VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた   作:七斗七

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三期生対抗体力バトル4

「第二競技は――柔軟を競う『リンボーダンス』だよ」

 

 次の競技の発表に、腕相撲の時と同じくまたもや私達の間に動揺が走る。

 だが、それは驚きというより、やはり困惑のニュアンスが強いものだった。

 だってリンボーダンスってあれだよね? バラエティとかでたまに見る体を反らしてバーをくぐるやつ。

 

「これも運営さんから一言。『怪我に気を付けてください。本当に気を付けてください』だって」

「大丈夫ですかそれ? リハーサルで犠牲者出ていません? 腰かな……」

「でも、腕相撲に比べたら変わり種だけどまだ普通よね……なんだか勘ぐってしまうわ」

「ふっふっふっ、光は知っている。実はバーに100万ボルトの電流が流されていることを!」

「あーそういうことですか」

「怪我に注意って言ってたものね。デスゲームってやつね。嫌だなぁ……」

「そうなんですか? あっ、運営さん全力で首振ってるから違うみたいだよ」

 

コメント

:なんでリンボーダンスを疑って死の舞踏には納得してるのこの人達?

:嫌だなぁじゃないんだよ今すぐ逃げないとダメなんだよ

:ネタ……? いや素で納得しかけていたような……

:100万ボルトでも用意されたら本当にやる覚悟持ってそうだから三期生やばい

:とうとうそこまで常識が狂ってしまったか……

:昨日年号が『ライブオン』になって緊急事態宣言が発令される夢見ました

 

 正直場所的に激しい運動は無理でも変な運動は来ると予測していたので、二回続けて普通の競技が来て驚いた。一体何が起こっているんだ?

 ……まぁ悪いことではないしいっか。

 ましろんとのトーク役は光ちゃんに任せ、ちゃみちゃんと2人でセッティングしている運営さんの手伝いに回る。

 

「うげぇ、柔軟かぁ……」

「あれ? もしかして光ちゃん体硬い?」

「うん……運動は好きだけど柔軟だけはなんでかダメで……」

「らしいっちゃらしいけどね。僕たちにとってはチャンスになりそうだ」

 

 よしっ! セッティング完了! 一旦退出していくスタッフさん達に頭を下げ、定位置に戻る。

 

「それじゃあ詳細なルール説明に入るね。リンボーダンスということで、皆さんには設置されたバーを体を反らすことで潜ってもらいます。体を前にして屈んだり、手やお尻が地面に着くのはアウト。まず100㎝から始めて、5㎝刻みで縮めていくよ。リスナーさんにも高さが伝わるように、平均身長のマネキンと比較したバーの画像も出すって」

「こう見ると……100でもかなり低くありませんか?」

「しかも未経験でぶっつけ本番よね、少し怖いわ……」

「光無理かも……い、いやいや! 最初からそんなこと言ったらダメだよね、うん!」

 

コメント

:ひっく

:あわちゃん前に開脚しようとして体からエグイ音出てたから気を付けてね……

:試しにやったら1㎝潜れたわ

:さてはおめぇ某ネズミ狩りのトムだな?

:ここでネズミじゃ無くて猫の方を連想するのさすトム

:ネコは液体だからね

:じゃあネコマーは汚水ってことかぁ

:本人の知らないところで不憫猫が加速した……

 

「じゃんけんで負けた人からやっていこう」

 

 怖がっていても仕方ないので、ましろんの誘導でじゃんけんをする。

 結果、ちゃみちゃん、私、ましろん、光ちゃんの順番でやることになった。よかった、流石に今回は運が向いたか……。

 

「じゃ、じゃあ行くわよ……」

 

 早速1番手のちゃみちゃんが探り探りで体の反らし方を試行錯誤しながら、ゆっくりとバーに近寄っていく。

 

「……なんかさ、僕これ好きかも」

「はい? 何がです?」

「こうさ、情けなく足を広げながらさ、腰を前に突き出して体を反らして……エッロ……」

「ましろん?」

「顔もさ、不安そうな感じがさ、ポーズが近いのも合わさって何らかの罰で強制的にポールダンスやらされてるみたいで……いぃ……」

「だめだこれ、脳内が栗の花で満開になってる」

「帰ったら絵にしようかな。そういうジャンルの開拓もありかも」

「ニッチ過ぎて流行らないですよ」

「あわちゃんそれ人格排泄の前でも同じこと言えるの?」

「清楚なのでそんなもの知りませーん」

「こら! 変なことばっかり言わないで、くぐるのに集中出来ないでしょ! 応援とかにしてよ!」

「ちゃみちゃん! がんばれ! がんばれ!」

「あっ、光ちゃんそれはさっきの思い出して力抜けるからやめてぇ!!」

 

 墓穴を掘って少し危うい場面はあったが、ちゃみちゃんはギリギリでバーをくぐることができたのだった。

 

コメント

:ましろん!?

:癖に当たったか……

:やっぱクリエイターっすね……

:何が常識人だよ!

:失礼な、ましろんとダガーちゃんはもののけサーの姫だぞ ¥1000

:サークルがタタリ過ぎる

:栗の花ツッコミも清楚なようで清楚じゃないからな!

:まさか、ネコマーは人格排泄の結果だった?

:まだ止まらなくて草

:本人知ったらいい悲鳴あげてくれそう

:成功してる! 

:すげぇ!

:出来るものなんだなぁ

 

「うぎぎ……ッ! 出来ました!」

「よっと」

 

 その後、私とましろんも危なげなくクリア。

 最後は柔軟は苦手だと言っていた光ちゃんの番だ。

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