VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた   作:七斗七

141 / 331
ひと狩り行こうぜ3

「ごめんごめんお待たせー! やっと光も合流できたよー」

「お、待ってました!」

「前衛はお願いするのですよ~」

「りょーかい! メイン火力の意地を見せるよ!」

 

晴先輩から基礎の部分をしっかり教えてもらってから数日後、私は待ちに待ったライバーとのコラボ狩猟を楽しんでいた。

今回のパーティーはストゼロ飲んでいない私とエーライちゃんと光ちゃんの三人。まだ序盤の似たような進み具合の三人で協力プレイだ。

だが一つ不思議なのは光ちゃんだ。個人的に光ちゃんはもっとガンガン進めている印象があったので私やエーライちゃんみたいな初心者組と一緒と聞いて思わず首を傾げてしまった。というか長時間配信しているサムネもちらっと見たことある気がするんだけど……。

でもさっき配信前に確認したら本当に序盤のデータだったので、まぁ問題は無いかと思いそのまま協力してもらっている。過去作のプレイ経験も豊富なようで頼りになる先輩狩人だ。

私がランス、光ちゃんが大剣、エーライちゃんは遠距離武器のライトボウガンを装備している。割とバランスの良いパーティーではないだろうか。

 

「あ、あわちゃん先輩、振り向き気を付けてくださいですよ~」

「OK、ガード固めておきます」

「いいねいいね! 二人とも慣れてきたね! 仲間が増えて光も嬉しい!」

 

コメント

:おお!

:あわちゃん慣れてきたな

:うまい!

 

今は大きなカエルのようなモンスターを相手にしているところだ。

私がメイン武器に選んだランスは大きな槍と盾を同時に持った鈍重な武器。だが敵の攻撃を受け止めるガード性能は全武器中ピカイチだ。

今では立ち回りのコツもなんとなくではあるが分かってきている。敵にスキができたときに基本に突き、たまに薙ぎ払いを交ぜながら敵に張り付くことを意識して戦うとランスの長所が発揮される。まだ序盤だから私でも結構盤石に戦えている状態だ。

 

「それにしてもエーライちゃんがモン狩りをやるのって私少し意外でした。ほら、一応仮にも動物園の園長さんじゃないですか?」

「あ、それ光も思った! 園長さんって言ってた時期もあったもんね!」

「いやいや、今もバリバリの園長ですから、それ以外の何者でもないのですよ~」

「「いやでも」」

「DEATHよ~」

「「あ、はい」」

 

あれだけホラゲーの時に取り乱していたエーライちゃんも、今では持ちネタとしてうまく組長キャラを使うようになっている。

傾向としては私に少し近いのかもしれないな。

 

「まぁ質問の回答に戻りますと、普通に私も流行には乗りたいのですよ~。それに、現実とフィクションの区別もつかないような厄介な人間には私なりたくないのですよ~。まぁゲームのシステムとしてあるのなら一人プレイの時はできるだけ捕獲をするくらいはやりますけどね~」

「なるほど、感心ですね」

「ヒュー! おっとなー!」

「いやいや、お二人の方が先輩のはずですよ~! まぁそんな感じですかね、あ、そうだ、今回は貴重でお高い良い弾を仕入れてきたんですよ~。せっかくだし撃ってしまいましょう」

 

そういってエーライちゃんが銃を構えたとき、ふとその射線上に目標の敵ではない小型のモンスターが飛び出してきた。

「あ」っと思わず声を上げそうになった瞬間、そのエーライちゃんの貴重でお高い弾は目標のカエルではなくその小型モンスターに当たってしまった。

 

「……あ゛? おどれ私の射線上に立つとは何様のつもりじゃゴラアアァ!!」

「「ひぇ!?」」

 

で、でた! エーライ名物、動物園の園長ならぬ動物組の組長が登場だぁ!!

 

「私の征く道の邪魔をすんじゃねえぇぞこのチンピラ風情がぁああ!!」

「ちょ、ちょっと組長!?」

 

完全にスイッチが入った組長がとった行動は完全に私の予想外のことだった。

武器をしまい、まだ生きていた小型モンスターのところまで近寄ったかと思ったら、なんとオマケで用意されているアクションのほぼ敵にダメージが入らないキックで直接攻撃し始めたのだ!

 

「くらえ! ボウガンキック! ボウガンキック! ボウガンキック!」

「おお! まさかの武闘派スタイル! かっこいい! 光もやってみよっかな!」

「いやそういうゲームじゃねーからこれ!! ボウガンなんも関係ないし! 組長! お願いですから落ち着いてくだせぇ!」

「はぁ、はぁ、はぁ……ご、ごめんなさい……なのですよ」

 

なんとか必死の説得によって奇行を止め、園長を再臨させることに成功した。

ふぅ、流石ライブオン、一筋縄じゃ行かねぇぜ。

 

コメント

:頭キマッてんなおいwww

:サツ呼んできた方がよくねぇか?

:もし捕まって刑務所に入ったら囚人を動物さんっていって支配してそう

:草

:だれだこいつのこと園長って言ったやつはよ!?

 

「あの、当たり前ですけど今のはあれですよ? さっきも言ったようにゲームだからの行動ですよ? その場でやって良いことと悪いことの判断もつかないような人間が長を名乗ることはできないのですよ」

「え、ええ、まぁそれはそうですね。そもそも本当の悪人をライブオンが採用するわけありませんし」

「なんかエーライちゃんは園の動物たちから尊敬と崇拝と畏怖の念を抱かれてそうだよね! 凄まじいカリスマで統率力がありそう!」

「それ褒めているのですよ? まぁ私が現実で拳を振り上げるときがあるとするなら、それはきっと動物さんたちを最低な方法でいじめている輩を見つけたときだけですよ~」

「「かっけぇ」」

 

さて、そろそろ狩りに集中し直しますか。




前の話でなんでガンランスじゃないの?とよく聞かれましたが、理由はモンハンをやっていない人にとってガンランスという武器が想像しにくいからです。
人気とは言っても全人類モンハンやってるわけじゃないからね、シンプルな武器にしてあげたかったんです。

心音淡雪Twitterアカウント↓
https://twitter.com/kokoroneawayuki

活動報告にてマシュマロとリクエスト募集中です!
本編に出てくるライバーに質問したいことなどあれば、活動報告『マシュマロ募集』のコメント欄に、やってもらいたいことや見たいシチュエーションがあれば『リクエスト募集』のコメント欄に書き込んでくだされば、本編にて採用されます!
よろしければ是非書き込んでみて下さい!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。