半年もお待たせして大変申し訳ございません!
理由につきましては、単純に僕の実力不足ですね。はい。申し訳ないです。
今回の話は、パパ黒のガンツに対する考察、ミッションへの準備回となっています。めっちゃごちゃごちゃしてると思います。
呪術用語が沢山出て何じゃこりゃ?となるかも知れません。なので一応、後書きにちょこっと説明を載せています。
それはさておき。
降霊術でパパ黒が蘇った時、速攻で自分が降霊させられたことに気がついたの、めちゃくちゃ怖くありませんでした?
それでは、どうぞ。
「──あ?」
その状況に、伏黒甚爾は思わず怪訝な声を上げた。
気がついた時、甚爾は見知らぬ部屋に立っていた。
甚爾は先程、死んだ。覚醒した五条悟の虚式『茈』を受け、命を落とした筈だ。
だが、今こうして甚爾は呼吸を行い思考している。まるで
(──『降霊術』か? 何処ぞのクソが降ろしやがったか……何にせよ、面倒なことには変わりねえな)
ものの数秒で、甚爾は自身が置かれた状況の考察を組み立てた。
かつて"術師殺し"として名を轟かせた殺し屋──それが伏黒甚爾という男だ。卓越した肉体に特異な体質、しかし彼をそう足らしめたのはそれだけではない。
豊富な知識と柔軟な思考、膨大な経験値──それこそが、甚爾が強者として君臨出来た理由だ。
『降霊術』は幾つか種類がある。イタコ式のものであれば、限定的ではあるが死者の受肉を可能とする。甚爾が甦らされたとすれば、おそらくイタコ式を扱う術者だろう。
だが、それにしては解せない点が幾つかあった。
周囲を改めて見渡す。
家具ひとつ置かれていない簡素な部屋。そんな部屋の中央に鎮座したバランスボールのような謎の黒い球体。
右手の窓からは東京タワーが見え、ここが都内の高層マンションの一室であることがわかる。
そして、あとは──その周りにいる数人の男たち。
彼らこそが、降霊術による蘇生という考察の否定材料となる。
(ここにいる奴らは全員が全員一般人。奥の二人はヤクザだろうが、場慣れしてるだけで
甚爾が降霊術による蘇生に対して、疑問を抱いているのはそれが理由だ。
降霊術は、一人で何人もの魂を降ろせるわけではない。精々が三人程度だ。この場には甚爾を含めて七人と1匹。明らかに人数オーバーだ。複数人術者がいれば可能かもしれないが、イタコ式自体がそれなりにレアな代物。縛りを利用したとしてもそれなりの代償は必要。それに、甚爾以外は全員が一般人。肉体だけでなく精神の情報まで降ろしているのはメリットがない。
つまるところ──あまりにも目的が不透明過ぎる。偶々蘇らせたという方がまだ納得が出来る。
(……考えても仕方がねえか。情報が少なすぎる。降霊術にしろそうでないにしろ、後からわかるだろ)
考えても予想の範疇でしかない。
拾える情報から推論し、結論を組み立てていく方向へとシフトしていく。
「あのー、もしかして貴方も死んだ時の記憶が?」
眼鏡を掛けた、冴えない雰囲気の男が甚爾に話しかけてきた。
声は微かながら震えており、甚爾に対して恐怖を感じているのが分かる。
甚爾の顔立ちは整ってはいるが、悪人面だ。怖がられてしまうのも仕方はないと言える。
それに、傷は塞がっていても付着していた血は消えていない。それも恐怖を助長しているのだろう。
「そんなに怖がんなよ。別に取って食いはしねえよ。よっぽど俺の癪に障らなきゃな」
「は、はは……それは、どうも」
すっかり萎縮し切っている。面倒だな。そう思いつつも甚爾は好意的に接することに決めた。目的は情報収集。大した情報は得られないにしても、少なくとも甚爾が呼び出された時のことは知っている筈だ。
「で、死んだ時の記憶、だったか? あるぜ。ハッキリと。
「ば、バケモノ……?」
「そう、バケモノ」
呪術の核心を掴み、覚醒し、最強へと至った男。
新たに手に入れた力を即座に掌握し、支配したあの男は正真正銘のバケモノ以外の何者でもない。
「ま、死因なんてのはどうでもいいだろ。聞きたいのは、俺が──俺たちがどうやってこの部屋にやって来たのか。予想ではそこの黒い球体なんだろうが、どうだ?」
「え、ええその通り。あの球体からレーザーが照射されて、貴方や僕たちを転送して来たんだ」
「へぇ。なぁそこのオールバックのガキ、今のは本当か?」
「え、ぁあ、はい。アンタがそうやって来たのを、見ました。なぁ、計ちゃん?」
「え、ええ俺!? う、うん。確かに……」
疑ってはいなかったが、本当のようだ。
だが、だからこそ──余計に解せない。
この球からは
そして、それは──この部屋にいる人間も同じだ。全員──
人間は──生物は、多かれ少なかれ呪力というものを内包している。それは、天与呪縛によって呪力が排斥されている伏黒甚爾という例外を除いて、必ずと言ってもいい。
──君だけなんだよ、禪院甚爾くん
──君だけが、呪いという人である限りは決して外せない鎖から、解放されている
ふと、頭に数年前に出会った、胡散臭い特級術師の女の言葉が頭をよぎった。
九十九由基。
気に食わない女だった。
呪霊の生まれない世界を作る。
人から呪力を排斥することで、その夢物語を本気で実現しようとしていた胡散臭い女。
甚爾は彼女の研究対象になる道を断った。
唯一の存在である甚爾は死んだため、彼女の目的を達成させるための狭き道は、より狭まったことだろう。
(……どうでもいいがな。とりあえず、今は現状把握だ)
呪力を動力源とせず、死者の蘇生を可能とする謎の物体。
天与呪縛ではなく、本当に最初から呪力を持たない人間。
そこから導き出される結論。
突拍子もない絵空事。
笑えるな、と甚爾は口元を歪めて、情報収集に勤しむことにした。
◆◇◆
大体の情報を集め終えた甚爾は、一人廊下に立っていた。
集まった情報は大体は予想していた通りだった。
この部屋からは出られない。空間そのものに干渉しているのか、鍵やドアノブには触れることすら叶わなかった。そしてやはり結界などは用いられていない。
ケータイなども使用出来ず、外との連絡は取れないようだった。
このことから、どうやら甚爾たちを蘇生した存在は、相当なオーバーテクノロジーを扱うことが分かった。
甚爾は術式による蘇生や空間への干渉といった仮説は切り捨てていた。あり得ない──と断ずるのは簡単だが、こうも呪いの関わらない超常現象を目にすれば、否応にも理解させられる。
御三家の呪術師どもみたく、甚爾は頭の硬い存在ではない。だからこそ、こうしてすんなりと事実を受け入れることが出来る。
そして、甚爾が立てたある仮説。
これはほぼ間違いなく正しいと言っても過言ではない。
(──
呪力を扱わないのではなく──
呪力を内容しているのではなく──
虚式『茈』
引き込む『蒼』と弾き出す『赫』──その相反する力を混ぜ、発生した仮想の質量を押し出す、無下限呪術の最奥。
きっかけがあるとすれば、あの瞬間しかない。
莫大な力を生じさせていた『茈』であれば、何らかの形で空間に作用し、別の世界に繋げてしまった、という可能性もあり得る。削り取られた甚爾の肉片はそのままこの世界に放り込まれ、それを媒体にこの球体が再生させたのかもしれない。
何故死んだ時の記憶があるかは不明だが、そこは肉体が離れていても、まだ魂の繋がりがあったとかそういう感じなのだろう。
(腑に落ちねえ点はあるが、今はこれで納得しておくか)
そういう事態に巻き込まれてしまった、とさえ分かっていれば今はそれでいい。
しかし、自分の運の悪さにはつくづく嫌になる。
死後もこうして無理矢理蘇生されて、何かに利用される。時雨が今の状況を知れば、流石にドン引きするだろう。
「はぁ……面倒くせ」
ガシガシと頭を掻いて、ため息を吐く。
とりあえず、リビングに戻ろう。これから何かあるとすれば、あの球だろう。
リビングへと続くドアを開ける。すると、目の前に二人組のヤクザのうちの一人と彼に引っ張られる裸の女がいた。
こんな女いたか? と思ったが、新しく転送されていたのか、と気づく。
しかし、ツラと身体はいい女だ。生前、女遊びを繰り返していた甚爾だが、その中でもトップクラス。
もしあっちの世界で出会っていれば、たぶん口説いていた。無論、身体だけの関係だが。
「おい。邪魔だ、どけ」
そんな思考に耽っていると、男が甚爾を睨みつけて威嚇してきた。
どうやら、これからその女を使って楽しむ魂胆らしい。
周りは唾を飲み込んで、甚爾たちの様子を伺っている。山田は首を振って「よせ」とジェスチャーで伝えて来た。
しかし、この場にある誰もが伏黒甚爾という男を知らなかった。
その肉体から相当な手練れであることは素人目で見ても分かるが、ヤクザには拳銃という必殺の武器がある。所持しているかは分からないが、それでも危険であることには変わらないから。
そして甚爾の顔から笑みが消える。
代わりに彩るのは──怒り。
「──誰に命令してんだ、オマエ」
刹那、ヤクザの男は吹き飛んだ。窓に凄まじい勢いで叩きつけられ、それから立ち上がることなく地面に突っ伏す。
「ッ、テメェ!」
相方がやられたことを認識し、相方のヤクザが拳銃を取り出す。先程まで静まり返っていた部屋が悲鳴に包まれた。
銃。
人殺しの道具。
実際に見たことある人間はいないだろうが、それでもその脅威は理解出来ている。たった一発で人体を破壊出来る、人類が生み出した最強の対人兵器なのだから。
引き金に手を掛ける。
1秒もかからずに弾は甚爾目掛けて飛んでくる。
だが。
「単純だな」
それよりも早く──甚爾の拳が顎を砕く。
ヒュン──と空気を切り裂く音が一瞬。バギリ、と硬いものが砕ける音が響いた後、ヤクザはばたりと倒れた。
「ハッ、勝てる相手かどうかくらい分かれよ」
ほんの一瞬。5秒と掛からず戦いは──いや、戦いと言ってもいいのか分からないそれは終わりを迎えた。
「す、すげぇ……」
背の低い方の高校生が思わず声を落とす。
拳銃を持ったヤクザなどものともしない、その強さ。そこにちょっぴりとはいえ憧れを抱いてしまうのは、男として仕方のないことなのかも知れない。
「ほら、とりあえずこれで隠して」
「っ、あ、ありがとう」
その間にオールバックの高校生が全裸の女に学ランを渡していた。この状況ですかさずそんな行動に移ることが出来るのは、彼の善性──美徳なのだろう。甚爾もやるが、それは計算し尽くされたもの。自然に行うわけではない。
「この銃、貰っとくぜ。売ればそれなりの資金は手に入りそうだからな」
気絶しているヤクザから銃を奪い取る。
牽制にも使えるし、何より売れば金になる。そして売った金をギャンブルで増やす──完璧な計画だ。
ほくそ笑む甚爾の頭の中には、生前に時雨なら忠告されたことなどすっかり頭から抜けている。ダメ男はそう簡単には変わらない。変わらないからこそ、ダメ男なのだから。
「えと、その……ありがとうございます」
「あ? 気にすんなよ。俺も枠で言えばそいつらと同じ類の人間だからな」
学ランを羽織った女からの感謝を甚爾は受け取りはしなかった。
ヤクザの言葉が気に障ったから潰しただけ。そこには何の他意もない。
女を取っ替え引っ替えして遊んでいた甚爾は、誠実な人間とは程遠い存在だ。
「あ、でもどうしてもって言うなら一晩抱かせてくれてもいいぜ?」
「えッ、ええッ、ええ〜!?」
「ちょ、何言ってるんですか!」
最低だった。
顔を赤くして驚く女と、庇うようにして女と甚爾の間に挟まるオールバックの高校生。
ああ、俺が苦手なタイプだな、と彼に対して顔を顰めた時だった。
『あーたーらしい あーさがきた』
突如、黒い球体から歌が発せられた。
誰もが一度は聞いたことがあるだろう、ラジオ体操の歌。
突然流れ出した歌に殆どがびくりと肩を揺らして、黒い球体へと視線を向ける。
すると、視線に呼応する様に、球体に文章が浮かび上がる。内容を確認しようと気絶しているヤクザ以外が集まる。
「なんだ、こりゃ」
『てめえ達の命は、
無くなりました
新しい命を
どう使おうと
私の勝手です。
という理屈なわけだす。』
(文章としちゃあ壊滅的だが……言いたいことは何となくわかる)
ここにいる奴らの殆どがこれをテレビ番組の企画か何かだと思い込んでいる──いや、そう思い込むことで、冷静さを保とうとしている。
だが、もしもこの球が強いる『何か』が命を賭けるものだったら──きっと、生き残れはしないだろう。
そして、甚爾も救うつもりはない。内容次第では手助けするが、基本的には一人でやる。足を引っ張られても困る。
陰気な中学生が、面白そうに笑いながら口を開く。
甚爾は目を細めて彼を見つめる。
「でもさー、この文章超バカバカしーけどさ。真面目に受け取るとすんげー怖い文章じゃない?」
(──このクソガキ)
確信する。
先ほどから感じていた、こちらを観察する粘ついた視線。
何か知っているとは思っていたが、間違いない。コイツはこれから起こることを知る"経験者"だ。
巧く隠しているようだが、甚爾からして見れば杜撰だ。表情、仕草、目線、声──ありとあらゆる要素から、甚爾は他人の嘘や本音を読み取れる。天与呪縛により強化されたのは肉体だけではなく、五感でさえも。甚爾の前では 隠し事は不可能と言ってもいい。
黒に限りなく近いグレー。
陰気な少年に対してそう結論づける。
球体を運営する側ではおそらくない。それにしては鍛えてなさすぎるし、スキルも拙い。そういう演技をしていても、何処かでクセが生まれるものだ。
(ま、何もしなくても向こうからそのうち近づいてくる。俺に向けているのは好奇の眼。好意的には見てねぇが、利用価値があると理解している。まぁ、その時は全て洗いざらい吐いてもらうがな)
陰気な少年から意識を外し、黒い球体へと戻す。
表示されていた画面が変わり、新たな文章、そして追加で写真が映し出された。
『 てめえ達は今から
この方をヤッつけに行って下ちい
【ネギ星人】
特徴
つよい
くさい
好きなもの
ネギ.友情
口癖
ねぎだけでじゅうぶんですよ!!』
画面に表示されているネギ星人の画像を視界に収める。不気味なほどに白い肌に黄緑色の髪──確かに、一目見てネギ星人だと分かる。
俺たちはこいつを狩るために、この部屋に呼び出された。おそらく、生者を甦らせれば問題が生じるから、死者を使ったのだろう。死者だから、死んでも構わない。この星人に殺されようと問題ない。
ふざけた話だ。倫理観という面では、呪術界ともタメを張れるんじゃないだろうか。きっと、御三家の汚点が現代にいれば気が合ったことだろう。
(しかし、このクソみたいな情報量……本気で殺させる気があるのか? マトモに使えるものがない)
見世物──そんな考えが頭を過る。
だが、これ程までに高度なテクノロジーを使っておきながら、用途がそんな薄汚れた娯楽だけとは考えにくい。
故に、見世物ではあるが、それはあくまで付随してきたものに過ぎず、目的はあくまで星人狩り──最もしっくりくる推察だ。他にも星人が生物兵器の可能性などもある。
どちらにせよ、死者の蘇生に制限がないのなら、こんなバカみたいなことをしているのにも十分に頷ける。
呪術師、呪霊──次は宇宙人と来た。
本物かは知らないが、つくづくふざけた人生だな、と甚爾は苦笑する。
暫くすると、黒い球体に変化が生じた。ギギ、という音と共に球体が開いたのだ。開いた部分には形の大きな銃に、アタッシュケースが収納されていた。
ケースには何か書かれており、それが個人のものを指すことに気づいた。
「"駄目ゴリラ"……ナメてんのか」
額に青筋が浮かぶ。どうやら相当こちらのことを馬鹿にしているらしい。
球の中には銃やケース以外にも収納されているものがあった。
全裸の男。
頭部に多くのチューブが伸びており、間違いなくこの球に干渉していることが分かる。
操作しているのか? あるいは電池代わりなのか。どちらにせよ、ロクな代物ではない。
他の人間は無用心にも触れていたが、特に反応はない。下手に触ってペナルティでも発生したら困るため、無視することにした。
「うお、ンだこのスーツ……ダッセェ」
金髪の男がケースの中身を取り出し、広げていた。それはスーツだった。それも、全身にピッタリくっつく系統のもの。
確かにこれはダサい。
だが、何か意味はあるのだろう。事実、あの中坊が服の下に着込んでいるのが見えた。
ミッションの必須アイテム──そう考えてもいいかもしれない。
甚爾自身、異星人との戦いでも勝てる自信はある。
ただ同時に不安もあった。
戦う環境が地球ではなく、相手の星だった場合。地球と環境が違うその場所では適応出来ず、死に至るかもしれない。如何に天与の肉体と言えど、死ぬ時は死ぬ。無敵というわけではないのだ。
そっと廊下に出て、服を脱いでスーツを着る。
不思議なことに、サイズはピッタリだった。窮屈という感じはしない。むしろ動きやすいといってもいい。
流石にこのままでは躊躇われるため、ズボンだけは履いておく。一応これも耐久性には優れている。それこそ、甚爾の高速戦闘には付いて来れるくらいには。
(とりあえず、スーツの機能でも確認しておくか。ご丁寧に説明があるわけじゃねぇだろ。死ぬやつは死ね。そういうスタンスだろうしな)
情報の大切さは誰よりも知っている自負がある。
甚爾は"術師殺し"として多くの敵と死闘を繰り広げてきた。今でこそ、特級以外であれば優位に立てる実力ではあるが、初めからそうではなかった。
卓越した身体能力だけでは勝てない者もいる。そのために必要だったのは、技術と知識、経験──そして、情報だった。
相手の性別、年齢、身長に体重から行動パターンまでも。術式などは大前提だ。
それらを全て頭に叩き込み、自分の持ち得る手札と必ず勝てる環境を作り上げ、自分よりも格上の相手を殺してきた。
今回は何もかもが未知の状況。
ハッキリ言ってクソだ。
戦場に飛び込み、敵と相対してから全てに対応しなければならない。だからこそ、今知れるだけのことは知る必要がある。
そうして、スーツについて調べようとしたその時だった。
──ジ、ジジ
「! これは」
甚爾の前腕部分が消失していた。
いや、これは消失ではなく──
感覚は残っている。明らかに外の空気だ。冷たい空気が肌を撫でる。
異世界であろうこの世界。甚爾がいた世界とは、時間軸がズレている可能性があることは予想していたが、どうやら間違いないようだ。転送先が地球であるという確証もないが。
「チッ……! サービス精神くらい少しは見せろっての」
クソッタレな待遇に悪態を吐きながらも、甚爾は意識を切り替え集中する。
天与の暴君──伏黒甚爾。
かつて"術師殺し"として多くの呪術師、呪詛師から恐れられた男は、星人狩りの夜へと駆り出される。
【呪術用語】
《呪い》
人間から流れ出た負の感情、それから生み出されるものの総称。
《呪力》
人間の負の感情から生まれるエネルギーのようなもの。後述する『呪霊』は、肉体を持たずこの呪力で構成されている。
人間は多かれ少なかれこの呪力というものを内包しているが、基本的にこれらを見たり触れたりすることは出来ない。しかし、才能ある人間はこの呪力を扱うことができ、また呪いを視認でき、触れることも可能。
肉体の強化や呪術の使用が可能。
《呪術師・呪詛師》
呪術を扱い、呪霊や呪詛師と戦う人間。基本的に才能が無ければならないため、社会的にはマイノリティ。呪詛師はこの呪術を悪用し犯罪を犯す存在。本作主人公である伏黒甚爾も例外ではあるものの、呪詛師側である。
その実力に応じたランクのようなものもあるが、ここでは割愛。買って確認しよう!
《呪霊》
人間の負の感情が集まり、形を成したモノ。簡単に言えば幽霊とか妖怪とか。
人間を襲う危険な存在で、怪死事件や行方不明のほとんどはこれらや呪詛師によるもの。
呪力を伴った攻撃でなければどんなに弱くても死なないため、術師以外では太刀打ちが不可能。
《術式》
簡単に言うと、異能力。生まれながらに肉体に刻まれており、呪力を流して発動する。原作では呪力を『電気』術式を『家電』に例えていた。
呪術師になるには才能がいるが、さらに呪術師としてやっていくのにも才能が必要であり、その所以となるのがこの術式である。
《縛り》
呪術の戦闘の幅を広げたり、契約や交渉にも使える制約のようなモノ。
たとえば、自分の力を一定時間縛り続けることで、その時間外で実力以上の力を発揮を可能としたりする。
他者と縛りを結ぶ際は、自分自身に課す場合とはわけが違い、それなりのペナルティが発生する。
また、この縛りにも特異例があり、それは後述する。
《天与呪縛》
自分の意思で課す縛りとは異なり『先天的に肉体に課された縛り』のことを天与呪縛と呼ぶ。
天与呪縛の代償は非常に大きい反面、強大な力を得られる。
原作における天与呪縛は今のところ以下の二種類しか出ていない。
・己の持つ呪力を制限し、身体能力を底上げされる『天与呪縛のフィジカルギフテッド』
・身体能力の大部分を犠牲に、実力以上の呪力と広大な呪力の操作範囲を獲得した呪縛。
前者の天与呪縛のフィジカルギフテッドは、原作において二名存在しており、一人は『一般人レベルにまで』呪力を落とし、身体能力を底上げされている。その代わり、呪い見えないし祓えない。
もう一人は本作主人公である伏黒甚爾。彼は
呪力を完全に捨て去っているのにも拘らず、五感で呪霊を認識。呪縛があまりにも強すぎるため、恩恵である強化が半端ではなく、逆に呪いの耐性を獲得した。とはいえ、呪力を持たないことには変わりないため、呪具などを用いなければ呪いを祓うことは不可能である。
《呪具》
呪力の籠もった武器。呪具によっては術式が刻まれているものもある。
伏黒甚爾は生前は多くの呪具を持っており、呪具の扱いは超一流だった。
《呪物》
呪いが籠められたモノ。基本的には呪具とは一緒だが、こちらは死後に人間が呪いと化し、物質化したりしたもの。
はい。長々と説明しました。
多分、これだけじゃ分からないと言う方もいるかも知れませんが、本編でこれらが扱われることはないので安心してください。
次回の更新はなるべく早くします。
来月はテストのため、もしかしたら更新出来ないかも知れませんが、二月中には必ず更新しますのでよろしくお願いします。
あ、あと『第二回呪術杯』なる企画を1月末より行いますので、よければ参加してください。レギュレーションは以下に載っておりますので。
https://twitter.com/utatane_h/status/1333669707350638594?s=21
ではでは!
現在進捗:6000文字
GANTZ:F 完結後に書いてほしいもの
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GANTZ:Gにパパ黒√
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かっぺ星人後からパパ黒介入√
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チャットルーム回
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その他(個人でメッセージでどうぞ)