ゼロの武偵 作:滝瀬
見知らぬ天井が視界に入った
消毒液の匂いもするので病院だろうか
───チャキッ
隣をみると無言で俺にスコープを向けているレキ
「あー、俺がなんかした?」
「はい」
即答
右手に繋がれた点滴
左腕は包帯でぐるぐる巻きだ
物凄い、惨状だったんだな
「なんか、悪かったな」
「怒ってはいませんので謝らなくて結構です」
じゃあ、なんで銃を向ける?
反論をしたいがしたら怖いので何も見なかった事にしよう
「あの後、どうなった?」
「Aは逃げました」
あの状態で逃げるとか・・・化け物かよ
いや、実際にアンデッドなんだから化け物だけど
聖水とか常備した方が良いだろうか
一夜とかが居たら面白がって海水を聖水に変えたりしそうだけど俺は出来ないんだよな
「アドシアードはどうなった?」
「明日です」
そんなに寝ては居ないか
今日中に退院も俺のこの状態ならできそうだ
起き上がろうとすると銃で軽く突かれた
銃剣は付いていないから良かったけど、なんだよ
「どこにいくつもりですか?」
「どこにって退院の手続きに「ダメです」なんで?」
「なんでも何も零さんは左腕を15針も縫っており、O型の血液が足りなくて死にかけていました」
まじ、なんだその惨状は
というか、その惨状の中で良く俺は生きてたな
余程、処置が良かったのだろう
呑気に考えていると
「監禁も考えましたが院内の方が清潔であり、容体の急変にもたいおうできます」
無表情で言うなよ
責めて黒雪みたいな表情か満面の笑みで言いやがれ
無表情だからめっちゃ怖いんだが
「おい、さりげなく物凄いこと言ってるぞお前」
病室の部屋が開き、ツインテールの女と根暗男
あと、白雪が来た
「なんだ、もう随分元気そうね。心配して損したわ」
「大丈夫なのかお前。15針縫ったって聞いたぞ」
「血液も足りなかったって聞いたよ」
三者三様の言葉を聞く
だが、レキの言ってた事は案外に本当だったらしい
いや別に疑ってた訳じゃないけど
異様にキンジとアリアが気まずそうだな
何かあったんだろうか
「もう退院しても俺は大丈夫そうだから先生と相談してくる」
「本当に退院の許可を貰うだなんてな」
帰宅中
キンジとアリアは何故か別方向に行った
喧嘩でもしたのだろう
そんな事に首を突っ込もうとは思っていないが
「長い事、入院してても意味ないしな」
「だけど、どうしてそんなに怪我したの?」
「アンデッドに俺の腕を噛ませたりとかしたからそれじゃねぇかな」
2人はすぐに固まって歩みを止めた
どうした、何かおかしな事を俺は言ったか?
いや、言ってない
「零君、今すぐ病室に戻ろう」
「秋月すぐに病室に帰れ」
「2人揃って酷くね?」
何はともかく、退院も出来た
明日のアドシアード
かなり、楽しみだ
世界各国の武偵で優秀な奴が集まってるからな
心配してくれている2人を横目に自室に戻っていった