ゴールデンウィークですしね。
それはそれと!
なんか分かんないんですけど、チビ星人編を投稿した3日後くらいに何故かランキング7位あたりに乗りまして……総合評価が4500を超えちゃいました!
本当に皆さんありがとうございます……! マジで嬉しいです。ニヤニヤが止まらない。
誤字報告も毎度毎度本当にありがとうございます
目標の5000まであと少し!
ちなみにですが、かっぺ星人編からはGANTZ:Fは第二部に入ります。
だからってなんかあるとかいうわけでもないですけど。
第二部の理由につきましては、たぶんかっぺ星人編3話のあとがきに書かれてあると思います。
p.s
プリンセスガチャでクロエ(通常)が来てくれた。
あとはちえる、お前だけだよ。
0015 『黒い球の部屋』
チビ星人との戦いが終わったある日のこと。甚爾は玄野から「大事な話があるから至急来てください」と連絡をもらい、玄野の家までやって来ていた。ちなみに携帯は東郷からもらったものだ。
玄野の自宅は住宅街にあるごく普通のアパートだ。新築というわけではなく、かと言ってボロくはない。普通程度の外観。ほんの少しだけ錆びた階段を登り、玄野の部屋へと向かう。
「あ、伏黒さん。来てくれたンすね」
「くだらねえことだったら承知しねえぞ」
インターフォンを押すとすぐに出てきた。靴を脱ぎ、リビングへと向かう。1LDKの普通の内装。男子高校生の割には綺麗に片付いており、意外だな、と思った。
玄野は甚爾を椅子に座らせ、パソコンを甚爾の前に置いた。
「パソコンが何か関係あんのか?」
「まぁ、はい。けど、それについて話す前に説明しなくちゃいけないことがあるッす」
おそらくガンツ関連のことだろう。
焦りが見えている。
「この前、伝えるのは忘れてたンすけど……チビ星人のミッションの日に転校生が来たンすよ」
「転校生?」
「はい。ソイツはまぁ、顔はいいし運動は出来るし頭もいいッていう男何ですけど、まぁ色々あッて仲良く、とまではいかないンすけどそれなりに話すようになりました」
話が見えてこないが、とりあえずそのまま続きを促すことに。
「で、その日の放課後、ソイツがあることを聞いてきたンです」
「あること?」
「ええ。それが──」
──オマエ、ガンツッて知らないか?
甚爾は初めて表情を変えた。
その転校生──名前は知らないが、その男はガンツのことを知っており、それだけでなく玄野にそれを訊ねた。確かに玄野が甚爾に相談を持ちかけてきた理由が分かった。
玄野だけの問題ではない。甚爾、加藤、桜丘、東郷──あの部屋の住人全てに関係することだ。
「で、聞かれた後に、オマエの部屋に行きたいッて言われて。まぁ、鍛錬があるから断ッたンですけど。そしたら昨日、ソイツが俺の家に来て、そのパソコンであるサイトを見せてきたンです」
そうして玄野はパソコンを立ち上げ、その転校生が見せてきたというサイトを開く。
それを見た甚爾は目を見開いた。
サイト名は『黒い球の部屋』
間違いなくあの部屋のことであり、よくみるとガンツについての考察やミッションの内容が書かれていた。
そのサイトを誰が作ったのかはすぐに分かった。最後の更新は2ヶ月ほど前──ネギ星人のミッションの話で終わっている。
「西の野郎か」
「たぶん……」
軽く内容を見てみると、小説風に事細かくミッションでの出来事が書かれていた。ただ、傍迷惑なことに西は地名はもちろん、登場人物の名前を隠さずに普通に使っていた。
これでは身バレの可能性もある。その転校生が玄野に対して興味を持ったのもこれが原因だろう。
それよりも驚いたのは、こうも堂々とガンツのことを記事にしておきながら、西に対して特に制裁が行われていないことだ。
てっきりネットでも完全に規制されているだろうと思っていたのだが、まさか逆に抜け道でもあったとは。
「ソイツは何か他にいッてたのか?」
「いや、俺にスーツ着てるかどうか聞いて、やッぱなンでもないッて言って帰りましたよ」
「まぁ、オマエらの時期だったら、そういう偶然に何か意味を見出してはっちゃけることはよくあるからな」
「伏黒さんもあッたンすか?」
「……あ?」
「いや、なンでも」
だが、どうしたものか。
その転校生がどういう人間かは分からないが、下手に嗅ぎ回られて鍛錬などを見られても困る。聞く限りスペックも高く、行動力もありそうだし、嗅ぎついてくる可能性はあり得ない話ではない。
(──何か引っかかるな)
根拠もないただの直感だ。
ただ、これが意外と当たるのだ。ギャンブルではマトモに働かないというのに。
「玄野、とりあえずその転校生──ああ、一応名前教えろよ」
「和泉、和泉紫音」
「和泉紫音、ね。和泉には関しては別に一応気をつけとけ。ソイツに誘われた日は鍛錬には来なくてもいい」
「ええ!?」
「下手に嗅ぎ回られても困るんだよ。まぁ、桜丘に迎えに来てもらって逃げるのもいいけどな」
彼女とデート、なんて言えば流石に付いては来ないだろう。
「ま、何かあれば俺か東郷に連絡しろよ。最悪、そいつは俺が殺る」
「殺るッてまさか」
「殺す」
不穏因子は消しておくに限る。取り返しがつかなくなる前に動くのは当然のことだ。
「ええ……?」
「冗談だっての。俺もそこまで非情じゃねえ」
ただ、一応誤魔化してはおく。玄野に下手に意識はさせたくない。
じゃ、帰るわっと伝えて甚爾は玄野の部屋を後にした。
思いがけない収穫とハプニングだった。
まぁ、結果的に見れば得たものの方が多いため、問題は特にはない。
(とりあえず、黒い球の部屋──ここから潜ッてみるか)
西の遺品とも言っても差し違えのないもの。
何か重要なものが記されているかもしれない。
◆◇◆
それから2ヶ月近くの時間が経った。
ガンツからの音沙汰は全くと言っていいほどなく、一周回って不気味に感じるほどだ。
ただ、鍛錬は欠かすことなく続けており、玄野たちは著しく成長を遂げている。
そして、甚爾と東郷はこの二ヶ月間、西丈一郎が運営していた『黒い球の部屋』というサイトを中心にガンツについての情報を集めていた。
黒い球の部屋──そこには西が過去に参加したミッション全てがまとめられており、他にも甚爾たちが知らない単語がちらほらと載っていた。
そこで甚爾と東郷が注目したのは二つ。
一つは過去の参加者に『
西のミッションでの描写が真実であるなら、『和泉くん』は相当な手練れであり、数々の強力な星人を倒していた。
流石に本人の容姿について書かれている描写はなかったが、おそらくこれは転校生『和泉紫音』本人であると甚爾は半ば確信していた。
ガンツについて興味を持つ同名の人物。関係がないはずがない。
今のところ、玄野によれば和泉には不審な動きは特に見られないとのことだった。
ガンツについて訊ねることは殆どなく、普通に休み時間や休日に遊びに行ったりしているらしい。
玄野にはこのことを伝えてはいない。すぐに感情が表情に出るし、腹芸は苦手だろう。
次に気になったことは、サイト内で度々登場する『
西はどうもカタストロフィについて重要視しており、「終局が訪れる日は近い」などといずれ何か大きなことが起こることを仄めかしている。
思春期特有の病気とも取れるが、あのイカレサイコパスに真っ当な成長発達段階など訪れているとは思えない。知性も高いようだったし、何かしら意味があると考える。
ただ、このカタストロフィに関しては情報が全く謎であり、サイトを調べていても特にめぼしいものは見当たらなかった。
それから甚爾と東郷でガンツに対する情報を探って見たが、意外にもネットの海に情報は転がっていた。
全国各地──いや、世界各地に不自然な破壊痕や殺傷事件が起こっているのだ。
破壊痕を見れば、ガンツの武器によるものだとすぐに分かった。どうやらガンツはかつて甚爾が推測したように世界中に存在するらしく、多くの人間が殺し合いを強いられているようだ。
その過程で甚爾たちは、どうやら日本中のガンツの住人たちが集まっているコミュニティのようなものがあることを知った。
しかし、情報秘匿に対しては相当に警戒しているらしく、機械にそこまで詳しくない二人では厳重なロックを潜り抜けることが不可能だったため断念。西が復活するまで待とうという結論に至った。
(しっかし、カタストロフィ──終局ね)
一体何が起こるというのやら。
甚爾のいた世界で言うのなら、やはり盤星教の者たちが行った星漿体の暗殺による天元の同化の妨害だろうか。
天元は不死の術師。だが、不老ではない。そのため、年齢を重ねる度に肉体が人ではない上位存在へと昇華してしまう。
その段階の天元にはまともな意思が存在するかは不明。そうなった場合、日本という島国の基盤となる結界が崩壊する可能性もあり、その末路はどうなるかは想像に難くない。
あの後、呪術界がどうなったかは分からない。
ただ、天元が暴走したとしても、五条悟がいればなんとかなるだろう。死んだ身である甚爾には、どうでもいいことではあるが。
──お父さん
「……」
ふと過ぎる、甚爾の忘れ形見。
最愛の妻が遺した呪いを、甚爾は果たすことが出来たのか。
(チッ、今更考えたって無駄だろうが)
気にしたところで、何になるというのか。
今こうして思考を回している伏黒甚爾は、伏黒甚爾ではない。肉体と記憶を貼り付けられただけの別人だ。
彼女も息子も、記憶にあるだけで会ったことはないというのに。
「……あー、らしくもねぇ」
雑念を振り払うようにして頭を振るう。
(……気晴らしでもするか)
実は甚爾は家を購入した。無論、戸籍がないため東郷の名義でだが。ようやく拠点を手に入れ、彼は女の家に泊まったり漫画喫茶で寝泊まりする生活から解放されたのだ。
(外に出たはいいが、散歩っつっても暇だしな……打ち行くか)
甚爾、散歩開始数分でパチンコ屋に行くことを決意。
時間を潰すのならギャンブルに限る。下手をすればあっという間に1日が終わっている時もある。
当たっても当たらなくとも、遊びと思えば
それに、以前のように玄野やチンピラから得ていた頃とは違い、今の甚爾にはそれなりの金がある。
東郷の手により、月の上限額は決まってはいるが、ギャンブルに注ぎ込める分には十分すぎる。財布の紐も緩むというもの。
膨らんだ財布の感触を大腿部で味わいながら、近くのパチ屋へとさっさと向かうことにする。
羅鼎院でのミッション以降、甚爾は夜にギャンブル──少なくともパチンコに行くのは辞めた。
当たっていたとしてもガンツに呼ばれればパーとなる。換金直前であれば問題はないが、あまりにもリスクが高すぎる。であれば、最も白熱するレースを見れないとはいえ、結果をミッション後に調べれば後日でも換金出来る競艇に行った方がマシだ。
現在の時刻は正午ちょうど。ガンツに呼ばれる可能性は限りなく少ないだろう。昼にミッションがないことは『黒い球の部屋』で確認済みだ。
歩くこと苦節15分。ようやく目的のパチ屋へと到着した。
信号が変わり、ウキウキと交差点を渡り、数十メートル先にあるパチ屋の扉へと足を踏み出した──その時だった。
「ちょいとよかか?」
何者かが、甚爾の前に立ち塞がった。それは男だった。
袖のない長ランに下駄という古臭い衣装。そこら覗く鍛え上げられた巨躯。顔を見ると、濃ゆい髭と眉が特徴的な甚爾よりもオッサンらしいオッサンな顔立ちだった。
「オマエ、強か男ばい。見りゃ分かる。俺と勝負してくれんか!?」
「……見た目だけじゃなく、言動もイカれてるらしいな」
変なやつに絡まれたな、と顔を歪める。
こういう輩の考えは短絡だ。
自分よりも強い者と戦いたい──ただ、それだけだ。
その鍛え上げられた肉体を見れば分かるが、只者ではない。おそらく純粋な殴り合いであれば、東郷でさえこの男には敵わない。
呪力を纏えばそのまま呪術師として活躍することが出来るだろう。
さて、どうしようか。
正直、スルーするのもいいが、おそらくパチ屋の中だろうと付いてくる。中で問題を起こせばこの男だけでなく、甚爾も出禁の令を喰らい兼ねない。
だからといって相手をして叩きのめせば、気に入られて付き纏われる可能性もある。
勿論、パチンコに行かず全力で振り切るという手もあるが、打ちたくて堪らないので却下だ。
「……いいぜ」
「本当かッ!?」
「ああ、ただし条件がある。俺は只働きはゴメンなんでな」
臨時ボーナスだ。コイツから巻き上げられるだけの金を盗る。
「つまり、金が欲しいッちゅーコトか?」
「ああ。俺にはメリットがねえからな」
「そうか──断る」
乗ってくるだろうと思っていたのだが、予想外の答えに甚爾は目を点にする。
「金が欲しけりゃ──俺を倒せばいいだけの話じゃ」
「なるほど……ま、それでもいいか」
どうせ金が手に入ることには変わりはない。
「一応、俺が年上だしな。オマエから来いよ」
「……舐めとうンか?」
「オマエこそ──俺を舐めすぎだろ」
「!」
ほんの少しだけ殺意を向けた。男の身体が一瞬だけ強張り、驚きに目を見開いた。
甚爾としてはさっさとこんな無駄な喧嘩を終わらせてパチンコに向かいたいのだ。対等な勝負など求めてはいない。こういう手合いはさっさと実力差を見せつけるに限る。
「はッはッはッ! 舐めとッたのは俺の方か」
男は高笑いを上げ、構えを取る。その目に油断はなく、真っ直ぐと甚爾を捉えている。
人差し指を曲げ、「来いよ」と煽る。
次の瞬間、男は甚爾との距離を一気に詰めた。殴るのではなく、背中から全体重を乗せてぶつける体当たり──八極拳、鉄山靠。
男の体格から放たれるそれは、成人男性であろうと軽々と10mほど吹き飛ばせるだろう。
だが──甚爾にそれは通用しない。
技は完全に直撃し、男の目論見では甚爾は今頃吹っ飛んでいる筈だった。そうでなければおかしい。だというのに、全力の鉄山靠を喰らっても、甚爾はビクともしない。
「よし、次は俺だな」
呆然とする男へ甚爾も同じく鉄山靠を放つ。甚爾の戦闘スタイルは男と同じ我流のものだが、大元は存在する。使えそうな武術を甚爾は会得出来るだけ会得し、それを巧く組み込むことで独自のスタイルを獲得していた。そのうちの一つに八極拳があったというだけだ。
男は数十メートルほど吹き飛んでいき、電柱に背中をぶつけた後、動かなくなった。
死んではいない。手加減はしたし、運が悪くても骨折しているくらいだろう。
甚爾は男の下へと歩み、彼の持つバックから財布を取り出して中身をくすねる。そういう契約だったはずだ。
財布の中には身分証明書が入っていた。興味本位で確認する。名前──どうやら風大左衛門というらしい。驚くことに年齢は17歳、玄野の一つ上のようだ。
「……お、俺より……強か、男が……おッた……かいな……」
「まだ意識があったか。ま、約束通り金はもらってくぜ」
正直、驚いた。死に至るような大怪我はしないように調整したが、そこそこの術師だろうと気絶する程度の威力でやった筈だった。
とんでもない肉体と気力だ。
「好きに、しィ……」
そう言って男──風は気を失った。
コイツがあの部屋にいれば、相当な戦力になるなと思いつつ、甚爾はその場を後にした。
──ちなみにパチンコは負けた。
◆◇◆
風との戦闘から二日が経った。暇潰しに『黒い球の部屋』で過去のミッション──"ひょうほん星人編"を読んでいると、机に置いてあったケータイが鳴った。
手に取り、画面を開くとそこには『玄野』という名前。
電話に出るとつんざくような大声で玄野が甚爾の名を呼んだ。
「うる、せぇ!」
『あ、すいませン……ッて、ンなこと言ッてる場合じゃない!
「ああ……?」
面倒なことになって来たな、と甚爾は思った。
「とりあえず、話を聞かせろ」
風とかいう明らかなバグキャラ。
というわけで、おそらくこれからかっぺ星人編は6日間──来週の木曜日までは連続更新できると思います。
最終話だけまだ半分しか書けてないので水曜日で終わるかもしれませんが。
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かっぺ星人後からパパ黒介入√
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