VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた   作:七斗七

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ひと狩り行こうぜ7

いざクエスト開始!

この充実しながらも血なまぐさい狩人生活の中で滅多に出会えない癒し枠ということで、プルプルに会うために私たちは皆ダッシュで向かったのだが……。

 

「「「…………」」」

 

その姿を見たとき、数秒の間ましろんを除いた3人は揃って足はピタッと止まり、そして無言になっていた。

いや分かる、多分視線の先にいるあの龍みたいなシルエットのモンスターがプルプルなんだろうなってことは分かるんだよ。

だって全身プルップルしてるもん、もう潤いありすぎてなんか変な液体滴ってるくらい。しかも全身真っ白な美白さんで、それはもう白すぎて中身の血管が透けて見えてるくらい。

色素薄い系のうるおいボディ、もうプリンみたいにプルップルだ。

でもさ……全部が明らかにやりすぎてグロモンスターみたいになってないですかこれ……?

 

「ま、そうなるよね。ほら、呆然としてないでさっさと行くよ」

「あ、ちょっとましろん待って、説明を」

『ぐぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!』

「うるせえええええ!?!?」

 

躊躇なく突撃していったましろんに抗議をしようとしたところ、こちらに気づいたプルプルの鼓膜を突き破るかのような絶叫にかき消された。

ヒイイィ!? こっち向いて初めて気づいたけど顔もめっちゃ怖い! 口以外のパーツ全て付け忘れたみたいな顔してるんだけど!?

 

「おいましろん! 対〇忍の登場キャラをモン狩りに出したらダメでしょうが! R18になっちゃって子供がプレイできなくなっちゃうよ!」

「せめてホラゲーのキャラって言ってほしかったな」

「還、帰国の準備をしろ。分かったでやんす!」

「こら還ちゃん! クエストリタイアして帰宅しようとするな! 君は立派なスタメンなんだよ!」

「ママさっきと言ってること違う! 親の背中を見て子は育つんだから責任を持った発言をしてください!」

「そんなんもうどちゃしこって言ったときから諦めてるわ! もし私が全ての発言に責任を持っていたら毎日懺悔室通いですよ、いずれ懺悔室の神父さんもぶち切れて私が懺悔する前に説教スタートですよ。懺悔室も生徒指導室に早変わり!」

「知らないですそんなの! というか還は働きたくないんですよ! なんで狩人なんかやらないといけないんですか! 赤ちゃんが働くなんて社会問題です!」

「逃がすか! アラサー女を今日こそ赤ちゃんから引きずり出してやる!」

「どけ! 還は赤ちゃんだぞ!」

「さっきから戦ってるの僕だけなんだけど……」

 

コメント

:予想通りかつお手本のような反応

:モン狩りの伝統だな

:シュワちゃん教会の中でお祈りしながらストゼロ飲んでそう

:聖水(ストゼロ)

:大罪司教強欲担当 シュワチャン・ストゼロノンデゴメンディ

:懺悔室なのに呼び出されてそう

:草

:自分で自分に戦力外通告するなwww

:セルフ戦力外やん

 

くっ、クエストを選んでしまったものは仕方がない、一人のましろんがかわいそうだし、重たい腰を上げてそろそろ私も加勢するか。

還ちゃんも何とか愛用している弓を手に取ってくれたみたいだ、よかったよかった。

……ってあれ?

前進を始めた私たちからシオンママのみ未だにじっと石のように固まっており、置いていかれそうになってしまっていた。

そういえばさっきから騒がしくしている私たちの傍で、シオンママが一言も言葉を発していなかったし、どうしてしまったのだろうか?

もしかしてプルプルがプルプルしていてもプルプルはしていなかった精神的ショックで心に深い傷を負ってしまったのだろうか?

そうだよな、シオンママは女の子らしく可愛いものとか大好きだからな、ナ〇トのゲームかと思って買ったら対〇忍だったときと同じダメージがあったんだろうな……。

よし、こうなったら数多の回数シオンママに心労をかけてきた実績のあるこのシュワちゃんがメンタルケアをしてやるけんね! 自分自身を反面教師にしてやるのさ!

まずはこんな時私はいつも何をシオンママに言っているかを考えます。えーっと……。

 

『シオンママ元気出して! ほら、きっとあのプルプルから出てるぬるぬるをキメたら感度3000倍になれるよ! きっとビクンビクンどころかビクビクビクビクって打ち上げられたお魚さんみたいになっちゃうね! そうだ、私と一緒に感度3000倍100m走しましょう! どっちが這いつくばってビクビク痙攣しながら速く走れるか勝負だ!』

 

よし、これの意味を反転します。そうすればきっとシオンママのメンタルを一発で回復させる神の一声になるはず!

 

『シオンママ元気出して! ほら、きっとあのプルプルから出てるぬるぬるをキメたら感度が無くなるよ。きっとなにをしてもなにも感じなくなっちゃうね。そうだ、私と一緒に感度なくしてぼーっとしましょうよ、どっちが人生を虚無にできるか勝負です』

 

なんか目に光がない病み系ヒロインみたいになっちゃった!

これではダメだ、もっといい手段を考えなければ……。

そう思い頭を回転させてネタを考えていた私だったが、ふとシオンママの呟くような小さな声が聞こえた。

 

「かわいい……」

「「「は?」」」

 

そしてその声には不思議と熱がこもっているようにも思えたのだった――。




【お知らせ】
ぶいでん(新しい本作の略称)が月刊コンプエース様にてコミカライズ企画進行中です!
コミカライズは一つも目標でもあったのでめちゃくちゃ嬉しい!

あと、前にマシュマロを募集した件ですが……一度試してみたところ、このモン狩りメンツではカオスになりすぎて数を返しながら全員を纏めるのが難しいという結論に至りました……。
そこで、このモン狩りの話が終わった後にマシュマロ返信の為の淡雪ソロ配信を設けようと思います! 
最近ソロ配信の機会がかなり少ないので、その点でもタイミングがいいかと。
丁度書籍版の原稿締め切りがやばくて更新が減ってしまったうえに紆余曲折してしまい大変申し訳ありません。
何卒よろしくお願い致します。

心音淡雪Twitterアカウント↓
https://twitter.com/kokoroneawayuki

活動報告にてマシュマロとリクエスト募集中です!
本編に出てくるライバーに質問したいことなどあれば、活動報告『マシュマロ募集』のコメント欄に、やってもらいたいことや見たいシチュエーションがあれば『リクエスト募集』のコメント欄に書き込んでくだされば、本編にて採用されます!
よろしければ是非書き込んでみて下さい!

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