VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた 作:七斗七
「よっしゃ! それじゃあ三人目の悩めるライバーに登場していただきましょう! これが最後だどー! それじゃあどうぞ!」
「うふふっ、いくら皆のお姉さんとはいえ悩みの1つはあるもの。いえ、むしろ悩むからこそ大人なのかもしれないわね。柳瀬ちゃみよ」
はい! と言うわけで最後にお悩み相談に来てくれたのはライブオンの陰キャ代表、ちゃみちゃんだー!
「ちゃみちゃん! 今日は来てくれてありがとね!」
「いえいえ、同期のシュワちゃんの企画と聞いたら気になってしまうもの。それに、丁度良く本当に悩みもあったしね。……ふふっ、ねーシュワちゃーん?」
「おぉ? う、うんそうだね?」
なんだろう? ちゃみちゃんの様子がなんだか変な気がするぞ?
普段から外見と正反対の柔らかい印象の子だけど、いつにも増してふわふわしているような。
「ふふふっ、シューワちゃーん!」
「は、はいシュワちゃんですが?」
「シュワちゃん!」
「……あっ、これあれか! もしかしてシュワちゃんって呼べるのが嬉しくて連呼してるのか!」
「えへへ、バレちゃった!」
そっか、確かにシュワ状態でこうしてコラボするのは1周年と1ヵ月記念配信以来だもんな。
それにしてもこのニヤニヤしているのが手に取るように分かるデレデレ具合、王道にかわいくて癒し枠って感じだなぁ。
世界のVファンよ見てくれ! これがライブオン最後の希望だ!
「ふへへ、シュワちゃん……デュフ、デュフフヘヘヘヘヘ」
「…………」
こっちを見るんじゃねええええええぇぇぇ!!!!
コメント
:ちゃまっこちゃまっこ!
:ちゃみちゃんは確かに悩みに溢れてそうだな……
:シュワちゃんがゲシュタルト崩壊するかと思った
:字面が死ぬほど強そうだな
:笑い方がキモ過ぎる……
忘れそうになるというか忘れていたくなるけど、最近この子も日に日に変態度高めてるからな……。
ちゃみちゃんのかわいさを守るため、もう強引にでも企画の方に進めてしまおう。
「えーそれじゃあね! なにを悩んでるのか言っちゃいなよべいべー!」
「へ? あっ、そうよね! お悩み相談だものね! それじゃあシュワちゃん、私の悩みを聞いてください」
「どんとこい!」
「悩みはね……エーライちゃんのことなの」
「なんでやねーん!」
「え!? なにが!?」
ちゃみちゃんのキュートさを守るため企画に入ったのに自分から沼に落ちてどうする!? エーライちゃんが関わったらちゃみちゃん絶対ろくな事しないんだから!
まぁそこがちゃみちゃんらしいと言えばそうなんだけど……まぁここまで言ってしまったものは仕方がない。悩みの続きを聞こう。
「気にしないで……それで、エーライちゃんとなにがあったの?」
「そう? じゃあ、えっとね、知ってると思うけど、私エーライちゃんともっと仲良しになりたいのね。それで、どうすれば距離を縮められるかなって思って今日は来たの」
「あーなんか企画への協力の連絡を貰ったときからそうだろうなぁって思ってました」
コメント
:一時の愛ではなかったか
:悩みを聞いた限りだとかわいい悩みなのに、前のオフコラボを見た後だと途端にキモく思えてきたな
:かわいいとキモイのコメが入り交じる不思議なライバーちゃみちゃん
:きもかわだからな
:それちょっと意味違くない?
:ビジュアルはライブオンでトップとも言われるから……
「でも、仲良くって言っても方向性がありますよね? ちゃみちゃんはエーライちゃんの恋人になりたいんですか?」
「いや、そんな恐れ多いことは言わないわ。私はエーライちゃんのペットか愛人が理想ね」
「エーライちゃんにケツドラムで紅叩いてる動画とか送ればいけるど」
「ありがとうシュワちゃん、今すぐやるわ」
「嘘だよ」
「なんで嘘ついたの!?」
「同期が後輩のペットか愛人になろうとしてたら止めるのが普通でしょうが!」
まさか本当に実行しようとするとは……恋は盲目だ。
「お願いシュワちゃん! 私本気なの! それにこの企画はお悩み相談なんでしょ? それならしっかり役割を果たすべきだわ!」
「うぐぅこんな時に正論を……分かりました。じゃあ日頃どんなアプローチをしているのか教えてみ?」
「一日100通くらいチャットを送ってるわ」
「100通!?」
「ええ。でも最初の方はよく返事をくれたのだけど、最近は一日に5回くらいしかくれないの」
「いやそれが普通だから! むしろ今でもよくそんなに返してくれるなエーライちゃん……」
コメント
:草
:この時点で好感度上げ全部失敗してるの笑う
:普段は人見知りなのに、どうしてこんなに距離感がバグっているんだちゃみちゃん(泣)
:こんなところまでポンコツなのか……
:100の中の一通くらい俺に届かねーかな
「シュワちゃん、私なにか間違えているかしら」
「全て間違えてるんだよ。まずそのチャット連打をやめようか。多分これからなにをしてもそれを続ける限り好感度上がらないから」
「ぅぅぅ……そうだったのね、情けないわ……じゃあ私はどうするべきなのかしら……」
「そうだなぁ……私もエーライちゃんに関して詳しいわけじゃないからなぁ……」
「じゃあ今までの流れでエーライちゃんをここに呼んで、それで好みを聞いちゃうってのはどうかしら!」
「え、それでいいの?」
「ええ! 私にはもうこれしかないと思うわ! はぁ! はぁ! はぁ!」
「これさてはエーライちゃんと話したいだけだな? まぁちゃみちゃんがいいって言うなら呼んでみるかー」
「あー来ちゃううぅ! 愛しの組長が来ちゃううううぅぅぅぅ!!」
「と思ったけど、なんか今配信中で忙しいっぽいんで代わりに暇そうだったネコマ先輩呼びました」
「にゃにゃーん! 急な呼び出しにも駆けつけるネコマだぞー!」
「――――ぇ?」
ぶいでん4巻が5月20日発売なので、特典などの詳細を活動報告の方に載せました。
聖の収益化関連が収録範囲ですが、webから割とがっつり内容が変わっています。
4巻も何卒よろしくお願いします。