VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた 作:七斗七
コメント
:!?!?
:なぜ分かった!?
:なるほど、あわちゃんと同じことをやってたのか笑
:まじでビビった……
:配信タイトルそういう意味かよwww
:待ち伏せ配信とでも呼べばいいのかな?
:互いの配信を覗き合う不可解な状況が出来たな
:谷崎潤一郎『鍵』の現代語訳版かな?
:誤訳版なんだよなぁ
:なんで最後に清楚の擬人化である淡雪殿の配信からストゼロの化身であるシュワちゃんの汚いオラつき声が? ボブは訝しみつつストゼロを飲んだ
「有素ちゃん、何やってるんですか……?」
『推し活であります』
「そうじゃないでしょ、なんで配信を開いて私の枠を見ているのかを聞いているんです」
『びっくりしたでありますか?』
「それはもう。リアルドキドキ文〇部ですからね今の」
『ぬきぬき手芸部始まるでありますか? はぁ、はぁ、はぁ、はぁ!』
「なんで始まると思ったんですか?」
いやいやなんでいつものノリで下ネタにツッコミ入れてるんだ私、今はそれより言うべきことがあるだろ。
「有素ちゃん、私達今ヨーチューブの配信を通話手段にしている状態なんですよ。ヨーチューブもびっくりですよこれ。なんですかこの遠回しな手段? こんなの楽しめるの付き合いたてのバカップルくらいですよ」
『こ、告白でありますか? 生殺与奪の全権進上を前提に謹んでお受け致すのであります』
「接近禁止命令を前提に謹んでお断り致します」
『どうしてでありますか? 私これでも結構稼いでいるでありますよ? 一生のヒモ生活を保証するのであります』
「そのお金を頂いている人達の前でなんてこと言ってるんですか? これ通話は通話でもワンクリックで傍受できるガバガバセキュリティなんですよ、今の同接数を見るに渋谷の駅前で大声で叫んでいるのと変わらないんですよこれ」
『ロマンチックでありますね! 昔のトレンディドラマみたいであります! 小田〇正さんの出番であります!』
「ヒモにする宣言はどう頑張ってもロマンチックにはならないんですよ、小田さんも言葉にできないしか歌えないから」
『大丈夫であります。私のリスナーさんは徹底的に訓練されているので、淡雪殿に貢がれる前提で活動を支えてくれているのであります』
「貢がれる側である私がいたたまれないんですよ! 言っておきますけど私有素ちゃんから貰ったスパチャは全額覚えていますからね? いつか返しますから」
『それは困るのであります……ファンとして恥なのであります……そうだ! その時は淡雪殿がその時穿いていたパンツを代わりに貰いたいのであります!』
「えぇ普通に嫌だ……なんですかそのとんでもない価値のパンツ、高級ブランド品でも聞いたことないですよ……」
『エルメスの淡雪殿のパンツなのであります』
「そのような商品は販売しておりません」
コメント
:草でドッジボールするのやめろ
:これもう音楽だろ
:バイブス上がってきた
:通話どころかコラボ始まってて草
:有素ちゃんのチャンネルが淡雪ちゃんのサブチャンって言われてるのは笑った
:ブルセラヒモ野郎の淡雪ちゃん
『淡雪殿。話は変わりまして、配信タイトルでも警告したでありますが、いささか無防備過ぎるでありますよ。もし背後にいるのが私じゃなかったら、淡雪殿は今頃妊娠しているのであります』
「そんな発想力を持っている人が背後にいるだけでとんでもない恐怖ですけどね」
『淡雪殿はもっと自分の存在価値の高さを自覚するべきなのであります。今日も話を聞くにお疲れとのことで、マッサージや整体に行くのも手段としてあったわけであります』
「前半はさておいて、後半は言われてみればそれもありでしたね……有素ちゃんもたまにはいいこと言いますね」
『ここにね、ストゼロが集まってるんですよ、ストゼロの流れよくして行きますね~』
「帰ります」
『淡雪殿、そこは「これ、本当にマッサージなんですか?」と言わないとだめなのであります』
「君本当にマッサージモノ好きですね……どう考えても違うでしょ。リンパならまだしもストゼロがどこに溜まるんですか」
『胃と肝臓なのであります』
「それはそう」
『中からほぐしていきますね~』
「コワ!? まさかのサイコホラーエステモノAVだった!?」
『そんなジャンル無いのであります』
「さっきからたまにマジレス挟むのなんなんですか!? ああもうなんか当初の目的すら分からなくなってきた……」
なんでこんなやり取りしてるんだっけ? いやそもそも今日の配信のテーマってライバーさんの配信を見に行くことだったよね? なんで思いっきり私がトーク捌いてるの……?
『すみません淡雪殿、まさかの最初に選んでいただけるとは思わずテンションが上がり、配信の邪魔をしてしまったのであります。どうぞ次のライバーを見に行ってほしいのであります』
「え? それでいいんですか? 私このまま有素ちゃんとコラボになる流れかと思っていたのですが……」
『推しの活動の邪魔はしない、当然のことなのであります。それに、私からしてもこのやり取りは本来の趣旨から外れてしまいまして』
「え、そうなんですか? 私のこと待ち伏せしていたんじゃ無かったんです?」
『はいであります。むしろずっと誰かの配信を見る淡雪殿を眺めているつもりだったのであります』
「な、なぜ?」
『先日ストゼロとディープキスをする淡雪殿を見た時、なんと言いますか、これはこれでクルものがあると感じまして……今日は私以外のライバーで楽しむ淡雪殿を見て悔しがる私の姿を、リスナーさんに見て貰う予定だったのであります』
「NTRに目覚め始めてる!? やめてくださいよ有素ちゃん今の時点でキャラ濃いんですからこれ以上は供給過多です!」
『自分に嘘をつかない主義なのでそれは難しいのであります。えーっと、つまりはそんなわけなので、淡雪殿は気にせずに他のライバーさんの枠に行ってほしいのであります。そもそも私としても淡雪殿に疲れを増やすのは本望ではないのであります』
「そ、そうですか……分かりました。それじゃあまた今度、私も万全な時にコラボしましょうね」
『はいなのであります! 心からお待ちしているのであります!』
こうして一枠目、有素ちゃんの配信の視聴……というか、参加は終わった。
「企画倒れになりそうでしたけど、なんとか立て直せそうですね。それにしても有素ちゃんにNTRのケがあったとは……私はまだその域には達していない人間なので、驚きを隠せません……」
コメント
:良かったのか良くないのか……
:キスの時コメ欄で荒ぶってたもんなぁ
:ましろんにやたら絡んでたのも意味変わってくるんじゃないか……
:これからどうなってしまうのか……
:まだ蕾だからセーフ
「そうですね、今は考え過ぎても疲れが溜まるだけですし、今度こそライバーさんに元気を貰いにいきましょう!」