「……あれ?ポルナレフは?」
「移動のバスでもずっと喋ってたあの女と外に行ったぜ」
「ああそう」
ホテルのロビーにあるソファに座る。
しばらくして承太郎が外の方に目を向ける。
「やけにパトカーの音がしねぇか?」
「そういえば、何か事件が起こったんですかね」
「……ジジイじゃねぇだろうな」
「ジョースターさんが?まさかそんなわけ……い、いや、敵スタンド使いにはめられたという可能性を考えれば」
「様子を見に行くか」
そう言って承太郎がホテルから出ようとするとホテルのスタッフが慌てて承太郎を止める。
ため息をつきながらソファに座っている私たちの方に戻ってくる。
「殺人犯が逃走中だから警察が出るなとよ」
「ああ最悪……敵スタンド使いに狙われているとはいえ私たち少し不幸すぎやしない?」
「これも全てDIOって野郎のせいなんだろ」
「そうですね、はあDIO……」
ジョースターの敵であるDIOのことを考えると私は頭が痛くなってくる。
彼の過去を知ってしまっているからだろうか。
環境が作り出したものではない、根っからの悪人、なんだろうか……。
自分の中の悩みやもやもやを全部吐き出すように大きなため息をついた。
「ため息をつくと幸せが逃げますよ」
「なら二人が私の幸せをもらってちょうだい」
「嫌だね」
「あら、残念です」
「ただでさえ自分を後回しにするお前の幸せを俺たちがもらったらお前の分がなくなる」
「確かに、イザベラさんって自分のことは二の次って感じですよね。僕らが最優先というか」
「そりゃあ、自分の大切な人には生きていてほしいって思わない?」
「思いますけど、自分のことも大切にしてください」
「してるよ、してるから自分の命を粗末にするような行動はあまりしないじゃない」
数分間そんな話をしていたら典明くんが立ち上がる。
「……もうそろそろ行った方がいいでしょうか」
「そうね」
「3人いけんのか?」
「数秒ならなんとか」
「思ったんですけど、イザベラさんの能力って一部分にかけることとかってできないんですか?」
「一部分?」
「はい、落ちてくるものにかけて落ちるのを阻止する、みたいな」
「できると思うよ」
「そうなんですね!疑問が晴れました」
そうか、何も私たちに限定して能力をかける必要はないのか。
さっきのようにホテルの出口に行くとまたスタッフが駆け寄ってくる。
私はそのスタッフの足だけに能力をかけてみる。
「ヴァンスできる?」
そう聞けばアット・ヴァンスはこくりと頷きスタッフに手をかざす。
するとスタッフの足は急にカタツムリのように遅くなってしまった。突然足が動かなくなってしまったスタッフは驚きのあまり立ち止まって自分の足をじろじろと見る。
「思ったよりすんなりできた」
「敵の動きをああやって遅くできたら簡単に撒けるな」
「確かに、これは強みですね」
「ふふっ、じゃあジョースターさんを探しに行こうか」