ゼロの武偵   作:滝瀬

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機内では

 

一夜目線

本来、人間には良くも悪くも表と裏がある

そして今、俺が前にしているのは宛ら零の裏だろうか

 

本来、白目の場所が黒く瞳孔が血のように赤く染まっている

 

「・・・死に狂え、愚者が!」

 

何というか零とは想像の付かないが一様、零だ

酷く好戦的で、それでいて話が通じない

 

右ストレートを顎に向かって迷いなく打ってくる

 

そう見て、零の腕を捕まえる為に腕を伸ばすと零の腕の周りに異変が起きた

 

緑の四角が群がり、視界から零の腕が消える

 

そして、後頭部に強打が入った

 

「・・・空間を、置換したのか」

 

そうとしか考えられない

 

俺の超能力は変換

先程、俺が身にまとって見せたのはウルツァイト窒化ホウ素

地球で最硬度を持つと言われる物質だ

 

零はそれを簡単に突破して俺に攻撃を与えた

 

「変な物だな?ダイヤモンドよりも硬い」

 

そう言って手の中にある物質

恐らく、少し取っていったのだろう

やはり化け物じみている

 

病院に連れて行こうにもこの状態で連れて行くと病院は潰れる

そして、この人格は中々出てこない

恐らく零自身が押さえつけて隠しているのだろう

 

ヒステリア・サヴァン・症候群(シンドローム)

 

これである可能性が極めて高いと聞く

だが、発動のトリガーが何かを掴めていない

なにより、零が自分でコントロールも出来ていないんだ

 

身体能力の脅威的向上

元々の超能力の使用の幅が広がっている気さえもする

 

「あんた、弱くなったな?手加減は必要ない。俺も本気で行く」

 

舌舐めずりをする零

それを見て頬を少し掻く事しかできない

 

「それは困ったなぁ。零に本気で来られたら俺死んじゃうよ」

 

俺は冗談めかして笑う

だが、実際に本気でやれば死ぬ

 

飛行機の船体が大きく揺れた

 

上手く行ったのか行ってないのかわからないが引き際はここだな

 

早めに居なくならないと俺も死んじゃうし

 

「零、また遊ぼうね」

 

「けっ、誰が遊ぶか馬鹿兄貴」

 

そんな事は言いつつ遊んでくれるくせに

心の中ではそう考えて、部屋の一部を爆破

そして、飛行機から飛び降り足元の空気を床のように固めた

 

一夜目線終了

 


 

何が起きてやがる

面倒くさい

とにかく、ここは部屋から出て状況判断をするべきだ

 

「ったく、めんどくせぇ」

 

ドアを蹴破り、廊下に出る

弁償は親父がやってくれるだろう

 

とにかく今の衝撃の正体を探らなければならない

 

「・・・来い、狼牙」

 

その言葉を言うと青い炎が現れた

炎はだんだんと黒い炎へと変わっていく

瞳と思わしき部分だけは水色となっている

 

「狼牙、兄貴を追え」

 

それだけを伝えると火は消えていく

恐らく、兄を追ったのだろう

あのくそ兄貴は絶対におれが捕まえる

 

パイロットが居ると思わしき操縦席へと向かう

手で開けるのが面倒くさいのでドアを蹴破る

 

「れ、零!?何してんのよあんた!?」

 

「うるせぇよ、チビ」

 

「!な、何ですって!?」

 

そりゃ、チビだろうけど

だろうな

その身長の高校生がいる時点で驚きだよ

 

「おい、状況は?」

 

「ガソリンが漏れ続けてる。残量が少ない」

 

さっきの振動でか

なんで、そんな事になってんのかは知らんが喧嘩を売られてんだな

よし、そいつは後でぶっ飛ばす

 

「それで太平洋側に不時着するのよ」

 

アリアが不吉な事を言っている

 

「馬鹿か、お前。そんなところに空港があるとでも?」

 

「航空自衛隊が「アリア、それは俺達を見捨てようとしてるんだ」

 

事態の大変さ加減に気づいたようだな

生憎、そんな生温く優しくするつもりなんて無いからな

 

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