荒いのは許して下さい。
プロローグは読み飛ばして貰っても問題は無いです
「なあ今日の仕事はこれで終わりか?」
黒いスーツを小綺麗に着こなした赤髪の男が、疲れたように尋ねた。その男は体中に大量の血を被り、遠くから見れば赤鬼のようだ。
「はい、今日の仕事はこれで終わりです!明日も頑張りましょう」
男の問いに答えたのは、見る角度によって金または銀にみえる美しい髪を持った絶世の美少女だった。もし100人にその少女が美しいと聞けば全員が100点の美少女と即答する。そんな少女だった。
「はぁ仕事が終わったのは嬉しいが、今日のは特に割りに合わないな」
男は悪態をつきながら壊れかけの椅子に腰掛けた。
「仕方ないですよ、まさかここまで拷問に耐えるとは計算外でした。」
戯けたように笑いながら少女も愚痴を零す。
「なあ、お前その口調どうにかならねえのか?」
「外見としては問題ないが、中身を知ってる俺からすると正直気持ち悪いぞ」
男は少女に向かって苦言を呈した。
すると少女は苦虫を噛み潰したような顔を向けながら言い放った。
「そんなことはわかってんだよ!女言葉に慣れちまったから仕方ないだろ。 俺は好きで女になった訳じゃねーから、まあ自業自得なんだけどな」
「おお、やっぱりお前はその男口調の方があってるよ、口調が違うだけで印象ってやつもかなり変わるな」
男は少女の反応に少し気圧されながらも苦笑してそう言った。
「お前と俺は、あくまでも3つ目のアレを回収するまでのギブアンドテイクの関係だ。そこ忘れんじゃねーぞ、変に俺に深入りすると明日を迎えれなくなるかもしれねぇなぁ?」
と少女はニヤつきながら男の口調のまま目の前に座る男を脅して見せた。
「おー怖い怖い、安心しな俺は美しい薔薇の棘に引っかかるような馬鹿な真似はしないさ。俺は後ろの死体のお仲間になるくらいなら何でもするって断言できるぜ」
男は飄々とした態度でそう言ってのけた。
「自信があるみたいだな、俺としては頼りになるなら何でも使い倒すつもりだから覚悟しとけよ」
少女は何かを企むような笑顔で声を出して笑って言った。
「お手柔らかにしてもらえると嬉しいね」
「それは働き方次第だな。明日からの潜入は今まで1番リスクが高い、本番は1度だけ、失敗はありえない」
いつになく真剣な顔で、そう言いながら少女は男の目を見つめた。
「はいはい、わかったよ。それより俺は早くこの血を洗い流したい」
と男は面倒くさそうに血を払った。
「とりあえずホテルまで帰るか。」
少女は黒い指輪をはめ男に返答した。先を行く男を追いかける少女の髪は黒になり顔、体全てが別の姿に変わっていた。