人生リセマラガチャ失敗マンとかおりゅ?
転生物でござる
その他の地雷要素を含む可能性はありますよ
それでも良ければ読むのじゃ

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あなたはポケットからスマホを取り出そうとして、気づいた。
多分地球にある家にスマホを置いてきたことに。


王都魔術学校 345教室 陽曜日 4時限目

 わし、実は転生者なのじゃよ

 今は王都魔術学校の先生などわしにはもったいない職業に就いておるが、元々地球の一般ぴぃぽぉだったのじゃ

 その一般ぴぃぽぉだった時にの、あれじゃ、死にたくて仕方ない時があっての。

 賭け事で大負け、恋人と別れた、酒で失敗した、仕事が上手くいかない、ガチャで爆死した。

 そんな時に本当に死ぬつもりは無くとも、死にたいと思う事があるはずじゃ、少なくともわしはそうであった。

 

 

 あの時の事はよく覚えておる、忘れるのは酒が入った時ぐらいじゃろうな。

 今にも降り出しそうな曇り空、わしはゆっくりと歩道橋を登っておった。

 その時は理由は言えないがちょっと死にたくてのう、トラックで轢かれるのは嫌じゃが、心臓発作で突然死したいくらいは考えておった。

 重い足で階段を登り切ったときにわしはそれを、摩訶不思議な物を見つけてしまったのじゃ。

 

 何があったのかの? 

 それはとても死を連想させる物で、直接見た事は無くても何となく知っとると思うのじゃ。

 

 首吊り、に使われる縄じゃ。

 洒落た言い方ではんぐどまんずのっととか言ったかの? 

 あの輪っか出来るように結ばれた縄じゃな。

 

 当たり前じゃが突然そんな物が現れれば、己の正気を疑う場面じゃろうな。

 幻覚か何かと思いそのまま進んで、一応止まって手を当ててみたら縄の感覚がしたのじゃ。

 急いでばっくすてっぽして離れたのじゃ。急ぎ過ぎてそのまますっ転んで階段を転げ落ちるところだったの。

 ……そっちの方がましだったかも知れぬ。

 

 しかし己の正気を疑い、そして驚いたのは縄自体ではない、いや脈絡もなくいきなり現れたのに驚きもしたがの。

 

 

 縄が天から、空の上の上、見えないところからぶら下がっておるのじゃ。

 長く、長く、とにかく長い、雲も突き破っていそうな感じだったの。

 風も少しは吹いておった筈なのじゃが、改めて確認してみると少しも揺れていないのがとても不気味で気持ち悪かったの。

 

 てっきり夢の中かと周囲を見渡すと、車、信号機、建物、全てが何時も通りの日常、視線を戻すとその中にしっかり存在する非現実。

 

 それまでオカルトは信じておらんかったのじゃが、こんな物見せられては嫌でも信じざるを得ないと思うのじゃ。

 

 ともかく状況を何とか認識したわしはそれでも理解を拒んで、ゆっくり、視線は離さずに縄から距離を取ったのじゃ。

 まるで凶暴な野生動物から逃げるようにの、背中を見せながら逃げるのは愚の骨頂なのじゃ。

 

 

 縄から距離を取ったわしは、その目でしっかり見ることになるのじゃ。

 

 

 音もなくこちらに近づいてくる縄、はんぐどまんずのっとを。

 もちろん焦った、死を連想させるし、何処からぶら下がってるかわからないし、ともかく距離を取ろうとした矢先にこれじゃ。

 触らぬ神に祟りなしと言うが、なんであちらから近づいてきた時の対処法はないんじゃろな? 

 しかしこの時はむしろ触ってしまったから手遅れなんじゃよなぁ。

 

 

 そのまま、いや少しづつ加速して迫ってくる首吊り縄。

 わしは恐怖していた、無意識に止まっていた足を後ろに運ぶ。

 ただしここは歩道橋、すでに下がり切っていた足は階段を踏み外し、つられてわしも体勢を崩した。

 

 

 

 時間が引き延される感覚。

 体勢を立て直している間にもわしの、己の目は自らに向かってくる縄を捉えていた。

 どんどん近づいて、輪が大きく見えるようになる。

 輪の向こう側にはお花畑と大きな木、澄み渡った空が見えた。

 今思うと恐ろしいくらい綺麗じゃったな。

 

 

 

 その時わしは思ったのじゃ。

 死にたくないと、消えたいわけじゃないと。

 恐怖とか死を目前にした時の生理的、もとい本能的な物かも知れないが、確かに思ったのじゃ。

 

 

 

 元々わしの感情など関係無かったのじゃろうな。

 首に縄を掛けられたと思ったら、もがくこともなくきゅっと絞められて暗転じゃ

 

 

 

 首吊りの死因て知っておるかの? 簡単に言うと血が頭にいかなくて死ぬか、首の骨が壊れて死ぬかじゃ。

 どちらにせよ痛みは無く、楽に逝けるそうじゃ。

 わしは多分前者なのじゃろうが痛みも苦しみも無かったが、心の準備も無く突然の絞首刑だったからめちゃくちゃ怖かったのじゃ。

 

 

 

 その後は良く覚えておらん。

 朦朧とした意識の中でも、何か神々しいふぁっきんごっとの親子がいたくらいじゃ

 なんか「パパ釣れたよ〜」とか、「汚いからポイしなさい」とか言ってたような気がするのう。わしは魚じゃなかろうて。

 

 

 

 あとはいつの間にか異世界にとかそんな感じじゃ

 いつの間に美少女に〜とか狐耳生えてる〜とかわしの持ってるゲームの武器強すぎちーとかよとかそれよりも口調が変になっておるのじゃ〜とか異世界の魔法文明レベルが高すぎとか現代知識ちーと使えないやんとかいやいやおめぇの持ってるその武器の方がぶっ壊れだよばーかとかドラゴン狩ったり巨大鯨狩ったり空飛んだり船乗ったり魔王は……いなかったのじゃがそれでも、異世界をかなり満喫しておるの。

 今も王都魔術学校で教師生活を満喫しておる、割と人に物を教えて成長を見守るのは楽しいものじゃ。

 

 

 ──────────────────────────────

 

「さて、わしからの自己紹介は以上じゃ、何か質問はあるかの?」

 

 

 

 

 

 

 

「…………無いようじゃな、じゃあ早速[転生者及び、転移者向けのこの世界での楽しみ方講座]を始めるのじゃ」

 




あなたは憤慨した。
スマホは現代日本に置いて、人々に無くてはならない暇つぶし道具であるぞと。


狐耳尻尾のじゃロリババアは答えた。
ここには数多くの人間が求めた世界であると、暇つぶしなど必要ない世界であると、





ついでにインターネットは無いがスマホはあるぞともいった。

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