VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた   作:七斗七

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ワルクラ配信4-7

「あ、またお客さんだ! ラッシャーセー!」

 

 先生が屋台を後にしてからも私は晴先輩と駄弁っていたのだが、次のお客さんが来たようだ。

 やって来たのはましろんとシオンママだった。

 軽く挨拶を交わす。

 

「2人は一緒に行動してたん?」

「うん! 成り行きでましろちゃんと時間が合ってね!」

 

 普段は周りのライバーを制御する立ち位置なことが多い2人だから、なんだかこの2人だけっていうのは新鮮かもしれない。

 

「ねーえーシュワちゃーん」

「なーにーましろーん」

「幼児プレイって好き?」

「おいシオンママ、ましろんに何を吹き込みやがった?」

 

 突然飛び出たましろんの爆弾発言に、間違いなく元凶であるシオンママを問い詰めた。

 

「別に吹き込んでなんかないよ人聞き悪いな! ましろちゃんに色々聞かれたから答えてただけ!」

「ましろん、一体何を聞いたの? 変な人の言うことを真に受けたら駄目だよ?」

「晴先輩ー! 後輩がイジメます~!」

「くじで迷惑かけてごめんなさいくじで迷惑かけてごめんなさいくじで迷惑かけてごめんなさいくじで迷惑かけてごめんなさい」

「あ、あれ? なんでそんな隠れているんですか?」

 

コメント

:ちょっと珍しい2人組が来た

:ツッコミ談義でもしてたのかな?

:ましろんが幼児プレイ発言!?

:カオスなお祭りの中唯一の癒しとか思ったけどそうでもないのか!?

:これもしかしなくてもシオンママ例のくじ屋かwww

:気にしてないみたいだからハレルン元気出して

 

「いやね、僕って一応シュワちゃんのママじゃん」

「一応じゃないど! この体があるのはましろんのおかげよ!」

「へへ、ありがとう。でもさ、最近シュワちゃんが僕よりシオン先輩の方をママと思ってるんじゃないかって思ってさ」

「ないないないない」

 

 当然全力で否定する。あれはシオンママの狂気に巻き込まれているだけなのだ。

 

「でもさ、口ではそう言ってても、いつもなんだかんだ拒否はしないよね?」

「いや拒否してる! 許可してるのは普通のやつだけだから!」

「へー? じゃあ聞くけど、哺乳瓶プレイは?」

「まぁそれくらいなら……てかストゼロでやったね」

「……着替えをさせられるのは?」

「あー、まぁそれくらいなら全然普通っしょ」

「……体を洗われるのは?」

「うーん……まぁギリ許すかなぁ……あ、背中と髪は洗われたことあったね」

「もう怒った、シュワちゃんなんて知らない」

「ええ!?」

 

 突然そっぽを向いて私から離れていってしまうましろん。

 

「ちょ、なんで怒っちゃったの!? え!? リスナーさん教えて!」

 

 なぜ急に不機嫌になったのか分からず、慌ててリスナーさんに助けを求めたのだが、待っていたのは呆れの言葉の数々だった。

 

コメント

:あーあー

:そりゃ怒られますわ

:どこが普通だよ! 傍から見たら完全に怪しいプレイだよ!

:一緒にお風呂入ったことあるましろんも洗うのは多分やってないよな

:普通の基準がバグってきてるな……

:こんなんましろんのママとしての立場ズタズタですよ

 

「あー……」

 

 それを見て、やっとなんとなく理由を察した私。

 要するに、嫉妬させてしまったんだな。

 それは申し訳なかったけど……ムフフ、かわいいやつめ。

 

「シオン先輩、僕にママを教えてくれませんか?」

「ましろちゃん、それなら私の赤ちゃんになってみるのが一番手っ取り早いと思うな。私のママスキルを体験して吸収するの。どう?」

「なります」

「ちょおおおおぉぉぉぉ!?!?」

 

 相変わらず私のことが好きすぎるましろんにニヤニヤしていたのだが、とんでもない会話が聞こえてきて慌てて割って入った。

 

「ましろん待て! 騙されてる、それ騙されてるから! シオンママがましろんのこと赤ちゃんにしたいだけだから!」

「うるさい、シュワちゃんは黙ってて」

「ヒッヒッフ~、ヒッヒッフ~……」

「ほら! シオンママの呼吸聞いてみて、興奮のあまりとうとうラマーズ法になっちゃってるって!」

「ふんっ、もうシュワちゃんの言うことなんて聞かないから」

「そんなぁ~」

「おーい! ミルクとか使えそうなのもってきたぞー!」

 

 明らかに危ないと分かっているくせに話を聞いてくれないましろん。とうとう晴先輩まで面白そうな気配を感じ取ったのかあちら側に参入してしまった。

 まじでやるのか、シオンママとましろんの幼児プレイ……。

 私止めたからな! もうどうなっても知らないからな!

 

コメント

:ましろんが変なこと言い出した……

:何がとうとうなのか……

:興奮ちゃんとラマーズ法ちゃん多分これが初対面だよ

:なんでイラストレーターとしてのママが本物のママになろうとしてるのかを誰かツッコんでくれ……

 

「じゃあましろちゃん、まずは言葉遣いから直してみよっか」

「分かりました」

「もう、そうじゃないでしょ?」

「え? …………ぁ」

 

 シオンママの言いたいことに気付いたましろんが、しばらくもじもじと無言になってしまう。ほーら言わんこっちゃない。

 

「……ば……ん゛ん゛…………ぁぅ……ば……」

 

 だけど、今日はましろんも祭りの熱に浮かされているのか、それとも本当に私に妬いているのか……なんども言おうとしては恥ずかしそうに躊躇した後……確かにその言葉を言った。

 

「バブぅ……」

「「「!?!?」」」

 

 それは新種の生物に出会った時のような衝撃だった。

 普段あんなに落ち着いた声色で、クールな印象がありつつも、突然小悪魔のようになったりもする、そんなましろんが――

 

「ぁ、あぅ?」

 

 もじもじと羞恥に震えながらも、媚びという言葉すら生ぬるく聞こえるべったべたに甘えた声を出す、あられもない姿になってしまうなんて――

 こ、こ、こ、

 

「「「この赤ちゃん……スケベ過ぎる!!」」」

「おい待て」

 

 それは、私達3人の心の叫びだった。

 

コメント

:草

:マタギもビックリなこと言ってんな……

:何か湧き上がってくる衝動があったのは確か

:ライブオンしようぜ

:赤ちゃんは羞恥心を捨てないといけない派の俺が揺れそうになるとは……

:いけないものを見ている気分になりました

:ストゼロ授乳されてる時の淡雪ちゃんと一緒だな

:あれはイケないものを見ている気分になったので違います

 

「ねぇ、僕赤ちゃんなんですよ? なんで欲情してるんですか?」

「赤ちゃんプレイなんだからそりゃ欲情もするさ」

「晴先輩、誰もプレイだなんて言ってないんですよ。僕はただ赤ちゃんとしてママを学んでいるだけなんです」

「ましろん、止めようとした私が間違っていたようだ」

「ここで負けを認められると逆にむかつくからやめて。ほらシオン先輩もしっかりしてください」

「そ、そうだよね! 私は誇り高きママなんだから! エッチな赤ちゃんになんて負けないんだから!」

「なんかすごく不安だけど……まぁいいや、続けて貰ってもいいですか?」

「う、うん! 確かミルクがあるんだよね、それなら哺乳瓶で授乳ならできそうかな」

 

 呼吸を整え、再びママとなるシオンママ。

 

「よちよち! そろそろごはんのじかんでちゅよ~! ほら、ママがミルクのませてあげまちゅからね~!」

「えっとこういう時は……ぁ、あううぅぅ! ちょーらい!」

「ッ……はいどうぞ~じょうずにのめるかな~?」

「ぁう~! ちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱ」

「ッッッッ!!!!」

「はーいマーシーちゃんはそんな人工物じゃなくてハレルンママのおっぱいからのみましょうね~!」

「あう?」

「いーやましろんはシュワちゃんママのクリちゃんをちゅぱちゅぱしましょうね~!」

「待て待て待て待て」

 

 ぁぁ……赤ちゃんましろんがいなくなってしまった……。

 

「色々言いたいことあるけどさ、何よりシュワちゃん」

「うい」

「ライン越えたよね?」

「さっきの瞬間だけ世界のラインが跳ね上がっていた可能性もあるど」

「ごめんなさいは?」

「ごめんなさい」

 

 どうしようもない発言をした時には謝罪が一番。皆も同じこと言っちゃったときには謝ろうね!

 

「晴先輩もなんで割り込んできてるんですか」

「マーシー、確かに私の胸を吸ってもミルクは出ない。でもそれよりおいしい思いさせてあげるよ」

「こんな時にグッとくること言わないでください。罰としてさっきの発言の通り、授乳イラストをR18ギリギリで描かせていただきます」

「マ?」

「わ、私はちょっと恥ずかしいかも///」

「シュワちゃんはなんで描いてもらえると思っちゃったの?」

 

コメント

:衝撃映像で草

:ヤバ過ぎワロタ

:笑いより先に驚きで噴き出したわ……

:ハレルンのイラストマ!?

:あのシュワちゃんの発言はイラストにしたらどう頑張ってもR18なのよ……

:シュワちゃんのエロイラストは実質飲酒だからR20に国から指定されそう

 

「でも正直ママとしては晴先輩が乱入してくれてありがたかったかも……危うく赤ちゃんに変な気分になるところだった……」

「ふふっ……ママ? ざぁこ♡ ざぁこ♡」

「ぐふ……(バタリ)」

「あ、シオンママ負けた」

「ふっ、なんだこの程度か。シオン先輩も大したことがないことが分かったし、今日の所はシュワちゃんも許してあげるよ」

「やったぜ」

 

 気分を良くしたようで、今回の件を許してもらえたようだ。

 最近無双状態に思われたシオンママにも、意外な天敵が見つかったのだった。

 

「にゃにゃーん! 匡ちゃん相手はギャルゲー系のクソゲーをやってると思えば楽しめることにネコマは気付いたぞ! さぁもっとネコマを楽しませてくれ!」

「ふぅ、テンションが上がって喋り過ぎてしまったな。すまん、もう落ち着いたぞ」

「( ;∀;)そうそう、これがいいんだよ」

 

 さて、次はどこへ……と思ったところで、そろそろ祭りが終わる時間が近づいていることに気付いた。もうこんな時間か。

 祭りの最後は派手に締めることになっている。私達は速足でその会場へと向かった。




近々久しぶりに淡雪のマシュマロ返答回を、あわとシュワに分けてやる予定です。
よければ活動報告の『マシュマロ募集』からマシュマロの協力をお願いします。
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