ゼロの武偵   作:滝瀬

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出校日

 

 

 

学校に向かうのは誰だって嫌だろう

今までダラダラしていただけあって学校に向かうのはあまり好ましく無い

そう思うのは人間の本能だ

だが、学校には向かわなければならない

 

「おはよう、レキ」

 

隣の席のレキ

速いな

学校に来るのが意外と速いとは・・・

全く眠そうでは無いのを見ると生活は規則正しいのが読み取れる

 

鞄を置いて掲示板の方へと向かった

新学期早々

キンジは面白い問題に直面しているのが予測できるからだ

 

銀髪の女性とアリア、そしてキンジ

なんとも奇妙な3人

よく目立つメンツが掲示板の前に集合していた

 

【2年A組 遠山 金次 専門科目 (探偵科(インケスタ))1.9単位不足】

 

その数字に頬が引きつっているキンジ

武偵高も一応は日本の高校なので規定の単位を取らないと進級が出来ない

その事がよくわかっているキンジは当然、困る

 

「どうやらお前は問題児のようだな、遠山。しかし安心しろ」

 

【夏期休業期・緊急任務(クエスト・ブース)

 

単位不足はよくある事なので休み中に解決すべき任務が大量に張り出される

報酬は安くなる分、単位は高くなる

 

「キンジアンタ留年するの?馬鹿なの?」

 

「うっせぇ!そうならない為にこれを見てるんだ!」

 

横から横へと掲示板を見るキンジ

だが、生憎とキンジが好むような内容の任務がないようだ

 

何故って?

キンジの場合は自分の単位を1回で埋めようとするだろうな

そして、その任務は1個だけでありその紙を俺が持っているのだから

 

「キンジ、おはよう。早速だが任務、手伝おうか?」

 

俺の手には掲示板から取った紙をキンジに見せるように突き出した

キンジは目を一瞬丸くし、なにかを怪しんでいる

 

「お前・・・なにを考えてるんだ?」

 

まぁ、俺は滅多にこう言う事はしないからな

それが逆に怪しいのだろう

 

「俺はカジノに行く。だが、生憎と他の奴らにはバレたくないんだ。そこはお前も分かるだろ?」

 

チラリとHSSの事をほのめかしながらそう言う

 

キンジは無言で了承してアリアを任務に誘った

やけに積極的だな

内心、何かあるんじゃないか

そう思い、アリアが気になり出した

 

【港区 カジノ『ピラミディオン』私服警護 (強襲科 探偵科 他学科も応相談)】

 

武偵の世界じゃ腕の鈍る仕事だと言われるがキンジ的にはこれが良いのだ

女子が必須で被服は支給され、4人は欲しいという事が書いてある

度々に引っかかるところはあるがまぁ、いっか

 

だって、俺は任務を受けないし

 


 

武偵高には裏サイトという物が存在する

 

強襲科でアリアが女子と殺り合っており、その相手は札幌武偵高(サツコウ)

 

そんな所に凄い奴が居るなんて聞いた事がない

しかも弾丸が見えないしアリアが負けているときた

これは・・・信じられないとしか言いようがない

 

強襲科の体育館という名ばかりの戦闘訓練場

そこへ俺は急いで向かう

走って向かう途中にキンジと合流した

 

お互いに急いでいるので喋る事は無いが、キンジが焦っている?

 

まるでこうなる事を予知していたかのように

 

闘技場(コロッセオ)と言われる楕円形のフィールド

その前に野次馬という名の生徒が沢山いる

防弾ガラスの向こう

 

つまりは闘技場の中心から銃声が響く

 

「ど、どけ!どいてくれ!」

 

人々をかき分けるように銃声の方へと走るキンジ

それに俺も続いて押し除けていく

押し除けていく生徒達の興奮気味の声

 

「やれややれや!どっちか死ぬまでやれや!」

 

突然の大声に顔を上げると2メートルはある長刀を何本も背負った女性が見えた

 

蘭豹先生!?

この人ってこういう人だっけ

普段はもう少し大人しい人だけど・・・

 

カットジーンズから長く伸びた脚でガンガンと衝立を蹴っている

 

「アリア!!」

 

キンジが衝立に飛びついた

そして、パートナーのアリアの名前を呼ぶ

やはりというべきか向こうはこちらには気づかない

 

「おいで神崎・H・アリア。もう少し貴方をみせてごらん」

 

なっ・・・・!

目眩がするほど美しい顔に憂の色を浮かべた女性

 

───パァン!

 

バシィ!

アリアが鞭で叩かれたような音に背筋がゾクゾクする

なんだ、今の・・・

 

「うっ!」

 

ズシャッ!

短い悲鳴を上げ、前のめりに倒れた

防弾制服に()()()当たったのだ

 

銃弾か?

 

「蘭豹、辞めさせろ!こんなのどう考えても違法だろ!また死人がでるぞ!」

 

実弾・実銃を使った模擬戦は強襲科のカリキュラムの1つ

その実施には体中を完全に防護するC装備の着用が義務付けられているのだ

明らかな武偵法違反

 

「おう死ね死ね!教育の為に大衆の前で華々しく死んで見せろや!」

 

長いポニーテールを揺らし、瓢箪の中の酒を飲む先生

 

俺は防弾ガラスの扉をICキーで開け放つとキンジが勢いよく飛び出た

 

「カナ、辞めろ!」

 

アリアじゃ無い方の女性、カナの所へと走るキンジ

 

「くォらこの遠山!授業妨害すんなや!脳味噌ぶちまけたいんか!」

 

咄嗟に最近、父に無理矢理送られたネックレスを外しグラムを抜いた

 

見える

 

落雷のような発砲音を上げ、キンジの足元を狙った弾丸を断ち切った

 

流石に肩が痛くなった

真正直に斬ったので反動が来たのだ

 

世界最大の拳銃で“象殺し”

そう言われる程の銃のM500だ

 

キンジも発砲音に驚いてはいたが、走るのを止める事は無い

 

「先生、邪魔をしないで下さい」

 

淡い緑色の光を放つグラムを鞘に収める

そして、俺もアリア達の方へと向かう

これは俺の推測だが、アリア達にはあの人に勝てそうに無い

逃げるくらいの時間稼ぎはやってみるが・・・

 

なんで、アリアは決闘なんかやってんだ

 

どうしようもない疑問点を無視して俺もアリア達の方へと向かう

 

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