VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた   作:七斗七

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皆の配信を見に行きたかった4

『シチュエーション的におかしいとか、どう考えても耳舐めしなそうなキャラが設定丸投げして、まるでやらされたかのようにべろべろやりだすのが私は我慢ならないの! そういうことをやられると裏の事情が透けて見えて一気に萎えるのよ! そもそも音声作品って聴覚にのみ訴えかけることで得られる没入感が魅力なんじゃない、なのに現実に戻すようなことしたらダメでしょ! 音声作品は繊細なのよ! ねぇ? 光ちゃんもそう思うでしょ?』

『はぁ、はぁ、ちゃ、ちゃみちゃんはその耳舐めが嫌いなの?』

『は? 嫌いなわけないじゃない。こちとら耳舐めが流行るずっと前から古今東西あらゆる耳舐めを聴きつくしてきた耳舐めソムリエなのよ? 私はね、好き嫌いとかやっかみとか逆張りじゃなく、評論家として意見を述べているのよ』

『ちゃみちゃん』

『なにかしら?』

『それってね、聴きすぎて飽きてきちゃった部分があるんじゃないかな? ほら、最初は夢中になっても、しばらくしたら慣れちゃって悪いところが目に付くようになっちゃうことってあるでしょ?』

『……………………』

『……………………』

『……ッ! このッ! このッ! このぉッ!!』

『あひぃ! あッ! ああぁ! なんでぇ!? なんで今の流れで踏むのぉもっとやってぇ!!』

『私は全肯定してほしいの! そんな正論っぽいこと言われても負けないんだからぁ! 私には全肯定してくれる沢山のリスナーさん! そして愛しの先輩後輩同級生姉妹エルフサキュバス店員女将魔王スライムメイドギャルシスター巫女小学生その他諸々が付いているんだからぁ!!』

『ああん! こんな状況でもダメダメなちゃみちゃんもかわいくていいいいいぃぃぃ!! ダメな人に踏まれるの気持ちいいいいぃぃぃーー!!!!』

『ダメな人って言うなあああぁぁ(泣)!!!!』

 

「おーおーちゃみちゃんの面倒くさいところが暴走してますねこれは」

 

コメント

:あ~今日はいつにもまして推しがキモくてたまらないんじゃあ~

:面倒くさい言ってやるな同期だろwww

:ちゃみちゃまお友達いっぱいですごい! 

:もしやちゃみちゃんがいつまでもクソザコなのは日頃からリスナーと音声作品に甘やかされてるからなのでは?

:小学生に全肯定されるってなんだ……?

 

 全くちゃみちゃんは、素を知れば知るほどどうしようもないんだから……。

 

「これだけやってまだ甘やかされてるちゃみちゃんに納得がいかないですよ私は……。そんなに顔がいいのにPONなギャップお姉さんが好きですか皆様は! まったくもって不純ですよ!」

 

コメント

:素に合わせて新立ち絵まで作った女の言うことはちげーぜ

:これだけやってまだ清楚ぶってるあわちゃんに納得いかないですよ私は!

:ねぇあわちゃん、清楚やめなよ ¥220

:お前だって純度100%の不純物だろ

:ちゃみちゃんは話し合いが弱いだけで、耳舐めについてもガチで評論してる可能性まだあるから!

:まぁ言ってること分からんではないよ

:エッチなら何でもいいです(小声)

 

『光ちゃん、私もう怒ったから。こうなったら今から私に耳舐めしてくれないと許してあげないから』

『ほぇ?』

 

 またいきなりすごいこと言い出したぞこの子……。

 

『しかも許すだけじゃないわ、舐めてくれたらもっと踏んであげるわよ?』

『あれ? でもちゃみちゃんはさっきまで耳舐めが許せないって話をしていたような?』

『もう、ちゃんと話を聞いてちょうだい。要はシチュエーションによるってことなのよ』

『んー? でも今の状況から言うと、今の今まで踏んでた女の子に突然耳舐めされるってことだよ? それってシチュエーション的にOKなの? しかも光って耳舐めのイメージがあるキャラでもないよ?』

『光ちゃん。目の前の性的対象がリアル耳舐めをしてくれることに比べたら、他のあらゆるシチュエーションやキャラクター性は二の次になるのよ。今私は初めてのリアル耳舐めを体験できる可能性に猛烈に興奮しているわ』

 

「これはちゃみちゃん推しでも流石にツッコミを入れるべきなのではありませんか……?」

 

コメント

:自分を棚に上げるってレベルじゃねーぞこれw

:評論家が性欲に負けてどうする……

:性欲は知性から最も遠い感情だよ

:ソロ配信では根っからの音の探究者で尊敬もできるから……

:やっぱりエッチなら何でもいいよなぁ!(大声)

 

『ほら光ちゃん、早く早く!』

『……うーん』

『何をそんなに考え込んでいるの? 耳舐めをすればもっといじめてあげるわよ?」

『それは魅力的な提案だ……だけどここは……やだ!』

『……き、聴こえなかったわ、もう一回言ってくれる?』

『やーだ! 何があっても絶対にやってあげないもんねー!』

『――――そう。光ちゃん、股を開きなさい』

『へ? あ、足が!? ま、まさかこれって、電気あんま!?』

『今から生意気な光ちゃんに厳罰を与えます』

『そ、そんなぁ……ふへへ、計画通りだぁ……』

 

 本当に配信で何やってるのこの子たち……あと光ちゃん、最後小声で変なこと言ったな?

 

『……ん? あら、この配信淡雪ちゃんが見に来ているみたいよ』

『え!?』

『あはっ、丁度いいわ! 淡雪ちゃん! 今から私がこの陽キャを屈服させるからよーく見ててね? ほらっ! ほらほらほらほらっ!』

『あ゛っ!♡ あ゛あ゛ぁ゛♡!!』

『あはははははっ! 見てる淡雪ちゃん!? 私達陰キャを常に踏み台にしてくる陽キャを! 今! 逆に足蹴にしてやってるわよ! さぁ光ちゃん! もっと鳴いてそのなっさけない姿をご主人様にも見せてあげなさい!』

『あぎっ!♡ ひぎいいぃぃ!♡ み、見ないで! こんな情けない光を見てぇじゃなかった! 見ないでぇ! 見ないでぇええ! おひいいぃぃぃ!♡ あぎゃああああああ!!♡ ご主人様ぁぁ! もっと冷たい目で光のことを見てえええええええぇぇぇぇ!!!!』

 

 カチッ。

 私は配信を閉じた。

 いつもと比べると配信を終えるには少し時間が早い。探してみると、この時間お邪魔してきたライバーの他に聖様が配信をしていることに気が付いた。

 配信を開いてみる。

 

『いい加減そろそろ出ないかな……おちん……!?!? キタアアアアアァァァーー!! おちんちん! おちんちんでた!! おちんちんでたあああああぁぁーー!! チンチロリンでおちんちんぼろりーーーーーん!!!!!!』

 

 カチッ。

 私は配信を閉じた。

 

「ふぅ…………」

 

 そして私は一息ついた後、にこやかな笑顔でこう言った。

 

「寝ますか!!」

 

コメント

:はいwww

:疲れてるときはそれが一番だね笑

:なんでや! 光ちゃんエッだったやろ!

:自分のせいでこんな痴態で喜ぶようになったと思うとね……

:これを有素ちゃんも見て喜んでると思うと草

:実質連結プレイじゃん

:淡雪ちゃんの穴が足りねぇよ……

:聖様は自重しろ

 

 まさか同箱の配信を見るだけでこんなにいたたまれない経験をすることになるとは思わなかったよ……。

 ちなみに、少し早く配信を切り上げてぐっすり寝たおかげか、翌日には疲れはすっかりとれていたのだった。

 そうだ、あの地獄絵図は私のことを気遣って早めに休むことを遠回しに勧めてくれたと思おう! うんそうしよう! あははははっ! ありがとう皆! あはははははははっ!


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