まさかガンダム転生でジーンになると思わなんだ 作:ワッタ~軍曹
作者「生きてるよ~」
という訳でほのぼの回です。
ベッドの上からコンニチワ。ジーン(転生)です。
あの後、少佐達に救出されてガンダムのパーツらしき物を回収しながら帰ってまいりました。帰還したら即、軍医から色んな所を診察されてベッドに直送されました。軍医曰く「過度の疲労はあるがそれ以外は健康」と言われました。そんでもって1日点滴つけてベッドに横たわって療病しています。久々の休みだヤッター
…………
………………
暇やなぁ……
な~~~~~んにもする事がない。
今頃少佐はドズル中将にV作戦の報告でもしてるんかなぁ?は~一度ドズル中将見てみたいわぁ~メッチャ迫力あるんやろなぁ~
………
今日は色々ありすぎた。もうどうしようもないぐらいイベントが起こり過ぎた。ジーンの死亡フラグをへし折るのにこんなにも死線を潜り抜ける必要があったのか。だって九死に一生を二回も体験したんだぜ?その二回はたった30分にぎゅぎゅっと詰め込まれているとした普通どう思うよ?もう俺、どうでも良くなっちゃって半ば放心しながら少佐達の迎えをまっていたよ。パイロットスーツのエアーは持って三時間だから、あのまま見つからなければ本当に干からびてミイラになる所だったからなぁ。感謝、感謝。
しかし転生したのが一昨日だとは思えない。静と動が激し過ぎてシートベルトで圧迫骨折しそうな位である。昨日までのんびりと訓練していたのがまるで嘘のようだ。
…………
ザクⅡに脱出機能があって良かったなぁ。あれが無かったらここに居ないもんな。しかしガンダムのAパーツとBパーツが分離した時は流石に焦った。確かに通常時ならそれでもいいんだけどね。
結局持ち帰れたのは
V作戦極秘資料
ビームライフル
ガンダムシールド
ガンダムらしき装甲の一部
コアファイターのブラックボックス
だけ。
奇跡的にコアファイターのブラックボックスを回収出来たけど、その中身がコンピューターウイルスでしっちゃかめっちゃだったからなぁ。躍起になって解析班の人が何とかしようとしていたけど、努力虚しく排除出来なかったうえに過労で泡吹いて倒れたもんな。その彼は今、私のベッドの隣で寝ています。
あの自爆はもしかしたらテムさんお手製のプログラムなんだろうな。搭乗者と学習データを生還させる目的で作られたコアファイターを木っ端微塵に爆発させたもんな~
自爆が起動したのはテムさんがプログラムでも送信して送ったのかなぁ?イマイチよく解らん。少佐との無線を傍聴していたのかな?うーん……
もしかしたら神様の気まぐれだったりして
作者「クシュン!」
…………
V作戦の極秘資料は流石と言っていい程の代物だったな。ガンダムの詳しいスペックは勿論、ガンキャノンやガンタンクのスペックもある。しかもコアブロックシステムの詳細、学習コンピューターの設計やそれに基づく量産型MSの概要まで。解析班達は物凄い雄叫びや発狂を繰り返し、中には鼻血を噴き出して貧血でぶっ倒れた者も居る。ソイツが今、俺のベッドの向かい側であへあへ言いながら寝ている。
……ジオンの技術者は変態しかいないのだろうか。
いや、"ヘンタイ"しか居ない(確信)
だって極秘資料の設計図を頼りにして無理矢理ザクに持たせて、エネルギー供給をファルメルから持ってきて(作れんのかい!)近くに中破して漂流してたサラミスに試射をしたら(撃てんのかい!)ピンポイントで推進部を狙えて爆発四散して、あまりの凄さに失神してぶっ倒れた奴が居る。
ちなみにだが、この病室には4つのベッドがある。もう分かるな?
………………
それにしても暇やなぁ~
「さて、この成果で中将殿はお喜びになるかな?」
「大丈夫ですよ。きっと閣下も喜びますよ。」
シャアとドレンがモニターの前で喋る。ソロモンに居るドズル中将にV作戦偵察任務の報告をするためである。
「しかしよかったんです?"ホワイトベース"とやらがそろそろサイド7を出港しますけど」
「まぁ、ドレンの言いたい事は分かる。だが、これだけ成果があれば先に報告するのも悪くないと思ってな」
「その心は?」
「ザクの補給を貰って大気圏で勝負を仕掛ける」
「正気ですか?あんな所で戦うなんて、いくらなんでも無茶じゃないですか?」
「無茶なのは百も承知だ。大気圏突入となると隙が出来る。だから叩くのだよ」
「はははっ、やはり少佐は少佐でしたな」
「言ってくれる、ドレンには敵わんな」
「待たせたな」
二人は姿勢を正してモニターに映ったドズル中将に敬礼をする。中将も敬礼をして報告に移る。
「データはご覧になられましたか?」
「あぁ、全く連邦軍はとんでもないMSを開発してくれたな。しかもMS一個中隊を運用する前提の戦艦を作ってると来たもんだ。シャアに偵察に行かせて正解だったな。ただ、MSも奪えてたらもっと良かったんだがな」
「はっ、申し訳ありません。自爆となると流石にこちらも手が出せません……パイロットが生き残ってたのが不幸中の幸いと致しましょう」
「過ぎてしまった事は責めても仕方ないからな。MSの損失は1機だけでこれだけの成果があれば、少なくとも一階級特進は間違いないだろう」
「そう言って頂けると有難いです」
「それでこれからはどうするのか?戻ってくるか、それとも━━」
「勿論、追いかけます」
「はははっ!そう言うと思ったわ!」
「偵察は十分にやりましたが、このままではジャブローに逃げられます。補給を受けた後は大気圏突入のタイミングで奇襲をかけます」
「大気圏だと?かなり無茶をするな」
「百も承知です。運が良ければ撃沈。出来なくとも突入進路は変えられるでしょう」
「突入した後は地球に降りるのか?」
「コムサイで北米に降りた後、ガルマ大佐と連携を取って追いかけます」
「流石、赤い彗星のシャアといった所だな」
「ここまで来たなら、やってみせます」
「ガルマによろしくと伝えてくれ」
「はっ」
「それで、補給はザク1機だけでいいのか?」
「はっ、後は冷却材や食糧等の物資補給で十分であります」
「分かった、補給はパプアが向かう」
「パプア?あんな老朽艦で物資は足りるのですか?」
「それぐらいなら足りるだろう。すまんな、本当は新品のザクを送ってやりたいのだがな」
「仕方ありません、このような現状では補給を受けられるだけで有難いです」
「では補給隊には連絡をしておく。作戦の成功を祈る」
「はっ!」
………何しよう。いや、本当にする事がない。
病室のドアが開く。
「ジーン、大丈夫か?」
デニム曹長が見舞いに来てくれた。良かった、寝るに寝れなかったのでいい暇潰しになる。
「この通りですよ」
「元気そうで何よりだな」
「こう見えて一日安静って軍医に言われましてね」
他愛もない会話が続く
「そうだジーン、伝えておく事があるんだ」
「何でしょう?」
「明日はパプアが補給に来る。その後は木馬を追いかけて大気圏で戦闘するらしい」
あんにゃろ、やっぱやるのか大気圏戦闘
「大気圏?また少佐は無茶させますね」
「いくらなんでも大気圏での戦闘は皆反対したけどな。上官命令だ、仕方ない」
前世の世界では無能な上司のせいで苦労する部下はごまんと居る。でも有能な上司のせいで苦労するって結構レアパターンじゃないのか?宇宙世紀の謎である。でもよく考えるとアレは自分の技量を他の人に求めすぎだと思う。だからバンバン部下が死ぬのよ(実際殺してるのは天パだが)
しかし明日補給かー新しい献立とか入らないか…
ん?明日?明日補給なのか?
もしかしてこれ………
実史だと
サイド7内部
↓
サイド7外
↓一日経過
ルナツー裏
で戦闘を行っております。
こうして見ると2回も攻撃を受けて反撃にでる血気盛んなホワイトベースクルー達でした。
PS.お盆の連投は期待しないでね⭐