IS −インフィニット・ストラトス− 蒼の魔神   作:ラナ・テスタメント

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……ただし、一夏からのリレーションは友情補正2だがな!(笑)
てな訳で六話でございます。ええ、シャルのターンはまだ続いております。
ちなみにイングラムはIS世界でのリレーションはありませんのことよ(笑)
でも特殊技能で『指揮官』と『SP回復』『集束攻撃』は持ってそうで怖い(笑)一人レベル飛び抜けてそーだし。
そんな訳で、第六話どぞー。


第六話「一夏へのリレーション(恋愛補正3)は凄い事になっているに違いない」

 

 イングラムが閃光に包まれるより少し前。一夏とシャルロットは、ショッピング・モールのアクセサリーショップに居た。

 シルバーアクセ等が店先に並ぶ小洒落た店である。二人は店内で、それらのアクセサリーを眺めていた。シャルロットが一夏に振り向く。

 

「ほ、ほんとにいいの? 買って貰っちゃって……?」

「おう、遠慮するなよ。シャルのおかげで選べたんだしな。お礼だよ」

 

 そんな風にこちらを見上げる彼女に、一夏は微笑みながら頷いた。

 先程、とある買い物をシャルロットに付き合って貰ったのだが、正直その買い物で何にすればいいか悩んでいた一夏に、彼女がアドバイスしてあげたのである。

 彼女の適切なアドバイスの甲斐あって、何を買うのか決める事も出来たので、彼女にお礼も兼ねて何か買って上げると言った訳だ。 

 ……流石、天然の『女殺し(ドンファン)』。一夏がやけに女子から好意を抱かれるのは、おそらくこう言った事を意識せずに自然に行えるからであろう。……これで本人に自覚さえあれば、と思わざるをえない。

 まぁ自覚があってこんな真似をしていたのならば、それはそれで刺されても文句は言えまいが。

 世界は上手く出来ているものである。

 ともあれ、そんな一夏にシャルロットは顔を赤らめながらも、こくりと頷く。

 だが、彼女としても買って上げると言われても悩むものがあった。

 何せ、一夏からの――好きな男の子からのプレゼントである。経緯はとにかく、そうであるのは間違いない。

 更に言うならば、こんな風に好きな男の子からのプレゼントと言うのは初めてであったのだ。何にするかを決める云々以前に、まず考えがまとまらないのであった。

 

 ど、どうしよ……!?

 

 アクセサリーを見るが、シャルロットはどれがいいのかを考える余裕すらない。

 普通ならば、『あ、これいいな』とすぐに選べそうなものだが、今は全く答えが出なかった。

 

「どうだ? いいのあったか?」

「ひゃう!? ま、まだ……!」

 

 シャルロットが手に取ったピアスを覗き込むように、一夏が彼女の背後から身を乗り出す。

 自然、シャルロットの後ろから密着した感じで覗き込む事になり、彼女は更に真っ赤になった。

 

 い、一夏ったら……!

 

 彼の体温とシャツごしの身体の感触を背中に感じて、シャルロットは陶然とした。

 ばくばくと心臓の音が早くなる。ちなみに、やはりと言うか一夏は全く意識していない。

 ……死ねばいいのに、とか言わないで上げよう。そう言う事は頭の中で思ってやるだけで済ますのが紳士と言うものである。

 そんな一夏はさておき、密着している状態と言う事もあって、シャルロットの思考はどんどんアクセサリーから離れて行く。

 心臓は激しくドラミングを打ちっぱなしだ。壊れはしないかと心配になるほどである。そんなシャルロットに、一夏は不思議そうな顔となった。

 その顔はこう語る――シャル、顔真っ赤だけど体調でも悪いのか? ……と。

 確かに初夏でもある事だし、熱射病の心配をするのも分からなくはない。

 だがしかしっ、こんな状況。女の子とくっついていると言う状況で、そんな思考に行きつくのはなんぼなんぼでも無い。無いったら無い。だが、彼はその思考に行き着いてしまう。何故ならば、彼は超弩級唐変木鈍感男、織斑一夏であるのだから。

 ……前言撤回。死ねばいいのに……。

 

「どうかしたか、シャル? 体調でも悪いのか……? なら、今から帰るか――」

「う、ううんっ! 大丈夫だよ! 元気だよ!」

 

 心配そうな顔で尋ねて来る一夏。そんな彼に、シャルロットは慌てて首を振った。

 

 ……や、やばいよ。このままじゃ、一夏に連れて帰られちゃう……!

 

 自分の事ならともかく、友人のためなら有無を言わさないのも一夏の特徴だ。このままでは遅からず、一夏は帰るだろう。自分の体調を心配して。

 病気どころか健康そのものであるのだが、今はそこは関係ない。今重要なのは、このまま連れて帰られてしまう事であった。

 折角プレゼントしてもらえる所なのに、それもパァ。デートもここで終了である。それだけは避けたかった。

 だけど、今すぐにプレゼントを選ぶ事も出来ない訳で――。

 

 ああ、もう! こうなったら……!

 

 ごくっとシャルロットは息を飲む。そして一夏を真っ直ぐにみつめた。

 プレゼントは欲しい。でも、自分じゃ決められない――そんな彼女が下した結論とは!

 

「い、一夏が僕に似合うと思うのを選んで……?」

「へ?」

 

 見つめられながらシャルロットにそう言われて、一夏は間の抜けた返事を返す。

 まさか、そう来るとは思わなかったからだろう。そしてシャルロットはと言うと、心の中で激しく後悔していた。

 

 や、やっちゃった。ど、どうしよ……!

 

 よりにもよって、なんで選んでくれなのか。こんがらがっていたとは言え、シャルロットは数秒前の自分の口を塞ぎたくなる……だがしかし、運命と言う名の神様は彼女を見捨ててはいなかった。

 または一夏のお人よしっぷりは。彼はそんなシャルロットに笑って頷く。

 

「ああいいぜ。シャルに似合うのか……どれがいいかな……?」

「い、一夏、選んでくれるの?」

「? おう。だって、シャルは俺に選んで欲しいんだろ?」

 

 一夏はシャルロットの様子に疑問符を浮かべながらも、笑ってそう答えた。

 これに、シャルロットの顔も嬉しそうにぱあっと華やぐ。まさに棚から牡丹餅である。まさか一夏に選んで貰えようなんて。

 数秒前の自分の口を塞ぎたいなんて思ってごめんと謝りつつ、シャルロットは一夏に頷いた。

 

「うん! 一夏、よろしくね!」

「ああ。しかし、シャルに似合う感じのか――」

 

 そこで一夏は視線をシャルロットに移す。上から下まで、ためつすがめつ眺め――そんな一夏の視線に、シャルロットは思わず目線を逸らす。後ろで組んだ指でもじもじとした。

 やはりそこは年頃の女の子。好きな男子に見られて嬉しくない筈がない。が、同時に恥ずかしくない筈も無かった。

 一夏はそんなシャルロットに気付かず、今度は立ち並ぶアクセサリーに視線を戻す。そして、じぃっとそれらを見つめて、やがて一つのブレスレットを手に取った。

 銀色のブレスレットである。一夏としては、それが一番シャルロットに似合うような気がしたのだ。早速、彼女の前にそのブレスレットを差し出した。

 

「これなんかどうだろ? シャルに似合いそうだけど」

「う、うん! 一夏が決めてくれたのなら、それで……!」

 

 その答えを聞いて、一夏はレジへとブレスレットを持っていく。

 つい値段を見るのを忘れていたが、大した額では無かった。逆に、それだけ安くて申し訳なく感じたほどである。なので、シャルロットに一夏は再び振り向いた。

 

「……あんまり高くないんだけど、本当にこれでいいのか?」

「いいの! だって、一夏が選んでくれたんだし」

 

 最後の方は、よく聞こえなかったのだが……まぁ本人がいいと言っているのだ。良しとする事にした。

 お金を払い、ブレスレットを包んで貰おうとして――。

 

「あ、そのままでいいです!」

「へ?」

 

 突然、シャルロットがそんな事を店員さんに叫んだ。

 一夏は目を丸くするが、店員さんは二人を見て意味ありげに笑ったかと思うと、ブレスレットをそのまま一夏に手渡す。

 なんで? そう思いながらもブレスレットを一夏は受け取った。すると、シャルロットがそんな彼に左手を差し出して来た。

 これは一体どう言う事なのか。

 

「え、えーっと、シャル?」

「あ、あのね? その、一夏につけて欲しいなって」

 

 顔を先程より更に真っ赤にして、シャルロットは一夏にお願いする。

 指輪では無いが、初めてのプレゼントである。彼の手でつけて欲しかったのだ。

 そんなシャルロットに一夏は戸惑いながらも頷く。

 差し出された左手を恭しく取り、ブレスレットをゆっくりと差し込んだ。

 銀色のブレスレットがシャルロットの左手で光る――彼女は、それにたまらなく幸せそうな笑顔を浮かべた。一夏が思わずドキッとするような、そんな笑顔。

 

 ――そして。

 

「ありがとう、一夏っ。大事にするね♪」

 

 そう、輝くような笑顔で一夏にお礼を告げたのであった。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「さて、じゃあプレゼントも買った事だし……て、昼も結構回っちゃったな。シャル、何食べたい?」

「えへへ……♪」

「て、おーい。シャルさん?」

「あ、ごめん一夏」

 

 アクセサリーショップから出ると、既に昼を回っていた。

 なので昼食にしようとシャルロットに声を掛けるが、肝心の彼女は一夏の話しを聞いて無かった。幸せ一杯ですと言う顔で、手元に視線を送る。

 そこで銀の光を反射するのは、先程彼女にプレゼントしたブレスレットであった。

 よほど嬉しいのか、先程からずっとそちらを見てはニコニコしている。

 そこまで喜ばれると、一夏としてもプレゼントした甲斐があったと言うものだ……ただ彼は、『そんなに気に入ったのか、シャルはああいったのが好きなんだなぁ』とか思ってるだけである。つくづく何と言うか一夏であった。 

 ともあれ昼も回っている。意識するとお腹が減って来たのを自覚した。

 彼は朝にたくさん食べて、昼、夜と食べる量を減らす主義であるのだが、そこは育ち盛りの男の子。昼も回って、空腹を覚えない筈も無かった。

 朝も約束(何故か怒っていたシャルロットに、いろいろおごる約束をしていた)していた事ではあるし、一夏はパフェの専門店に向かうかと踵(きびす)を返して。

 突如、光が見る先に降り注いだ。空からいきなり現れた光は柱のようですらある。

 何が起きたか分からずに、一夏もシャルロットも呆然とし、そして光は迷う事無く降り注いだ地点を爆砕させた。

 爆発の衝撃波が辺り周辺へと叩きつけられる。

 やがてそれらも収まると、そこらに居る人達から悲鳴が上がった。

 

「ば、爆発!? テロ!?」

「いやぁ――――!」

 

 悲鳴は一気に周りに伝播する。パニックと共に!

 ショッピング・モールは騒然となり、我先に逃げんと客が出口へと殺到した。

 

「シャル!」

「ひゃっ!」

 

 人の流れがまるで氾濫した川の如く押し寄せてくるのを見て、一夏は隣のシャルロットを抱きすくめた。

 こう言った時は離れ離れになる事が一番怖い。

 人の激流、怒号と悲鳴が連続して起こり、そこはすぐに閑散とした。

 客も店員も逃げ出して、いなくなってしまったのだ。後に残るのは、シャルロットを抱きすくめた一夏達だけ。

 

「い、一夏……!?」

「と、悪い。でも、いきなり何が……?」

 

 何が起こったのか。それを考えていると、腕の中でシャルロットが声を上げる。一夏はすぐに彼女を離した……少しだけ、残念そうな顔となるが、彼女はすぐに表情を改める。今は、そんな場合では無い。

 

《一夏、無事!?》

《鈴か! そっちも大丈夫か!? セシリアも!》

 

 突如、鈴からプライベート・チャンネルで呼び掛けられた。すぐに応えると、セシリアからも回線が開く。

 

《ええ! こちらも何ともありませんわ。ラウラさんも大丈夫です》

 

 ラウラも居たのか――そう思うが、今はそこはいい。重要なのは。

 

《さっきのアレは――》

《……ビーム攻撃ですわね。しかも、あの出力は――》

《うん、あたしもそう思ってた所》

 

 三人がプライベート・チャンネル上で頷き合う。それに、シャルロットとラウラも加わって来た。頷き合うこちらに彼女達は真剣な顔で問う。

 

《どう言う事、一夏?》

《何か知っているのか?》

《……あのビームの一撃。セシリアのブルー・ティアーズより出力が上のビーム兵器。俺達は、あれを見た事がある》

 

 そう、それはシャルロットとラウラが転校してくるより少し前に起きた事件だった。

 クラス対抗戦、鈴と一夏の戦いの最中に、突然アリーナに乱入して来た存在が居たのだ。

 公にはされていないが、ここに居る三人は知っている。それは本来存在しない筈のIS……無人ISであった。

 辛くもそれを撃破する事に一夏達は成功したのであったが――。

 

《……間違いありません。解析の結果、出力も同様のものですわ》

《くそっ! こんな所で……!》

 

 場所を弁えろよ!

 そう思わざるを得ない。よりにもよって休日の駅前である。人も沢山居た。それなのに――!

 そんな風に一夏が歯噛みしていると、上空から何かが舞い降りて来た……確認するまでも無い。例の無人ISである。

 一夏達を剥き出しの不規則に並ぶセンサーレンズで見遣るなり、つま先より長い両腕を上げた。

 同時、一夏とシャルロットの専用IS、『白式』と『ラファール・リヴァイヴ』がアラートを鳴り響かせる。それは、ロックオン警告!

 

「やるしかないか……!」

「一夏!」

 

 呻くように声を漏らす一夏に、シャルロットが叫ぶ。

 本来、学園でも無い場所での無許可のIS展開など条約に違反している。だが、それも命あっての物種だ。一夏とシャルロットは頷き合う!

 

「来い……! 白式――――っ!」

 

 そう叫んだ直後、再び無人ISから光砲の一撃が放たれたのであった。

 

 

(第七話に続く)

 




はい、第六話でした。
ここからバトルとなります。しかし、主人公でない(笑)
では、第七話でお会いしましょう。ではでは。
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