GIFT   作:O-RiN

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こんばんわ、O-RiNです。
今回は選定試験が、メインの話です(?)
そして、シリアスタグを追加した理由ですが、今回の話を読んでもらえるとわかると思います(笑)
それでは、どうぞ!


《EP:3》正体

 

 

「で、どうするんですか?」

 

「う〜ん・・・。ずっとこのままってわけにもいかないよね〜。」

 

二人は現在、庭の端の柱の陰に隠れながら策をねっていた。

 

時は少し遡り、10分前。試験内容の説明もそこそこに、突然に試験開始の合図がなされるや否や、数少ない女性である二人は周りの受験者から一斉にターゲットにされたのである。

力が強いエルスは、襲い来る受験者の男を躱すなり、投げ飛ばすなり、受け流すなりしてやり過ごせたが、ヤクモはそうもいかない。

そこでエルスはヤクモを庇いつつ、やっとの思いで誰にも見つからなさそうな場所へ一先ず身を隠したのである。

 

「とりあえず、私は少し頑張ってみよっかな。ほら、まだ他の人のシールを集められてないし、このままじゃ不合格になっちゃうしっ!」

 

「あっ、待ってくださ・・・いっちゃいましたか・・・。さて、私はここで隠れてますか・・・」

 

軽快に中央の激戦区に飛び出したエルスは、持ち前の超人的な身体能力で他の男性受験者達のシールを次々と奪い取っていった。

 

「ほらっ、よっ、そーれっ!」

 

気が付くと手持ちのシール枚数は100枚を超えていた。

 

「随分沢山集めちゃったなー。これだけあれば合格間違いないよねっ! あとは逃げきれば私の勝ちっ・・・じゃなかった! ヤクモちゃんを忘れてた! ヤクモちゃ・・・」

 

残り30分あまり、後は逃げ切って時間を稼いで合格は間違いなしと笑みを浮かべるエルスだが、ここで置いてきたヤクモのことを思い出し、振り返るが目の前に広がる光景に言葉を失った。

 

「私はここですよ、エルスさん。」

 

そこに居たのは、全身血まみれのヤクモの姿だった。そして何より、周囲に転がる受験者と思しき人達。皆酷い傷を負っていた。

その内の一人に右足を乗せ、笑みを浮かべるヤクモ。それは先程までの彼女の様子からは想像つかないほどの狂気、恐怖を感じた。

 

「えっ・・・これ・・・ヤクモちゃんがやったんじゃないよね・・・?」

 

信じられないといった様子のエルスにヤクモは更に口の端を釣り上げ、狂気の笑い声を上げながらこう答えた。

 

「まあそうなりますよね。共に試験を受ける同志だと思っていた人物の正体が、”殺人鬼”ともなると。」

 

「えっ、うそ・・・。」

 

「残念ですが本当ですね。事実、私以外に居ないでしょう? この状況で、唯一人を殺すことが出来うる人物。他に立ってる人も居ませんしね。」

 

「何事だ!? ・・・・・・! なんなんだこれは!?」

 

騒ぎを聞き付けた初めに試験の説明をしていた騎士団の男、アラドはこの惨状を目にし、血相を変えた。

 

「あら、誇り高き白翼騎士団ともあろうお方が、随分と遅かったですね? まさか、私が指名手配犯と知って腰が引けました?」

 

「指名手配、・・・・・・! まさか、貴様”カガリ”か!?」

 

「違います!この子の名前はヤクモちゃんです! 指名手配犯とは関係なはずです!」

 

ヤクモを指さし、カガリと呼ぶアラドに、エルスが反論するが、彼は残念そうな顔で首を振った。

 

「ヤクモ・カガリ。それが奴の名前だ。奴の本質は生粋の戦闘狂。強い獲物を求めるがあまり、遂に騎士団にまで手を出そうとした。そうだな?」

 

そう視線を向けるアラドに肯定とも取れる笑みを返すヤクモだが、次の瞬間にはアラドの目の前に移動しており、手に持つ短剣を胸に突き刺していた。

 

「か・・・はっ・・・!」

 

「ため息が出ちゃうくらい弱いですね。貴方本当に騎士団の方ですか? 弱者ならせめて、私の剣の力の足しにでもなっておいてください。」

 

そう言ってヤクモが力を込めると、胸に刺された剣からどす黒いオーラが浮かび上がり、アラドを包み込んだ。包み込むオーラが収束する頃には、既にアラドは事切れていた。

 

「ふん、やはり使えないゴミでしたか。少しの足しにもならない、時間の無駄でしたね。」

 

そう言って、アラドだったものを突き飛ばすと、エルスに向き直り、満面の笑みをうかべた。しかしその笑顔にはとてつもない狂気が宿っていた。

 

「さて、エルスさん。単刀直入に言います。今から私はエルスさんを殺します。なのでエルスさん、私を殺しに来てください。」

 




いかがでしたでしょうか?
ヤクモちゃんのまさかの正体に驚きが隠せませんが、まだこれは物語の序章にすら入っておりません!()

次回、必見です。
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