VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた   作:七斗七

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四期生2

『私、今まで人並の人生を歩んできた中で、心の隅にはどこか退屈だと感じてしまうことがいつもあったのであります。アイドル活動をしているのもこの退屈さを埋めるために始めたものでありますな。でも私の心の渇きは相当なものだったようでまだなにか私を満足させてくれる大きなものを欲していましたのであります』

 

未だに混乱で思考がまとまらない私とコメント欄を後目に深々と一人語り始める有素ちゃん。

あー、うん。未だに脳の回路は絶賛迷子中だけど、一つ察したことはあるぞ。

 

『そんなときです! あの伝説の淡雪殿配信切り忘れ事件を偶然ネットニュースで目にしたのであります! その衝撃たるや私の今までの人生全てを積み重ねたところで遠く及ばないものでありました。最も近い感情で表すなら……一目惚れですかな』

 

この子相当頭の中ライブオンしてやがるな!!!

 

コメント

:なんだこれは……たまげたなぁ

:うっそだろお前www

:?…………??(日本語のはずなのに理解できない)

:what?

:つまりどういうことだってばよ!

:配信切り忘れてストゼロでガンギマった後、同性VTuberにセクハラ発言連発した後泥酔寝落ちして、起きたらゲロ吐きながら配信終了した自称清楚に一目惚れしたらしい

:世界ってまだ見ぬ神秘に溢れてたんだな

:意味わからな過ぎて悟り開いてて草

 

『誰もいない道を堂々と歩いている、でもその結果気づけば多くのファンが淡雪殿に夢中になっていた。これこそが私の心が渇望した事象だったのであります。その日から私の意識はもう全て淡雪殿に向けられていました。配信はもちろんアーカイブもひたすらに流し続け、どんなことをどのタイミングで口にされたのかを完全暗記し、そのことに耐えがたいほどの快感を覚えました。勿論スパチャは上限いっぱいで送れるだけ送っているのであります!』

 

重いわ! なんじゃこれ背筋がゾワゾワしてきたよ!

確かに! 確かに慕ってくれる子が欲しいとは言ったけどもこれはなにか違うのでないか!?

ファンでいてくれるのは勿論嬉しいんだけど、今まで芸人扱いでこんな狂信的に見られることなんてなかったからもう混乱で頭オーバーヒート寸前だよ……

 

コメント

:うん、素直にドン引きです、最高や

:これでこそライブオン

:公式が絶対に斜め上を目指すのホント草

:シュワちゃん震えあがってそう

:四期生のやべーやつ

:どうしてこの子を先頭にしてしまったのか

:後ろも同じくらいやばいんでしょ

:まさかのあわちゃん信者は草草の草

:在日日本人ですが、彼女が何を言っているのか理解できません

:ただの日本人じゃねぇかw

:わぉ! 彼女はクレイジーだね! びっくりしたよ、彼女は未来に生きてるね。 一つ言えることは、僕たちは彼女にもう夢中ってことさ

:海外の反応風やめれ

:推しにする、決定や

:淡雪、頑張って有素ちゃんをこんなにした責任取るんやで(にっこり)

 

『長々と自分語りになって申し訳ないのでありますが、そんなこんなで淡雪殿に少しでも近づきたかった私はライブオンの四期生募集に応募して、今ここに立っているわけであります! 憧れの人と同じ舞台に立てて幸せいっぱいで最高でありますな! えっと、まだ時間が余ってるみたいなので質問などあればぜひお答えしたいのであります!』

「ははは……」

 

もうなにがなんだか考えるのもつかれたので、乾いた笑いを出すことしかできない。

ま、まぁ広い観点で見れば慕ってくれるかわいい後輩だから別にいっか(現実逃避)

うんうん、広い心を持つことが大事なのだ! 宇宙のような広大な心で有素ちゃんを迎えてあげよう!

 

コメント

:どうやって受かったの? 面接とかなに話した?

:確かに気になる

:嫌な予感しかしないwww

 

『あ、実は私書類選考の時点で何回も落ちているのであります!』

 

え、まじか?

 

『でもどうしても諦めきれなくて、複数回応募はだめなんて書いてなかったので、毎度淡雪殿がどれだけ素晴らしいかの論文を内容を変えて提出していたら、5回目でやっと面接まで進めて、そこでもひたすら淡雪殿への愛を語ったら採用された次第であります!』

「いや書類選考に私に関する論文出すのはおかしいでしょ! 絶対何回も落ちたの自分のアピールしなかったからだよ!」

『待ちに待った面接なので、最初は普通にしようかとも考えたのでありますが、尊敬する淡雪殿へ敬意を表して、淡雪殿のように自分のありのままをさらけ出した面接をしたら合格したのであります! やはり淡雪殿は私の救世主でありますな!』

「鋼のメンタルなのはすごいと思うけど、努力の方向音痴感がすごい!」

 

ま、まて、冷静になるんだ淡雪、さっき受け入れてあげると言ったばかりではないか、こんなことで平常心を失ってはだめだ。

淡雪よ、お前は女の子が大好きだったはずだ、この状況を見てみろ、カモがネギ背負ってきたが如くかわいい女の子が懐いてきてくれてるんだ、最高のシチュエーションだろ?

ほら、落ち着いてみれば愛情深くてかわいい子だよ有素ちゃんは、うん。

 

コメント

:この厄災を採用したライブオンは完全に病気、いいぞもっとやれ

:これが淡雪原理主義の末路か

:同担拒否のストーカー系ヤンデレかな?

:あわちゃん中に誰もいませんよされちゃう?

 

『ムッ、なにを言っているのでありますか! 淡雪殿の幸せこそ私の幸せ。淡雪殿が淡雪殿らしく活動しているのが大切であり、自分を押し付けて活動を邪魔するような人はファン失格なのであります!』

「ほら! やっぱりいい子じゃないか!」

 

やっぱりちょっと主張が誇張されがちなだけのいい子ようだな、ふぅ安心安心。

 

コメント

:あわちゃんからなにか一つ貰えるとしたら何が欲しい?

 

『欲しいものでありますか……絶対に叶わないものでも大丈夫なら、しいて挙げるなら【口蓋垂】ですかな』

「ふぁ!?」

 

コメント

:www

:予想外すぎて大草原

:口蓋垂ってなんぞ?

:喉ち〇このことぞ

:ぇぇぇ(大困惑)

:なんでだよwww

 

『だって、喉の一部とはいえち〇こはち〇こなわけであります。それを私の体に取り込めば実質S〇Xになるのではないかと思うのでありますよ!』

「      」

 

コメント

:発想の勝利

:敗北の間違いでしょ

:www

:切り抜き確定演出

:やべぇよやべぇよ……

<宇月聖>:ためになるなぁ

<神成シオン>:あれは彗星かな? いや、違うな。彗星はもっと、バァッって動くもんな……

:精神崩壊ママ強く生きて

:息を吸うように男性器を連呼した挙句S〇X希望をした女

 

『あ、もう時間でありますな! それではこのストゼロレモン味で締めにしたいと思うのであります! それでは乾杯! プシュ! ごくっごくっごく! ん゛ん゛ん゛ぎもぢいいいぃぃ!!』

 

阿鼻叫喚なカオスと共に、有素ちゃんの配信は終了となった。

それから数分間、私は開いた口が塞がらないのであった……




活動報告にてマシュマロとリクエスト募集中です!
本編に出てくるライバーに質問したいことなどあれば、活動報告『マシュマロ募集』のコメント欄に、やってもらいたいことや見たいシチュエーションがあれば『リクエスト募集』のコメント欄に書き込んでくだされば、本編にて採用されます!
よろしければ是非書き込んでみて下さい!
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