VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた   作:七斗七

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還ちゃんとオフコラボ4

「次の話題引くどー! えーと、『好きな本』ですな!」

「あ、還が書いたやつですね、ちなみに絵本ガチ勢です。ママ本は読みます?」

「本かぁ、『君のストゼロを飲みたい』とか名作だよね!」

「なんですかそれ……ただ人の酒狙ってるだけのダメ人間じゃないですか……」

「む~、それなら還ちゃんは好きな本なに?」

「勿論『ママのストゼロを飲みたい』ですね。なぜなら還は赤ちゃんなので」

「私と大して変わらないじゃんか!」

「いいえ違います。ママのおっぱいからは度数9%のストゼロ母乳が出るのでそれが飲みたい、つまりは母の母乳を求めているだけの至って健全な赤ちゃん欲求です」

「まじか便利だなこの体、自給自足やん」

「え」

 

コメント

:www

:流石川を飲み干した女、ぶれない

:神話の一節かな?

:最初絵本ガチ勢って言ったのにも関わらず乗ってきてくれる還ちゃんノリよくてすこ

:ガチトーンの「え?」で草生えた

:考察班です。シュワちゃんにとってストゼロは何物にも代えがたい大切なもの、人生と言うのも憚られない物のはずです。それを欲しがるということ、それすなわちあなたの大切なもの(人生)を私にくださいというシュワちゃんなりの告白なのではないでしょうか? 意外と照屋さんなんですねシュワちゃんは。つまりまとめると「君のストゼロが飲みたい」=「私とS〇Xしようぜ!」ということです

:↑ニキ最初はなるほどと思ったけど最後で台無し過ぎて草

:なるほどと思った時点で毒されてるんだよなぁ

:照屋は例え濁しても「私とS〇Xしようぜ!」なんて言わない ¥2000

:もっと有意義なもの考察して、どうぞ

:新人類の考察だから超有意義だぞ

:とうとうシュワちゃんは既存の人類の枠組みから外れたのか……

:ニュータイプかな?

:ゼロタイプでしょ

:退化してんじゃねぇか笑

:少なくともゼロシステムは間違いなく使いこなせそう

:シュワ「ゼロよ……私を導いてくれ」

:ゼロシステム「ストゼロを飲め」

:シュワ「任務、了解」

:絶対飲みたいだけだろお前

<相馬有素>:シュワちゃん殿を食べたいのであります!

:場所を指定しなさい

:そんなこと言ったらまた口蓋垂とか言い出すでその子

<宇月聖>:女を食べたい

:個体を指定しなさい

:困った、切り取り班なんだが全編通して切り取るところがない

:捨てるところのない空き缶

 

「ちなみに好きな一節とかはママありますか?」

「うーん、『恥の多い生涯を送ってきました』とかかな?」

「知ってます」

 

コメント

:知ってる

:知ってる

:よくご存じですね

:自己紹介感謝

:やっぱ本物が言うと説得力がちげぇわ

 

「あれ? 私は好きな一節を言っただけのはず……あれ?」

 

その後、還ちゃんはマンガなどお互い普通に好きな本を数冊話し、話題を何回か引き終わったところで尺的に配信を終了することになった。

好評だった上にいつもより全然早い時間だから名残惜しくはあるが、事務所を借りている以上あんまり長く続けるのも良くない。そろそろ自宅に帰るとしよう。

 

「ねぇママ」

「はーい?」

 

機材を片付け帰り支度をしている途中、背中合わせになっていた還ちゃんに話しかけられた。

 

「今日はありがとうございました」

「うん! こちらこそありがとうだよ、楽しい配信だった!」

「そうですね、本当に……誰かと素を晒しながら話すのはこんなにも楽しいことだと知りませんでした。還は今日ママのおかげで自分に自信が持てました、還は今日ママに会えたことを一生忘れません」

「還ちゃん……」

 

支度のガサゴソとした音に紛れていて最初は気が付かなかったが、その声は微かに震えていた。

彼女も様々な苦難の末にこの場にたどり着いた人間だ、その過程には多くの孤独も体験してきたのだろう。

私の身体は自然と還ちゃんを背中から抱きしめていた。

どちらかというと私よりも大きいように見える彼女の背中は、今の私にはなぜか包み込んでしまえるほど小さくも感じる。

きっとそれはこの瞬間初めて自分が『先輩』という立場にいるのだと実感を得たからだ。

 

「還には目標ができました――還はママに娘が還でよかったと言われるような存在になって見せます!」

 

数分後、私に振り向きそう宣言した還ちゃんの顔は今まで見たことないくらい晴れ晴れとした表情だった――

それからの還ちゃんはコラボなどにも積極的に参加するようになり、ソロ配信でも今まで以上に楽しそうな姿を見せ、怒涛の勢いで人気を伸ばし始めている。

己惚れかもしれないが、晴先輩や二期生に憧れてライブオンに入った私が、今は立場を逆にしたかのように後輩の憧れに立っている。

それは私にとってなんとも感慨深いことだった。

まぁつまり何が言いたいのかというと――

 

VTuber続けてきてよかった!!

 

 




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