VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた   作:七斗七

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仁義なきホラゲ1

「プシュ! 皆の見る抗鬱剤ことシュワちゃんの配信の時間だぞー! 今日はゲストにエーライちゃんを招いてホラゲーをやっていきたいと思うどー!」

「園長はホラゲなんてやりたくないないでーすよ~」

「やらなきゃだめだめでーすよ~」

 

コメント

:プシュ!

:これはまさか例の罰ゲームですかな?

:やるの思ったより早かったな ¥5000

:てことは園長はシュワちゃん選んだのかwww

:どうしてよりにもよってホラーの対義語のシュワちゃんを選んでしまったのか……

 

さて、実は今日このホラゲコラボが決まったのには様々な経緯がある。

元々はエーライちゃんが自分の配信枠で《動物園の園長なら答えられない動物雑学無い説》という企画を始めたところからスタートした。

企画の詳しい内容は、リスナーから貰った動物に関する問題をランダムで10個選出し、もし答えられれなければアンケートで決めた罰ゲームをやるというもの。

どんなヘンな問題が交じっているのか分からない以上鬼畜極まる内容だが、配信は大方の予想を破りその圧倒的な知識で8問連続正解。

まさかのオールクリアなるかという期待も高まってきた中、不意に9問目は現れた。

 

@エーライ園長の体重はなーんだ?@

 

策士ここに極まる。確かにこれも一応動物の問題だ。

この質問に明らかな動揺を隠せなかったエーライちゃんだが、じっくり10分程度長考した結果、敗北を認めた。

彼女は自らの守るべきものの為にその身を苦行の中へ投じたのだ、この時のコメント欄は答えられなかったにもかかわらずその生き様を讃える拍手喝采の嵐であり、《園長渾身の自己犠牲(自分の為)》というタイトルの切り抜きは現在進行形で大きな人気を博している。

まぁそんなこんなで罰ゲームが決まったわけだが、ここで少しトラブルが起きた。アンケート結果一位の得票数を見せたホラゲーが園長は大の苦手だったらしい。

だが嫌なものはやらないでは罰ゲームにならない。なのでプレイは全て自分でするからせめて一緒に実況するバディを用意させてほしいとエーライちゃんが懇願、勿論リスナーは声をそろえて受け入れた。

そもそも元の問題があれだったからね、仕方ないね。

と、言うわけで栄光あるそのバディに選ばれたのがこの私、シュワちゃんというわけなのだ!

前にホラゲーコラボやってみたいって言ったこともあるから願ったり叶ったりだね!

 

「もうエーライちゃん! バディに選ぶくらい私のこと好きなら早くいってよ~。SEXする?」

「罰ゲームを増やそうとするのはやめるのですよ~。シュワちゃん先輩を選んだのはただ一番ホラゲーの怖さを中和してくれそうな存在だったからだけですよ~」

「やだもうそれって心の支えってこと? SEXする?」

「ライブオン屈指のネタ枠ってことですよ~。あと私はそんな簡単に体を許すほど都合のいい女じゃないですよ~」

「私は都合いいよ、SEXする?」

「こいつヤルことしか考えてねぇですよ!? 発情期の猫かですよ!!」

「こんな年中発情期な牝猫の相手をしてくれる美女連絡求む。一緒にストゼロ風呂に浸かって最高のストゼロプレイをしようぜ! 電話番号は000-0000-0000-1919454519194545」

「てめぇはどの星の電話番号を使っているのかですよ!? あとストゼロを飲むこと以外に使うなですよ~!」

「ストゼロ風呂って動画投稿者とかがやって炎上してそうだよね。無駄遣い良くない」

「いやそれついさっき自分でやろうって言ってたですよ! もう会話の流れ無茶苦茶で付いていくのが大変なのですよ~……」

 

コメント

:性行為懇願ストゼロ女

:なにがホラーの対義語だ、存在そのものがホラーじゃないか!

:語尾がSEXする? のキャラとか時代を先取りし過ぎだろ

:先取りどころかサルまで退化してるんだよなぁ

:園長よくツッコミ付いていけるなぁ、普通にすげぇわ

 

「全く、もうゲームやり始めるのですよ~」

「ゲームとヤルのなら昨日しました」

「エロゲのプレイ報告は結構ですよ~。ハイゲームスタートですよ!」

 

今回やるゲームはフリーゲームなのでお手軽な上にホラゲー初心者のエーライちゃんでも投げだせずにクリアできそうな紫鬼(しき)に決まった。

ゲーム内容は大きな無人の洋館に肝試しに来た中学生たちが閉じ込められ、洋館内をうろつく紫鬼と呼ばれる紫色の巨人の化け物を避けながら脱出を目指すというもの。

精神的ホラーというよりはパニックホラーなのでエーライちゃんでも心が折れることはないと思いたい。

少し昔にかなり流行ったゲームなので私は大まかにならゲームの流れを覚えているのだが、エーライちゃんは徹底的にホラゲーを生活から遠ざけていたらしく紫鬼の見た目以外は完全な初見プレイらしい。

さぁ、まずは洋館に入った中学生たちの中から主人公のヒロキが、突如妙な音がした部屋にイキって一人で向かいそこでアイテム《包丁》を入手。そこから元の場所に戻るとなぜかいるはずの皆がいなくなっており、ここでプロローグ終了、ゲーム開始だ。もう洋館の扉は完全に閉まっており外に出ることはできない。

 

「…………」

 

それにしてもプレイを見ているだけでどれだけエーライちゃんにホラー耐性が無いのかがはっきり分かる。

意を決して前に進んでもすぐに立ち止まり少々後退、これを無言で何回も繰り返している感じだ。

こんな状況の中こそ私の出番! ゲームを知っている以上アドバイスやネタバレは厳禁だが、渾身のトークでエーライちゃんを応援するのだ!

 

「あ、今回はゲームで動きが少ないシーンとかになったらマシュマロも返していくからよろしくね」

「もうずっとマシュマロ返していたいのですよ~……」

「まぁまぁ、ホラゲーもいいものだよ? ほら、このゲームの製作者さんの思うがままに驚かされていいように扱われてるって思ってみ? なんだか興奮してこない? SEXする?」

「興奮しないしそれもホラゲーの楽しみ方として間違っている気がするのですよ~。あと性行為の誘いがしつこいですよ~」

「え~いいじゃんべつに! 語尾だよ語尾、エーライちゃんのですよ~と一緒! おそろっち!」

「もしかするとこの語尾をやめる瞬間が来たのかもしれないのですよ」

「あれ~?」

 

そんなこと言いながらも緊張がほどけたのかゲームの進行速度がさっきと比べると断然早くなった。よしよし、計画通り!

 

 




100話達成!

活動報告にてマシュマロとリクエスト募集中です!
本編に出てくるライバーに質問したいことなどあれば、活動報告『マシュマロ募集』のコメント欄に、やってもらいたいことや見たいシチュエーションがあれば『リクエスト募集』のコメント欄に書き込んでくだされば、本編にて採用されます!
よろしければ是非書き込んでみて下さい!

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