VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた   作:七斗七

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ひと狩り行こうぜ2-4

 開幕の挨拶が予想外の展開を見せたことで、最早なんの枠なのかすら分からなくなってしまいそうになったが、あくまで今回はモン狩りをやる為に集まったのだ。場の空気も落ち着いてきたので、気を取り直していよいよゲームを始めた。

 ダガーちゃんのモン狩りの進み具合に合わせた結果、運よく次の討伐目標は新作から登場の新モンスターになっているようだ。新鮮さで配信映えもするし私たちも楽しめる、いいねいいね!

 そしてクエストを受注し、いざ出発! そして発見! 今回の討伐目標は――

 

「おぉ……めっちゃゴリゴリしたゴリラですね……」

「でも尻尾付いてますよ?」

「これな! ゴリラじゃなくてフランケンシュタインの怪物がモデルらしい!」

「「ほぇ~」」

 

 遠目から見たフォルムからゴリラかと思ったけど、確かに言われてみればそうも見えてくるな。図体デカいけど顔からどこか穏やかさが感じられて意外とかわいい。

 

コメント

:モデルそうなんだ

:違うぞ、苑風エーライの怪物だぞ

:エーライ動物園の地下深くの研究所から脱走した、ゴリラとなにかのキメラって聞いた

:違うぞ、エーライ園長が個人的に飼育しているペットだぞ

:俺はエーライ園長激おこモードって聞いたぞ

:本人なのか……

 

 まぁいっちょ戦ってみますか! 相変わらず私はランスをメインに使っているから、チクチクとめった刺しにしてやんよ!

 

「攻撃は結構大振りですから、今のところ見たままのものを対処すればなんとかなりそうですかねー」

「うぎゃー」

「って還ちゃんなにいきなりぼこぼこにされてるんですか。弓だからガンナー(遠距離武器)でしょう?」

「あっぶね生き残った。全く、赤ちゃんに殴りかかるとか最低ですねこの怪物。ママも赤ちゃんには優しくしないとだめですよ、ちゃんと還の盾になってください。還は本来剥ぎ取り専門なんですから」

「そんな専門はこのゲームに存在しないんですよ。ちょ、また吹き飛ばされてる!? 本当に大丈夫ですか!?」

「俺が粉塵で回復入れる!」

「あ、ありがとうございます……あ、ピヨッた(気絶した)!?」

「お? エーライちゃんにピヨッてるやついる? いねぇよなぁ!?」

「言いたかっただけ感……よし復帰。全く、赤ちゃんに回避を期待する方がバカなんですよーだ」

「まぁ反射神経が劣ってくる年齢ではありますよね……ごめんなさい……」

「ママも耳が遠くなってきているんじゃ? ……というか、後輩の前で仮にも先輩がこんな煽り合いしてていいんですか?」

「仮にもじゃなくてマジの先輩なんですよ」

 

 まぁ仮にもの後の部分はその通りだな。こんな調子じゃダガーちゃんも呆れちゃうよ。

 

「(●>∀<●)キャッキャー!★彡(パチパチパチパチ!)」

 

 めっちゃ大喜びしてる!?

 

「……そういえばこの子もライブオンファンでしたね」

「ファンじゃねーし! 全然知らねーし!(キャッキャ!)」

 

コメント

:キャッキャキャッキャ!

:拍手してて草

:有素ちゃんの淡雪崇拝とは違った純粋な喜びがいい

:それに慣れない先輩2人が振り回されてるのもいい

:今回はキャラを守りにいっててえらいぞ

 

 って痛い!? びっくりして私まで攻撃くらってしまった!

 落ち着いて回復してー。再びチクチクとー。

 

「やっぱランスはいいですねぇ。攻撃を受け止めて隙を突く。このシンプルな動作にどこか美しさすら感じます」

「でも全武器中使用率最下位らしいぜそれ!」

「ぇ……」

 

 ダガーちゃんから信じられない情報が飛び出し、思わず絶句してしまった。

 

「ふっ、やーい不人気武器ー」

「う、うっさい! ここぞとばかりに煽り返しやがってこのBBA! でもそんなバカな……どうして皆ランスを使わないんですか? 地味なのは否定しないけどこんなに使っていて楽しいのに……」

「ママが使ってるからじゃないですか? ほら、昔全モンスターの処女を奪うって言ってたでしょ、私のランスは非処女を創るランスだーって」

「最後のは言ってないし! 前者も言ったのはシュワだから私じゃねーし!」

「死に設定乙」

「死に設定じゃねーし!」

「ダガーママみたいになってますよ」

「はぁ、はぁ、全く、ダガーちゃんの前で下ネタを言うんじゃありません!」

「それはごめんなさい」

「あー? なんで俺の前だとだめなん?」 

「え? だってダガーちゃん下ネタとか苦手でしょ?」

「そんなことない」

「そうなんですか?」

「うん! おち〇ちん!」

「「ああああああああああぁぁぁぁ!?!?!?!?」」

「うわびっくりした!」

 

 な、なんてことを言ってんのこの子は!?

 

「そんなこと軽々と口にしちゃいけません!」

「あー? なぜ?」

「……待ってくださいママ。ライブオンのファンなら下ネタがいけるのはむしろ当然かもしれないです」

「……確かに」

「ファンじゃねーし!」

 

 そうか、この子下ネタいけるのか……あらゆるかわいい要素のせいでカモフラージュされていたからマジで驚いた……。

 

コメント

:!?!?

:心臓止まるかと思った

:仰向けで見てたからスマホ落として鼻直撃よ

:背徳感とかより罪犯した気分になったわ

:淡雪ちゃんが言っても笑えるだけなのにな

:清楚……


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