現代の高校生達は、大正で鬼狩りをする ~召喚鬼滅譚~ 作:籠城型・最果丸
全体的な打ち解け度数 87%
杏寿郎 良い人。話が噛み合わない時がある。
天元 アオイたちの連れ去り未遂でちょっと揉めた。
蜜璃 大好き。明るくて可愛いから。
行冥 心から尊敬している。
無一郎 素直で明るい良い子。他の人にも同じように接してほしい。
小芭内 体捌き(剣技)などの話をたまにする。
義勇 もう少し喋った方がいいと思う。
錆兎 よく喋る。
真菰 ふわふわしてて可愛い。
膵花 姉の命の恩人。戦ってるのを見ると自分が悔しくなる。
実弥 顔を合わせると元気か聞かれる。
来 柱合会議以外でほとんど話をした事がない。どんな人かはあまりよくわからない。
カナエ 最愛の姉。
光輝 自分と少し似ている。
第参拾壱話 藤の下で巡り会う ~南雲ハジメ編~
今僕は、中村さんと一緒に鎹鴉の
あの時中村さんがいなかったら、僕は死んでいたかもしれない。そうなったら、杏寿郎さんと坂上君、香織さんが悲しむ。
「しかしまぁ、長く見ない間に随分背高くなったね」
「修行してたら何時の間にか背が伸びてたんだ。今は雫さんよりもちょっと高いくらいかな」
「へ~。雫と会ったんだ。何処で?」
何かイライラしてそうな雰囲気を醸し出して中村さんは尋ねる。
「藤襲山でだよ。最終選別の時に会ったんだ」
「最終選別……はっ! ちょっと聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」
「どっ、どうしたの?」
中村さんが大慌てで僕に訊く。
「最終選別の時に、手が滅茶苦茶生えたでっかい鬼がいたんだけど…アイツまだ生きてる?」
「でっかい鬼……あの手だらけの鬼か」
「そうだよ! で、結局どうなったの?」
「倒されたよ。雲模様の着物を着た人が斬ったんだ」
手だらけの鬼が倒されたことを伝えると、中村さんはほっとしたようだ。
「そっか……あの鬼、倒されたんだ」
「他に誰かと一緒に受けたの?」
「うん。永山と野村、遠藤に綾子、あと真央。皆生き残ったよ」
中村さんの同期は永山君と野村君、遠藤君、辻さん、吉野さんか。
「一番びっくりしたのは野村が忍者の恰好してたことかな」
「野村君が忍者? どんな育手に拾われたんだろ……」
「ふふ。私も同じこと考えたよ」
そう言って中村さんは笑った。
「ところで、南雲は誰と受けた?」
「僕は香織さんと雫さん、坂上君に谷口さん」
「えっ、鈴ちゃんいたの!?」
僕と谷口さんが同期であることに中村さんはびっくりしていた。そういえば中村さん、谷口さんと仲良かったもんな。
「中村さんが生きてることを今すぐ谷口さんに伝えたい所だけど、さっき
「タイミング悪いなぁ」
これから鞴は大忙しになるなぁ……
「ところで、香織とはどうなの?」
「…え?」
中村さんからいきなり香織さんとはどうなのかと聞かれた。
「ど、どうしたのいきなり…」
「いや、現代日本じゃよく香織に話しかけられてたよね。最終選別で再会したんだから、ちょっとばかり進展はしてんのかなって思ってね」
「そ、その……香織さんとはもう恋人同士で、手紙を交換し合ってるけど……」
「ふ~ん。そっかー。良い事聞いたなっ☆」
中村さんが凄い笑顔になった。
「じゃあもっとくっついて貰おうかな。光輝君に付くお邪魔虫はさっさと減らしておかないとね」
中村さん……それが目的なのか。こりゃ独占欲が強いタイプだな。
「おっ、そろそろ到着する頃かな」
藤の花の家がすぐそこまで見えてきた。結局道中で獪岳と合流はしなかった。鞴も戻って来てないし、結構遠い場所にいるのかな。何日かしたら来るだろう。
「他の隊士も何人か来たところみたいだね」
僕達よりも前に隊員が三名到着していた。箱を背負った市松模様の少年、金髪の少年、最終選別で出会った猪の皮を被った少年? がそこにいた。
「藤の花の家紋……」
「カァア――――ッ! 休息!! 休息!! 負傷ニツキ、完治スルマデ休息セヨ」
「えっ? 休んでいいのか? 俺、今回怪我したまま鬼と戦ったけど……」
「ケケケッ」
「ケケケッって…」
「コイツ喰おうぜ」
「ナヌ!?」
鎹鴉を食べようとかとんでもないこと言ってたけど大丈夫なのかな……
そんなことを思っていると、ガチャリとドアの開く音がした。
「はい…」
「あっ、夜分に申し訳ございません」
市松模様の羽織を着た少年がお婆さんに断りを入れる。
「お化けっ…お化けだ」
「こらっ!」
「何だテメェは?」
金髪の少年…獪岳が言ってた善逸って人がお婆さんをお化け呼ばわりして赫灼の少年に注意されていると、猪頭の男がお婆さんに向かって行く。
「鬼狩り様でございますね」
猪男がお婆さんの頭を「弱っちそうだな」と言いながらツンツンしていると、赫灼の少年に怒鳴られた。
「どうぞ…」
僕達はお婆さんに案内され、屋敷の中へと入っていく。
「あの婆さん足速っ…」
確かに歩くスピードが速い。中村さんもびっくりしている。
「こちらでございます…」
屋敷の中は少し温かかった。
「あれっ、炭治郎。俺たち以外にも誰かいるよ?」
「善逸と伊之助以外は誰も来ていなかったけどな……」
炭治郎と呼ばれた少年が僕と中村さんの方に向く。最終選別で一回声を掛けられたことがあるけど、面と向かって話したのはこれが初めてだった。
「あっ…君は……最終選別で会った……」
「僕の名は南雲ハジメ。で、こっちは中村恵里さん」
中村さんが「どうも」と頭を少しペコリと下げた。中村さん、この中で一番階級高いんだけどな……
「俺は竈門炭治郎。で、こっちは我妻善逸と、嘴平伊之助だ」
市松模様の少年は竈門炭治郎で、金髪の少年は我妻善逸、猪頭の男は嘴平伊之助か……よし、名前は憶えた。
「お召物で御座います…」
寝間着が五人分用意されている。中村さんだけ別室で着替えた。
「お食事で御座います…」
食事も五人分用意されている。明らかに準備が速過ぎる。一体何者なんだ?
「妖怪だよ炭治郎! あの婆さん妖怪だ! 速いもん異様に! 妖怪だよ! 妖怪ばば…」
善逸君が失礼なことを言ってるが取り敢えずスルーしよう。
食事で驚いたのは、伊之助君の素顔がすんごい美人なことと、伊之助君の食べ方が凄く行儀悪かったことだ。天ぷらを素手で掴んで食べている。
「箸使えよ…」
善逸君が言っても、伊之助君は箸を使おうとせず、今度は炭治郎君のご飯を取った。それも二回。しかも食べた後にニヤついている。明らかに挑発してるな。
「ねぇ伊之助く…」
「そんなにお腹が空いているなら、これも食べていいぞ」
「「えっ!?」」
えぇ……炭治郎君優しすぎでしょ……普通自分のご飯あげるかな……
「違ェ―――!!」
全く挑発できずにイライラしてるな。
「お布団で御座います…」
部屋には布団が五枚敷かれている。相変わらず準備が速いなぁこの人。
「出た!! 妖怪ば…」
善逸君が炭治郎君に殴られてると、伊之助君が一番右の布団に寝転がる。
「早いもん勝ち。俺がこっちだ」
どうやら伊之助君は誰彼構わず勝負を仕掛けていくタイプのようだ。
「いいぞ。好きな所で寝ろ。善逸はどれがいい?」
またイラついた伊之助君が枕を善逸君の顔面に投げた。善逸君が可哀想だよ。
その後は特に揉める事無く誰がどこで寝るかが決まった。右から順に伊之助君、炭治郎君、善逸君、僕、中村さんだ。
「お医者様で御座います…」
「どうも」
お婆さんは医者も呼んでくれた。表情が穏やかで良い人そうだ。
気になる診断結果はというと…
「うん。重傷」
それだけかよ!! もっと何か無いの!?
「五人共、肋が折れているとはな……」
中村さんも肋骨が折れていたようだ。隠すのが上手すぎて全然わからなかった。
折れた肋骨は中村さんが一本、善逸君が二本、炭治郎君が三本、伊之助君が四本、僕が五本だ。
「肋より、コブが痛ェ…」
「ごめん…」
「お前、俺に謝れ。痛かったんだぞ。ボカスカボカスカ叩きやがって。謝れ」
「断る」
「謝れよ!」
「断る」
「謝るんだ!」
あの三人はあの三人で何か一悶着あったらしい。
「そんなんじゃ、もうご飯を一緒に食べてやんないぞ」
「はぁ? 何だそりゃ」
「ご飯は皆で食べた方が美味しいんだぞ」
「そうだぞ」
「お前ら、頭大丈夫か?」
「お前に言われたくねぇ!!」
もう少し静かにして欲しいなぁ…
「何か御用で御座いますか?」
「わっ! お化けェ!!」
「これぇ!」
炭治郎の鴉が藤の花の家紋の家について説明してくれた。何でも、前に鬼狩り…鬼殺隊に命を救われた一族なのだそう。だから、隊士であれば無償でおもてなしをしてくれるのだそうだが、ここまでもてなしてくれるとは思わなかった。
「鬼殺隊がどれほどのもんよ」
「そう言う伊之助は、どうして鬼殺隊に入ったんだ?」
「ああ?」
「何かきっかけがあるんだろ?」
僕も気になってた。
「鬼殺隊の隊員って奴が、俺の山に来やがったから、力比べをして刀を奪ってやった」
その鬼殺隊員は不幸だなと思った。
「そしたら、最終選別ってのがあることや、鬼の存在について聞いてよ」
「それで伊之助は鬼殺隊に入ったのか。っていうか、伊之助も俺と同じ、山育ちなんだな」
「お前と一緒にすんなよ。俺には親も兄弟もいねぇぜ。他の生き物との力比べだけが、俺の唯一の楽しみだ」
「そうか…そうか…」
伊之助君は典型的な野生児だった。
「ハジメと恵里はどうだ?」
炭治郎君が今度は僕と中村さんに尋ねた。
「えっ?」
「わ、私?」
「二人はどうして鬼殺隊に?」
鬼殺隊に入った理由を、僕から話す。
「鬼殺隊の柱の一人に、拾われたんだ」
「柱?」
「柱っていうのは、条件を満たした隊士がなれる十二人の剣士のことだよ。前は九人だったらしいんだけど」
「へぇ~」
柱を知らない炭治郎君に、善逸君が補足してくれた。
「二人共同じ柱の下で修行したのか?」
「いや、柱に拾われたのは僕の方だよ。中村さんは別の育手に拾われたんだ。使う呼吸が違うから」
「そっか。ちなみに何の呼吸を使うんだ? 俺は鱗滝さんに習った水の呼吸を使ってるけど」
「私も同じ呼吸使ってるよ」
「僕は炎の呼吸」
「俺は雷の呼吸だけど…」
「俺の呼吸は我流だぜ。名付けて、獣の呼吸だ」
伊之助君は甘露寺さんや清水君みたいに独自に編み出した呼吸法を使っているらしい。
「皆個性的な呼吸を使ってるんだな。水の呼吸以外はあんまり知らないけど」
「あ…ありがとう」
「ところで恵里」
炭治郎君が中村さんに尋ねた。
「何? 竈門」
「谷口鈴って知ってるか?」
炭治郎君の言葉から谷口さんが出た。
「えっ! 鈴ちゃん竈門と同門なの!?」
「うん。知り合い?」
「知り合いも何も、一番仲良かった親友だよ!」
中村さん、天之河君や谷口さんのことになると熱くなっちゃうんだよな。
「まぁ、私が鬼殺隊に入った理由はもう一つあるんだけどね」
「そのもう一つの理由って?」
「うん、光輝君ともう一度逢いたいって思ったんだ」
「えっ!? 恵里ちゃん光輝と知り合いなの!?」
善逸君と天之河君が同門なのは獪岳から聞いた。
「私の憧憬なんだ。光輝君。昔、自殺しようとしてた私を助けてくれたことがあって…」
「ホント女には優しいよな、アイツ。俺には小言言いまくるのに」
善逸君も天之河君のことは苦手だったみたいだ。
「正直獪岳の方がマシだったよ」
「その獪岳なら今こっちに向かってるとこだよ」
「お前、いつの間に獪岳と知り合ったんだよ! ってか何でこっち向かってんの!?」
「天之河君に会いたいっていう隊士がいるから、その人と話して欲しいって手紙を送ったんだ」
「それが恵里ちゃんって訳か」
善逸君は納得したようだった。
「……炭治郎。誰も聞かないから俺が聞くけどさ、鬼を連れているのは、どういうことなんだ?」
「「鬼!?」」
僕と中村さんはすぐに起き上がって炭治郎君の方を見る。
「!! 善逸……わかってて、かばってくれたんだな………善逸は本当にいい奴だな。ありがとう」
「おまっ…! そんな褒めても仕方ねぇぞ!! うふふっ」
善逸君がデレる。
「俺は鼻が利くんだ。最初からわかってたよ。善逸が優しいのも、強いのも」
「いや。強くはねぇよ。ふざけんなよ。お前が正一君を連れてくの邪魔したのは許してねぇぞ」
「………」
どういうことだ? 炭治郎君、鬼を連れているのか? 普通隊律違反だよな?
「天之河君は絶対許してくれないだろうなぁ」
「そ、そうだね……」
中村さんも炭治郎君が鬼を連れてることに驚きを隠せていない。
と、部屋の隅に置いてある箱がカタカタし始めた。
「うわっ、うわっ、えっ? 出てこようとしてる!! 出てこようとしてる!!」
「大丈夫だ」
善逸君が叫ぶ。
「何が大丈夫なの!? ねぇ!? ねぇ!?」
「し――――っ、夜中なんだぞ善逸……!」
善逸君が騒いでいる傍らで、僕と中村さんはこそこそ話し合っていた。
「どうすんの? あの箱の中の鬼」
「今までずっと連れてたってことはさ、これは単なる僕の想像でしかないんだけど…例の鬼、鬼になってから一度も人を食べてないと思うんだ」
「でも、100パー安全だとは言い切れないよね?」
中村さんの言い分ももっともだ。その鬼がこれからも人を喰わないって保証なんてできない。
「さて…どうしたもの……」
「キャ―――――ッ! 鍵かかってないんかい!!」
「し――――っ」
まさか鍵がかかってないとは思いもしなかった。
「まままま守って!! 俺を守って!! 伊之助でもいいからぁ!!」
「こっち来んな!!」
「ギャウッ」
善逸君はかなりのビビりだった。それが不快だったのか、伊之助君に箱の近くまで蹴飛ばされた。鬼の手が見えると、善逸君は部屋の向こうまで逃げて、押入れの中に隠れようとした。
「出たぁ!! 隠れなきゃ…! 隠れ……」
どんな鬼なんだろうと箱の方をジッと見ていると、中から出てきたのは竹を咥えた小さな女の子だった。
「へ?」
「禰豆子」
禰豆子と呼ばれた女の子はぐんぐんと大きくなっていき、十代前半(十四歳くらい?)の外見になった。
「どんな鬼か気になってたけど、香織さんと同じくらい可愛い娘だね……」
この娘が可愛いのは認める。しかし僕は香織さん一筋だ。
炭治郎君とはどんな関係なのだろうか。ひょっとしたら炭治郎の彼女かもしれない。
善逸君は……あまりの美貌に言葉が出て来ない様子だった。
「まさか竈門って、南雲と同じリア充?」
「さぁ……」
本当にそういった関係なのかはまだ断定できない。
「善逸。禰豆子は俺の…」
「炭治郎……お前………」
「ぜ、善逸……?」
何か善逸君が物凄くピリピリしている。
「お――ま――え――――……」
一体どうしたんだろうか。
「いいご身分だなぁ!!!」
「えっ?」
善逸君は非リアみたいだ。だからといって馬鹿にする意図は全く無い。そこだけは理解して欲しい。
「こんな可愛い女の子連れてたのか…こんな可愛い女の子連れて毎日、うきうきうきうき旅してたんだな…」
(どうしよう。僕が彼女持ちだってこと言ったら絶対殺される……)
「善逸! 違…」
「俺の流した血を返せよ!!!」
善逸君は更にギャースギャースと喚き散らす。
「俺は!! 俺はな!! お前が毎日アハハのウフフで女の子とイチャつくために頑張ったわけじゃない…! そんなことのために俺は変な猪に殴られ蹴られたのかぁ!?」
「善逸、落ち着け…! どうしたんだ急に…」
(炭治郎君……善逸君は君が羨ましいんだよ。きっと……)
「鬼殺隊はなぁ!! お遊び気分で入る所じゃねぇ!! お前のような奴は粛清だよ!! 即粛清!!」
善逸君は天之河君と違って率直に物を言うタイプだった。
「……」
中村さんも別の生き物を見る目で見ている。
「そう言えば俺の結婚を邪魔した罪と…正一君を家に帰した罪もあったなぁ……」
(善逸君、婚約者がいたの!? てか正一君って誰!?)
「即・粛・清!! 鬼殺隊を、舐めるんじゃねぇぇぇ!!!」
善逸君は日輪刀まで取って振り回し始めた。そこまでする……? 普通。
「…おい、ハジメ」
「ひゃいっ!?」
突然激おこ善逸君に名前を呼ばれ、僕は背筋が凍る。
「お前、さっき〝香織さん〟って名前、口にしてたよな?」
「う…うん……」
「その女の子とはどういう関係なんだ……?」
どうしよう。正直に言えば善逸君に追いかけ回されるビジョンしか見えない。しかし、だからといって嘘を吐いたらバレた後色々面倒なことになるし…一体どうしたもの……
「南雲と香織なら恋人同士だよ?」
あぁぁ…言っちゃった……中村さぁん……空気読んでよぉ……
中村さんを見ると、「テヘペロ☆」とウインクして舌を少し出していた。
「お前もかハジメェ!! 粛清だオラァ!!」
そんなこんなで、僕も巻き込まれました。
「お前らぁ! お前らなんかがぁ!」
「うわぁぁ!! 善逸! 止めろぉ!!」
「止めてぇ!! 善逸君――!!」
「鬼殺隊を舐めるとはぁ……! じ~ご~く~行きだぁ…!! うらめしやぁ―――!!」
善逸君の叫び声は、夜明けまで止むことが無かった。その間、中村さんと伊之助君はぐっすりと眠っていたのだった……
第参拾弐話 縁結びの少女 ~中村恵里編~
翌朝、僕は嘴平と一緒に縁側に座ってマイナスイオンを堪能していた。
「ふぃ~、気持ちいい~」
ちなみに、禰豆子は竈門…炭治郎の一個下の妹であることを炭治郎から直接聞いた。
「禰豆子ちゃ~ん」
我妻は……禰豆子が炭治郎の妹と知ってからはずっとあの調子だ。
「ね~ず~こちゃ~ん」
普通にキモかった。
「ね~ずこちゃ~ん」
どうやら我妻と禰豆子の鬼ごっこが始まったようだ。
「禰豆子ちゃ~ん」
「善逸! いい加減にしないか!!」
そりゃあ妹が追いかけ回されて兄が黙ってるはずがないよね。
「た・ん・じ・ろ・う」
「うわぁぁ!?」
「仲良くしよう~炭治郎~」
鬼ごっこに炭治郎も加わった。
「善逸! 頼むからくっついて来ないでくれぇ~!」
「そんなこと言うなよ炭治郎~。炭治郎~」
中は楽しそうだなぁ(善逸にとっては)。
「腹減ったぁ」
嘴平がポツリと呟いた。
「失礼いたします…」
「あ、ひささん」
ひささんが嘴平の浴衣を持って来た。
「お召物が随分と汚れていらっしゃいますね…」
(いや、上半身裸だよね?)
「洗ってお返しいたしますからこちらを着てみて下さりませ…肌触りも良くて気持ちが良いですよ…?」
確かに、今着てるこの浴衣は肌触りが心地良くて快適だ。
「夕飯は天ぷらにしましょうねぇ…そう、衣の付いた、アレでございます」
嘴平は何かホワホワしていた。
「待ってってばぁ~。待って、禰豆子ちゃん。炭治郎~」
「うぉぁぁぁぁぁぁ!!」
嘴平が障子を思いっ切り開いた。これには炭治郎も我妻も驚いた。
「うりゃぁ!」
「ぎゃぁ!」
そして炭治郎にいきなり頭突きをかました。
「な、何だ何だ?」
「ア゛―――――――ッ!!」
炭治郎と我妻の追いかけっこに、嘴平が参戦した。
「待て待て! 止まってくれ伊之助ぇ―――!!」
「ア゛―――ッ!!」
「炭治郎~」
ちなみに、南雲は寝不足で今も寝ている。炎柱の下で修行していたので、生活習慣は改善されたらしい。当たり前か。
皆朝食を食べ終えた頃、南雲の鴉が戻って来た。その鴉が言うことには、獪岳という人はもうじき来るらしい。
「どんな人なんだろうな~」
その獪岳さんがどんな人物なのかを南雲と我妻に訊いてみた。
南雲曰く、「自他共に才能を否定されることが嫌いな人」で、我妻曰く、「努力家でひたむきな奴」らしい。
僕がお茶を飲みながら待っていると、遂にその時が来た。
戸が開いてまた閉じた後、ひささんと話をしているのか入ってから少し時間が経つ。そして話が終わったようでその人は部屋に入って来た。
「ったく、鬼のせいで時間喰っちまったな……肋折れてるかもな……」
見た所僕と同い年っぽそうだ。眉は少し太めで、失礼だけど目つきが少し悪い。
「あっ、獪岳! 無事に来れたんだね」
「おう。来てやったぞ、ハジメ」
南雲が獪岳さんを紹介する。
「中村さん。この人が昨日僕が手紙を送った…」
「獪岳。稲玉獪岳だ。苗字は育手から貰った」
「どうも、初めまして。中村恵里って言います」
「いや、敬語は別にいい」
「あっ、はい…」
ふ~ん。敬語はいらないんだ~。じゃあ呼び捨てでもいいよね?
「善逸、知り合いか?」
「ああ。稲玉獪岳。俺の兄弟子だよ」
「善逸にもいたんだな。兄弟弟子」
少し離れた所で炭治郎と我妻が話をしていた。
「なぁハジメ、善逸がいるならそいつに頼めば良かったんじゃねーのか?」
「あっ……」
南雲はきまりが悪そうに頭を掻く。
「何だよ。階級が下の奴にこき使われるのが嫌なのか?」
「別に。お前だってアイツの弟弟子だろうが。ならお前が送れば手っ取り早く中村の要件を済ませられただろう」
「それじゃ折角ここまで来たお前が不憫だろ」
仲悪いのかな……我妻の兄弟弟子。
「まぁまぁ二人共。獪岳さんも怪我してるみたいだし、結局ここに来ることになってたと思うから…」
炭治郎が仲裁に入る。
「善逸。コイツは?」
「竈門炭治郎、俺の同期だよ。で、後ろの猪は嘴平伊之助。ソイツも俺の同期」
「善逸…お前の同期変わった奴ばっかだな」
稲玉は嘴平を見るとめんどくさそうな顔をした。
「で、用は何だったかな?」
「あ、えーと。その…光輝君に手紙を出したいんだけど……何をしているのかわかんなかったから今まで出せてなくて……」
「お前、好きなんだろ?
「うん……」
僕は素直に答えるしかなかった。
「僕が自殺しようとしたところで、声を掛けてくれたから……」
「それでか……やっぱアイツ女たらしだな。で、手紙は書いてあるのか?」
「うん。昨日書いたんだ」
稲玉に僕が書いた手紙を見せる。
「こりゃあ随分とびっしり書いたな」
「えへへ」
手紙の内容はざっくり言うと、「時間あったら会いに行っていいかな」というものである。
「相当好いてんな。でもまぁいいぜ。手紙、アイツに出してやる」
稲玉は手紙を折りたたんで鴉の足に括り付けて飛ばした。
「届くといいな……」
「届くだろ。心を込めた分だけ、相手にも伝わりやすくなるって兄貴が言ってたからな」
「ねえ、その兄貴って光輝君のこと?」
「違ぇよ。光輝よりも前に先生の所で修行してた人がいるんだ」
まさか光輝君にも兄弟子がいたとは。
「今代の鳴柱、辻風来だ」
ほう。光輝君の兄弟子が、彼が目の敵にしていた辻風だったとは。となるとお邪魔虫は残り二匹か。
「しかも女房持ちらしい」
「よし!」
はいこれでお邪魔虫は残り一匹です! 神様ありがとうございます!
「どうした?」
「な、何でもないよ?」
危ない……心の声が漏れてしまった。
「さーてと、これから南雲とお話しして来ないとね☆」
「お、おう」
誤魔化すようにその場から離れる。南雲と話をするというのは本当だ。
「な~ぐ~も!」
僕は襖を開ける。
「わっ!? どうしたの中村さん?」
「ちょっと用事があるから来てくれるかな?」
「え? 僕何かしたかな……?」
「いいから来る!」
僕は南雲を無理矢理部屋から連れ出して、誰もいない部屋に連れて行く。
「あ、あの……中村さん…? 気でも触れましたか……?」
「そうじゃなくて、南雲。香織に手紙書いてるの?」
「うん、任務が終わるたびに書いてるけど……」
南雲は任務終わりのたびに手紙を書いて香織に送っているらしい。
「へぇ~。それじゃあどんなことを書いてるのかな?」
「え? 僕何かしたかな……?」
「いいから来る!」
僕は南雲を無理矢理部屋から連れ出して、誰もいない部屋に連れて行く。
「あ、あの……中村さん…? 気でも触れましたか……?」
「そうじゃなくて、南雲。香織に手紙書いてるの?」
「うん、任務が終わるたびに書いてるけど……」
南雲は任務終わりのたびに手紙を書いて香織に送っているらしい。
「へぇ~。それじゃあどんなことを書いてるのかな?」
「え、えーと…今回の任務は~~だったとか、元気にやっていけてますか~とかそんなんばっかりだよ」
要するに、他愛もないお手紙交換ばっかりしてるって訳だね?
「ふ~ん、そうなんだ……あま~~~~い!!」
「ええっ!?」
「南雲には香織ともっとイチャイチャしてもらわなきゃ困るんだよ!」
そう。これは僕の死活問題だ。香織が南雲ともっとくっつけば、光輝君にまとわりつくお邪魔虫が減る。え? 雫はどうするのかって? ま、そのうちどうにかなるっしょ☆
そこから僕(非リア)のありがた~いアドバイスを小一時間かけて南雲(リア充)に伝授した。時間が経つ程僕もヒートアップしていき、終いには指輪でも買って婚約してしまえと言ってしまった。
僕の凄い暴論を聞いて顔を真っ赤にしつつも満更でもない様子の南雲を、僕は眼鏡を外して見ていたのだった……
第参拾参話 大岳山で生き延びた男 ~相川昇編~
俺がこの世界に飛ばされた時、何故か四歳児だったんだよな。しかも山奥に放り出された。
四歳児だったから普通に飯を食えた。まぁ食えそうなのが木の実とかばっかりだったけどな。
俺が山に放り出されてから数か月経ち、俺は空腹で倒れそうになっていた。その時の俺の恰好は、上半身裸で、下半身は制服のシャツを巻き付けただけ。体力的にももう限界だった。
(ああ。空腹で頭が回らない……川の水初めて飲んだ時は腹下してたけど、数か月も経てば慣れるもんなんだな……)
山を下りた所で、ついに限界を来してしまった。俺はそのまま倒れた。
「うぅ……あれ、ここは……?」
誰かが俺を拾ってくれたみたいだ。
「起きたかの」
そばには、歯と髪の毛が大分抜けた爺さんがいた。
「ひ、拾ってくれてありがとう、ございます」
「お前さんを拾ったのはたかはるじゃ。名前はなんと言うのかの」
「あ、相川、昇っていいます」
俺を拾ってくれたのは、この家に住むたかはるという青年だった。坊主頭にねじり鉢巻きのごく普通な青年だった。
「そうか昇か。お前のおっ父とおっ母がつけてくれた名前じゃ。大切にせいな」
そう言って爺さんは俺の頭を撫でてくれた。その日から俺は、爺さんの家で暮らすことになった。
最初は敬語で爺さんとたかはるの二人とは敬語で接してたけど、半年も経つと自然と敬語は抜けていった。たかはるのことを〝兄ちゃん〟、爺さんのことを〝じいちゃん〟と呼ぶようになった。
たかはるは良い奴だった。口が悪いけどじいちゃん想いの凄い奴だ。
「昇~。そろそろ家で飯にすんぞ」
「今行く」
俺がこの家に来てから数年が経ったある日、家に帰ると…
「えっ……?」
じいちゃんが変な動物に餌を与えていた。体は人間だけど頭が猪の奴だ。
「変な動物餌付けすんなよ!! 馬鹿ジジイ!!」
たかはるは鍬を振り回してその変な動物を追い返した。
「じいちゃんよ!! 危ねぇからアレに餌をやるなよ!? 親まで山から下りてくるかもしれねぇぞ!!」
「あい、わかった」
これであの化け物が家に寄り付かなくなると、俺もたかはるも思った。ところが、また別の日になると…
「〝君がため惜しからざりし命さへながくもがなと思ひけるかな〟」
「百人一首を読み聞かせるんじゃねぇ!!」
じいちゃんは化け物に百人一首を読み聞かせていた。たしかその歌の意味は、『あなたにお会いするためには惜しくないと思っていた命さえ、お会いした今となってはいつまでも続いて欲しいと思ったことだ』だった気がする。よくそんな意味覚えてられたな俺。
「初孫みたいに可愛がんな!! シッシッ! じいちゃんよ!! 寂しいのかもしれんけど、ダメだって!!」
「待って俺もいるだろ」
「あい、わかった」
じいちゃんは年々物忘れが酷くなっていった。それでもたかはると俺のことは覚えててくれてたみたいで、ちょっと嬉しかった。
そしてまた別の日になると、じいちゃんはまた化け物に構っていた。
「嘴平伊之助って書いてあるな。これがお前の名前じゃろう。おっ父とおっ母がつけてくれたんじゃ。大切にせいな」
じいちゃんがその化け物…嘴平伊之助にかつて俺に言ってくれたように、名前を大切にしろと言った。
「猪のバケモンに言葉教えたって喋れるわけねぇだろが!! じいちゃんはホントなんもわかんねぇな!!」
たかはるはぶちギレた。
「シッシッ!!! どっか行け!! うちに来んな!!」
「…」
いつもなら「ヴーッ」とか「ギーッ」と言って山に帰るのだが、今回は中々帰ろうとしない。
「シッシシッシうるせぇんだよ!! こんのタコ助が!!!」
喋った!! そしてたかはるに反撃した!!
「が!!!」
「何で俺まで!?」
更に俺も蹴られた!!
「ギャ――ッ!! 喋った!! 化け物!!」
「黙れ小僧。いつものアレを寄こせ。〝おかき〟を持って来い。ここは俺の縄張りだ」
とうとうこの家を勝手に縄張りだと言い出した。
俺とたかはるは伊之助に言われるがままにおかきを用意した。用意が終わると、伊之助は家に上がり込んでじいちゃんの上に座っておかきやら煎餅やらバリボリ食べた。俺の隣ではたかはるがガクガクと震えている。
「何なんだよこの化け物…」
「兄ちゃん。じいちゃんに何言ってももうダメだ。諦めるしかないよ」
よくみたら伊之助、猪頭はただの皮だった。猪頭の下は普通に人間の頭だった。たかはるは見てなかったみたいだけど。
それから伊之助は毎日家に来るようになった。じいちゃんは構わずおやつをあげたり、百人一首を読み聞かせたりした。
たかはると一緒に畑仕事をしてたら、だんだんと足腰が鍛えられてきて、現代日本にいた頃より足が速くなっていた。五十メートルを五秒で走れそうな気がした。
そしてじいちゃんはどんどん衰えていった。物忘れも酷くなってきた。伊之助や俺のこともたかはると呼ぶようになった。孫が増えて寂しくないね、と俺は言った。
俺が十四になった年に、とうとうお迎えが来た。伊之助も来なくなった。残ったのは俺とたかはるだけだった。俺もたかはるも、頑張って畑仕事をした。生活はほとんど変わらない。たかはるは畑仕事に専念して、俺も畑仕事の傍ら遠くへ狩りをしていた。大岳山で狩りをしたら伊之助にボコボコにされそうだったから。
「兄ちゃん。狩りに行ってくる」
「絶対戻って来いよ!」
ある日、十七になった俺はいつものように狩りに出かけていた。大岳山を越えて更に遠くへ狩りに行く。日帰りなんて無理なので数日かけて獲物を探し、見つけたら家に戻る日の早朝に鹿やら猪やらを狩る。麻袋に獲った肉を入れて全速力で家に帰る。これが狩りにおける俺のルーティーンだった。万が一の時に備えて、自衛用に鎌とか包丁とか小刀といった刃物を持ち歩いている。
そのときの狩りは家から結構遠くまで進んでいた。見慣れない景色が見えるほど遠くまで来ていた。そして俺はある山に辿り着く。
「今の時期って咲いてたっけ? 藤の花。知らんけど」
藤の花が盛大に咲いていた。あまりの綺麗さに俺は思わず見とれてしまう。
この山に棲んでいるだろう動物を探して俺は登り続けた。そして山の中腹に差し掛かったところで、人が集まっているのが見えた。
「一体何をやってるんだ?」
「あっ! お前、相川だろ!」
誰かが俺の名前を呼んだ。声がした方向を向くと、しばらく見なかったクラスメイトがいた。
「仁村! 玉井! 清水!」
「どうしたんだその恰好」
クラスメイトの仁村が俺の恰好を見て尋ねる。
「狩猟に来てるんだわ。鹿とか猪とかをほら…」
「育手はいないのか?」
今度は玉井が尋ねる。
「育手? 何だそりゃ」
「知らねーの? 今ここに来てる奴は、皆育手の許で修行したんだぞ」
「マジか」
俺は玉井から更に詳しい情報を聞いた。この山の中腹から先には鬼という化け物がいて、玉井達はその中で七日も生き延びなきゃいけないらしい。
「お前ら以外にもクラスメイトいるのか?」
「俺達以外にいるのは園部と、菅原、宮崎、あと天之河だな」
「天之河もいるのか? なら安心だな」
黒髪の女の子と白髪の女の子から説明を受け、俺達は鬼の棲む領域へと足を踏み入れていった。
(マジかよマジかよマジかよ! たかはる心配してるだろうなぁ)
たかはるのためにも、ここで七日も生き延びなきゃと俺は意気込んだ。
だが、俺は鬼の厄介さを藤襲山で知った。俺の持ってる武器じゃ鬼を殺すことはできなかった。だから、鬼に出くわしたら持っている武器で重傷を負わせて、その隙に逃げる。それを繰り返して俺は生き延びた。元々身体能力は高かったので他の奴よりも素早く山を移動できていた。
自分の武器が壊れたので、途中からは死んだ奴の刀を拝借した。刀なんて握ったことなかったけど。でも棍棒と同じ要領でいけた。鬼を滅多切りにしているうちに、頸を斬ると鬼が死ぬことを知った。
選別の終わりには参加人数はかなり減っていた。でも、クラスメイトは全員無事だった。しかも、選別前には確かにいなかったはずの檜山、近藤、斎藤、中野までいる。どうなってやがる。
あの後、採寸と玉鋼選びがあった。急いで帰りたかったのでちゃっちゃと済ませて山を下りた。たかはるの家に辿り着くのに二日くらいかかった。
家に帰って早々たかはるに怒られた。「どこまで行ってたんだ」とか、「死んじまったかと思っただろうが」とか言われた。でもたかはるはいい奴なので俺のことを心配してたのは手に取るようにわかる。ごめん、たかはる。
家に帰ってから十二日経つと、刀が届いた。拝借した刀はそのまま持ってる。たかはるは困惑していた。刀を持つと、刀身が青っぽい色に変わった。
たかはるは終始混乱していた。そして刀匠が帰ると、俺はたかはるに告げた。
「兄ちゃん。職が見つかったから出稼ぎに行ってくる。いつ帰れるのかは分からないけど」
「はぁ!?」
「月一で仕送りするからさ、それで食いつないでいってよ」
たかはるは勿論ぶち切れた。
「お嫁さん、欲しいんだろ? 仕送りでそれなりにいい服買えよ」
そう言い残し、俺は家を出た。たかはるは俺をしきりに呼び止めたが、俺はそのまま走った。
「アイツ今頃どうしてるかな」
「誰だ? アイツって」
今俺は仁村と一緒に任務で鬼を倒したばかりだ。
「嘴平伊之助っていう、ずっと昔家に来てた猪頭の奴のことだよ」
「バケモンじゃねーか」
「小さくて可愛かったんだぞ」
「お前何か変なもん食ったのか?」
仁村はとても信じられないといった表情をする。
「喰ってないわ」
「そうかい。で、その伊之助って奴のこと心配してんのか?」
「ああ」
仁村は夜空を見上げながら言う。
「今のお前ん家がある山で、無事に暮らしてんじゃねーの?」
「そうだといいけどな」
「心配しすぎだって! ほら、飯でも食いに行こうぜ。奢ってやるから」
この後は丁度休みだったので飯を食いに出かける。仕送りは毎月欠かさずしている。
(いい嫁さん見つかったか? たかはる)
仁村の背中を追いながら、俺はそう呟いた。その夜は、夜風の吹く静かな夜だった……
どうも、遂になろうでもアカウントを持った最果丸です。
オリキャラやありふれ勢の話をもっと見たいとコメントで言われましたが、これからの話では原作で描かれている場面はほぼ全てありふれ勢が登場する場面となる予定となっています。
たかはるの所が一番大変でした。
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