ゼロの武偵 作:滝瀬
結局、意味がわからない女同士の争い
アリアとカナの共通の知り合いのキンジが中心だと考えてもいいだろう
だが、何故あの時のキンジは銃を撃ってでも止めなかったんだ
パートナーが殺されかけているのに
ネックレスに埋め込まれた黒い石
なんかよくわからないが父に
『この石を肌身離さず持っていろ』
その一言だけ言われ、大人しく身につけている
封じ布と似たような効果があるのか、何故か先程も取った途端に銃弾が見えるようになった
それに、最近はラフマンにいきなり話しかけられたからな
脳内に居る2つの人格
俺の別側面とでも言えるあいつ
奴の事もこの石で抑えつけてくれたら助かるのにな
学校の屋上で壁に背中を預けながら呆然とネックレスを見ていた
「零さん」
澄んだ声がいきなり横から聞こえた
ち、近い
レキがほぼゼロ距離で話しかけてくる
暴力的なまでにレキは可愛いと不覚にも思ってしまう程だ
それ程までに心は動揺している
だが、それを顔に出さないように
「レキか。どうした?」
用件をさっさと聞く
ネックレスを首につけて、立ち上がった
「七夕の日にお祭りがあるのですが一緒にどうですか?」
「すまない。その日は用事があるんだ」
彼女からの誘いを断るのは辛いが・・・
「そうですか」
そう言ってトコトコと帰っていくレキ
話しかけるべきなんだろうけど、なんというか話しかけづらい
優先すべき用事なんだ
7月7日
家で待ち人を待っていた
扉の開く音が響くリビング
咄嗟に指輪に変えていたグラムを展開して辺りを警戒
「せっかく兄さんから会いに来たのにその態度は酷いよ」
戦闘の意思は無い
それをアピールするかのように両手を上げた一夜
グラムをしまって一夜を横に座るように誘導しておく
一夜は意外とすんなり横に座って来た
俺もソファに座ると
「一夜・・・なんのようだ?」
「炎の狼の式神っていつから居るの?」
確かに言われてみれば一夜のいる期間には居なかった
だが、そんな事はどうでもいい
一夜はなんで、きたのか
それしか興味がないのだ
「どうでも良いだろ、そんな事よ「どうでもよく無い!!」
声を荒げた一夜に驚く
一夜は何か必死な様子だ
「・・・兄さんが居なくなって直ぐ。雨の日に会ったんだ」
───────
〜回想開始〜
轟々と降りしきる雨の日
外を傘もなしに歩き、兄の事を探し続けていた
「なんで居ねぇんだよ、兄さん・・・・!」
下唇を噛みしめ、そう言った
雨でわからなかったが、正直言って泣いていたと思う
心の真ん中にポッカリと空いた穴
その穴がなんなのか理解もできずに悲しさを埋める方法を考えた
───ボッ!
後ろからこんな音が聞こえた
火が着火するかのような音
ハッとして後ろを振り向いたら居たのだ
黒炎の狼の式神が
触れてみると淡い緑色の光を放って、消えた
それが狼牙だ
〜回想終了
───────
一部抜粋しながらも伝えると頭を抱えた一夜
なんだよ、まったく
お前が今更になってそんな顔をしたってなにも変わらないだろ
式神に嫉妬でもしてるのか
「零・・・これからは絶対に武偵の活動をしてはいけないよ」
俺の肩を掴んで無理矢理目を合わせてくる一夜
正直言ってどうでも良いが、何言ってんだこいつは
勝手に俺の活動を制限するつもりか
「な、なんでだよ!兄さんには関係ないだろ!?」
「とにかく、一般校に通って普通の幸せを「お前が俺の幸せを決めるんじゃねぇ!」
「零、僕はもう帰るからゆっくり考えるんだ」
くっそ、馬鹿じゃねぇの
あの兄貴が自由なのは元からだ
それに今になって振り回されるなんて・・・
冗談じゃない
あと少ししたら狼牙が教えてくれたカジノ
そこに向かわなければならない
一夜とそこで全面戦争になりそうだ