原作知識のあるSPW財団員です   作:月暗

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偽物船長と思いがけない遭遇

「な、なぜこの船長が怪しいと分かった?」

 

「いや、全然思わなかったぜ。もともと船員全員にこの手を試すつもりでいただけだ。だが、ベラが乗ってきたからな」

 

「シブいねぇ、全くおたくら、シブいぜ。確かに俺は船長じゃねえ、本物は既に海の底で寝ぼけているだろうさ」

 

「それじゃあてめーは地獄の底で寝ぼけな!」

 

「俺のスタンドの暗示は月、水のトラブル!嘘と裏切り!未知の世界への恐怖を暗示している。その名は暗青の月(ダークブルームーン)!」

 

「きゃああああ!!」

 

「ッ、ベラ!」

 

「わかっています、ヴァンス!」

 

 

また時が遅く流れる。

 

遅くなった時の中、ダークブルームーンから引き剥がす。

 

原作にはもっと展開があったはずだが、生憎私は頭に来ている。

 

何もせず、女の子が攫われていくところを見るつもりなんざさらさらない。

 

女の子を自分の後ろにやり、時の流れを戻す。

 

 

「なッ、人質は!」

 

「あなたが喋っている間に助けたよ。だって敵の文言をいちいち聞いてやる必要は無い、そう思わない?」

 

 

船長は私をキッと睨んだが、怖くもなんともない。

 

睨んでいる暇があるなら誰か一人を殺す気で攻撃すればよかったのだ。

 

なのにそんなにタラタラしているからスタープラチナのラッシュを食らう羽目になった。

 

これで大丈夫だろう。女の子を引き上げる必要も無いから腕にフジツボだってつかない。

 

 

「はぁ」

 

 

そうため息をついたのもつかの間、船が爆発し始めた。

 

クソっ、あの偽船長爆弾をしかけていたのか、ただでさえ私には二人分の記憶があるようなものなのに、そんな細かいこと覚えているわけないじゃないか!!

 

私と承太郎以外の時を遅くさせ、急いで船に乗っている全員を救命ボートへと移動させる。

 

こうすれば爆発の被害を受けることはあまりない。

 

暫く海の上をボートで揺れることになる。

 

 

「救難信号は出した、もうじき助けが来るだろう」

 

「そう、ですか……安心しました……」

 

「ベラ?気分が悪いのか?」

 

「少し……旅が始まってから早数日、満足に休めていないので睡魔が」

 

「そうか、わかった。少しでもいいから眠るといい」

 

「すみません……」

 

「いい、お前さんはよく頑張ってくれているよ」

 

「もったいない、お言葉です」

 

 

そう言って私は眠りについた。

 

 

 

――夢を見た。

 

目の前にはこの旅の原因であるDIOが立っていた。

 

 

「貴様がイザベラか」

 

「……DIO」

 

「なぜ私がいるのか、そう言いたげな顔だな」

 

「夢の中ならなんでもありって言うけど、この旅の最中にあんたが出てくる夢だけは見たくなかった」

 

「フフフ、イザベラ、これは夢であって夢じゃない」

 

「……どういうこと、スタンド能力?」

 

「あぁ」

 

 

そういえば夢の中に強制的に引きずり込むスタンド使いがいたな。

 

でもこんな早くに干渉するってどういうこと?

 

 

「特定の人間に夢のような空間で語りかけるだけの能力だ」

 

「てことは、今私は本当にあんだと話してるって言うの?」

 

「そうだ、だからこんなことも出来る」

 

 

DIOは私の首元に爪を立てる。

 

 

「言え、この先の未来を」

 

「っぐ、な、んのこと……だ……」

 

「貴様は知っているんだろう。この先、私が勝つのか、それとも負けるのかを……なあ、知っているんだろう?」

 

 

DIOが甘い声で囁いた。

 

なぜ知っている?私はジョセフにも前世の記憶があることを言っていないのにどうして?

 

まさか、この夢のような空間を作り出したのは私の知っているスタンド使いではない?(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

 

 

「っく……ぁ」

 

「……時間切れか、まあいい。言うまで私は何度でも来てやるぞ、イザベラ」

 

 

クイっと長い指で私の顎を上げる。

 

世間一般的に言うDIOの『綺麗な顔』も今の私から見れば最低最悪の極悪人の顔にしか見えない。

 

 

「ふざ、けるな……お前が勝つわけが無い!!この旅の勝者はジョースターだ!!」

 

「……フン、そうか。お前はそう言うのだな。イザベラ」

 

「そう言うもなにも、これは事実だ。あんたに勝ちを譲る気なんてない」

 

「その事実は私の手によって虚しく散ることになるだろうな。勝者はこのDIOだ」

 

 

DIOが勝ち誇った笑みを浮かべた瞬間、私は目が覚めた。

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