パパ黒をもっと動かしたいんや……あそこまでは前哨戦だったり。
GANTZ:Oが一番書きたいですが。
話はこうだった。
和泉紫音。奴は相当にイカれていた。玄野を疑いながらも決定的な行動に出ていなかったが、ついに我慢が利かなくなったのだろう。玄野を突如銃で撃ち、無傷なことを確認すると、玄野が部屋の住人であることを確信。
和泉はガンツから特別な依頼を受けており、手のひらサイズのガンツを持っていた。そこに書かれてあったのは──
──できるだけ多くの人を連れてきてくだちい
「──
「なるほど、な」
過去の解放者。
あの部屋の帰還。
ガンツの目的──多くの人間をあの部屋へと誘うこと。
考えられることは、これからもっと人数がいる──高難度のミッションが増えるという可能性。
そのために必要な戦士を、ガンツは求めている。
だが、和泉の行動には不可解な点がある。
「本当にやる気があんのか? わざわざオマエに教えるメリットがねぇだろ」
止めてください、と。そう言っているようなものだ。呪術とは違い、これから行うことを開示することで術者やそれにまつわる儀式の成功率を上げるとか、この世界では出来ない。
それに対して玄野は「それは」と切り出す。心当たりがあるようだった。
「あいつはたぶん、俺に殺されたい……いや、勝ちたいンじゃないかッて」
「勝ちたい?」
「はい……まぁ、勘……スけど」
理由も根拠もない。ただ、確かにそれなら筋は通る。
話を聞く限り、和泉という男はガンツに対して並々ならぬ執着を持つようだった。だから、既にそれを目にしている玄野のことが妬ましく、羨ましいんだとしたら。
止めてみせろ
新宿で大虐殺。
それが終わった後に和泉は玄野に対してもう一度勝負を挑む筈だ。
殺し、殺されるか。
そこで玄野が和泉を殺しても、和泉が玄野に勝った後に自殺しても、ガンツに呼ばれた時点で和泉の目的は達成出来る。
確実にやりたいなら玄野に黙っておけば良いのに。合理性に欠けたやり方だ。まぁ、人間の心理というやつはそう簡単には作られていないということか。
ただ、わざわざそれに乗ってやる必要もないだろう。玄野にはメリットがない。多くの人が死ぬという事実にさえ目を瞑れば、問題ない筈だ。
それを伝えると、玄野が「けど……」と渋ったような声を出す。
「俺のせいで死ぬッて考えると……部屋に行ッた時、和泉が殺した奴らがいたら、俺は……」
「……」
そういえばこいつ元々普通の学生だったな、と思い出す。
非日常に関わってはいるものの、その辺りは割り切れないのだろう。
ただ、それだけなのだろうか。
甚爾と会ったばかりの頃の玄野は、他人に関心のない少年だった。
今はどうだ?
こうして他人が殺されるかもしれない状況をどうにかして止めようとしている。数ヶ月前では考えられない行動だ。
桜丘や加藤と出会ったことが、何か影響を及ぼしたのだろうか。
「ま、止めるなら止めるで良いだろ。何時何分に、どういう手段で行われるかは知らねえが、スーツを着てりゃ未着用の人間に負けることはほぼねえよ」
ただ、と甚爾は話を続ける。
「和泉ッて奴は感情や本能に直球的だが、頭はキレる。
『えッ』
「当たり前だろ。スーツの効果は今日のことでバレている。オマエがそれを着ているだけで勝負は成立しねえ。だったら、どうにかして生身で戦うように仕向けるだろ」
スーツの力は、常人同士の戦いであれば、体格差や技量を覆して戦える。和泉が如何に優れていようと、スーツを着ている玄野に勝てる要素はない。
「ま、頑張れよ。俺の知ったこっちゃねえんだし」
『ええ!? 何のために甚爾さんに聞きに来たと思ッてンすか!!』
「アドバイスだろ。そもそも誰が手伝うって言ったかよ。勝手に都合の良い方向に持ってくな」
あとアドバイス料金として1万は貰うぞ、と伝えると、悲鳴のような声を上げた。
「チビ星人の時みたく、俺に頼らずやってみろよ。んじゃ、切るぜ」
『ちょッ──!』
「ああ、ひとつだけサービスだ。
最後にそう伝え、甚爾は電話を切る。
玄野も運が悪いな、と思いながら、和泉の件について考えてみる。
甚爾が玄野へ協力しなかったのには理由がある。それは簡単な話、和泉を止めてもおそらく無駄足だからだ。
甚爾はそう考えている。
和泉にやらせようとしたのは、単純に都合が良かったからだ。わざわざ手を出さなくても参加希望者が勝手に動いてくれるのならガンツ側としては楽が出来る。
たとえ和泉が失敗しようとも、別の人間、あるいは別の策で大量の人間を部屋に呼び込む筈だ。
(けど、こんなことがあるんだな。サイトにも今回みたいにガンツがミッション外で命令を下すようなことは書かれていなかった。例外中の例外ってわけか)
──カタストロフィ
それが近づいていると西はあのサイトに書いていた。
ならば、和泉に下した命令は、そのための準備と捉えることが出来る。
西を死なせたのは痛手だったな、といつかのミッションでの出来事を若干と後悔しながら、ベッドに寝転がりそのまま睡眠に入った。
◆◇◆
──
◆◇◆
その日──新宿は一人の男の手によって地獄と化した。
逃げ惑う人々。
つんざく悲鳴。
響く銃声。
地面を彩る鮮血に。
その上にある二度と動くことはない人間だったもの。
その惨状の中心に、一人の男が立っていた。
3月にしては着込みすぎてると言っても良いほどの厚着に身を包んだ、サングラスを掛けた黒人。その手にはマシンガンを二丁ずつ握っており、彼がこの地獄を生み出した張本人にであることは明白だった。
(何人殺したか、わかンねーな……)
まぁ、良いか、と男は再び歩みを進める。
細かい数は問題ではない。
──
あの『球』が彼──和泉紫音に求めたのは、それだけのことだ。
和泉は変装し、自分の姿を偽りながら、『球』からの命令を遂行するために新宿で大勢の人間を殺していた。
和泉紫音は、渇望している。
理由はわからない──いや、分からなかった、というのが事実だろう。今はもうわかっている。
あの荒唐無稽なのに何故だかリアルな日記──和泉の心を惹き寄せたのはそこではない。
──懐かしさ、とも呼ぶべき感覚。
常に脳裏を走るイメージ。
それと
スポーツも勉強もなんだって出来た。けれど、胸の中に空いた虚無を唯一埋める──熱く激らせるその空想……いや、実在した、かつてのイメージ。
記憶にはない。
だが、それでも──肉体が、心が覚えているのだ。
あの夜──狩りをして新宿を駆けめぐる記憶を!!
だから。
羨ましかった。
妬ましかった。
和泉がかつて解放され、今は渇望しているあの部屋の住人である人間が──玄野計のことが。
玄野が部屋の住人であることは確実だ。
玄野は服の下に例のスーツを着ており、銃弾で撃ち抜こうとも無傷で立っていた。
和泉はその事実に歓喜した。
自分の記憶が妄想などではなく──歴とした現実のものであるのだと、証明されたから。
手元にある、小さな黒い球。
ガンツからの指令──多くの人間をあの部屋に呼べ。
和泉はそれを実行する。
正気の沙汰ではないことは分かっている。玄野が狂人だと和泉を罵ったが、それは覆しようのない事実。認めよう。
だが、それでもやめられない。
やめる気はない。
本能が!
心が!!
魂が!!!!
和泉をあの部屋へと向かわせていた。
良心の枷など、無いにも等しい。
今の和泉を止められるものなど、和泉自身でさえも不可能だ。
計画は練った。
計画通りに行けば確実に成功する。
玄野には教えたが、止められるなら止めてみろ。無策で伝えたわけではない。
だが──ひとつだけ、不安要素が和泉にはあった。
黒い球のサイト──最後の更新であるネギ星人編。
そこに登場した、トウジと呼ばれる男。
管理人曰く殺し屋とのことで、その実力はサイト内のミッションの参加者の中でもぶっちぎり。唯一彼の存在だけは空想のものだとサイト内の感想欄では言われていた。
和泉とて、眉唾物の存在だとは思っているが、事実である可能性は捨てきれない。もしも彼が実在し、玄野が助けを乞うた場合、和泉の計画に支障が出てしまう可能性は捨てきれない。
だから和泉はある策を練った。それは玄野の携帯に『
やり方はネットで調べればすぐに出て来た。何度か自分のもので試し、可能だと知るや否や玄野が教室にいない間に細工し、情報を手に入れられるようにした。
そして、玄野に事実を打ち明けた今日──和泉は知った。
(──
玄野と会話する文章越しにしか知らない、男の声。
どうやら玄野は和泉の情報を以前から伝えていたらしく、トウジは和泉を既に認識しているようだった。
話を聞いていただけで、容姿も知らないし、実力だって分からない。
だが──和泉の本能が、
だから、
トウジの気が変わり、玄野へ協力する前に。
和泉は、先手を打って出たのだ。
その目論見は成功と言っても良いだろう。ガンツがどれだけの人数を求めていたかは知らないが、少なくとも3桁以上は殺った。
その中には、何人かの強者もいた。数打てば当たると言うが、質もいいものが揃っているのではないだろうか。
(特に最後に戦ったおっさんヅラと変な能力を使う二人──危うく殺られるところだッたな)
この辺りでいいだろうと判断し、トイレへと駆け込み、慣れた作業で変装を解いていく。
この辺りにカメラがないことは確認している。銃火器などを隠し、着替えた和泉は外へと向かう。
「さて……あとは死ぬだけだが……」
自殺すればすぐに終わることだが、どうせなら──試してみたい。和泉紫音は、玄野計に優っているのだと。それを、証明したい。
携帯を操作し、ある男に電話を掛ける。
ワンコールで目的の男は出た。
「よォ──玄野」
『和泉、テメェ……本気でッ!』
「信じてなかッたのか? まァいいさ。それより悪いな、約束を破ッちまッて」
こういう事態を踏まえて、一日時間を空けて置いたのだ。次善策を準備してよかった。
「ガンツが求めていた人数は、たぶん達成した。あとは俺が死ぬだけだ」
『……何が、言いたい』
「分かッてるだろ。昨夜──言ッてたじゃないか、フシグロトウジに」
『!?』
玄野は和泉の行動に納得はしていなくとも理解は出来ていた。話していない本心を──玄野に勝ちたいという想いを、知っている。
『オマエ、盗聴してたのか!?』
「ああ、ちなみにメールも見ていたさ。悪かッたよ。あとで処分してくれて構わないさ。まぁ、ンなことなどうだッていい──本題に入るとしようか」
問題は乗ってくれるかどうか。だが、玄野はほぼ確実に乗る。いや、
「──俺と勝負しよう、玄野」
『やッぱり、そうか……!』
「話が早くて助かる。今から新宿に来い──いや、もう向かっているのか? これから座標を送るから、そこに
スーツは勿論、フシグロトウジを始めとする部屋のメンバーが揃えば、和泉にはどうしようもない。
だから、盗聴器という形で連絡手段を封じた。メールに関しては嘘であるが。
「もしも今の条件を破れば、あるいは来なければ、オマエがあの部屋の住人であることをバラす」
『!?』
「ンなことしても無駄だッて思ッただろ? けど、
信じる人間などいない。あのサイトでミッションなどの情報を解放している時点で、バラされたところで無意味だ──だが、万が一を考えるのなら。
バレて死ぬよりは、従った方が絶対的に安全だ。
余程の馬鹿ではない限り、和泉の提案──脅迫には確実に乗ってくる。
「じゃあ、また後で会おう」
何か玄野が喋っていたが、無視をして電話を切る。座標を送り、和泉もその場所へと向かう。
(もうすぐだ……もうすぐで、俺もあの部屋に──)
自然に笑みが浮かぶ。
和泉の渇望が、潤い叶う。
その時は、近い。
◆◇◆
玄野は全力で街を駆け抜けていた。
和泉が宣言した日の前日に動くとは思っても見なかったのだ。ニュースを見た直後、スーツに着替えて玄野は家を飛び出していた。
「クッソ! 切りやがッた!」
電話を切られた玄野は、苛立たしげに舌を打った。
やられた。
完全に出し抜かれてしまった。まさか盗聴器が仕掛けられていたなんて思いもしなかった。
ペースは既に和泉が完全に握っており、玄野が取り返すことはもう不可能だ。何故なら和泉の目的は達成している。ガンツからの指令をこなしたからだ。
さらに言えば、和泉は玄野の命綱を『情報の開示』という形で握っている。玄野は和泉に従う他はない。首筋に刃物を突きつけられているような嫌な感覚だ。
(クソッ! 連絡手段は封じられた! 加藤たちも来てくれるみたいだけど、これ以上は連絡が取れねー!)
ここからは一人だ。
思えば、完全に一人で思考し、行動に移すのは初めてかもしれない。ミッションでは甚爾や桜丘たちがいた。
そう考えると、少しだけ不安だ。
(スーツを脱いで戦えば俺は負ける! 伏黒さんに鍛えてもらッちゃいるけど、スポーツとかはてんでダメだしな……)
和泉は強い。日本人離れした身体能力。そして、かつてのガンツメンバーというのだから、体に動きが染み付いている可能性だってある。それなりには戦えるだろうが、敗北の色は濃いだろう。
(……いや、待てよ)
新宿へと向かっていた足を止めて、玄野はふとあることに気がついた。
(──なンで俺、
甚爾から鍛錬中に教わったこと。
──使えるものは全て使え
そして、先日の最後のアドバイス。
──手段は選ぶな
自分が持っている手札を総動員に活用し、玄野はある作戦を練った。
(これなら──いける)
今日は和泉の思惑通りに進んでいる。その事実はもう覆しようがないだろう。
ならば──せめて最期に、一杯食わせて見せようじゃないか。
◆◇◆
チラリと時計を見ると、約束の時間まで残り5分と言ったところだった。おそらく電車も止まっているし、交通規制も掛かっているだろう。
玄野の家から新宿は遠いとは言えないが近いとも言えない距離。30分の猶予は少し厳しかったかもしれない。
まぁ、スーツを着ていれば問題はないかもしれないが。
「ぅ……」
「……」
和泉の側には、気を失った女性が一人。先ほど、たまたま見かけたクラスメートだ。名前は確か小島だったか。
彼女を側に置いているのは、俗に言う人質というやつだ。玄野は自分と同じく他人に興味のない男だ。有効に働くかは不明だが、念のためだ。用意しておいて損はない。
(さぁ、来い玄野……俺は、オマエなンかよりもずッと優れている。あの部屋に相応しい人間だ……それを、証明してやる)
手には拳銃。離れすぎていなければ、狙った場所に撃てる程度には使いこなせている。
和泉はいわゆる天才だ。出来ないことなど皆無に等しく、だからこそ退屈で、刺激に飢えていた。そして、その飢えを満たすためならば人殺しだって厭わない。そんな破綻者だ。
だから、今日だって数百人単位の人間を殺しても気が狂わずにいられるし、これから自分が死ぬのだと知っていても、恐怖すら感じず、むしろ興奮を覚えるほどだ。
大きな力は何かを代償にしてしてしまう。
和泉のその才能は、彼の持つ人としての心を犠牲にしてしまっていた。
玄野の到着を今か今かと待つ和泉。彼にとっては一世一代の大勝負だ。彼を待って既に25分──もうすぐで30分──が経つが、彼にはそれがもっと長く感じていた。
「バカな、何故だ……!」
玄野は和泉が指定した時間内に姿を現すことはなかった。
その事実に和泉は困惑する。
あり得ない。あの条件では来ない場合よりも来た場合の方が玄野にとってはデメリットが小さい筈だ。確定ではないにしろ、微かでも死んでしまう可能性があるのなら、普通ならばやって来る。現に玄野は、こちらに向かってきている様子だった。
想定から外れ、計画が狂い始めた和泉は冷静さを失っていた。
──バチバチバチ
和泉の背後で、電気が弾ける音が響いた。
「ッ!?」
──反応、いや、反射。
考えるよりも先に肉体が動き、振り向くと同時に引き金を引いた。音を聴き、位置を割り出し、体に染み付いた動きで寸分違わず
流石は和泉だと言うべきなのだろう。
だが、それが決定打にならないということを、和泉紫音は誰よりも理解していた。
振り返った先──そこにいたのは、
私服の下に見えるのはガンツスーツ──玄野が何をしたのか、和泉は理解した。
「ステルスか──ッ!」
「和泉ィ!!」
コントローラによって周波数を弄ることで、他人から自分を見えなくする部屋の標準装備。
完全に失念していた。玄野やフシグロを出し抜いたという達成感からか、詰めが甘くなっていた。
玄野は既に和泉に接近し、拳を振り上げている。避けようとしても間に合わない。咄嗟に腕をクロスし、防御の姿勢を取るが、それが無駄であることを和泉は知っている。
スーツにより強化された膂力はコンクリートすら容易く砕く。人間の骨など、小枝を折るよりも簡単だ。
防御などもろともせず、和泉の腕はあらぬ方向へ曲がり、そのまま10メートルほど吹き飛ぶ。ギョーンという音が聞こえ、遅れて何かが壊れる音がした。おそらく銃を破壊されたのだろう。
荒い息を吐き、倒れ伏せる和泉の側に玄野が立つ。
「……殺せよ」
両手は折られた上に、相手はスーツを着ている。万が一にも勝ち筋は残されていない。
目を閉じ、死を受け入れる姿勢を見せる。
それに対し、玄野は言葉を放つ。
「……俺は、オマエを殺さない」
和泉の目的は、死んであの部屋へと戻ること。
殺さないことで、和泉の目的は達成できなくなる。
その言葉を聞き、和泉はため息を吐いた。
自分に対して失望と怒りを抱いた。
俺は、こんな甘いやつに負けてしまったのか。
「そうか──なら、
折れているとはいえ、痛みを我慢さえすれば促すことは出来る。懐の中に手を突っ込み、予め仕掛けて置いた『あるもの』のピンを引く。
和泉はあらゆることを想定していた。
それこそ、玄野が和泉を殺そうとしなかった場合のことも。
「──あの部屋で会おう」
「何を──」
──次の瞬間、爆音と全身を覆う痛みと灼熱を最期に、和泉の意識は完全に途絶えた。
◆◇◆
「──がッ!?」
爆音、爆風、爆熱。
突如として襲ってきたそれらは、玄野を吹き飛ばした。
ごろごろと地面に転がった玄野はすかさず立ち上がり、和泉の側にいた少女の安全を確認する。どうやら意識を失っているだけで外傷はない。あの部屋に呼ばれることはない。
だが、そんなことを気にしている場合ではなかった。
玄野は目の前で起きた現象に目を見張った。
「和泉……オマエ、そこまでするかよ……」
おそらく、爆弾か何かを自決用に体に仕込んでいたのだろう。一介の学生がどうやってそんなものを入手したかは知らない。興味もない。ただ、玄野は和泉のその執念に対し、イカれてるとは思えど不思議と恐怖を感じたりはしなかった。
何となく──和泉の気持ちが分かるからだ。
玄野と和泉は似ている。
お互いに正反対の存在でありながらも、二人とも自分を満たせる特別な場所を求めていた。
あの部屋は確かに地獄だが──二人にとっては、光といっても過言ではないのだ。
和泉がいた場所を見ながら、玄野はなんとなくそんなことを思った。
──ゾワリ
そして、やはりミッションの予兆が始まった。甚爾が予想していた通りだ。ミッションが行われるなら、和泉が行動に移したその日だろうと言っていた。
転送が、始まった。
──そうして、玄野たちは二ヶ月ぶりに黒い球の部屋へと誘われる。
玄野の行動原理が原作と離れているのは、加藤の生存と岸本の死ががキーです。親しい人間の死を千手編にて実感した玄野は、人の死を重く受け止めるように。
だから、今回の新宿もタエちゃんという鍵がないのにも関わらず、和泉を止めようと飛び出しました。
玄野と和泉、割と似た者同士なので好きなんですよね。
ゲーム版だと、100点を取った後、解放を選んだ玄野は、和泉と同じ選択をするみたいですし。
才能に恵まれなかった者と恵まれた者でありながら、根っこのところが同じなお二人さん。そういう関係好きよ私。
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次回は明日の21時更新だす。
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