、ほら
「リドルの日記。彼はまだこの中にいるよ。分霊箱だからいづれ壊さないといけないんだけど、壊したらせっかくのリドルが消えちゃうからね。リドルの存在の拠り所を今、僕の魔力に移しているところさ
「大丈夫だいじょうぶ危なくないから、そんな目しないで
曖昧に、本当に曖昧にあの部屋での出来事を伝えてくる。平和的とは、僕の耳に残っているあれは、気のせいなのだろうか。あれは僕の悪い夢か?「それでハウスエルフのことだけど」
「ちょっとまて、秘密の部屋でのことはそれで終わりか?」
「え?うん」
「日記の所持については聞いたか。」
「あぁ。一応」
「あれは、結局、ジニーがもっていてその後ロンがもっていたらしい。が、そこにどうしても僕は引っ掛かりを覚えるんだ。あいつはロンの手元に渡ったのはクリスマスあたりといったが、そうなると、『決闘クラブ』の時の所持者はジニーということになる。蛇を出し、僕に蛇語を使わせたのはジニーか?それが、あの子はできるのか?」
ハリーは一度空中に目を泳がし思案する。「うーん」と唸ってから僕に向きなおした。
「リドルが僕と君に言っていることには多少のズレがあるみたいだね。そう、ズレ。君は『協力者』という言葉を彼から聞いたかい」
「あぁ」
「ロンの手にはおそらく渡ってないよ。ジニーのあとはその『協力者』の手に渡っている。だから決闘クラブのときは、その協力者によってアレらが引き起こされてるんだ。けれども、その『協力者』について、リドルは口を割らなかった。だからそれが誰なのかは、わからない。時間が経てば彼は教えてくれるかもしれないけどね」
そうか。と、僕は頷く。
彼は、僕に全てを話す気はないんだな。まぁ、いい。先に「話を止めたビビとドビーについての話を聞こう。」そういって彼に、続きを促す。
「あれがねー。本当にふざけた話なんだよ。本当に。本当になんというか、どうでもいいというか、関係ないことはないんだけど。えっと。ルシウスさんが来た時に、一応今後の為にもドビーイベントはこなしておこうと思ってね。ほら、彼らは僕らとかかってる制限違うしさ。そしたらさー、もー。なんて言うんだろう。ドビーはマルフォイ家のハウスエルフじゃなかったんだよね。
「いや、わかるよその気持ち。ちょっとそんなおもしろい顔しないで
「なんていうのかな。マルフォイ家に雇われてるハウスエルフ?みたいな?いやぁ。靴を履いているドビーが当たり前すぎて、今回のドビーも靴履いてることに違和感なかったんだよね!仕事中はほかのエルフと同じようにしてるらしいから君が知らないのも無理ないんだけどね!
「ルシウスさんが当主になった時に、ハウスエルフのくせに人間のような要求をするから面白がって衣服をあたえたらしいよ。賃金もはらって雇ってるんだってさ。
君の父親まじでイレギュラーなんだけど。って、良いことではないか!うん、まぁ確かにイレギュラーではあるのか。そうか、気付かなかった。まったく。「ちなみにビビも同様だってさ。だからあれもドラコが言ったとおりで正解。エイブリー家が雇い主ではなく、ルシウスさん雇い主の主人はサジッタだそうだよ」とまぁ次々と知らなかった真実が明るみになっていく。
「とまぁそんな感じで自由の身のドビーは自由に色々やらかしちゃってくれたわけです」
そこでひとつの嫌な仮定が脳裏に浮かぶ。
「つまり、ドビーだったということは、だ。前回のことを踏まえて考えるならば、彼はその秘密の部屋の話や君が罠にかけられるというのを聞いて、あれやこれや頑張ろうとしていたんだよな。今回も彼は、「僕の屋敷」でそれを「聞いた」のか?」
「ううん。」とハリーはくびをふる。
「ドビーが言うにはね、その話はビビから聞いたんだそうだ。ビビがぽろっと漏らしてしまった。というほうが正しいかも知れない。ビビはどこでどうそれを聞いたか教えてくれなかったそうだから。けど、まぁその場にルシウスさんもいたし、雇い主がルシウスさんだというのならば、家に帰ってからなんらかの方法でビビに聞いているかもしれないね」
それを聞いて少し安心する。父上が、やはり絡んでいるのか。と思うとどうしても気持ちがが辛くなる。父上が今どのようなお立場にいるのか定かではないが、「そうでなければいい」と望んでいる。当然だ。今回のことについては、そこが発端ではないことに安堵した。
「まぁこんな感じかな!元気になったらまた、リドルに会わせるよ!君には「額を床に3センチ以上沈めた上で、謝罪しろ」って言ってあるから!とほがらかにいう。ハリーのなかでは全て解決して、その表情のとおり、本当に誇らしいんだろうなぁと思う。
そしてその反面。やるせない気持ちが押し寄せてくる。あんなに「報連相」をしろと行ってきたが、こいつは僕に「報連相」をするつもりが全くないということに、気づいたからだ。僕に全てを話していない。うすうす気づいていたが、今回のことでそれが決定的になった。
「ハリー。できれば正直に答えて欲しいことがある」
「えっなになに?君のことが好きかって?勿論!」
「この2年生になってからでいい。僕に対する嘘・もしくは秘密はいくつある。」
彼が無駄に作ろうと・変えようとしていた空気を、彼が望まない形に変える。彼は、上げていたテンションをおろし静かに「いいたくないんだけどなぁ」という前置きを置いた上ではっきりと
「二つ」
と答えた。
僕に嘘をついていると。なぜ認められる。まだ「そんなものないよ」とあの嘘くさい笑顔で言われた方がましだったと思うのは、僕のわがままなのだろうか。
「それは、僕に言いたくないことなのか。言えないことなのか」
返ってくるのは沈黙だ。
「僕は、嘘をつかれたくない。嘘をつかれるのはツライ。何を、信用していいかわからなくなる。僕は何のためにここにいるんだ?」
泣きそうな声で、僕はいう。
長い沈黙があった。
僕は言葉を重ねることはしなかった。ハリーの、この男の考えを、思いをなんとしても聞きたかった。
「僕を信用して」
「どの口が」
「ドラコは、僕だけを信用して。」
「だったら」
「他の誰でも、まず疑って。ロンもハーマイオニーもサジッタもルシウスさんもナルシッサさんも。何がどうなるかわからない。だけど、その中でどんな時でも僕だけを信用して」
「それは、わがまますぎないか?君は僕に嘘や隠し事があるのに、信用してだと?」
「そうだよ。」
「貴様…!」
「ドラコも僕に嘘や隠し事をしてもいい。僕は君が僕に『発言』したことを信用する。君が嘘をつくのも隠し事をするのも『必要』だからやっていることで、それを僕は疑わない。それも含めて僕は君のことを一番に信用するし、君のことだけを信用する。だから」
「だから、ドラコ。君も僕だけを、僕の『発言』だけを信用してくれ」
すごい。殺し文句だ。
僕の発言だけを信用すると。僕が言えないことや隠したこと、そして嘘も含めて「信用」すると言っているのか。そして、だから、自分のことも『信用』してほしいと。それは、何を保証に信用にたると証明するのか。
「それは、ドラコ。愛だよ。」
「愛?」
「あのダンブルドアが無駄に振りかざした。この世で一番信じられないもの。それに振り回されたスネイプ先生だったけど、けれどもスネイプ先生の「愛」は本物だった。この世で一番信じられるものも愛だ。」
「それは、」
「僕は君への愛を保証に、僕は君を信用していると、証明する。」
僕の愛を保証に僕を信用してくれなんて傲慢なことは言わない。君は、君の僕に対する愛で、僕のことを信用してくれ。
と。
この男は、それも十分に傲慢で、贅沢な要求であると、気づいているのだろうか。
「その二つは、生涯僕に言えないのか」
「一つは、きっと時期に君に分かる。もう一つは、言いたくないな」
「はん。言いたくないのか、それはなんとも子供っぽいなぁ」
「だって君に嫌われたくないもん」
「嘘をつく男は、嫌われるぞ」
「だって」
「まぁそれは一般的な女性たちの意見だな。僕は一般的な女性ではないから」
「ないから」
「君のことを、信用してやる。勿論、貴様にあるなけなし程度の愛で、だが」
そういえば、と帰りの汽車の中で思う。
愛について語るには、僕たちは思春期を通り越してしまっている。けれども若者にかたるほど年を重ねてもいない。恥ずかしいようなむず痒いようなことを、目の前の男は語るから、完全に流されてしまった。まぁ、このたびの「流された選択」については、僕自身を許してやろうと思う。
何が正しいかなんてわからないけど、けれども、「ハリーポッター愛」の強い僕にはふさわしいだろう。軽く微笑むと、アステリアとスコーピウスの声が聞こえた気がする。「あの人はハリーポッター愛をこじらせてるから」「本当だねお母さん」あの頃と変わらない瑞々しい、優しい声だった。
そういえば、次は3年生。
ハリーの名付け親とルーピン先生か。
そう思ったところで、穏やかな気持ちが冷めていくのを感じた。僕は彼らのことを書籍の中でしか知らない。しらないけど、彼らもポッター愛をこじらせていた気がする。
気のせいということにしておこう。そして、今回の休みはみんなを僕の家に招待して楽しくすごそう。次の学年への不安を振り払って、僕は楽しい計画に現実逃避をしたのだった。