VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた   作:七斗七

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ちゃみちゃんの様子が……4

『え、これもうASMRになっているのですよ?』

『ええ、もうなっているわよ。いつも通りの喋り方だとリスナーさんのお耳がキーンってなっちゃうかもしれないから、小声か囁き声にしてね』

 

度々暴走しそうになるちゃみちゃんをなんとかエーライちゃんが抑えてくれたおかげで、ようやくマイク設定まで完了したようだ。耳にはASMR独特の繊細な音質で声や環境音が聞こえてくる。

普段だったらこのようなASMRマイクは目を閉じたりしてリラックスしながら聴くのだが、この配信に限っては一切の油断は許されない。なぜかと言うと……。

 

『あー、あー、聞こえていますか~? エーライ園長ですよ~』

『ああああああぁぁぁ聞こえる!! 鼓膜を通りこして脳内の中枢神経まですっごく聞こえているわよおおおおおおぉぉーー!!!!』

『やぁかましいわああぁぁー!! さっきの自分の発言思い出すのですよ~!!』

 

こういうことがあるからである。

今のちゃみちゃんはエーライちゃんへの恋? によって完全に盲目状態。やることなすこと全てが予想不可能な変態音フェチPONPON女である。常に配信画面を凝視し、あらゆる奇行を想定しなければいけない。

 

コメント

:お耳がキーンってなりました。実演ありがとうございます

<祭屋光>:びっくりした……聴覚への攻撃とはちゃみちゃんやるな! かっこいいぜ!

:ちゃみちゃんの声にもビビったが組長の囁き声にもビビった……背中にドス突きつけられたのかと思った

:背筋ゾクゾクASMR(恐怖)は草

:癒し系の声なのが逆に怖い……ちゃみちゃん助けてくれてありがとう……

 

『なんでコメント欄はこんなにちゃみちゃんの味方が多いのかさっぱり分からないのですよ~……』

『はぁ……はぁ……エーライちゃんが悪いんだよ? そんなエッチな声で誘惑して……押し倒すわね』

『私これでもかなり肉弾戦は自信あるのですが、それでもやるのですよ?』

『それはつまり押し倒してくれるってことね? 言葉責め多めでお願いするわ!』

『ラーメン屋の注文かよ……もうガムテープでこいつの口を塞いでやりたいのですよ~!』

 

コメント

:そうだそうだ! 組長はワルなだけで悪くはないんだよ!

:三大原作で言ってないセリフの一つきたな

:エーライちゃん肉弾戦強いの解釈一致すぎて草

:多分護身術とかじゃなくて喧嘩技なんやろなぁ

:電子レンジに相手の顔面突っ込んだりしそう

 

『しまった、ツッコミに気を取られていないで、私が企画を回さないといけなかったのですよ……えーと、最初は咀嚼音をやってみるのですよ~! ちゃみ先輩! 用意するのですよ~!』

『任せて! ぴったりの食べ物を選んできたわ! すぐにとってくるわね!』

『こんな時だけテキパキ動くのだから困ったものなのですよ~……』

 

咀嚼音かぁ。そう言えばちゃみちゃんがたまーにやってるのを聞いたことがあるかもしれないな。

食べる音がASMRマイクに拾われると結構センシティブな聞こえ方をしたりするんだよね。

普通なら聴いててドキドキするはずなのだが……不思議と嫌な予感しかしない。

 

『ただいま! 取ってきたわよ! ほら、みたらし団子よ!』

『ほぇ~、なるほど! 確かにこれはいい音がなりそうなのですよ~!』

『これをマイクに近づけて、よく噛んで食べてみて!』

『はいなのですよ! それじゃあいただきま~す』

 

エーライちゃんが団子を口に含み、噛むと、なんとも形容しがたいが思わず顔が赤くなってしまう音が聞こえてくる。

ここまで音を拾うマイクだと、マナーよく音を立てない人の咀嚼音でも容赦なく拾うんだよね。

ようやくASMRらしい配信が見られて感動していたのだが、ここにまたもや魔の手が迫る……。

 

『はぁ! はぁ! じゅるり! あはぁぁあぁぁぁ……! はぁ! はぁ! たまんねぇ!』

 

コメント

<心音淡雪>:おいそこの性癖すっPONPON女黙れ! エーライちゃんのお口の音が聞こえないだろうが!

<彩ましろ>:ブチギレ自称清楚サブカル変態女怖い

:同期間で容赦のない罵声が飛び交う!

:ASMRで黙れは草

:ちゃみちゃん「たまんねぇ!」って言うの好きだな

 

外野から聞こえてきた息を荒げた変態の声に赤かった顔が一転して真っ青になり、慌ててコメントを打ってしまった。

ASMRを教える立場が邪魔をしてどうする……。

 

『そ、そうね淡雪ちゃん。エーライちゃんの咀嚼音に雑音が入るのは私も嫌だから、口を手で押さえて全力で我慢するわ! エーライちゃん、もう一回お願い!』

『了解なのですよ~! はむっ、もぐもぐ……』

『――――――ッ!』

『……んふふっ、なんかこれ……結構恥ずかしいのですよ…………はい! 食べ終わったのですよ~! もう手を外しても大丈夫ですよ〜』

『はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……ねぇエーライちゃん』

『ん? どうしたのですよ~?』

『…………する?♥』

『しねぇよ!? 後輩が団子食ってるの見てなに欲情してんだゴラアアァァ!!』

『あ、切り抜き班の人! リピートしまくりたいから今のエーライちゃんの咀嚼音のところ切り抜いて頂戴!』

『はぁ!?』

 

コメント

:任せろ

:受注生産で草

<祭屋光>:食べる音がいいの? なんで?

<彩ましろ>:おいしそうに食べてるのって見てるとこっちまで嬉しくなるでしょ? そういうことだよ

<祭屋光>:なるほど! 

:ましろんナイス

:最近ましろんが三期生の保護者になってる……

:ましろんママ!? 俺だ! バブバブされてくれ!

:ママましろん! マママママましろん! ママママママママママ

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