VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた   作:七斗七

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愛の授業5

「さて、今から皆さんにはお試しとして、実際に概念的愛に基づいて問題を一問解いてもらおうと思います。皆さんの実力を測るための力試しみたいなものね。なにか質問はありますか?」

「「「はいはいはいはいはいはいはいはい!」」」

「黙りなさい」

「「「そんなことある?」」」

「ボケたいオーラを隠せてないのよ。教師らしく言ってみたけど質問云々はやっぱり無しにします」

 

 くっ、意外とこの女鋭い……。

 

「それでは問題。『通常の学校にあるモノで愛を見つけなさい』はいどうぞ」

 

 ほーほー、つまりは前に先生がシャーペンと消しゴムでカップリングを見つけていたみたいに、学校に置いてあるモノを使ってカップリングを組めということだな?

 

「はい!」

「淡雪さんどうぞ」

「4Pしようぜ!」

「……なに4つで?」

「そりゃ勿論先生と私とシオンママと光ちゃんで!」

「はい0点」

「ふっチュリリ先生、このシュワちゃんにとって0は100なんだぜ?」

「なに言っているのか分からないけれど、これは概念的愛に基づいたもの以外は一切答えとして認めません。つまり人が入っていたらダメということね」

「……………………」

「フハハハハ! やはりここは先生のフィールド! あれだけキャンキャン喚いていた淡雪さんもなにも言えない! 先生の完全勝利! やっぱり地球人はその程度なんだわ!」

「…………ふっ」

「? なに笑ってるのよ」

「いやっ、やっぱり先生もまだ新人なんだなーって思ってね」

「なんですって!?」

「はっきり言わせてもらおう、この問題文はなにを問うているのか分かりづらい。だから今のは一問目をあえて間違えて今のやり取りを見せることにより、リスナーさんにルールを詳細に説明してあげたのさ!」

「!? そ、そうだったの!? た、確かに言われてみれば分かりづらいかも……」

「あーっはっはっは!」

「そうよね、配信者ならリスナーさんを第一に考えてあげないとダメよね……」

「あーっはっはっはっはっはっはっは!」

「ごめんなさい淡雪さん、そしてありがとう。勉強になったわ」

「あーっはっはっはっはっはっはっはっはっは!」

 

 ふはは! ふわーっはっはっは!

 

「今考えた」

「窓から投げ捨てるわよ貴方!!」

 

コメント

:そんなこったろうと思ったよ

:笑い方で察したわ

:無意識にリスナーのこと考えた行動をとってるってことなんだよなぁ

:俺らのこと考えて4P提案するくらいなら考えんでくれ……

:先生やっぱりツッコミキャラじゃないか!

:素直に反省するの以外ちょっと意外だった

 

「はい!」

「はぁはぁ、光さんどうぞ、連続でボケは勘弁してね?」

「マジックと机!」

「!?!? そう! そうよ! なんだやればできるじゃん! マジックは先生が前に言ったシャーペンから連想したのかも知れないけどそれでも悪くないわ! 一体どんな愛を見つけたの? 聞かせて聞かせて!」

「マジックが……机に……沢山酷いこととかいやらしいことを書いて……」

「うん?」

「シュワちゃんがマジックで……光の机に悪戯を……はぁ! はぁ! はぁ! はぁ!」

「そうじゃないのよねぇ……3点」

「ふっ、私の勝ちか」

「なに言ってるの淡雪さん、貴方は0点よ」

「4Pだから4点ってな! くひひひ!」

「屋上から投げ捨てるわよ! はぁ、光さん、もう少し頑張れない?」

「もう少し……つ、机じゃなくて光の体に直接!?」

「ダメそうね……マジックと机なんて、圧倒的体格差あるのに机は不器用な性格で、でもそんな不器用ながらも必死に地面に落ちないように支えてくれる姿にマジックが惹かれてコロコロ転がって甘えだすところくらいまでは見えてやっと20点よ?」

 

コメント

:草

:採点基準厳しすぎるだろ

:日に日に光ちゃんの性癖が開拓されていく……

 

「シオンさんは? なんかない?」

「えー……え、えっとー……と、時計?」

「時計……それと?」

「えーっと、えーーっと……う、上履き?」

「「「時計と上履き!?」」」

「だ、だめだったかな!?」

「シオンさん……貴方意外と逆張りなのね」

「順張りが分かんないよ!! あーもう今の忘れて!!」

 

コメント

:シオンママがやっとツッコんだ! なんか安心する!

:これで先生はボケようとしているわけじゃないという恐怖    

:シオンママ思いついたの適当に言っただろ笑

:そこに愛はあるんか?

:もうなんの話だよこれ

 

「はぁ、分かったわ、じゃあここで先生が一つお手本を見せてあげる。分かりやすいのがいいわよね、じゃあお題は……『体育館と保健室』ね」

 

保健室「私貴方のこと嫌い」

体育館「なんだよ急に」

保健室「今日も生徒が体育館で怪我して来た。貴方のせい」

体育館「ああそうかい。俺はお前のこと気に入ってるけどな」

保健室「は? なんで?」

体育館「お前が居ると生徒が安心して運動できるんでな」

保健室「…………」

体育館「…………」

保健室「わ、私も貴方のそういうとこは嫌いじゃない」

体育館「あ? なんて? お前たまに声小さくてなに言ってんのか分かんねぇよ。腹から声出せ声」

保健室「……はぁ、体育会のノリまじうざい」

体育館「ノリ悪いよりはいいだろ。あっ、あとお前は色白で清潔感があって、薬品の匂いがいい」

保健室「はぁ!? 急になに言って……もう最低!! こっち見んな!」

体育館「あははははは!」

 

「みたいなね! 甘酸っぱ! これぞ青春! 胸がキュンキュンしちゃう!!」

「光ね、もう意味分かんない!」

「仕方ないわね、貴方たち用に言い換えるならこれは君〇届けよ!」

「この両者の間に届くのは怪我人だけだよ!」

「じゃあニセ〇イ!」

「確かに偽だ、よく分かってんじゃん」

「はい淡雪さん退学」

「「「!?」」」

 

コメント

:新人が先輩をクビにする歴史的瞬間である

:入るきっかけになった先輩やぞwww

:今更だけどなんで喋ってんの?

 

「はぁ、分かりました。この程度の問題を解くのすら皆さんにはまだ早すぎるみたいね、やり方を変えましょう」

 

 授業は続いていく……。


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