ゼロの武偵 作:滝瀬
レキに羞恥心は皆無だった
逆に俺が意識しすぎたんだなと痛感
そして、今日はイギリスへと向かう日
飛行機に乗った事が無いんだよな
「零様、お迎えにあがりました」
几帳面そうな男が玄関を出ると立っていた
それは、執事のサイラスだ
「?迎えが来るって聞いてなかったんだが・・・」
今から空港に向かうけど、サイラスの迎えが来るなんて聞いていない
「はい。ですが、やはり迎えに行くようにと言われましたので」
スケジュールを確認するサイラス
手帳を開いて中身を確認し、再び俺の目を見る
「まぁ、良い。じゃあ、頼んだ」
「仰せのままに」
サイラスってこんな事いう事があるんだな
俺が知らなかっただけなのか
貴族が好きそうな印象を受ける部屋
飛行機の中にこんな部屋があるだなんてな
知らなかった
飛行機に初めて乗るが、怖いという感情は無い
「飛行機の中にまで乗るのか?」
サイラスはまだ、一緒にいる
「はい、イギリスに着いた時に零様が困らない為に」
「そうか・・・なぁ、なんか作ってくれよ。俺はスープが飲みたい」
サイラスにそう頼むとすぐに了承された
スープをつくる為にお湯と紙コップをもらいに行くサイラス
出来るまで本を読んで待ってるか
そして、出来たスープ
一見するとトマトスープだ
「・・・なぁ、サイラスじゃないだろ。お前」
「何をおっしゃりますか?私はサイラスです」
悪魔でシラをきるつもりか
そっちがそう来るならこっちにも考えがある
「兄さん・・・バレバレだ」
サイラスを知っている
それでいて、完璧なまでの変装
今、作ったトマトスープ
「このスープ、兄さんの血が入ってる。俺を呪うつもりだったね?」
兄の血は呪いの効果が含まれている
口にもし、兄の血を含めば吸血鬼などは直ぐに死ぬだろう
「ふーん、頭が良くなったじゃん」
ドロドロと体の表面が溶けていくように段々、兄さんが見えて来る
ついにはジャージ姿の男が見えてきた
金髪碧眼
そして、歯が見えるように笑う兄
「今まで一体どこに「そんな事より」
兄が話す暇を与えたくないらしい
話を遮ってきた
「零は武偵に居ちゃ駄目だよ」
突然、告げられた言葉
そして何気に話が噛み合ってない気がする
「なんでそうなるんだ?」
「零、君は別側面があるだろ?それは武偵では活かせない。だからイ・ウーにおいで」
「なんだ、そのイ・ウーって?」
聞き慣れない単語
まず、その意味を知らないと答える事ができない
首を触りながら兄を眺める
兄はピアスが付いた片耳を触りながら
「来るか来ないか分からないのに連れて行ける訳ないだろ?」
正論を言ってくる
当然的に知らない単語なんだ
何かしら隠されてると考えるのが普通だろう
「わからないのに返事できると思うか?」
しまった
言った後に気づいた
兄は話し合いなんかするつもりは無いと言うことに
「いや、思わない」
そう言って、ポケットから金属類を5個くらい取り出した兄
咄嗟に俺は右手で左の二の腕を掴んだ
次の瞬間、鉄と思わしき物体が突如として矢の如く飛んでくる
頬を少し掠った鉄
貫通するくらいの威力だったぞ、今のは・・・
壁に小さな鉄球がめり込んだ
「だから、力尽くで連れて行く」
実力行使で俺を捕まえるつもりだ