VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた。   作:ななとなな

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黒歴史視聴配信2

「えー皆さん、残念なことにそろそろ淡雪が止んでしまいそうですね。名残惜しいですが本日の配信はここまでです。また淡雪の降る頃にお会いしましょう」

「ストップ! ストップであります! まだ始まってすらいないのであります! 突然どうしたのでありますか!?」

「どうしたもこうしたもないです! なんで自分の黒歴史をあえて自分から見に行かないといけないんですか!」

「あれ、たしか淡雪殿はあわちゃん殿とシュワちゃん殿で別人設定だったはずであります。そう考えると今の言葉はおかしくないでありますか?」

「有素ちゃん、世の中には暗黙の了解というものがあるの、いいね?」

「アッハイ。であります」

「よし! というわけで、この企画は無しということに……」

「それはだめであります! 私はこの企画の為に30時間かけてシュワちゃん誕生の瞬間を分析してきたのであります! リスナー殿にもきっと喜んでもらえる企画なのであります!」

「有素ちゃん、時間というものは有限、つまりは限られたものなの。今回は正しい時間の使い方について学ぶことにしない?」

「?? 淡雪殿の為以外に使う時間に何の価値があるのでありますか?」

「おぅ……いろんな意味で泣けるぜ……」

 

目を覚まして有素ちゃん、君が憧れてるのはライブオン界のネタ枠なんだぞ!

もっとほら、シオン先輩とか……他には、えと……

あっ、だめだわこれ、ライブオンって四期生除いて総勢7人もライバーいるのにシオン先輩以外常識人いないわ。

なんてアットホームで風通しのいい(皆本性隠す気0で壁全部取っ払ってるレベル)職場なんだ。

ライブオンっていつか頭の中ホワイト企業とか言われてそうだね。

むしろなぜシオン先輩は受かってしまったのか、ライブオン最大の謎である。

さて、そろそろ本題に戻って――

 

「……本当にやるんですこれ?」

「はいであります! ……勿論絶対に嫌というのであればやめるでありますよ?」

「いやまぁ、驚いただけで全然大丈夫ですよ、リスナーの皆様も楽しみにしてるみたいですし。あらゆる動画でフリー素材としてボイスを使われている私の寛容さを舐めないでください」

「やったーであります!! 動画は淡雪殿のチャンネルから借りるでありますね」

「了解」

 

例の切り忘れ配信の行方について、当初は当然アーカイブも残さなかったのだが、あまりにも切り抜かれるし皆も望んでるみたいだったので、自分を認める意味も込めて一周回って自分のチャンネルに動画を上げている。

再生数もえぐいことになっているのだが、流石に自分で見たことは未だにない。

一体どうなることやら……

 

「よし、準備完了であります! 今回は切り忘れからその後のソロ配信までの名シーンをピックアップして見ていくのであります!」

「ごくりっ……」

 

 

『プシュ! ごくっ、ごくっ、ぷはぁー!!!』

 

 

ああ、これは初めてリスナーの前で飲酒したシーンだな、私は完全に配信終わったと思ってたけど。

 

「記念すべきシュワちゃん殿の産声でありますな!」

「いや産声がぷはぁってどうなんです?」

「羊水がストゼロだったのではないでありますか?」

「なにその自由な発想力天才かな?」

「私はネットニュースでこの配信を知ったのでリアルタイムで見てはいなかったのであります。伝説の目撃者となれた人たちが本当に羨ましいのであります……」

「いや、伝説でもなんでもなくただの放送事故だから、一人の女の人生がネタキャラに決まった瞬間だから」

「そんな卑下しないでください! 私にとっては神の誕生に等しい瞬間です! ジャンヌダルクが神の声を聴いたというのなら、私はシュワちゃん殿の声を聴いたと言い張るのであります!」

「そんな酒臭そうな声スルーしなさいな……」

 

 

『うひゃー! やっぱロング缶のなる音は最高だぜぇ!』

 

 

「これはあっという間に350ml缶一本飲み終えた後のボイスですな!」

「今見るとこの時代の私ガンギマリすぎですね、今こんなハイペースで飲まないですよ」

 

 

『は? どちゃしこなんだが? 光ちゃんのママあなたの配信を見てどちゃしこなんだが?』

 

 

「あああだれかこの女を止めろおおぉぉ!!!」

 

あまりの醜態に思わず耳を塞いでしまう。

なんてこと口走ってるんだ私は! 

 

「同期のママを自称した上に渾身のシコる発言、感服であります! 私もいつかシコって貰えるように頑張るのであります!」

「落ち着きなさい有素ちゃん、あなたはまだ引き返せる。もう一度親御さんと話して自分の将来を見つめ直してみてもいいと思うの」

「父上と母上の許可はちゃんと取っているのであります! 理解を得るために淡雪殿全配信視聴会を三人で開いたりもしたのであります!」

「なにしてんだおいいい!?!? 私ただでさえお茶の間エターナルフォースブリザードだとかイヤホンが繋がってるか確認しないといけないライバーランキング1位とか言われてんだぞ!」

「母上は「あら、昔の私みたいね!」と言って、父上は「はっはっは! なに謙遜してるんだよ!」と返したりと非常に和やかな視聴会だったのであります!」

「え? どういうこと? 今の会話の流れだとお母さんそうとうやべーやつじゃない?」

 

コメント

:とても現実ではありえない会話ばっかで草しか生えない

:俺羊水って単語が会話の中で出たの初めて聞いたわ ¥20000

:俺も勇気出せば女の子と話せるかな?

:これから毎日会話しようぜ?

:間違っても女の子に羊水のこと話すんじゃねぇぞ

:ま? 最近自分の中で羊水がマイブームなんだけど、みたいな感じで話しかけようと思ってたんだが

:コミュ障ニキの次回作(来世)にご期待ください ¥1000

:有素ちゃんの血筋はどうなってるんだ……

:やっぱ遺伝子ってすげぇわ

:お前の家族ライブオンかよ

 

「さて、実は切り忘れの時はそもそも淡雪殿が配信テンションじゃないので発言が少なくて、そろそろ次の『ソロ配信』の名シーンに行こうかなと思うのであります」

「まぁ言っちゃえば全部独り言ですしね」

「私としてはゲロ式配信切りも採用したかったのでありますが、運営に止められてしまったのであります。不本意であります」

「当たり前です、なんで嘔吐音なんて聞かないといけないんですか……」

「需要があるのであります」

「ないです」

「私ループ編集したものを子守歌にしているのであります」

「お耳おかしなるで」

 




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本編に出てくるライバーに質問したいことなどあれば、活動報告『マシュマロ募集』のコメント欄に、やってもらいたいことや見たいシチュエーションがあれば『リクエスト募集』のコメント欄に書き込んでくだされば、本編にて採用されます!
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