原作知識のあるSPW財団員です   作:月暗

7 / 17
騎士と魔術師の戦い

ポルナレフの後ろについて歩き、辿り着いたのはタイガーバームガーデン

 

 

「ここで予言をしてやる。まずアヴドゥル、貴様は貴様自身のスタンドの能力で滅びるだろう」

 

 

占い師に予言をするポルナレフ、よほど自分に自信があるのだろう。

 

じゃなきゃそんな事言えっこない。

 

ポルナレフは挑発するようにレイピアでマジシャンズレッドに攻撃を仕掛ける。

 

そしてマジシャンズレッドにそっくりな石像を彫り、また挑発の言葉を投げかける。『この庭園にぴったりマッチしているぞ』と。

 

 

「承太郎、何かに隠れろ。アヴドゥルのアレが出る。とばっちりでヤケドするといかん」

 

「アレ、ですか。実際に見たことはありませんが話を聞く限り相当なものらしいですね。典明くん、私の後ろに」

 

「は、はい……」

 

「クロスファイヤー!ハリケーン!」

 

 

あまりの熱風に思わず目を瞑ってしまう。

 

そして次に開けると攻撃をしたはずのマジシャンズレッドが雄叫びをあげながら燃えていた。

 

その状態でもまだ、攻撃を続けようとするアヴドゥルさん。

 

この先を知っていても、思わず目を瞑りたくなる光景だ。

 

 

「やれやれやれやれだ!悪あがきで襲ってくるか、見苦しいな」

 

 

スパンッと斬られてしまうが、斬った感触に妙な手ごたえを感じるポルナレフ、気づいたときにはもう自分自身が炎に包まれていた。

 

 

「ばかな!切断した体内から炎が出るなんて!」

 

「あれは人形だ、スタンドではない!」

 

「炎で目がくらんだな。貴様がさっき斬ったのは貴様のスタンドが彫った彫刻の人形だ。私の炎は自由自在と言っただろう?自分のスタンド能力にやられたのはお前の方だったな!そして私のクロスファイヤーハリケーンを改めてくらえッ!」

 

 

また、まばゆく大きなアンク型の炎をチャリオッツ目がけて打ち出した。

 

 

「占い師の私に予言で戦おうなどとは10年は早いんじゃあないかな」

 

「恐ろしい威力、ですね……」

 

「ああ、ひでぇヤケドだ。こいつは死んだな。運が良くて重症、いや、運が悪けりゃかな」

 

「どっちみち3か月は立ち上がれんだろう、スタンドもズタボロで戦闘は不可能!ジョースターさん、われわれは飛行機には乗れぬ身、先を急ぎましょう」

 

「……待ってください」

 

「どうしたんじゃベラ?」

 

「何か、様子が……」

 

 

わざとらしさが若干あるが、全員が足を止め、再度ポルナレフの方を向いた。

 

銀の甲冑が分解され、ポルナレフが寝たままの姿勢で空へ飛んだ。

 

 

「ブラボー!おお、ブラボー!」

 

「軽傷?いやそれよりも、何故奴の体が宙に!?」

 

「フフフ、感覚の目でよーく見てろ!」

 

「うっ、これは!?」

 

「甲冑を外したシルバーチャリオッツ」

 

 

思わずポルナレフと声が重なった。

 

紙越しや画面越しでは到底伝わりそうにないこの感覚、声が出ない方がおかしいというもの。

 

ポルナレフが自身のスタンドの説明をする。

 

 

「今はプロテクターがなく、今度再び食らったら命はないということ」

 

「ウイ、ごもっとも。だが無理だね」

 

「無理と?試してみたいな」

 

「なぜなら君にゾッとすることをお見せするからだ」

 

 

シルバーチャリオッツがズラりと7体に増える。

 

残像、それが出せるほど早いとは確かにゾッとする。

 

そしてアヴドゥルは何も出来ずに攻撃を受けてしまう。

 

 

「アヴドゥルさん……」

 

「心配するなベラ、アヴドゥルが負けるはずがない」

 

「そう、ですが……」

 

 

妹のために10年も修行したなんて、普通じゃ簡単に出来ることではない。

 

……もしアヴドゥルさんではなく私が戦っていたら、私は彼に勝てるのだろうか。

 

胸を張って「彼に勝利した」と言えるのだろうか。

 

 

「騎士道精神とやらで手の内を明かしてからの攻撃、例に及ばぬ奴。故に私も秘密を明かしてから次の攻撃にうつろう」

 

「ほう?」

 

「実は私のC・F・Hにはバリエーションがある。十字架の形の炎だが一体だけではない、分裂させ、数体で飛ばすことが可能!C・F・H・S(クロスファイヤーハリケーンスペシャル)かわせるかーッ!」

 

 

無数の炎が襲いかかったがポルナレフはまたそれを弾き返そうとする。

 

だがそれは出来なかった。

 

先程アヴドゥルが開けた穴から、丁度チャリオッツの下にある穴からCF・H・Sが飛び出してきたのだ。

 

 

「さっき炎で開けた穴だ。さっきの炎はトンネルを掘っていた、そこからクロスファイヤーハリケーンを……」

 

 

アヴドゥルは炎で焼かれるポルナレフに短刀を投げ渡した。

 

 

「炎で妬かれるのは苦しかろう。その短剣で自害するといい」

 

 

喉元に短剣を持っていくが、それはカランと音を立てて地面に落とされた。

 

 

「自惚れていた。炎なんかにわたしの剣さばきが負けるはずがないと。フフ、やはりこのまま潔く焼け死ぬとしよう。それが君との戦いに敗れた私の君の『能力』への礼儀……自害するのは失礼だな」

 

 

静かに目を閉じるポルナレフ、DIOの命令をも上回る誇り高きその精神にアヴドゥルは感心した。

 

炎を消し、額に植え付けられている肉の芽を取り除くことになった。

 

やはりこの場では私の出る幕はなかったようだ。

 

原作との大きな違いも今のところない。

 

安心して、というのは少し語弊があるかもしれないが旅を続けられそうだ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。