いや本当にね!?
色々と言いたいことはありますが、マジでごめんなさい!!!!!!!!!
生存報告を兼ねて、オニ星人編プロローグを2話ほど投稿させてもらいます!!!!
今日と明日です!!!!!
ちなみにオニ星人編も今月か来月頭には投稿出来るように頑張りますので、信用できないと思いますけど待っててね!!!!
ちなみに今回は、チャットルーム回あります
やってみたかったんや。
GANTZ観察日記やGANTZ:Sを参考にして書かせていただきました。
ぜひこの二作品もハーメルンに投稿されているので目を通していただければ、と思います!
オリキャラもいますが、チャットルーム回以外で出番はありません。
いくつか、見覚えのあるキャラがいると思いますので、答え合わせ待ってます。
実はこの話、2〜3年前には既に完成していたんですよね
0024 Inflation Forecast
東京競馬場。
本日はG1が開催されており、大量の観客がこの会場にやって来ている。
内も外も満員と言っていいほどの盛り上がりを見せている中、甚爾はVIPルームにてソファに体を預けながら携帯電話を操作していた(既に馬券は購入済み)。
〈マッドJK〉(福岡)
3番と転送を利用して、2番の武器を大量生産する方法を思いついたんだけど、聞きたい?
甚爾が見ているのは、
頑丈なセキュリティを破った者しか参加することの出来ない裏サイト。ハッキングに明るくない甚爾と東郷の代わりに西がセキュリティを突破し、ようやく介入することが出来たのだった。
一度セキュリティを突破すれば、ケータイでも同様の方法で使用が可能となる。一々自宅に戻って調べる必要がないというのは楽でいい。
サイト内では日夜全国のガンツメンバーたちが議論を交わし、情報交換を行なっている。
戦った星人の情報、武器の性能、ガンツのルールなどの基礎的な情報に加え、
甚爾としては、最低限として"2番"の詳細を知ることが出来れば充分だったのだが、それ以上の収穫はあったといえよう。
更に言えば、副次的なものではあるが、いい暇つぶしにもなる。ミッションを何度もクリアしてる人間の中には発想がぶっ飛んでいる人間もおり、実に面白い。
今も、こうして面白そうな話題がひとつ落ちてきた。
〈マッドJK〉
ガンツちゃんの3番による再生とミッション終了後における転送。これって別物だと思われがちだけど、結構似た性質を持ってるんだよねー。何だか分かる?
今、画面に次々と羅列されているのも、その飛んだ発想のひとつだ。
3番の再生と部屋への転送。
この二つは、確かにこの画面の向こう側にいる部屋の住人の言うように、似ている。
甚爾は実際にそれらの類似した点をこの目で見ているからこそ、想像しやすかった。
3番によって再生された人間は、死ぬ直前の状態で再生されるため、自分が死んだことを自覚していない。転送の場合にはそういうことは起きないが、例外として欠損や大量出血などの重体を負った場合は、怪我を負う直前の状態で転送される。そのため、怪我を負った時の記憶を所持していない。
3番による再生がデータバンクからの再生である以上、欠損などの怪我を負った場合の転送も同じなのだろう。
〈マッドJK〉(福岡)
そう。巻き戻して再生するんだよ
もう勘の良い人なら気づいたでしょ?
〈駄目ゴリラ〉(東京)
巻き戻されて転送された時に、肉体だけじゃなくて、
〈マッドJK〉(福岡)
正っ解っ!!
千手の時の加藤がそうだった。
加藤は岸本に庇われ、その後に胸を貫かれて死の淵を彷徨っていたという。無事に生還した彼だが、岸本に庇われたその後の記憶は残っていなかった。
その時、加藤はXガンを持って部屋に呼ばれていた。
マッドJKの言う強化武器の複製は、これを利用したものに違いない。
(……ま、積極的にやるつもりはねぇけどな)
この方法を使えば、ほぼ間違いなく強化武器──使えるのはZガンだけだろうが、複製は可能だ。戦力の増強を狙えるのは間違いないが、それ相応のリスクはある。
Zガンは強力だが、サイズが大きいため使い回しが面倒なのだ。もしも敵に懐に詰められた際の対応が非常に困難といえる。
そのため、全員が持つのではなく、チームで動くとすればZガン持ちを中衛に起き、前衛と後衛でカバーしていくと言う形が望ましい。全員に強力な武器を持たせることが最適解に繋がるとは言い難い。
そもそも、
最も、これらは"3番"を利用した複製によるデメリットというよりは、Zガンの大量所持によって生まれるものだ。
(使える条件が限定的過ぎる、というのがな)
『対象の武器を持った人間』を"3番"を使って蘇生させる。
あくまで他人を再生させる際に生じる副次的な効果だ。狙ってそれを行うということはしないだろう。
(それをクリア出来るのがこのイカれ女だからな)
〈インテリ眼鏡〉(京都)
とはいえ、それを意図的に使えるのは君くらいのものだろう、JKさん
〈駄目ゴリラ〉(東京)
だな。
〈マッドJK〉(福岡)
まぁね〜。でも、自分を増やすって目的以外でもいい指標にはなるんじゃない?
〈レイカ愛してる〉(神奈川)
指標?
〈卍修羅の国卍〉(福岡)
相変わらずおまえの言っとることはよくわからん
〈GANちゅ〉(沖縄)
兄貴じゃん。珍しい〜
〈マッドJK〉(福岡)
そらキミが単細胞なだけでしょ
〈卍修羅の国卍〉(福岡)
あ?
〈マッドJK〉(福岡)
ん? 言い返してみ?
〈米奉行〉(秋田)
コイツら相変わらず仲悪いな……
〈駄目ゴリラ〉(東京)
>> でも、自分を増やすって目的以外でもいい指標にはなるんじゃない?
"3番"で再生するときの優先順位になるってことだろ
Zガンを持ってた奴と持ってない奴を再生させるなら、持ってる奴を再生させた方がお得。人数+αでZガンも追加で貰えるんだからな
〈マッドJK〉(福岡)
さっすが期待のルーキーだねぇ
〈駄目ゴリラ〉(東京)
俺はいつまでルーキー扱いなんだよ
〈マッドJK〉(福岡)
次の『ネームド新人』が来るまで
〈七三分け〉(大阪)
ここに辿り着く奴自体少ないからしゃーなしやな
〈インテリ眼鏡〉(京都)
なるほど、確かに感情論抜きにして合理的な判断を取れるというのはいいですね
〈シモヘイヘ〉(北海道)
ま、でも相当に統率取れたチームじゃねぇと厳しそうだわ
"3番"で再生するっていっても、結局使うのは100点取った奴だからな
〈卍修羅の国卍〉(福岡)
統率で取れたチームかぁ
あ、そろそろやんねぇか? 最強部屋決定戦!
〈米奉行〉(秋田)
ふっ、ついに来たか……!
〈GANちゅ〉(沖縄)
そいやマジで久々にやるな
最後にやったのいつだ?
〈マッドJK〉(福岡)
前回優勝者がチーム枠だと大阪部屋だっけ?
千葉部屋いたと思うから、半年以上前じゃない?
〈レイカ愛してる〉(神奈川)
千葉部屋壊滅してからもうそんな経つのか
〈卍修羅の国卍〉(福岡)
いい人だったよな、千葉の姉ちゃん
〈駄目ゴリラ〉(東京)
データでしか見てねえが、新人生存率60%超えてたんだろ?
〈マッドJK〉(福岡)
そうそう。再生や解放点数使ってたっぽいから、強化武器は持ってなかったけど統率力は高くってね
『養殖』とか『スキップ』とか、その辺りの効率的な100点稼ぎやミッションの生存率を上げたりだとか、生存率を重点においた戦略面で多くの情報を落としてくれたよ
〈GANちゅ〉(沖縄)
昨日まで喋ってたやつが突然現れなくなったりとかよくあるから慣れてたつもりだったけど、千葉が壊滅したって聞いた時は寂しかったな
〈マッドJK 〉(福岡)
千葉姉さんは聞く限り実力はそれなりに上澄みだったんだろうけどさ。強化武器なしでチーム守りながら統率するのって、かなり負担がかかるよね
その辺、千葉姉さんは七三分けに相談してなかったっけ?
〈七三分け〉(大阪)
そもそもビギナーは生存率低いんや
放っとくのが最適解やと伝えたで
〈シモヘイヘ〉(北海道)
み、身も蓋もねぇ……
〈七三分け〉(大阪)
それを分かった上で、ビギナー守ろうとしたのがあの姉ちゃんや
俺にはやれんことやってたから今でも尊敬しとる
〈GANちゅ〉(沖縄)
改めて見ると、初心者救いつつ、自分の点数を譲ったり、仲間の再生に使ったりとかすげーことしてたよなあの人
〈シモヘイヘ〉(北海道)
俺も最低限リーダーとしてビギナーに声は掛けるが、深入りはしなくなったな
そういうのはおっちゃんがやってくれてる
結果はそう芳しくないけど
〈米奉行〉(秋田)
そもそも俺はずっとソロだし、ビギナーとかいう概念がねぇ
〈七三分け〉(大阪)
田舎はしゃーないやろ
新人云々どころか、ミッションもあんまこんへんらしいやん
〈駄目ゴリラ〉(東京)
俺の部屋は割と初心者生き残ってるが
〈GANちゅ〉(沖縄)
オマエが強過ぎる定期
〈マッドJK〉(福岡)
いや、駄目ゴリだけじゃないでしょ、東京部屋は
ゴリラ本人が頭一つ抜けた実力なのに、ゴリラ抜きでもチームとして成り立ってるからね
〈レイカ愛してる〉(神奈川)
千葉が亡き今、チームとしてなら日本でも3本指入るだろ
〈七三分け〉(大阪)
俺らも負けへんで
〈米奉行〉(秋田)
>>"七三分け"
大阪はチームってか、イカれた猛者の集まりっていうか……
〈レイカ愛してる〉(神奈川)
>>"七三分け"
蛮族の巣窟だろオマエんところ
〈GANちゅ〉(沖縄)
>>"七三分け"
俺、このサイトの黎明期からいるけど、オマエらんとこより酷いチーム見たことないよ
〈シモヘイヘ〉(北海道)
>>"七三分け"
仲間がボスに勝てるかどうかでタバコ吸いながら賭けるのがチームなのか?
〈七三分け〉(大阪)
>>"シモヘイヘ"
タバコやない、元気になるお薬や
〈シモヘイヘ〉(北海道)
終わってる
〈マッドJK〉(福岡)
頭のネジ吹っ飛んでんじゃないの?
〈駄目ゴリラ〉(東京)
まぁ、最終的に星人殺してミッションクリア出来りゃ極論何でもいいからな
〈卍修羅の国卍〉(福岡)
最強決定戦はどうした?
「目ぼしい情報はあったか?」
「ぼちぼちだな」
声を掛けられた甚爾は、一度ケータイを操作することをやめ、視線を移す。そこにいたのは、西丈一郎だった。
「黒服の行方はさっぱりだったな」
チャットルームには、話す内容に応じてテキストチャンネルが作られており、先程まで利用していた意見交換ではなく、簡潔に情報を知りたい場合は『情報掲示板』にアクセスすればいい。
以前、甚爾がここで募集したものに、新たな情報が落ちていないか見てみたがやはり存在しなかった。
甚爾が探していたのは、黒服の行方だった。
最後に甚爾と和泉が奴らの根城を襲撃して以降、こちらに干渉する素振りは一切ない。
県外に逃げたということは想像がついたため、念を押して情報を集めていたのだが、芳しくはない。
ただ、そこに関してあまり期待はしていなかった。
そもそも、甚爾が訪れるまで、ミッション外で襲ってくる星人という情報はこのサイトの住人は知らなかった。
意外といえば意外だが、この疑問はすぐに解消した。
まず、星人がミッション外で襲ってくる可能性は極めて珍しい状況。掲示板のメンバーがその実態すら知らなかったのがそれを裏付けている。そもそも、ガンツ側からしてもゲームという体裁を取っている以上は、盤外での騒ぎは避けておきたいはず。
もうひとつ、これは単純な話だ。そもそも、掲示板に情報が回ってくるのは、
実際、あの部屋の住人がミッション外──
何せ、
そんな危険性を孕んだ状態で十全なポテンシャルは発揮出来ない。精神性が振り切れている和泉や殺しが蔓延る世界で生きて来た甚爾は例外だが。
だからこそ、奴らを甚爾は潰したのだ。玄野──は分からないが、加藤たちでは対処が不可能。今後のことを考え、こちらの戦力を削られるのを防ぐための行動だった。
ただ、一時はあの黒服たちから手を出してくることはないだろう、と甚爾は思っている。
奴らからしてみれば、甚爾と和泉によって与えられた損害は甚大の筈だ。あれ程の数の手下を殺されて問題がないのなら、そもそも撤退する理由がない。
氷川程度がボスである以上は甚爾の敵ではないし、向こうもこちらとの実力差を理解しているため、再襲撃の線はかなり薄いと考えるのが妥当だろう。
──ただ、
星人とてコミュニティを築く。これまで戦って来た星人も独自のものを築いていた。
であるならば、他のコミュニティと手を結ぶという選択肢も出てくることはあり得る。吸血鬼たちは元々は人間だというのだから、そういった手段を選ぶ可能性は他の星人よりも高いだろう。
考えられるとすれば、千葉部屋を壊滅させたであろう星人。
掲示板でかっぺ星人と近しい時期から千葉部屋が顔を出さなくなったという裏取りは取れている。
そして、吸血鬼たちはあの時甚爾達を抹殺すべく千葉に現れた。
無論、千葉部屋を壊滅させたのが彼らであるというパターンもある。これはあくまで推察に過ぎない。
ぶつかるとすれば次回辺りのミッションだろうか。
もしも推察の通りにいくとしたら面倒なミッションになりそうだ。
カタストロフィは近づいている。
掲示板で確認したが、昔に比べて段々と強い星人が増えて来ていることは間違いない。
破局の日まであと半年ほどしか残されていない。ミッションは多くても3〜4回程度だと考えているが、そのどれもが非常に高い難易度のものになるであろうことは、
「あのバカども、余程アンタを怖がッてるらしいな」
「用心深いのは感心するがな。敵に回すと面倒くせぇが」
「それで? 他になんか面白い情報はなかッたのかよ」
黒服星人の話題には対して興味がなかったのか、西はすぐに話題を切り替えた。
「まぁな。オマエ、この前海外でミッションの難易度が上がってるって言ってただろ。その流れがいよいよ日本にも来たらしい」
見てみろよ、とケータイを西に投げ渡す。
その内容を見た西は、一瞬目を見開き、しかしすぐに口元を歪めた。
〈マッドJK〉(福岡)
そういえば、最近ミッションの難易度上がってなーい?
ここ3戦、平均点数70点とかなんだけど
〈GANちゅ〉(沖縄)
やっぱそうだよな?
50点以上とか年に1〜2回程度の頻度だったと思うんだが
〈米奉行〉(秋田)
ほーん、俺はそんな感じねーけどな?
〈シモヘイヘ〉(北海道)
田舎の方はミッションの数自体が少ないからそう感じないのかもな
〈卍修羅の国卍〉(福岡)
100点相手はもう勘弁だぜ、マジで
〈マッドJK〉(福岡)
あると思う? 100点ミッション
〈GANちゅ〉(沖縄)
おいおい勘弁してくれよ、マジで
フラグ立てるのだけはやめろぉ!
〈マッドJK〉(福岡)
いやいや、全然あり得る話でしょー
私だって、カタスの前に残機減らされるのは勘弁なんだから
〈インテリ眼鏡〉(京都)
100点星人って……もしかして、1体で100点ってことですか?
〈シモヘイヘ〉(北海道)
あー、インテリニキは最近来たばっかだからまだ『攻略板』見てないのか
いいか? 100点星人ってのは──
「なるほどねぇ」
西がケータイを投げ返す。
それをキャッチした甚爾は、再びチャットルームのログに目を通す。
「海外の方では100点報告はあったのか?」
「あッたよ、おッさんの読み通り。大国に絞ッたけど、明らかに増えてる」
西からメールでデータが送られてくる。
そこに書かれていたのは、アメリカを始めとした国々のここ半年のボスの平均点数や死亡者の平均、100点星人の報告数。
【100点星人報告数】
アメリカ:3 討伐数…1
ロシア:3 討伐数…0
中国:4 討伐数…1
イタリア:2 討伐数…0
:
:
:
:
「ハッ、ここまで露骨に増えてるとなるとおもしれぇもんだな」
100点星人自体、ミッションで現れるのは相当にレアだ。
数年に一度
人口によってその頻度は異なるものの、ほとんどが誤差なレベルだ。
しかし、この資料を見る限り、たった半年で
報告されていない──即ち、全滅してしまったケースを含めれば、出現率は大きく上がるだろう。
チャットルームで『マッドJK』が懸念していた100点星人の出現は、まず間違いなく起こると思っていい。
100点星人──それは、ミッションにおいて特殊な星人だ。
判別方法は二通り存在し、
・GANTZから星人呼称がつけられていない星人
・星人呼称はあるが、飛ばされた先で討伐対象が一匹のみのミッション
通常のミッションとは異なる仕様をしているのが特徴的だ。
日本で発見された例は、5体のみ。
福岡、北海道、大阪、
他にも出現した可能性もあるのだろうが、100点星人の強さは通常の星人とは隔絶している。クリアできれば偉業、生き残ることが出来たのなら御の字といったところであり、基本は相対した時点で全滅だ。
100点星人と遭遇したという報告が複数ある時点で、海外のチームもそれなりの練度があることが分かる。
「つくづく厄介だな、
「珍しいな、おっさんがそんなこと言うなンて」
「そうとしか言いようがねぇだろ。
「……」
全国で二件しか討伐例のない100点星人。そのうちの一件を担った東京部屋だが、西はその際の生存者なのだ。ちなみに解放される前の和泉も同様だ。
相対したといっても一瞬のもので、西自身はその真価を目の当たりにすることはなかった。しかし、それでも西はある程度100点星人の異質さというものを理解していた。
「星人自体が常識で測れねえもんだが、コイツらは更に別格だからな。オマエが戦った『ひょうほん』も100点の中ならまだマシな部類だろ。それでも半壊滅状態に持っていかれるレベルだ」
100点星人──その立ち位置は、甚爾の世界でいう術師や呪霊と同じく点数では測ることの出来ない、並外れた存在。
──即ち、特級の冠を与えられた者たち
甚爾は事前に見聞きした情報から、100点星人とはそういった位置付けだと解釈していた。
無論、術師と呪霊では特級の意味というのも多少は異なるが、それらを含めた上で
通常の星人が呪霊換算で四級〜特級に位置される中、最低でも呪霊換算での特級、最悪なケースで
「今のオマエらはチームとしてそれなりにやれてる。少なくとも生半可なミッションはクリア出来る程度にはな。だが、現状の装備も含めて100点に対してやり合えるか、と言われりゃキツイだろうな」
「おっさんでもか?」
「さぁ、どうかな」
はぐらかすなよ、と西が睨みつけてくる。
「条件による、としかな」
負けるつもりは更々ないが、だからといって100%殺り切れるかと言われると首を縦に振ることは不可能だ。
100点星人は純粋にフィジカルが異常なほどに高いもの、設定された条件を突破しない限り殺せないもの、あるいはその両方を持つものがいる。前者は甚爾であればどうにかなるかもしれないが、後者二つの場合は条件を看破できずにジリ貧で押し切られる場合がある。
100点星人の厄介な点は、これだ。
「仮にだが、クソガキ。オマエは100点が確定した場合、どう立ち回る?」
「クソガキ言うな、死ね! ……チッ、そんなもン、アンタが色々やッてる間に掠め取るに決まッてンだろ」
「ハイエナ根性極まれり、だな」
「うッせー」
西らしいやり方だ。
実際に点数を稼ぐという点だけに焦点を置くのであれば、それは正しい方法と言ってもいい。
「おっさんはどうなンだよ?」
「逃げ一択」
「は?」
予想外の回答だったのか。西は目を見開きこちらを凝視する。
「『スキップ』を使うッてことかよ」
「それ以外あり得るか?」
当然と言わんばかりに甚爾は答える。
「そもそもの話、100点星人は相手するだけ無駄。メリットデメリットの釣り合いが無さすぎる」
「倒せば100点貰えるだろ」
「ハッ、100点しか貰えねえの間違いだな」
最低100点。
天井無しのそれは、実際に戦ってみるまでその強さを推し量ることすら不可能。
最悪なのは、過去の事例から戦闘が始まった時点で殺し切る、切られるまで戦闘を継続させられるケースが存在するということだ。
「90点の星人と100点以上の強さを持ってるが、100点しかもらえない星人。それなら90点の方が労力的にもお得だろ。100点のネームバリューに目が行きがちだが、基本的にはアレはクソゲーの類だ」
日本で討伐出来たのは、東京と大阪のたったの二例。
特に大阪部屋は
彼曰く、
『他の奴らが突ッ込ンでいかンかッたら、法則も破れンやッた。ソロで初見はまァほぼ不可能やろな』
とのことだった。
日本では甚爾を除けばおそらく最強であるプレイヤーの『七三分け』がそう断言するほどのレベル。
その星人の能力をチャットルーム伝てで見た甚爾でさえ、元一般人が弱点を見破り倒せたものだと思った程だ。
「100点なんつー、厄物確定の闇鍋に積極的に手を付けるつもりはねぇよ」
「……ハッ」
そう吐き捨てる甚爾を西は鼻で笑う。
「つッても、何だかンだ理由つけてビビッてるだけじゃねーの?」
「
「はぁ?」
「一度……いや、二度か。二度死んでもオマエは学習してないらしい」
スカしたツラで100点を倒したと勘違いして死にそうになるのが容易に目に浮かぶ。
田中星人ではステルスを過信して無様に命を落とした西は、あれだけのことがあっても未だに慢心癖が抜けていない。先ほどの発言からも、甚爾という強力なカードが味方サイドにあるというのもあるのだろう。
「100点ミッションで一番最初に死ぬ間抜けはオマエになるかもな」
「誰が死ぬかよ」
恐怖心や警戒心というものは、創作物で語られるような情けないものでは決してない。
命のやり取りにおいてそういった感覚は非常に大切なもの。
それを感じ取れない者や理由もなく無視する者の寿命は大抵が短い。
西丈一郎はその典型だった。
(……俺も似たようなもんだけどな)
普段の己を捨てて、警鐘を無視して最強に挑んだ。
その結果、甚爾は今ここにいる。
「とりあえず、俺は100点とまともに殺り合うつもりはないってことだ」
「だッたら、強制エンカウント系の奴が来ることを祈ッてやるよ。アンタのアホづらが見れそうだ」
「言ってろ。その前にオマエが死んでる」
──しかし、この時の甚爾と西は思いもしなかった。
この冗談混じりの罵り合いで飛び交っていた軽口が、また違った形で遠くない未来に実現されることを。
◆◇◆
──同時刻
千葉県のとある地下クラブ。
表はダンスクラブとして、裏ではドラッグなどの取引場所として繁盛していた場所だが、数ヶ月前からその客列はピタリと止んだ。
はしゃいでいた若者やかたぎの雰囲気とは程遠い者たちが跋扈していた頃の姿は何処にもない。
どころか、
代わりにいるのは、ラフな格好をした男たちと黒服に身を包んだ集団だ。
全体で100人は優に超え、割合としてはチーマー4割、黒服6割といったところだ。
端から見ればチーマーとヤクザの小競り合いのように見えるが、その実態は大きく違う。
自分たちの命を脅かす
チーマーたちの先頭に立つ、革ジャンを羽織ったグラサンの大男が、黒服のリーダーに語りかける。
「──そンなに強いのか、傷の男は」
「実際に刀を交えたわけじゃない。が、一目見ただけでわかッた。この先、この
「ハッ、随分な言い様だな」
氷川を嘲るように大男は笑う。
それを咎めるような真似はしなかった。男たちからすれば、氷川の言動は嘲笑に値する。
しかし、それは彼らがあの男との戦闘を経験しておらず、なおかつ自分たちが最強であると疑ってないからこそのものだ。
男たちの実力は把握している。氷川の見立てでは、幹部連中では相手にならない。この男でようやく勝負になるかも、と言ったところだ。
「で、どうなンだ?」
氷川が返答を催促する。
彼が提案したのは、次の狩人たちと殺し合いに混ぜろ、というものだ。
彼ら──オニ星人は、星人の中でも頭ひとつ抜けた存在だ。戦闘能力は非常に高く、これまでに幾つかの狩人たちのチームを葬っている。
また、倒した奴らが持っていたレーダーを解析することで、次に奴らが訪れる位置などを探知する機械なども所持していた。
そんな彼らは、
氷川からしてみればこれは絶好のチャンスだ。
ここしかないと思っている。
現状の吸血鬼の戦力では奴等に対抗するのはほぼ不可能。であるならば、同盟者が狙われているこのタイミングは、ラストチャンスと言ってもいい。
「構わねーよ。元々そういう契約だったからな」
「……そうかい」
交渉は成立した。
氷川はオニたちに背を向け、クラブから出ていく。無論、表からではなく、秘密裏に作られてある通路から。
あの二人がいつ襲ってくるかわからない現状では、あまり目立つような行動は避けておきたい。特別だったのはこの集会だけだ。
隠し通路を歩いていると、ふととある吸血鬼が目に付いた。
最近、
最近、無断で行動したことで軽く制裁を加えたのだが、胆力はあるらしく、こちらにビビっている様子は見られない。スペックも高く、順当に成長すれば幹部になれる逸材だ。
氷川は彼に近寄り話しかける。
「……
「! ……別に」
顔は平静を保っているが、動揺が体の動きに出ている。
アキラは吸血鬼になったばかり──
「戦争までには血ィ呑むのには慣れておけよ。肝心な時にガス欠なンざ起こせば、死ぬぜ」
「……余計なお世話だッ」
そう吐き捨て、アキラは氷川から離れていく。
クソ生意気なガキだ、と薄く笑いながら、氷川はポケットの中から煙草を取り出し、口に咥える。
紫煙が肺を満たし、色々なことが積み重なり募っていたストレスが満足感に変わる。
肉体が人から怪物に変わっても、趣味趣向は変わらない。
煙草は、氷川にとってそのひとつだ。
(やれることはやった。あとはこれまで通り、ハンターどもを殺すだけだ)
オニ星人との契約、戦力の拡張。
氷川たち吸血鬼は、自分達の一人でも残っていれば、時間経過で数を増やすことが可能だ。
オニ星人には、あと3ヶ月は待ってほしいと伝えたが、血の気の多い彼らにはそれは受け入れられず、1ヶ月しか待ち時間はない。
あの二人を倒すとなると、正直なところ十全とは言い難いがないよりはマシだ。むしろ、ここまで譲歩してもらえたことに氷川は少なからず驚きを感じていた。
長いようで短い時間だ。
決戦の日は、あっという間に来るだろう。
「……行くか」
奴らの命の灯火を、1ヶ月後に完全に消す。
見据えているのは、勝利の未来だけだ。
吸い終えた煙草を靴で踏みつけ、氷川はアジトを抜け出す。
心の奥底に眠る不安に目を背けて。
《考察・オリ設定解説コーナー》
【100点星人】
これまでも少し触れられてたけど、今回は結構深掘りした。
呪術廻戦でいう特級呪霊枠。上限が100点しか付けられない内の100点以上の星人(たまご星人はまぁ、あれは別ということで)
一応条件としては、
『星人呼称がついていない星人』が100点だという設定(GANTZ観察日記から引用)
個人的にはもう一つ条件があると思っていて、
GANTZシリーズ(EXAとEは例外)では、ひょうほん星人とはんぎょじん星人が当てはまる。
今後、またこれらについて深堀できたらな、と思うのでたぶんオニ星人編終わった後の章のおまけコーナーで書くと思います。
【3番の再生の裏技】
再生の際、実は持っている武器も一緒に再生される。
これを利用して、Zガンを持っていた人間を再生することで、実質的に2番と3番を同時に使用することが可能になる。
原作だと、それ目的ではないが、
基本的にチームのメンバーが死亡した際にしか使えないテクニックだが、自分自身を再生出来る倫理観を持つものがいれば、かなりの戦力強化を図ることが可能。
【チャットルーム】
日本各地のガンツメンバーがなんやかんやで集った秘密サイト。
管理人は既に死亡or解放を選んで存在しないが、後で集まってきたハッカー組がアプデとバグ修正を繰り返しながら存続している。
最初期はサイトに辿り着けば誰でも書き込める仕様だったが、愉快犯により誤った情報が跋扈し、それを重く見た管理人の1人がアカウントの作成と登録を義務付ける。荒らしは逆探知され、そのパソコンから2度とログイン出来なくなるようにプログラムされている(らしい)
【チャットルームの住民】
・マッドJK
福岡部屋。3番連打で自分を複数回再生した女。
今福岡部屋には彼女が3人いる。クリア数は最低2回。
・卍修羅の国卍
福岡部屋。田川出身のヤンキー。劣化風。
1回クリア。
・GANちゅ
沖縄部屋。リーダーを務めている。沖縄はその立地上、特殊な環境下でのミッションが多く、そういった情報を多く落とすため部屋ではかなり重宝されている。2回クリア。
・シモヘイヘ
北海道部屋。カタストロフィ編に出てきたおっさんではないが、おっさんではある。東郷と同じくXショットガンを使用したスナイプ戦闘を好むが、普通にその他の戦闘も強い。3回クリア。
・米奉行
秋田部屋。お米大好きマン。実はかなりの古株であるのだが、そもそもミッションが少なく、戦闘経験値は段違いで低い悲しい農家のお兄さん。0回クリア。
しかし、古株であるが故にミッションや星人への知識はかなり多い。
・その他
七三分け、レイカ愛している、インテリ眼鏡……部屋の場所とか名前とかから察してる人は察してそう
【あとがき】
えー、みなさん本当にすいませんでしたー!!!!
最後に投稿したのが3年前で、実質的に物語が動いたのが4年前!?
バカかよ!!!!!!!!!!!!!!!!!
国家試験合格したら投稿しようと思ったら、社会人になってもうすぐ4年になっちまうよ!!!!!!!!
遅れた理由を説明すると、ほんと言い訳になっちゃうんですけど、最初は本当に仕事に慣れるのが大変で……で、慣れたら慣れたでライブやらゲームやら好きなことたくさんしたくなって……端的に言うとサボっちゃってましたね、はい……。ごめんなさい!
前書きにも書きましたが、ぼちぼちオニ星人編を投稿出来ればな、と思います。
信じてくれないとは思いますし、正直僕も投稿出来る!とは断言出来ないのですが、がんばります!
とりあえず、オニ星人編のプロローグ2話はこれから作り直す必要性はおそらくないので、生存報告をかけて、今日と明日で更新させていただきますね。
どうぞ、これからもGANTZ:Fをよろしくお願いします!!!!
GANTZ:F 完結後に書いてほしいもの
-
GANTZ:Gにパパ黒√
-
かっぺ星人後からパパ黒介入√
-
チャットルーム回
-
その他(個人でメッセージでどうぞ)