ゼロの武偵   作:滝瀬

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第8話

 

あれからずっと俺は攻撃を避ける事が出来てない

 

一撃、一撃が重すぎて体があまり動かないのだ

 

「零、早く()()()()()()と死ぬよ?」

 

ビリリリッ!

そんな効果音が付きそうな速さで背筋に悪寒が走る

自然と呼吸が荒く、心拍数も上がり血流も早くなった

ヤバイ、このままだと飛行機が墜落する

 

一夜目線

 

遠目に零を見かけた時は驚いた

何しろプラチナブロンドの髪が銀髪になっていたから

だが、あまり違和感は無かったし逆に嬉しく思う

双子だから周囲に比較され続けた

お互いにそれが苦になっているのは事実

髪の色が違うだけでも見分けはつくし、何よりすぐに双子だとはわからない

 

零は努力型の天才だ

その為、俺は零よりも努力する事が必要だった

だから誰にもバレないように必死に零を観察

勉強方法も運動の仕方だって完全コピー

元々、並外れた身体能力を持つ零に運動で勝つのは苦労したが僅差でなんとか勝っていた

 

それだけで満足で、それ以上もそれ以下も望まなかったが零は努力を続ける

だから必然的に俺も努力しなければいけない

 

ある日、身体障害者が車椅子に乗って居たが転んだのを見かけた

零と下校中の時で、あまりこの時間を減らしたくは無い

足が不自由なようで、必死に踠いて車椅子に近づいて行く

正直、見ているのは楽しく無いが助けるのは面倒くさい

 

「零、行こうか」

 

そのままその場から離れようとした時

 

「大丈夫ですか?」

 

零は俺の隣じゃ無くて身体障害者の隣に居た

駆け寄って行くなんて事はこの場にいた誰も出来なかったのにそれを成し遂げたんだ

無性に悔しくなったし苛立ちも覚えた

 

なんで、駆け寄ったのか

それを後で聞いた時に零は滅多に見せない笑顔を浮かべた

何がそんなに笑えるのだろうか

 

「だって、身体障害者に俺らがなった時に誰かに助けて貰わないと嫌だろ?」

 

そう言って俺の前を歩く零

酷く羨ましくなった

優しさも考え方も・・・

こんなに羨ましいのは双子だからなのだろう

俺にも理解できる考えを言い放ったから尚更、苛立った

 

久しぶりに会った零はあの頃とは比べ物にならないくらい強い

だけど、これじゃあ駄目なんだ

これだと俺の呪いを受け取れない

俺の呪いを受け継いで貰わないと困るんだ

 

5歳の時、零に初めて嘘をついた

俺が指を切った時に、零が消毒で俺の指を舐めようとする

それを見て咄嗟に止めた

 

『血を舐めたら呪われるよ』

 

昔から頭が良い零に対抗して居た

国語辞典など普通に読んでいた零に対抗して母に英和辞典を読んでもらっていたから俺もそこそこ頭は良かったと思う

 

『母さん、舐めてたけど呪われてないの?』

 

『この血だけだから』

 

血を舐められると俺にとっての不都合が起こる

それだけは昔から反応がそう訴えてくるので知っていた

最近、それの正体は理解している

だから俺は零に預けようと思うんだ

 

一夜目線終了

 

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