VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた 作:七斗七
『……こほん! えー例は以上になります。これが先生の指し示す「愛」、皆さんが今まで思い込んでいた仮初の愛なんかじゃない、「真実の愛」なの。どう? 分かってもらえたかな?』
コメント
:( ゚д゚) (つд⊂)ゴシゴシ (;゚д゚) (つд⊂)ゴシゴシ (;゚ Д゚) …?! (つд⊂)ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ ( д )
:アカン……この人本当にアカンやつや……
:大トリとはいっても誰がここまでやれと言った
:つまり……どういうことだってばよ……?
:コメ欄の草すら消えてしまった……むしろ砂漠化したのやばすぎだろ……
:見ろよこの女、草を刈り取る形をしているだろ?
:鎌かな? いや確かに元ネタも鎌っぽい形やったけども……
:感受性の豊かさが地球人のそれじゃない、これは宇宙人ですわ
「――おいそこのストロングキ○○イ、歯を食いしばれ」
「はい!?!?」
「放送禁止用語注意してた人とは思えない発言が聞こえちゃったよ」
え!? 今のって信じたくないけど私のこと指してるよね!? え、なんでエーライちゃん私にキレてるの!?
「テメェが配信前にお手本のようなフラグ立てるからこんなことになっちまったじゃねぇか!! どう落とし前付けんじゃゴラァ!!」
「はああぁぁ!? いやいや、なんて私が原因みたいなこと言ってるんですか!?」
「聖様ね、昔教師役をやったことあるんだよ。その時に少し導入のアドリブをお願いされてね、『バカとブスほど東大に行け、これが本当の灯台下暗しってね』って言ったら全裸の生徒たちが皆一斉に震えだしてNGが出ちゃったんだよね」
「大体エーライちゃんだってカッコイイとか言ってたじゃないですか!」
「あれはツッコミを入れたらそれこそ本当にフラグとして成立してしまうからせめてもの抵抗じゃ! なにが闇鍋じゃ、鍋にストゼロ投下した奴に言われたくないんだよ!」
「し、知らないですよそんなの! もうこっちだって怒りましたよ! エーライちゃんのバーカ!」
「んだとゴラァ指詰めるんかワレェ!!」
「バーカ! まぬけ! アンポンタン!」
「どないするんじゃ? お? 指詰めるんか? 詰めるゆうたら道具いるやろなにが欲しいんや? なにが欲しいゆうてるやろ!!」
「小学生と組長の喧嘩みたいになってるじゃん。そういえばね、聖様極道役もやったことあるよ。『指詰めるんかちんこ詰められるんかどっちがええんや!』って責めてペニバンでガンガンとね。いや~あれは興奮した」
「ふんっ! 今まで黙っていましたけどもう言ってやりますよ! なんか聖様とコンビみたいに言われてるみたいですけどね! 2人を比べたら聖様はエーライちゃんの爪の垢みたいなもんなんですよ!」
「淡雪先輩だって聖様と比べたらゾウと蟻ってやつなのですよ! あんなの比較されて恥ずかしくないのですよ~?」
「おや? 標的が変わったようだ」
ふ、ふぅ、あほなこと言ってる内に少しずつ落ち着いてきた。
えっとなんだっけ? 消しゴムとシャーペンがカバーでお尻で……。
……思い出したらまた頭が痛くなってきた。
『あらら、今のじゃ分からなかったかな? 1人でもいいから分かったーって人が居たら挙手してみてくれる?』
シーーーーーン
『はっ、これだから人間は』
コメント
:おい今なんて言った!?
:発言が完全に化け物のそれなのよ
:宇宙人キャラにこれ以上ないほど納得した
:やっぱりライブオンは新人の意味を間違えていた(確信)
:ライブオン「新人って新人類のことじゃないんか!? そうか、宇宙人のことか!」
:責任者出てこい
:晴「逆立ちで水飲んでみた」社長「カバディ」
:この会社……責任者がいない?
『でも大丈夫! さっきも言った通り、これからの授業を通して皆に愛とはなんたるかをしっかり理解させてあげるからね! 先生に任せて!』
やだコワイ……この人の全てが恐ろしい……。
え、私たちこの人の先輩ってまじ? これから一緒に配信する可能性大ってまじ?
おぅおぅおぅ、これがコズミックホラーってやつですか……SAN値ピンチ……。
『えーそれではね! 担当教科の発表も終わったということで、ホームルームが終わるまで質問返答の時間をとっちゃおうかな! 先生に質問あるひとー!』
コメント
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:あ、あの……普通に人間同士の愛はダメなんですか?
:勇者現る
『人間同士の騙し合いになんの価値がある?』
!?
『先生ね、人間って生物が大嫌いなの。私はもはやあれを生物とは呼びたくないわ。この自然界を見てみなさい。脳なんてものばっかりが進化した人間は明らかに歪な生命体だと思わない? 人間は本能であるべき愛を脳で考えるようになってしまったわ。それは考えた算段の愛であって真実の愛は存在しないの。愛はね、この星の人間以外のあらゆる概念に生まれるけれど人間にはもう決して生まれないのよ。だからその質問の答えは純度100%のNOね』
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:これもう教師じゃなくて教祖様だろ
:ちびりそう……
:闇が深すぎる
:ど、どうしちゃったの? なにか辛いことあった?
:あんたも似たようなもんやろがい! 宇宙人とは言ってもほぼ俺らと変わらんやん!
『そうねそのとおりね、疎ましいことに先生も地球人に近い脳も持っているわ、だからこうやってみじめに自分とではなくモノとモノのカップリングを想像しているの、先生が混じった瞬間それは愛ではなくなるからね。でも地球での暮らしに染められたとしても私は宇宙人、この目は愛を視ることができる、愚かな地球人とは違うのよ』
ひぃぃぃ……やばいときには口調も変わるの怖すぎる……これもう新人というか黒幕の風格だよ!