短期連載なのでそんな長くならず終わる予定です。
今やっているこの道端で会うルートは、設定上夏休み。
他のルートだとまた別の時間軸なんだろうと予想できる。
俺の知ってる夏休みはフェアクソをクリアした直後で、夏休みをシャンフロに費やしてきたはず。
であれば楽羽も同じはずなのだが、楽羽は夏休み中の今、シャンフロをやっていない。
でもシャンフロの知識は今の俺と同様あるという矛盾した状態だった。
こういう違和感は消しておけよ全く。
ある程度シャンフロをこなしつつログインすると朝、家の前だった。
このゲーム、ログイン地点が安定しない。
拠点があるわけじゃなく、偶然出会ってるルートを選択したせいなのかはわからんが、毎回街の至る所でログインされる。
一回マップの端にログインして、家にたどり着くまでに日が暮れて一日分潰したわ。
クソゲー。
「行ってきまーす」
「お」
「あ、楽郎? ごめん今日は約束あるから遊べないや」
このパターンか。
定期的にこうして一緒に過ごせないタイミングが出てくる。
この辺はリアリティを求めたってところだろうか……いや、他の所修正しろよ……これが岩巻さんが言ってたシャンフロシステムを使ったところ以外は甘々ってやつか。
「ああそうか……いや、まあ毎回アポなしだから、むしろこっちがすまん」
「いいっていいって、楽郎と遊ぶの楽しいし」
「ありがとよ。……で? 今日はどっか行くのか?」
「ん? ちょっと知り合いに会いにね……」
「ほーん…………寝癖ついてるぞ」
「うえ、朝瑠美が直してったのに、まだ残ってたぁ……あ、瑠美は妹ね」
「お前、妹に髪とかやってもらってんのかよ」
「というか、妹が毎朝私の寝癖見てキレながら直してくるの。あの時の瑠美めっちゃ怖い」
さもありなん。
あいつはファッションセンスで人を判断してるところあるしな。
俺は男だからスルーされてるところがあるかもしれんが、姉だった場合こうなるか。
「ほー。じゃあお前の服のセンスが妙にいいのも妹がコーディネートでもしてるってところか」
「ん? あーいや、こっちは違う。まあちょっと詳しく話せないけど、ファッション系に強い悪友がいてね、やたらと世話焼いてくるのさ」
「悪友……」
「うん、今日会いに行くのもその悪友。ま、あいつなら寝癖つけてってもいいでしょ! じゃ、またね!」
「お、おう…………おお?」
ちょっと待て、俺との間柄でファッションに強い悪友って
はぁー……つくづくこのゲームわからねぇ。
とはいえ鉛筆がファッション系の物を送りつけてくるのは何となくわかる気がしてる俺もいる。
とりあえずギャルゲー特有の魅力度アップミニゲームだけ終わらせ、日付を一日進める。
~~~~~~
アバターが再ログインされ、家の前から別の場所に移動された。
「ん……ゲーセンか」
基本的にはAR系のゲームにはあまり触れてこなかったから、ゲーセンがあるのは知ってたが、あまり来たことはなかった。
「あれ! 楽郎じゃん! なにしてんの? こんなとこで」
「おん?」
これまた都合よく楽羽が現れた。
通学路以外のイベントもあんのか……当たり前か、ギャルゲーってそうだわ。
「おー、そっちこそ何してんだ?」
「ちょっとここに用があってね」
「ここ?」
楽羽はニヤリと笑ってゲーセンを指さす。
俺はあまり来ることはなかったが、この世界で楽羽は意外とここに来るのだろうか。
「そ、普段はあんまり来ないんだけど、今日はちょっと気になるものが入ってるって聞いてね」
やっぱり普段は来ないのか。
「気になるものって?」
「スクラップ・ガンマンってゲームの体験版がここに置いてあるって噂が流れてきたから」
「スクラップ・ガンマンって……あの?」
「あ、知ってる? もしかして楽郎もJGEに行ってた感じ?」
「まあ……」
あの、玲さんと一緒にやったやつか……ヤシロバードのとこの。
「せっかくだから一緒にやろうよ楽郎! あれまた二人プレイ確定だろうし、誰もいなければフリーで空いた人とやろうと思ってたの!」
「そうだな……じゃあハイスコア目指しますか」
「とーぜん!」
前に玲さんとやった時は最後に俺が残機使い切ってA判定だったからな。
ゲーム内の演出とはいえ、今回はきっちりハイスコア取らせてもらう……!
ちらりと楽羽を見ると、同じように口元を弧に歪めていたので、多分俺と同じような結末だったんだろうと予想できる。
つかよく考えたら記憶をもとにしてるとはいえ、未発売のゲームをやれるのってどうなんだ?
いやスゲーけども。
あくまでこれは、夢から覚めるために書いたものということを念頭に置いていただきたく……。