「というわけで、じゃーん。ルーピン先生とシリウスは、この中に入ってください。」
そういってハリーは持っていたトランクをパカッとあける。
「これは?」という二人にハリーは説明をしていた。
「中は広い草原になっています!できるだけ現実世界と連動するようにしました。ので、この中も今は夜だし満月です。」
本当は、月の満ち欠けとかなしにしようかなって思ったんですけど、草木や動物の生存を継続させるためには、月の満ち欠けや太陽など全ての要素が回らないとだめだったんですよね。と言ってハリーは「えへえへ」と締まらない顔をしながら説明を続ける。
「この中で一日過ごしてください。さっきの話だとシリウスはアニメーガスで犬になれるんですよね。一緒に過ごしてください。」
でも、で二人が顔を見合わす。
「悩んでいる暇はないと思いますが。今ここで変身して、僕たちを襲いますか?ですよねぇ。じゃぁ、この中に飛び込むしかないじゃないですか。そして申し訳ないですが、僕は明日の朝、これを校長とスネイプ先生の前で開かせてもらいます。いいですか?」
シリウスはそれでも何か言いたそうだったが、「そうだね」というルーピンに引っ張られトランクの中に消えていく。ルーピン先生その後を追うように、トランクに足をかけた。
「先生!」
「ドラコ?」
「もう少し待ってください。トリカブト系の脱狼薬以上のものをいま作成しています。あなたが、安心して生活できるために、今色々と研究しているので!」
「ふふ、ありがとう。君たち二人はハーマイオニーよりもっと前から僕が狼男だってきづいていたよね。そうだね。シリウスたちは、僕がこんなことを言ったって知ったら『正気か』っていいそうだけど、君は、君のご両親にそっくりだよ。ハリーも、僕の知っているスリザリン生はね。愛に忠実な人たちだ。ただ、それ以外に興味ないだけでね」
そうウインクして、彼はトランクの中に消えていった。
静かな。時間がひと時ほど流れる。室内のはずなのに、草原の暖かい風が吹いた気がした。
「っあああああああ!くっそ長かった!もう僕もう無理。疲れた!今日一緒に寝よ!ドラコ」
「あぁ、確かに長かったな。そして割と重かった…。色々」
ハリーはトランクに向かい、パチパチとロックをする。というより、そんなもの、そんなレベルが高いものつくれるなら、いちいち僕や双子に頼む必要なくないか!?と思い立ちハリーを責める。
「人に仕事を押し付けるな!」
「いやだなぁドラコ僕がこんなレベル高いモノ作れるわけないじゃん。検知不可拡大呪文だけならまだしも、でかくて、あるいみ小惑星をひとつトランクの中に作るなんて。」
「じゃぁ。」
「トランクは買った。スキャマンダー氏の孫がこの学校にかよっているって知ってた?それで声をかけて、ちょっと譲ってもらった。メインのは無理だったけど、小さいのでいい習って。」
「ほう。」
「んで、リドルに頼んで中身改造してもらいましたー!やったね!ありがとうトムリドル!やはり能力値高いとほんと助かるよね!」
「そんなことをさせていたのか!?」
『そんなことをさせられていました』
いきなり!いや、それにしても本当にハリーに従順だな!?不安になるぞ一周回って。「今度は新しいお仕事をリドルにあげるね」『いらん』「どうせ暇じゃん」と、二人は押し問答をする。いや、まぁいいけど。うん。ほら、僕は彼の考えてることすべて理解するのは一年前に諦めたから。僕は見えている真実で判断する。今日も散々ハリーが言っていたように。
***
ということで後日談。
あのあと、トランクごと無事に引渡し、彼らは真実を語ることとなった。しかしシリウスがいきなり無罪になるわけではない、これから何度かの裁判や尋問等が行われるのだろう。それらをすべて終わらせて彼は自由の身を手に入れることができる。彼の身柄はアンドロメダおばさまが引き取ることになったらしい。これはオフレコの話だが、シリウスの裁判関係については僕の父上が動いているようだ。母上に泣き落しでたのまれたと聞いている。といっても父上は表向きは堂々とシリウス無罪のためには動けないらしく、本当に「こっそり」とやっているらしい。アンおばさまと母上はシリウスの姿をみてホッとしたと後から聞いた。まぁベラトリクッスはこうもいかないだろうな。とあのキチガイじみたおばさまを思い出して鳥肌がたつ。
ヒッポグリフについては、なぜか、処刑の前に消えたらしい。これについてはハリーいわく、「ついでにスキャマンダー氏に頼んでおいた」そうだ。忍びの地図に現れてたはずだけど、みんな見逃したんだねぇとカラカラと笑っていた。
それならそうといっておけと一瞬思ったが、それを言ってしまったら、ロンたちがハグリッドのところにいかない未来があきらかになって、あの同窓会が願わなかったかもしれないことにきづいた。
そうして、ハーマイオニーはタイムターナーを今回は不正使用をせずに一年間を終わらせた。来年もそうするのかと思ったが「マグル学」を選択するのを辞めるらしい。そうすれば無茶なく時間割が組めるのだそうだ。
ロンはペットがいなくなって寂しがるかと思ったが、昨年プレゼントしたピローがいたからそこまで深い傷はおっていないようだった。去年の自分ナイスと自分で自分を褒めておいた。
そうして、肝心なハリーとシリウスの関係性についてだが。
これは、帰りの汽車のなかの僕とハリーの会話に代えさせてもらおうと思う。
「これで、物語が一気に変化したな」
「そうなるね。うーん。気長に待つか一気にストーリー回収するか。」
ハリーは目の前で、ノートを開きお揃いの万年筆をこめかみに当てながら悩んでいた。その隣には実体化したリドル。
「とりあえず。四年時が終わるまでにリドルの日記とレイブンクローの髪飾りは破壊しようとは思う。」
『つまりそれまでに僕の次の媒体を完成させろということだね』
リドルは、『やれやれ』と肩をすくめながら言う。あのえげつないトランクの仕事が終わった彼に与えられた次の仕事は、トムリドルの次の媒体の作成だった。細かくハリーから指定・オーダーが入っているらしく「トム使い」があらい!と叫ばれていた。
「時間があったら、ゴーントの指輪も回収しておこう。呪われたくないからこいつに回収させればいいし。」
『あぁ、あれか。』
「だったら、ロケットとカップもいけるんじゃないか?」
といったらハリーに首を振られた。
「ロケットはクリーチャーが肝だ。あの時はシリウスが僕に彼ごと譲ってくれたら無理やりありかを言わせたんだよね。まぁマンタンガスとアンブリッジを確認するぐらいはしていてもいいけど、クリーチャーと仲良くなってからがいい」
「なるほどな。カップは?」
「ベラトリックスは正直面倒くさい。ちゃんと計画立てたいんだよね。」
「あぁ」
そうしてまた、あの人を思い出す。
正直アズカバンから出てきて欲しくない。集団脱獄前にたたけないのか…?
「はあ。そんなことより、僕は来年対抗試合にだされると思う?」
「思う。お前の血がいるんだろうしな。」
「はぁ。別にヴォルデモート復活を妨げたいわけじゃないし、むしろヴォルデモートを確実に仕留めるために復活してほしいから、僕の血小瓶につめてフォーユーするのにな」
物騒なことを、真剣に「悩んでます」って顔で語るな。
『来学期に僕は復活するの?』
「そうだよ。楽しみだね!」
『また、色々、差し支えない程度でいいから聞かせてよ。最後にヴォルデモートに絶対漏らすな。って言えばいいんだし』
「そうして、死喰人にはもらすのか?」
『ハリー、君のかわいい恋人がいつまでたっても僕のことを信用してくれない。』
さめざめと泣きまねをする。誰が可愛い恋人だ。
「リドル。残念ながら、まだ、可愛い恋人じゃないから。本当残念な話なんだけどね」
お前もこの茶番に乗るな。話が面倒になるだろう。
「まぁ対抗試合については死なない程度に頑張れ。どうせ最後リトルハングルトンに行けばミッションクリアなんだから」
「とかいって、僕を心配してリドルハングルトンまでついてくるドラコが鮮明に想像できるよ」
「否定はしない」
盛大にハリーがため息をつく。否定はしない。避けられる未来なら避けたいっていってただろう。僕がハグリッドに否定的なことを言われた時に、同じだ。
「あ、そういえば。ファイヤボルトはどうしたんだ?」
「あぁあれ、シリウスに返したよ。」
「返した!?」
「だって、僕はシリウスから謝罪が欲しいわけじゃないもん」
あのあと、ハリーのもとへシリウスから手紙が来た。(ちなみにあの場所にいた全員に手紙があった)そこには、あの日の謝罪が並べられていたらしい。あのあと散々にルーピン先生や、アンおばさま。そして母上に怒られたらしい。「君たちの友情を否定して悪かった。ハリーはハリーで、私は私だ。つまりは、私は私が信じるものを信じるということだ。私の長年のスリザリンへの思いは消えるものではない。ただ私はいい見本になる大人にならなければならないと実感した。」と書かれてあった。ただ、追伸をみて僕たちは笑ってしまったが
「追伸 スリザリンへの偏見については謝罪しないが、君の友人への偏見については謝罪をする。しかし、スネイプはダメだ。あいつだけは天地がひっくり返っても好きになれないし受け入れられない。」