GANTZ:F   作:うたたね。

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お久しぶりの方はお久しぶりです。
初めましての方は初めまして。

パパ黒、いいよね、彼について語り出すと止まらなくなります。それ程までに魅力的なキャラ。


ネギ星人編
0001 リスタート


── 虚式『

 

 

 不可視の質量が、俺を貫いた。

 "静止させる"ノーマルな無下限術式でもなく。"引き寄せる"『蒼』でもなく。"弾く"術式反転『赫』でもない。

 腐っても俺も元禪院家だ。同じ御三家である五条家の術式も知っている。だが、こんな術式はどの書物にも記されていなかった。

 

 未知の術式。

 無下限術式の最奥。

 五条悟の──五条家の秘中の秘。

 

 やられた。とんでもねぇ術式だ。

 『蒼』と『赫』

 正反対の術式を掛け合わせることで生まれる架空の質量を押し出す術式──といったところか。

 

 視線を左下に向ける。そこにはあるはずの左腕はなく、胴体が大きくえぐれている。致命傷。どう足掻いても助かることはない。正直、意識を保てているのが不思議なくらいだ。

 呪力を排斥し、その代わりに他の人間とは一線を画したこの肉体は、どうやら俺が思っていたよりも丈夫らしい。

 ……まぁ、それもこの体たらくだが。精々が保って数分の命だろう。

 

 

 ────

 

 

 俺たちの世界では腐るほど溢れ返っているそれが、今、こうして俺に手を伸ばしている。

 

 ロクな死に方はしねえとは思っていた。

 

 死ぬことに何も思うことはない。そういう人生を歩んできたからだ。

 自分も、他人も尊ぶことのない、そういう生き方を選んで──

 

 ──選んだはずなのに、拾い上げてしまった。

 

「──自尊心(それ)は捨てたろ」

 

 俺に引導を渡したこのガキ──五条悟。

 俺を否定した禪院家。

 呪術界。

 その頂点に立つ男を、否定したくなった。

 

 いつもの俺なら迷わず逃げの一手を打っていた。

 ただ働きはごめんだ。金にならない仕事に、わざわざ命を賭ける必要性がねえ。

 だから、らしくもない自分の行動にずっと違和感を感じていた。

 だが、そんな違和感を否定して──自分を肯定するために、いつもの自分を曲げて戦いに挑んだ結果がこの様だ。

 

 バカをやらかした。

 覚醒した五条悟が相手でも逃げ切れる算段は幾らでもあった。一瞬でも視界を振り切れば、呪力のねえ俺を感知出来ないこいつは、俺を追うことは不可能になるのに。

 

「──最期に言い残すことはあるか?」

 

 五条悟は、つい数分まで見せていた興奮した顔つきと言動とは打って変わり、沈静な態度で俺にそう問いかけてきた。

 その表情からは、何の感情の色も読み取れない。

 俺に勝ったという達成感も、星漿体(あまないりこ)の仇を打ったという喜びも、何も。

 

「……ねぇよ」

 

 淡々と俺はそう答えた。

 俺には残しているものなんざ、何もない。

 "アイツ"が死んでしまった以上、伏黒甚爾(おれ)に残っているものなんて、何も──

 

 

『お父さん』

 

 

 何も、ない──

 

 

『ほら見て? 顔つきなんて、貴方にそっくり』

『……何処がだよ。俺はこんな(つら)してねぇっての』

 

 

 

 忘れてきた──いや、忘れようと努めていた。

 だというのに。

 

 

 俺と、『あいつ』の子供(ガキ)

 恵。

 最後に会ったのは、その声を聴いたのは、いつだっただろうか。

 

 

 

「……2、3年もしたら俺の子供(ガキ)が禪院家に売られる。好きにしろ」

 

 

 

 自然と、考える必要もなく、その言葉を口にしていた。

 らしくもない。

 今更、父親面をするつもりはない。ないが──今は、これで良いと思えた。

 

 視界が闇に落ち、意識が沈む。

 どうやら、ここいらが俺の限界らしい。

 

 

 ──ああ、これが死か

 

 

 そして──伏黒甚爾の人生は幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──何処かのマンションにね、死んだ筈の人たちが集められる部屋があるんだって。

 

 

 そんな噂を楽しそうに話すクラスメートを玄野計は思い出した。

 当時は下らないと一笑に付していたが、今この瞬間、玄野はその噂が事実であるということをその身を以って証明してしまった。

 

 隣を見ると、玄野より頭一つ分高いオールバックの男──加藤勝がいる。彼も玄野と同じく自分が置かれている状況に整理がついておらず困惑している様子だった。

 

 

 ──つい先程、玄野計と加藤勝は()()()()()()()()()()

 

 

 駅のホームに泥酔したホームレスが転落した。偶々その場に居合わせた玄野と加藤は協力し、何とかホームレスを助けることに成功したが、迫り来る電車を二人は避けることが出来なかった。

 

 そして、気づいた時にはこの妙な部屋にいた。

 

 高層マンションの一室。窓から東京タワーが見えることから、此処が東京であることが分かる。

 だが、少なくとも玄野はこんな部屋に見覚えはない。彼の家は質素なアパートだし、加藤も知らないとかぶりを振っていた。そして、玄野達より先にこの部屋にやって来たという人たちも、自分たちが何故集められたのか分からないという。

 

 高校生、サラリーマン、初老の爺さん、チャラ男、中学生、ヤクザ──何の共通点もない人間がひとつの部屋にいる。そして、全員が死んだ記憶を所持している。はっきり言って異質だった。

 

 まぁ、何より異質なのは──部屋の中央に置かれてある、謎の黒い球体なのだが。

 

 ポツンと鎮座する、傷ひとつない漆黒の球。

 アレが一体何なのか、玄野たちは知らない。ただ何となく、自分たちがこんな状況に陥っている原因は、この球なのだと理解してる。

 

「なぁ計ちゃん」

「……何だよ」

「あの黒い球って、何なんだろうな」

 

 そんなこと俺が知りてえよ、と玄野は思った。

 

 そもそも、玄野が死んだ原因は加藤にある。あの時、もしも加藤が玄野に手助けを求めなかったら、少なくとも俺は死ななかったのに。ムカっ腹が立って仕方がない。

 

 ハァ、とため息を吐いた時だった。「お、おい計ちゃん、あれ……!」加藤が玄野に声をかける。無視してやろうかと思ったその時だった。

 

 ジ、ジジ、と。

 

 黒い球体からレーザーが照射された。

 

 この場にいた全員の視線がレーザーの先に向かう。

 

(えッ、何だこれッ!?)

「また一人来た!」

 

 何事かと驚く玄野と加藤だが、教師の男──山田雅史(さっき自己紹介をして知った)の言葉で悟る。

 どうやら自分たちは、この黒い球体によってこの場に呼び寄せられたらしい。

 

 黒い球体が発しているレーザーは3つ。その先から腕、脚、胴体と人間の身体が形成されてゆく。

 

 10秒も経たない内に、転送は終わった。現れたのは30代くらいの黒髪の男性だった。服装は身体にピタリと張り付いた藍色のコンプレッションシャツに、大腿部が大きく膨らんだ白いボンタンのようなズボンを履いている。

 少々奇抜な格好ではあったが、何より目を引くのはシャツからも浮かび上がっている筋骨隆々な肉体だ。素人である玄野から見ても、それがひとつの完成形だというのが理解出来た。

 

 男が閉じていた目を開ける。

 ギラギラとした肉食獣のような瞳が、死後に享受された世界を初めて認識する。

 

 

 

「──あ?」

 

 

 

 天与の暴君が今ここに、再臨した。

 

 

 




【呪術廻戦人物紹介】
『伏黒甚爾(ふしぐろ とうじ)』
端的に言うとフィジカルゴリラ。もっと詳しくいうと知性が非常に高いゴリラ。本来、人間が生まれ持っている筈の呪力を持っておらず、その対価として超人じみた肉体と身体能力を持つ。性格はクズ。顔が良い。
今回、何故かGANTZによって蘇生を果たした。

『五条悟(ごじょう さとる)』
最強の呪術師。一度、上記のゴリラに首を貫かれて身体を滅多刺しにされた後、脳天にナイフを貰ったが何か蘇生。覚醒する。作中屈指のチートキャラ。性格はアレ。顔が良い。なお、出番は今回で終わりの模様。


GANTZと呪術廻戦の世界線は一緒なのか。違うのか。その辺は次話で(たぶん)

GANTZ:F 完結後に書いてほしいもの

  • GANTZ:Gにパパ黒√
  • かっぺ星人後からパパ黒介入√
  • チャットルーム回
  • その他(個人でメッセージでどうぞ)
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