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さて、9と4分の3番線。果たして彼はたどり着けるのだろうか。
荷物は収め、コンパートメントも確保した。あとは友人達を待つだけなのだが、一向に現れない。まぁ。ロンは…ロンだしな。あの大家族が遅刻したら何人が遅刻することになるんだ。そう思い心配することはやめる。問題はハリーだ。あいつ、方法知ってるのか…?人間界と魔法界を物理的に結んでいるエリア。自分は利用したこともないが、彼はマグルの世界からくるのだ……。唸りつつも自分ではどうすることもできないことも同時に悟る。まあ、学校にはどうにかしてくるだろうし、ロンは汽車にのったら連絡をするように言っていた。
それよりも懐かしの駅と汽車を堪能しよう。大人になってからは校内の近くに姿現しばかりを使っていたし、息子も卒業してしまってからはほんとうに来なくなった。しかもそれでも年に二回だ。ましてや汽車の内部なんて卒業(黒歴史)ぶりではないだろうか。こんなところだったか、とマグルの世界と大して変わらない汽車に、どこまでそれぞれの文化を取り入れているのだろうか。
汽車が滑り出す。緩やかに。
ロンを探すか、と座席からたち共の二人に声をかける。最後尾。最後尾。って遠い!やはりギリギリの時間にきたのか。とため息を落とす。家族と行動だから仕方がないのだろうが、やはり時間には厳しくなっておいてもらわないと……。
「僕はスリザリンは嫌だね。もしスリザリンなんかにはいったらそれこそ最悪だ。」
「ほう。それは僕への悪口かい?」
やっとロンのいるコンパートメントについたドラコの第一声はこれだった。ふとその正面をみるとハリーが座っている。どうりでいないと思った。端から端までの移動になり、ついでにとハリーを探しながらここまでやってきたのか。
いうよりさすがロンウィーズリー既に出会って友達になっているのか。ハリーの真の友人。自分が一番目の友達と言ってもらえた嬉しさをほんのり思い出しながら、抗えない運命の存在に辟易する。素直に羨ましいぞロナウドウィーズリー
「そう聞こえたのならそうかもしれない。」
「ほう…」
「こいつはドラコマルフォイ。二人はダイアゴン横丁で出会ってるんだよね。さっき言ってた僕の一番の友達だよ。そろそろ格下げになるかもしれないけどね」
「よくわかってるじゃないか、ロニー坊や」
「僕のほうが格下げしちゃうかもよ?ドラコ坊ちゃん」
ふふふと笑いながら「失礼しても?」とコンパートメントに入る。ロンの隣に座ろうと思ったのだが、彼にそれとなく防御されてしまう。くっ以前の彼と比べて出来る子になっているぞロン。さすが僕…!しかし、ハリーの隣なんて口から心臓が出てしまう。「手をどかせ」と口パクで伝えてみても、聞こえないふりをロンは貫き通した。
そういえば、ハーマイオニーのヒキガエル探しのターンはもう終わったのだろうか。と思いながら(現実逃避しながら)座ると、さきほどの寮の話に話題が戻る。
「君たち友達なの?」
そう問うのはハリーだ。
「そうなんだよ。ドラコが僕の家にやってきてね!その時からだから…えっと」
「六年だ」
すかさずドラコがフォローにはいる。
「こいつきっとスリザリンだぜ。僕はスリザリンは好かないけど、まぁドラコはいいやつだよ」
「はは、全くだ。君にも同じことを言うよ。ロンはきっとグリフィンドールだ。まぁなかなか幼くてかわいいやつだ。」
「なんだと…!」
「ほら、こういうところとかな。」
あははとドラコは声に出して笑う。隣のハリーは唖然としてこちらを見ていた。なにがなんだかわからないといった表情だ。自分が友人になった人たちがつながってたことに驚いているのだろうか。確かになかなかない確率のような気がする。
「ドラコ、グリフィンドールになればいいのに。僕は狡猾さはないし、スリザリンってことはまずないと思うけど、ドラコはありうるとおもうよ。狡猾度たかいけどそれと同じぐらい勇猛果敢で勇気あると思うな。」
幼馴染の、ふとして言葉にドラコは驚く。そのように自分のことを評価していたとは、あまり改まって話をすることもないため、なんだかむず痒さをかんじる。それになおさら、なのだ、あのロンウィーズリーの幼少期に言われている事実。おかしくなってついニヤリともとの笑い方をしてしまう。
「ありがとうロン。しかし、やはり僕はスリザリンだろう。そうでないと父上に申し訳が立たない。それでなくても自由にやらせていただいているんだ。さすがに、ここぐらいは父上の信頼に報いなければならないだろう。」
それもたしかに、とロンは首をすくめる。
「それにハリーは、僕たちが寮が違っても友達でいてくれるんだろう?僕にはそれで十分だ。」
目の前でロンの顔が引きつっているのがわかる。どうとでも思え。僕は素直になる。イヤミや皮肉をこめずに、素直な言葉自分の思いを相手に伝えるんだ。それができなかったからこそのあの人生だ。スコーピウスのように、素直に、あの子のように。
そのときハーマイオニーが顔をだした。そして、ここに座っても?とロンのとなりに指をさす。しかし、誰も服を着ていないことにきづきみんなに「早く服を着替えなきゃ」と急かす。
「あぁ。じゃぁ僕は自分のコンパートメントにもどるよ。二人の友人を置いてきてしまっていた」
「あいつらと縁切れよ。」
「ロン。嫉妬してくれるのは嬉しいが、そういうわけにもいかない。」
は?何言ってんだよ。と本気の嫌悪で睨まれる。
「どうせ君らはグリフィンドールだ。寮が違っても仲良くしてくれよ」
はははと笑いながらドラコは戻っていった。ウィンクしてしまったのはやりすぎたかなと、若干の後悔をしながら…
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「ABC順に名前を呼ばれたら、帽子をかぶって椅子に座り、組み分けを受けてください。」
マクゴナガル先生の声が響く。新入生はすこしざわざわと声を立てた。そりゃそうだ。これで人生が変わるといっても過言ではない。家族関係、友人関係、ひいては将来の仕事での関係にも左右してくる一大イベントだ。
そう考えると11才の青少年たちに人生の岐路にたたせるのはいささかはやくないか?という疑問さえ浮かんでくる。
名前順。名前順でなければこうも悩まなかったものを。ドラコはDだ。どうしても前の方になる。ハリーよりも後であったならば、やはりもうすこし悩んだかもしれない。家が、父上がと言っておきながらも、「ハリーのいる寮がいい」と願わずにはいられないだろう。そうなると組み分け帽子も空気をよんで自分をグリフィンドールに入れてくれるかも知れない。
そんなたられば話について考えたていたらいつのまに自分の名前を呼ばれていた。
『さてはて、ふむ。おまえさんはどちらから?』
『……質問の意図がわからない。がしいていうのであれば、20数年後の未来から』
『なんとなんと、ようこそ20数年前のホグワーツへ。して、希望の寮はおありかな?』
『希望を聞くのか!?組み分け帽子は!』
ドラコはびっくりして、帽子を落としそうになる。それもそうだ。前回の組み分けのときは、帽子をかぶるかかぶらないかのレベルで「スリザリン」と言われたのだ。
『君は意味があってここにいるようだからな。希望がないならマルフォイ家の嫡男スリザリンだが…』
『そうですか。はいスリザリンでいいです。』
『本当か?グリフィンドールでなくても?』
組み分け帽子は、確認をするように、そこに後悔はないかと問うかのように聞く。なんだってそんなことを自分の決心がゆらいでしまうではないか。ぎゅっとドラコは目をつむり自分の決断を確かなものにする。
『あぁ。僕にグリフィンドールの素質があっただけでも、安心した。これで彼らの助けができる。』
にっこりと、顔があるのかも不確かな。かぶっているのに表情が見えるはずもないのに、そう組み分け帽子が微笑んだ気がした。
「それでは、スリザリン!!!」
ドラコは堂々と、椅子から立ち上がり帽子に礼をした。そんなことをした生徒は今までいなかったからか、しんと注目を浴びてしまった。しかし、そんな視線ものともせず、スリザリンの席にむかう。これでよかったんだ。僕は僕ができることをする。僕には記憶がある。あまり、物語から逸脱した行動をとってしまうと、流れが狂ってしまう。そうなると彼らを助けることができない。
そうして、組み分けの続きを眺める。ちょうどハリーの番になっていたらしく、広間一体に異様な静けさが広がっていた。
ハリーは組み分け困難者の部類だったな。さきほどの自分も随分と時間をかけてしまったが、今回ハリーはグリフィンドールになるまでどれくらいの時間を使うのやら…そう思いながらじっとハリーを見つめる。
ふと、目があった気がした。そしてにっこりと微笑んだのだ。
「よろしい、君は君の歩む道を進め。スリザリン……!」