ゼロの武偵   作:滝瀬

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狙撃

 

母が亡くなったのは5歳の時だった

 

死体は変死

 

俺と兄が母を殺したのだ

原因は力の制御が出来ず、止めようとした母を超能力を使って殺した

父は悲しみに明け暮れ、冷徹な仕事人間へ変貌

 

その後、すぐに武偵を養成する施設へ送られた

 

呼吸をする様に銃を発砲する訓練や体術などを習い、日々を過ごしたが兄には勝てない

日を重ねる事にそう痛感していく

 

俺の能力と兄の能力は根本が似ているようで違う

 

兄が本気になれば、恐らくキンジにもレキにも誰にでもなれる

 

そんな化け物が、小学6年の時に消えた

“跡形も残らず、その場に存在していた事が疑わしい”

調べられた書類にはそう書かれる程

 

『こんな筈は無い!兄さんはあの場所へ行くと俺にメールまでしたんだぞ!?』

 

小学6年生

それにしては良く、俺は証拠を集めようとした

結果は虚しく何一つとして成果は出ない

多少なりとも苛立ちは覚えていた

 

『零君、君の気持ちもわかるが君の兄・一夜君は優秀だ。だが、優秀だからこその苦悩があったんじゃないかな?』

 

このオヤジはなにを言ってるんだ

兄の名前を気安く呼ぶな

確かに兄は、一夜は優秀だ

 

常に一位を狙ってる訳じゃないのに一位になっている

俺はずっと座学も実技も兄の次だ

 

その為、周りからは言われる

『秋月の失敗作』

これが何より不名誉で腹立たしかった

 

他の奴らよりかは出来ている

 

俺は1人でなんでもできるんだ

一夜の方が少し出来るだけで・・・

 

『何が言いたいんだ!?』

 

回転椅子を使って後ろを向いた教師を睨みつけた

懐の拳銃を出そうかと考えたが、それは犯罪の為に出さなかったが

 

『零君、君は一夜君とは違って努力型の天才だ。人はその努力では無く結果を見る』

 

確かに兄に勝つために血の滲むような努力をした

銃を扱う時に呼吸と同時に発砲するように努力もしたしスポーツだって頑張ったんだ

 

『だが、そんな事をしても君は一夜君には勝てない』

 


 

水の底から救い上げられるような感覚

 

それと同時にベットから飛び起きた

 

「っ!はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・」

 

息が荒く、酷く汗を流しており時計を見ると

 

“午後1時32分”

 

学校はもう始まっているし行こうとも考えなかった

明日から少なくとも1日はイギリスなのだ

それを考えると準備をした方が良さそうだよな

 

シャワーを浴びに向かう

 

服を脱いで風呂場の扉を横に開いた

シャワーから噴出される水を適温にしてからゆっくりと頭から浴びる

汗が流れる感覚とは違い、爽やかで心地が良い

 

テストの結果でもいくら勉強したか

それはその結果、つまりは点数を取るまでの過程

だが、点数ではその過程の様子を見る事が出来ないのだ

 

結局はあの男の言った通りなのかも知れない

 

ピシッ!

 

「は?何、このヒビ?」

 

急な出来事にシャワーの水を止め、窓を見た

意外にも風呂場の窓も防弾だったんだな

ベランダの近くにある風呂場

その為、外に面した窓があるのだがその窓にヒビが入った

 

ピシッ、ピシッ!

 

なんだ、この音は・・・

 

やはりというべきかやっぱりというべきか窓の全く同じ位置に弾丸が当たっている

 

こんな事ができそうな奴は1人しか知らない

 

「レキか!?」

 

思わず声に出したが俺を狙撃する奴はそいつしか居ない

 

ん?待てよ、俺は今どこにいるんだ

風呂場だよな?

という事は当然・・・・

 

「〜っ!」

 

なんとも言えない羞恥心

そして、レキへの少しばかりの恨み

 

すぐに、風呂場の外へと出た

 

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