VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた   作:七斗七

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聖様の収益化奪還計画7

「あ、これは確かに完全にアウトですね」

「削除候補に追加だねー」

「シオン、デスノートに書き込みヨロ」

「なんかやばい会話してるみたいになってないかい? 普通に際どい動画をリストアップしてるだけだからね?」

 

開幕のわちゃわちゃ具合も落ち着き、現在は本格的にリスナーさんの助けを借りながら、アウトだと思われるアーカイブを選んでいる。

聖様ガチ勢リスナーさんともなるとかなり過去の配信からの意見も聞くことが出来た。その上で選ばれたアーカイブの際どい部分をヨーチューブのAI事情に詳しいリスナーさんの意見を貰い、『絶対削除』『削除候補』といった風にリストアップしている。

意見が出れば出る程私たちでは限界があったことに気づく。本当に日々リスナーさんには助けられてばかりだ。このままなるべく削除数は少なくして、再審査申請もできるようになれば一番なのだが……。

 

「それにしても本当に細かい作業だね、目が痛くなってきたよ」

「まぁまぁ、リスナーさんたちのおかげでかなりハイペースで進んでいるので、もうちょっと頑張りましょう聖様」

「正直過去の聖の発言がやばすぎてめっちゃ草生えるぞ!」

「あはは……まぁ楽しんでやれているのならよかったよ! ママも提案した甲斐があった!」

「勿論問題の発端である聖様が真っ先に折れはしないさ。でも、ヨーチューブ君ももう少し詳しくダメな部分教えてくれてもいいのにね」

 

正直私も少し疲れが出てきたのは否定しない。でも進んでいる実感もある。流石に今日のような配信を限界までやってもダメだったらへこみはするかもしれないけど……。

 

「こうなったら全員でヨーチューブのかたったー公式アカウントのリプ欄に突撃しないかい?」

「なんですかそのとんでもないゴリ押し……」

「多分見向きもされないぞ!」

「AIのミスとかならまだしも聖様は違いそうだからなぁ……そもそも私たち英語できないし」

「そんなの翻訳ソフトを使えばいけるさ! リスナー君の中に英語できる人もいるかもしれない!」

「仮にやるとしてもなんて送るんですか?」

「やっぱり謝罪だろう、『すま〇こ』と送ろう」

「ヨーチューブだけでなくかたったーまでBANされたいんですか? あと英語じゃねぇし」

「sorry p〇ssy」

「Shut up」

 

コメント

:ここまでの経過を見てこんなヤベーやつをここまで我慢してくれたヨーチューブ君の懐の深さに感動した

:留学経験者カモーン

:どうも、ハーバード大学下ネタ学部卒です

:一生留年してろ

:こんなに自然に謝罪と同時に女性器を言える日本語はやっぱり神

 

雑談を交わしながらも作業は止めない。コメント欄を参考にアーカイブをたどっていく。

 

「あ、このチュッパ〇ャプスチュパチュパASMRはダメそうですね」

「え~、AVSMもだめなのかい?」

「ASMRな、水音は厳しいはずなのでアウト扱いでいきましょう」

「そもそも聖はなぜこれをやろうと思った?」

「ワンチャン案件貰えるかと思って」

「自分からチャンス壊してどうするの聖様……」

「まぁ仕方ないか、今度FAMZAで売ろ」

「せめてD〇siteにしてくれません? あとFAMZAはそもそも売ってくれないでしょ……」

「聖様のコネを使えばいけるさ」

「この人なら本当にできそうだから困るな……というか、話は戻りますけどASMR系はほぼアウトっぽいですね、やってること全部過激すぎです、サムネも際どいし。数が少ないのが救いですかね」

 

 

 

その後も夜中まで皆で話し合い、一区切りついたところで今日は終了することとなった。

これで解決なんて簡単な話にはならないかもしれないが、シオン先輩は一人でも頑張ってしまいそうだし、聖様の収益化が戻ることは私も嬉しい。

だめだったとしても新たな対策を考えながら今後も粘り強くやっていこう。

 

「えー、それじゃあ配信も終わりになるわけだけど、最後に聖様から諸君に感謝の言葉を。こんなに聖様のことを助けてくれる人が大勢いることに感動しているよ。実は……色々考えちゃってちょっとへこんでる部分もあったんだ。でも、まだ解決とはいかないけど、今日は最近の中で一番笑顔でいられた一日だった、君たちのおかげだ。ありがとう」

 

珍しい聖様からの素直な感謝の言葉に、うかつにも微笑ましさが湧いてくる。聖様のくせに、なまいきである。

でもそれはこの場にいる皆も同じだったようで、皆からの激励と協力の言葉が配信の最後を彩った。

 

「ふふん! 皆のママであるこのシオンママの手にかかればこんな問題余裕ですー! 解決したらその色々とやらも全部吐き出して貰うから覚悟しなさい!」

「聖はクソゲーやクソ映画に似た異臭を感じるからな! ネコマも協力するぞ!」

「私も巻き込まれたからには付き合いますよ、やれることは全てやりましょう。大丈夫、収益化は戻ってきます」

 

コメント

:上限スパチャの準備できてんだから早く解放してどうぞ

:待ってるぞー!

:今は送れなくても戻った時にまとめて送るから気にすんな、実質変わらん

:それな

:あったけぇなぁ

 

無機質なはずの配信画面が、今はなぜかとても温かく感じる。

これから、もしかすると戻るまでに時間がかかったり、なにか大きな問題が立ちふさがるかもしれない。

でもライブオンは繋がっている。その中に聖様はちゃんと居る。なにも変わっていない。

だから大丈夫、心配なんていらない。

これからも気合いを入れて、程々にネタにしつつ頑張っていこう!

 

――――――――そう皆で一つになったはずだったのだが……。

 

 

 

僅か一週間後――

 

「聖様の収益化戻ったよ! やったねみんな!」

「「「は?」」」

 

…………は?




いよいよ2巻発売が間近になりましたぶいでん2巻、更なる新情報の公開です!
ここでは概要のみになるので、詳しくは活動報告をご覧ください。

まず、スリーブ以外にも大量にグッズが出ます。信じられない量です。
POP UP CORNERや通販などでお買い求めいただけます。

次に、2巻の内容についてです。加筆内容などに言及しています。

マリン船長とのコラボ動画も明日公開ですので、今後ともよろしくお願い致します。

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