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一日目の授業は、それなりに楽しく終えた。ドラコがマンドレイクの鉢を掠め取ろうとしていたから、悪魔の囁きをしてあげたのに、彼はしっかりと我慢していた。変身学の授業ではコガネムシをボタンに変えるのにドラコとどっちがかっこいいのが作れるか競い合った。後半飽きてきてゴキブリに変えて、次のロックハートの授業に仕込もうかと考えたらドラコに頭をひっぱたかれた。
「不潔な方法がだめなのかな?」と、違うと分かりながらも勝手な解釈をした僕は、彼をお花でみたすことにした。あんまり多くの種類の花がわからなくて、生やしてあげることができなかったのが悔やまれるくらい、ロックハート先生は素敵な花壇になっていた。そのままじっとして花壇になっちまえばいいのに!
昼食ではコリンクリービーと遭遇した。遭遇という言い方はこの場合正しいのだと声を大にして訴えておこう。変に絡まれてもいやなので、「はいはい写真でしょおーけーおーけー」と、一枚とっておいた。
そんな、平凡な日々を過ごしながら。(勿論リドルの日記のことは忘れてはいない。けれども、あれを僕の学校生活のメインには置きたくないのだ)待ちに待っていたイベントが始まった。それは、クィディッチ選考会のお知らせである。
「僕はシーカーはしない。ドラコ。君がシーカーをしなよ。」
「は?何を言っているんだ。君がシーカーをすべきだ。僕はチェイサーをする」
「チェイサー?」
聞くと、ちゃんとした理由があって、チェイサーを希望しているようだった。なるほどなるほど。
「そっか。わかった!」
「じゃ、それでいこう。」
「うん!」
きっと彼は僕が「シーカー」と書くと思っている。が、今のドラコの話を聞いてシーカーを選ぶハリーポッターがどこにいるか?答えは、どこにもいない!なにそれめっちゃ楽しそう。ドラコとクァッフルを匠にあつかう連携プレー!フレッドとジョージが、ビーターで似たようなことをしていたが、それをチェイサーで、やばいやりたい!となっただけである。だから僕は「チェイサー」と希望用紙に書いた。
二人でチェイサーになる予感しかしなかったから、それからの僕はそのことで頭がいっぱいでずっとニヤニヤが止まらなかった。ドラコどんな反応をするんだろう。
とまぁそんなこんなで、前回何が起こったかなんて復習することもしなかったよねー。グリフィンドールとスリザリンのブッキングからの、争い勃発。けれども、まぁ前回と違ってドラコがなだめてくれた。それはもう先輩にたいして挑発しまくる形で。もう、君そういう方法しかとれないの?と思いつつも、僕も一緒になって言ってしまったから同罪である。
二人で、スネイプ先生のところにでもいって土曜日優雅にすごすか。と振り向いたところで、おそらく今回のキーパーソンが現れる。うっわー。こっちのことも完全に忘れていたよ。
サジッタは、予想通り、偏った立場による正義で論をぶつけてきた。一周回っておもしろいぞ。そして、ハーマイオニーが口を出したところで今後の展開が手に取るようにわかる。サジッタの『穢れた血』発言で僕は彼の頬はひっぱたいていた。
やっちまった。と思って振り返ると。ドラコは右手を振りかぶっているわ、グリフィンドールの皆さんは杖を手に持っているわで「むしろ僕がたたいて正解だったのでは」と思う。
兄のサジッタを責める言葉に、彼は何も返さずに帰っていった。その瞳が、どこかでみたことあるような気がして、あれは、いつかのドラコだったか。と思い出してみるけれど、思い当たらない。なににしても、あの頃のドラコは「悔しい」が多かった気がする。うん。さすがにドラコも11歳であの目はしていなかった。あんな「全てをあきらめたような目」は
ドラコは、サジッタが前の自分と同じであると考えているらしい。「周りの大人の意見」が正しく、疑っていなかったあのころ。本来の意味を考えることなく使用していた当時と。本当にそうだろうか。僕は彼と出会ってまだ数週間だけれども、サジッタ=前のドラコとしてみるのは浅薄すぎるのではないかと思う。あれは、「わかっていて」やっている。「理解して」発言をしている。先ほど言い返してこなかったのは「言い返せなかった」のではなく「言い返さない方がいい」と判断したからだろう。
そのことをドラコに伝えようかなと思ったが、やめておくことにした。サジッタは彼の弟である。身内のことをそんな風に言われて、いい思いはしないだろうという判断だった。
***
さて!新学期にもなれたし、いっちょ秘密の部屋開いてきますか!
一年生のときもなんどか赴いたがついぞバジリスクが僕の目の前に現れることはなかった。けれども、さきほど厨房からいただいたお菓子を両手いっぱいに抱えていると聞こえてきた「バジリスクの声」自寮に戻ろうとしていた僕の足は、そのまま秘密の部屋を開けるためにマートルのところに向かっていた。
「ねぇ。バシリスクー。ボクと会話しようよ。攻撃しないからさー。無視?無視なの?さきまで起きてたじゃん。証拠は上がってるんだからね!ねー。なんであいつは良くて僕はダメなの?僕の方が実体だし、君のことを満足させてあげられるよ。望むならおはようからおやすみを言ってあげるし、キスもしてあげるからさー。絶対僕のほうがいい男だって」
と、まぁ、好きな子に振り向いてもらえない男という設定で話しかけてみても無理だった。
この事実をドラコに伝えると「報連相を徹底しろ」と怒られる。怒られるが、大きなため息で彼は少し落ち着いたようだった。今後の展開を二人で決める。第一発見者は僕たちだ。今回はサジッタが煽りに来るんだろうな、と二人して苦笑した。
まぁ、予想しておくことは悪いことではない。そう、石橋を叩いて渡ると同じことだ。
その日僕はこっそり、ベッドを抜け出す。ドラコが起きてしまったことには気づいていたけど、僕は彼に何も言わなかったし、彼も何も言わなかった。ごめんね。ドラコ。念には念を。僕は自分の推測について確認したいだけだ。
僕が向かっているのは「サジッタの寝室」だった。彼がリドルの日記を所持していないかを確認したい。彼が義父からもらって、そのまま所持をしている可能性を考える。違ったら違ったでいいのだ。そしてそれは杞憂に終わる。彼の所持品を調べたが、そこには日記らしきものはなかった。一安心をする。部屋に戻ろうと、ドアに向かおうとするが目の前の、寝息をたてて寝ているサジッタをみて僕は、少しの魔が差した。今日の彼を、彼の思いを少し垣間見たい。これは「必要」なことだろう。
そして、僕はそれを後悔する。
彼の記憶は、彼自身によってか、誰かによってか、何かによって、しっかりと守られていた。
疑ってくれと、言っているようなものだ。これは真実か。ミスリードか?
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けれども、日記が彼の手元にない以上、彼ではない誰かが日記の所持者である。それを突き止めないことには何にもならない。そしてハロウィンパーティーの日、予定通りといえばミセスノリスとフィルチには悪いが、ミセスのリスは石化をしてしまった。
第一発見者のスネイプ先生が日記の所持者ではないと、思いつつもドラコが話を引き伸ばしている隙に彼にレジリメンスをかける。がそれはただの徒労に終わってしまった。ドラコに、ふるふると首をふり、合図をする。そこに、タイミングを見計らったようにグリフィンドール御一行様と、そして、サジッタがやってきた。
チャンスだと思った。サジッタの心を見させてもらおうと、昨日見れなかったものが見れるかも知れない。
そう思って流れて来た彼の「まさか、兄様が。そんなはずはない」
なぁサジッタ。「そんなはずはない」はいったい何にかかっているんだい?「兄が後継者であるはずがない?」それとも「兄が発見者になってしまう予定はなかった?」
僕はドラコに一切は打ち明けない。「報連相」をしろと、きっと怒られるのだろうけれども、無駄にきみは傷つく必要はないんだ。ね。だからさ、サジッタなのか誰なのかわからないけれども、ドラコを勝手に「継承者」に祭り上げて、害なそうとしている奴、本気で僕、ゆるさないからね?
なぜドラコなんだ。前回と同様僕でいいじゃないか。彼は十分自分の立場における役割を前の世で果たした。今回ぐらいはそういう「スリザリン」だとか「純血」だとかそういうもので彼を振り回さないでくれ。
友人というのは、あったかいなぁ。と目の前の光景をみて微笑ましくおもう。ロンもハーマイオニーもネビルも、ドラコが「継承者」で、あんなひどいことをしたなんて露ほども思っていない。うんうん。それは君の努力で得たものだよ。暖かい友情を一心にあびな。
外からその光景を眺めていると、二人から思いがけない言葉を聞く。それは「サジッタを疑っている」というものだ。まぁ確かに怪しいけれども、友人の弟を疑うなんて、それはそれで勇気のいることだろうに。あぁ、なるほどこれがポリジュース薬の話になっていくのか。本筋と変わらずストーリーが流れているとは感じていたけれど、ポリジュース薬のくだり、端折ってもよかったことない?神様
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さてと、クィディッチの試合については、存分にやらせてもらった。一人でかせげるトコまで稼いで、僕に相手の選手の注目を集めたところでドラコにバトンタッチするという作戦になっていた。ぼくたちで16ゴールすればいい。僕たちがマークされていない初戦、デビュー戦だからこそそれができると思ったし、無茶ができると思った。のにだ。くそ、ハウスエルフめ、ボクとドラコの初陣に水を差しやがって。本気で恨む。迫ってくるブラッジャーを避けながら僕はイライラが隠せなかった。あー、もう。明らかにおかしいじゃん。審判なんとかしてよ、これタイムアウトものでしょ!どこに目が付いてんのさ!
そして僕を苛立たせたのはもう一つ。シーカーの存在だった。ドラコとチェイサーするの楽しそうだったからやったし、本気で楽しかったけど、その分シーカーにたいするストレスがハンパなかった。うん。目が節穴なのかな!?
まぁ、試合についてはそんな感じ。
あとは、医務室で疲れて眠っていたら、前回同様ハウスエルフがやってきた。内容も訴えも前と全く同じで面白みはなかった。ただ、まぁそこに現れたのがビビではなくてドビーだったということだけは、付け加えておこうとおもう。
マルフォイの屋敷のハウスエルフであるドビー。やはり、ルシウスさんも一枚かんでいるのか?サジッタが養子にいったエイブリー家とマルフォイ家。どちらも死喰人である。あー。どこからどこまで信用すればいいのか、わからなくなってくるな…。
コリンクリービーが犠牲者になり、ちゃくちゃくと前回と同様に秘密の部屋の物語は進んでいった。クリスマス休暇にサジッタが帰らないことを知り、ドラコが「ほんと、疑わしい動きをなぜするんだ」と頭を抱えていた。まぁ、ほんと、疑わしいよね。君の弟。そして、ドラコ。きみは忘れている。サジッタに秘密の部屋について何か知っているかと聞くのを。ほらほら、君が早く聞かないと、痺れを切らしてハーマイオニーたちがよからぬことをやり始めちゃうよー!
あ、ゴイルの薬が爆発した。
「ってことで先生!今日の魔法薬学の授業はごめんなさい!僕が彼女たちの代わりに謝罪します!」
スネイプ先生の研究室。机に並べられたお菓子に手をのばしながら僕は謝罪した。「マルフォイは?」と、来たとき聞かれたけど、常にふたり一緒ってわけじゃないです。というより、今回は例の謝罪のために来たので、彼は連れてこれません!
「なんの謝罪だ?そしてそれは、謝罪する態度には見えないのだがね」
「やだなー。先生。気づいていて見逃したでしょ。ハーマイオニーのこと。無表情頑張っても無駄です。先生がチラリと教室を抜け出すハーマイオニーに目をやったのきづいてるんですから」
「ふん。それなら話が早い。あれが、大きな事故に繋がらなかったことだけを感謝して今後を過ごすべきだな。あいつらは。そして、何をしようとしている。」
「あれ、見逃しちゃんですか。甘くないですか?」
スネイプ先生は、面倒事に関わる方が面倒だと言わんばかりに、顔をしかめて、僕の目の前に座った。
「あれはですねー。ポリジュース薬を作ろうとしてるんですよ。秘密の部屋のことで、後継者がドラコあつかいされているのが、不服だそうで。僕もそれに関しては誠に遺憾なので、協力をしている次第です。」
スネイプ先生は、頭が痛いといわんばかりにこめかみを抑える。「レシピは」という問いにドヤ顔で「ロックハートのサインです」とサムズアップしておいた。「あの糞が」というつぶやきを僕は聞き逃さなかった。ですよねー。
「それで、吾輩に何を求めている。」
「え?それはですね。ただの『黙認』です。」
「吾輩が、はいそうですかというとでも思ったかね。ポッター」
「はい。」
スネイプ先生。彼らはこれを悪戯につかおうとしているわけではないんですよ。ただ単純に本当に「ドラコが後継者ではない」と証明したいだけなんです。ポリジュース薬は使いようによっては危険です。それはわかっています。けれども僕たちがそういう使い道を閃くと思いますか?ただ、聞き取りをしたいだけなんですよ。子どもの可愛い、まぁちょっと過ぎているとは思いますけれども、優しい心ではないですか。
それとも、先生方がこの事件を解決に導いてくれると?このしばらくのあいだ、ドラコと僕がどんな目で周りに見られているかご存じですよね?助けてくれない打開策も打ち立ててくれない、学校に安心感もなければ信頼もありません。
それならば、子どもの無茶を見守って、危険が起きた時に助けてくれるだけで十分です。見えない敵を探すより、「あいつら」と見守る方が、とても簡単でしょう。
喧嘩をうっている自覚はある。
けれども、スネイプ先生が見逃してくれる自信も同じくらいあった。
「たしかに、ポッターたちをまとめて見張っている方が楽であろうな。」
「そういうことです」
「そして、お前が、今の学校に腹を立てていることもよくわかった。そしてそれについては同意する」
「ありがとうございます」
「二つ約束だ。ポリジュース薬の調合はマルフォイ監修でやれ、あいつの魔法薬学の成績は上級生を入れてもトップレベルだ。そして、自分たちに危険が迫ったら、すぐに吾輩に知らせること。いいな」
「えぇ、約束しましょう」
「その二つの約束が守れるならば、吾輩は今回の動きについては多少目を瞑ることと、お前がなぜそこまで達観しているのかについては触れないでおく。まぁ、エイブリーほど危険な目もしてないし、大丈夫であろうと『信頼』してのことだぞ」
あー、やっぱ気づいてました?
一通り、スネイプ先生とおしゃべりをして、談話室が部屋で勉強しているドラコのところに戻ろうと歩いていると、目の前をパンジーたちが通りかかる。一緒にいるのはミリセントとダフネだ。「きてきて」と手招きをされ僕は、ほいほいとそれについていく。「おいしい紅茶が入ったのよ。一緒にいかが?」
「いいね。でもなんで談話室じゃないの?」
そういいながら僕はコミュニティルームで彼女たちのいれてくれる紅茶をまつ。例の石化のことがあり、今年のコミュニティルームはひどく閑散としていた。
「あら、だって談話室だったら、ドラコがいるかもしれないじゃないの!」
うっわ。なんか嫌な予感がする。
「これから恋ばなをするのに、ドラコ本人がいたら、ねえ」
「聞いてない!恋ばな!僕もどる!」
「はい、すわるー。」
にこにこする三人の威圧感がやばい。僕はこれを知っている。女子だけが醸し出すことのできる、恋ばなにおいてのみ発動される例のアレだ。
「単刀直入に聞くけど、ハリーはドラコのことが好きなの」
「ドラコ、はいはいドラコね。好きですけど」
「そういう適当なごまかしは聞いてないの!」
ミリセントが怒る。もー女子怖いいいい。あれだよね。あれから「パンジーもドラコのことが好きなんだからあきらめてよね。あんたなんかがドラコのとなりにふさわしいとでもおもってんのああん?」ってやつだよね。
「好きなんでしょ。ドラコのこと。友情じゃなくて、人としてとかそういう曖昧なのじゃなくて」
ううう。怖いよう。三人ともすごい気迫だよう。僕たちあんなに仲良く過ごしてたじゃない。パンジーたちに髪をといてもらったり、アレンジしてもらったりするの好きだったんだよ。あの時間はウソだったというの…。僕たちの友情はその程度だったというの…?よよよよよ。僕は決意をし、俯いて自白した。
「あ、うん。好きです。キスしたいなって思う好きです。」
女子の気迫に負けましたごめんなさい。でも、なんだろう。すっきりとした気持ちがある。誰かに言うってこんなに…って黙るのやめて、まじでやめて、これから僕はフルボッコですか?え女の子に、杖あげる僕じゃないよ。「言い訳をさせて…!」と顔を上げた僕が目にしたのは、超絶ニヤニヤ顔の三人でした。
「ほらあ!だと思ったのよ!あれは振りにしてはガチだったわ」
「やだー。それについてはみんな異論なしだったでしょ!」
「いいなぁやっぱ恋するって素敵ねぇ。こっちまでドキドキしちゃう」
「えと、パンジーさん‥?ミリセントさん…ダフネさん…?」
がばっと聞こえてきそうな勢いで身を乗り出して、三人は矢継ぎ早に僕に聞く。「いつからら好きなの」「キスしたいってキスしたいってことよね!?「どういうところ?どこが好きなの!?」
「いやいやいや待って反対しないの!?」
「え?なんで?」
三人はキョトンとこっちをみる。え、だって僕純血じゃないし、男だし、なんというか、ドラコってモテるし…?そういったことをしどろもどろに聞くと「やあねぇ」ときゃいきゃいと意見を返される。
「関係ないわよそんなの。それって今きにすることじゃなくない?好きなら好きでいいじゃないの。そういうのは直面したときに考えればいいのよ」「うんうん。モテるっていっても、スリザリンの生徒はもうすでにドラコに一回一目惚れをして終わってるからねー。一目ぼれしてキュンってなって、彼のレベルの高さに自分の小ささ感じて勝手に失恋するっていう。」「それそれ!っていうかハリー」ずいとパンジーが身を乗り出す。
「ドラコ、バカみたいに鈍感よ。今のままでは「一番の友達枠」にあてはまって終わるわ。ドラコは甘やかし体質なのよ。正直私たちからみても、ドラコはあなたのことを「特別」に思っているわ。けれどもその友情と恋愛の線引きが曖昧なの。」
「えぇ。だからそれを恋愛の特別にするか、友情の特別にするかは、あなたが引導を渡してあげないと!」
協力してあげるね!と、僕はまさかの強力な仲間を手に入れてしまったのである。
「ありがとう。三人とも。だけれども、とりあえずは友情の特別を手に入れることにするよ。そこを盤石にしてからにする。」
そうして、僕がいないとダメなドラコにしてから、ラストスパートをかけるんだ。最後の一言は、三人の耳に入らないように、心の中でそっと呟いた。
***
まぁそんなこんなで変な同盟ができあがったあと、まぁそれでももうすこしアピールしておこうかな。と思ったのも真実である。
さしあたってあのあと、僕はさして努力をすることなく、ドラコをポリジュース薬づくりに参戦させることに成功する。本当にドラコに関しては話がとんとん拍子に進みすぎて怖い。うん。まぁいいことかな?ちなみに僕はサジッタのことを未だに疑っているので、暇さえあれば、透明マントで探偵ごっこをしている。ドラコにはスネイプ先生のとこに遊びに行ってくると伝えたり、誤魔化したりだ。まぁ未だなんの収穫も得られないわけですけれども。
と、変わらない日常に安心していたのがいけなかった。
よくもまぁ次から次へと入ってくるよね厄介なことって。
いや、楽しみにしてたのに!「決闘クラブ」イケメンなスネイプ先生やドラコが見れるとおもって楽しみにしていたのに、こういう結末ってないでしょう。なんでドラコが蛇語話しちゃってるの!?わけわからない。
後継者の噂話が僕に向くように、わざわざ蛇語を使ったのに、そういうことしちゃうわけ?
「さて、ドラコ言い訳があるならどうぞ」
と詰め寄ってみたが、ドラコのほうこそ何が起こったのか分かっていないようだった。まぁそうだよね。もうなんでなの、そんなにドラコを後継者にしたいの!僕じゃじゃダメなの!?もおおおおおおそうやってドラコを危険な立ち位置にさらすうううううもうやだあああああああ。まじで、許さん。ドラコは「自分が継承者あつかいのままで困っていないし別にいい」というけれども僕は、それが許せない。ダメだって、そうやって自分に降りかかる災難になれちゃうのダメだよ。自己犠牲はドラコの悪いとこだよ。それってだれも幸せにならないんだってば。
「もう、あなたたちふたりだけで行動するのやめなさい」とパンジーに言われたのは、あのあとジャスティンと首なしニックが襲われたという話を聞いたあとだった。そんでもって
婚約者」という僕にとってショッキングなワードを聞いたのもそのときだった。
そのあとの、グリフィンドール組を交えてのポリジュース薬の話は、それに関するイライラでいっぱいだった。ドラコに婚約者がというのは、まぁお貴族様ならありうる話だとは思っていたけど(実際にいたわけではないし)。それでも僕をイラつかせるのには十分な話題だったのだ。
だからそのあとの彼らとのやり取りが多少性急であったことは認めるし、ドラコのことを慮らなかったのも事実だ。だから、彼がとっさに杖を握った時にフォローも入れなかった。さすがにまずかった。やってしまったと後悔したのは、ロンがドラコの涙を拭いているのを目撃したときだった。
言い訳を先にさせてもらうと、すぐに追いかけた。すぐに追いかけたのだが。談話室でパンジーたちに捕まったんだ。さっきまで楽しそうに会話していた三人が、僕が帰ってきて一瞬で般若になったのがわかった。察するじゃん。いろいろとさ!
「その顔でドラコ追いかける気なの?」
「というより思い人泣かせる時点で、失格よね。」
「ほんとそれ、まぁお好きになさいませって感じですけれど」
こわいこわい
「まぁ、どうでもいいけど深呼吸してから向かったほうがいいと思いますけど」
「傷ついている人に追い打ちをかける馬鹿じゃないもんね。ハリーは」
「はい!じゃぁ、どんな言葉をかけるべきかわかってるよね」
そういって、僕は見送られた。
おかげで、変に言い合いが起こることもなく、今回の衝突は免れたのである。
***
ウィルトシャーで過ごすクリスマス休暇は、率直に言うと「最高」だった。最終的には「僕もうここの子になる」と駄々をこねたぐらいだ。
まず、ドラコのご両親が自分の父親ならまだしも、母親のことを認識していたことに驚いた。僕だって二回目の人生だし、両親であるジェームズとリリーの学生時代だなんてそこまで興味はなかったけど、けれどもやはり、聞いてしまうと気になってしまうものである。
そして、シシーさん。すごいかわいらしくて美しい人だった。友人の母親にこんなことを言うのも怒られそうな話だが、そうとしか言えない。あぁ、いいところのお嬢様なんだな、そして結婚してから子育てまで何不自由なく丁寧に周りに支えられながらやってきたんだな。と感じた。自分も「旦那」で「父親」だったことがあるからわかるけれども、それはほかならない旦那さんであるルシウスさんが、シシーさんを大切に思っていることの表れとも見えた。
クリスマスプレゼントに関してはもう何も言うまい。この家にとっては「値段」なんてあってないものなんだな。というのを痛感したくらいだ。ドラコとお揃いで買ってもらった万年筆はとある有名なブランドだったのだが、「一番、一番安価なのでいいです!」と叫ぶのに必死だった。パーティ用の服を一式揃えるときに「オートクチュールでも良かったのだけど、さすがにね。今度オーダーメイドで一つ仕立てましょ」と、いって、なるほどシシーさんn線引きはそこか…と安心したのは束の間。ドラコとシシーさんのロンへのクリスマスプレゼントには、固まるほかなかった。うん。確かに生き物をプレゼントするのは、ご両親の…って知らなかったふりするんかい!ずるいな可愛い!
ハーマイオニーへの服選びに参加している時にはもう、僕も感覚が狂っていた。シシーさんが楽しければそれで良くない?楽しそうに選んでるの見るともうそれで世界が平和って感じするじゃん?最終日には、ルシウスさんからハーマイオニー宛にプレゼントも預かった。意外だった。プレゼントに関してルシウスさんが関わってくることがなかったので、彼にとっては息子がお世話になっている義理と、プレゼント選びを楽しそうにするシシーさんのために、とりあえずやっているのかなと思っていたからだ。それは僕の勝手な解釈だったな?ドラコに確認をすると「父上も与えたがりなんだ。あと、ある種マイペース。ロンに関してはアーサーさんと未だに不仲だから、自分自身からは彼に関わることはしないけどな。ロン本人については、多分何もおもっちゃいないさ。」ということでした。なるほど理解。
こんなにいい人たちなのに、ルシウスさんが死喰人とかまじで信じられない。けれども闇の印があることには間違いがない。今回は、ヴォルデモートに服従の呪文をかけられていたというのは狂言ではなくて、そちらが真実なのだろうか。
これに関しては、ドラコも「それは、僕にとっても謎だし。わかっていない」とため息をついただけだった。
ホグワーツに戻り、大号泣する友人たちをなだめる。ネビルも昨日帰ってきたようで、五人でコミュニティルームにて情報交換会を行った。彼らは、各寮に侵入し、リドルの日記を探してくれたらしいが(なんか、この字面だと、質の悪い物取りかストーカーみたいだな。ごめんね)それらしきものは、なかったし、耳にも入ってこなかったらしい。これでは、なんの収穫もないと思ったハーマイオニーがサジッタに突撃をかましていたと聞いて。これはこれで「さすが」としかいいようがなかった。
これに関していれば、サジッタは継承者とこの出来事は別に考えるのはどうか。という目からウロコの考え方だった。まぁ、裏を返せば、ドラコが継承者であるのを望んだ結果としての見方でもあるが。「誰かがドラコを継承者にしたてあげようとしている」クリスマス休暇前にドラコと話した内容だ。サジッタなら、ドラコを継承者であるという筋書きを作ることは可能なのだろうか。でも、それは何のために。それをするぐらいなら自分自身を継承者にするほうが、存在の確立になるのではないだろうか。そして、サジッタがハーマイオニーに「マグルのおねえさま」といって取り入っていることも、僕からすれば怪しさいっぱいで下がなかった。