原作知識のあるSPW財団員です   作:月暗

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復讐と約束

シンガポールを出て、列車で移動してついたのはインド、カルカッタ

 

ジョセフが歪んだ知識でアヴドゥルに大丈夫かと質問する。

 

 

「あ、典明くん、財布ポケットの中に入れない方がいいよ」

 

「え?どうしてです?」

 

「スられるから、なんなら私のカバンに入れとく?」

 

「お願いします……スられるのはちょっと」

 

 

そんなこんなで列車からおりると凄まじい騒音と、何かと理由をつけてお金を恵んでもらおうとする人だかりに思わず大きなため息をついてしまった。

 

 

「ベラ!能力を使ってくれ!」

 

「ジョースターさん、無茶言わないでくださいよぉ……我々一行全員に時の流れを認知させてしまっては私が倒れてしまいます……」

 

「ぐぬぅ……」

 

 

そして一行はヘロヘロになりながらレストランに入り、食事をとることにした。

 

 

「要は慣れですよ。慣れればこの国の懐の深さが分かります」

 

「な、慣れることが出来るでしょうか……」

 

 

そんなような弱音を吐いているとトイレの方からガシャンと鏡の割れる音が聞こえた。

 

 

「どうしたの、ジャン」

 

「何事だ?」

 

「い……今のがスタンドだとしたらついに!ついにやつが来た!俺の妹を殺したドブ野郎のスタンド使いが!ついに会えるぜ」

 

 

ジャンは店を飛び出した。

 

衝動的にともとれるその行動を仕方ないと思うと同時にふざけるなという怒りも込み上げてきた。

 

 

「ジャン、待って、待ってよ!」

 

「なんだベラ!俺はやっと妹の仇を見つけたんだ!今行かなきゃいつ行くって言うんだ!」

 

「何も行くなとは言わないわ!もう少し考えて行動しろって私は言いたいのよ!」

 

「フン、ジョースターさん俺はここであんたたちとは別行動を取らせてもらうぜ」

 

「ジャン!」

 

「こいつはミイラ取りがミイラになるな」

 

「えぇ、確実にね」

 

「ポルナレフ、別行動は許さんぞ」

 

「なんだと、つまりおめーらは俺が負けるでも言いたいのか?」

 

「ああ!敵は今!お前を一人にするためにわざと攻撃したのがわからんか!」

 

「いいか、ここでハッキリさせておく。俺は元々DIOなんてどうでもいいのさ。香港で俺は復讐のために行動を共にすると断ったはずだぜ。俺は最初から一人さ、一人で戦っていたのさ」

 

 

――パシッ

 

 

「ふざけないで……」

 

「ほぉ、プッツンくるかい。ベラ」

 

「ええ!頭にきたわよ!行くなら行けばいいわ!一人で戦っていた?そう思うのも好きにすれば?残された人の気持ちはあなたがよく知っていると思っていたんだけどね!」

 

 

くるりとポルナレフに背を向ける。

 

 

「イザベラさん……」

 

「知らない。私は自分の命を粗末にするやつが大嫌いなの」

 

 

私の後ろではまだポルナレフとアヴドゥルが口論している。

 

そういう私は言いたいだけ言って、背を向けて、そして泣いている。

 

まるで小さな子供じゃないか。

 

典明くんが遠慮気味に私の背中を撫でる。

 

 

「ごめん典明くん、私弱すぎるみたい」

 

「十分強いですよあなたは」

 

 

一瞬だけ後ろを見るとポルナレフはもう歩いていってしまっていた。

 

 

「……ジョースターさん、ポルナレフの後を追おうと思います」

 

「アヴドゥル、何故だ?」

 

「あのまま死なれては夢見が悪い」

 

「そうじゃな、分かれ手行動しよう」

 

 

二手に分かれ、私は承太郎と一緒に行動することになった。

 

よりにもよって承太郎……心臓が持つかどうか……。

 

 

「なあベラ」

 

「なんですか?」

 

「お前はポルナレフをどう思っているんだ?」

 

「どうも何も大切な仲間ですよ」

 

「……質問を間違えたな、ベラ、お前は何に怯えてる?」

 

「怯えてる……私がですか?」

 

「この旅が、いや、旅が始まる前からもお前は何かに怯えているように見えた」

 

「私が脅えているとすればそれはあなたたちが居なくなってしまうかもしれない恐怖にやられてしまっているんだと思います」

 

「俺たちがいなくなる?何馬鹿なこと言って」

 

「前にも言いましたが、私は夢の中でDIOに会いました。それはそれは、とても恐ろしかったですよ。首に手をかけられた時は、情けないですが"死ぬ"と思いましたね」

 

「殺させねぇよ」

 

「承太郎、さん?」

 

「絶対だ。約束するぜ、俺はお前を守る」

 

 

ぽす、と頭に大きな手が乗っかる。

 

その暖かい手に安心してゆっくりと目を閉じる。

 

 

「それは……とっても頼もしいですね」

 

「大人ぶりやがって」

 

「大人ですから。なら承太郎さん、私も約束します」

 

「何を?」

 

「あなたたちジョースターを、いえ、私の大切な人を守り抜くと。守られるだけの人間じゃありませんよ、私は」

 

「ふっ、んなこと昔から知ってる」

 

 

そう言うと承太郎は歩き出した。

 

私はそれについていく。

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