転送が終了し、見慣れた部屋へと帰還する。
加藤と共に雷鬼と戦っていた面々は、重症を負っていた東郷と浦中を含めて生き残っていたようで、甚爾の姿を見るなり安心した顔を浮かべていた。
あの場にいなかった玄野と桜丘、西も生還している。
──チーン
どうやら、甚爾が最後だったようで、転送を締め切る鈴の音が鳴った。
つまり、今この場にいないメンバーは全員このミッションで命を落としたということになる。
──サラリーマン
──チーマー
──和泉 紫音
──風 大左衛門
以上がミッションで生還出来なかったメンバーだ。
新人が死ぬのはいつものことだが、経験者が命を落としたのは、随分と久々だ。最後に死んだのは千手のミッションの時。あれから一年近く経っている。
東京部屋は、既存メンバーの生存率が極めて高い部屋だ。
甚爾という絶対的な強者がいるため、強力な星人と対峙しても苦戦する機会が少ない。それ以外にも単純に部屋全体として、仲間と協力しようとする動きが強いということも挙げられる。
これ程の規模と質の高いミッションで、戦力となるメンバーが
だが、それを玄野たちが受け入れられるかどうかは別の話だ。
彼が死んでしまったという事実は、玄野たちの心に重くのしかかっている。無事にミッションをクリア出来たという安心感よりも悲観的な感情が垣間見える。
和泉は兎も角として、風は仲間内でも寡黙ながらに慕われていた男だ。その死の影響は軽くはないだろう。
特に風に懐いていたたけしは、幼いながらも風の死を悟ったのか、座り込んで泣いていた。
「……ハッ、一人や二人死ンだだけで辛気臭いンだよ」
「なンだと!」
「よせ、桜井!」
重苦しい空気を嘲笑うように西が言う。
対し、桜井が西の胸ぐらを掴みあげようとするが、加藤が腕を掴み止める。
「は、離してください!」
「ここでいがみ合ッたッて仕方がない! それに、西をあンまり刺激するな!」
「よく分かッてるじゃん、偽善者」
触ってたら撃ってたぜ、とXガンを一撫する。
だが、甚爾はこのやり取りに違和感を覚えていた。
正確には、西たちのいざこざにではなく、周囲の反応に対して、だが。
(こういう時、玄野も何かしらのアクションを起こす筈だが)
玄野は部屋の隅で俯いており表情は見えない。側には桜丘が付いており、レイカも遠巻きに心配そうに玄野を見つめている。
(……このミッションで何があった? 死んだやつに対しての反応じゃねぇ)
玄野は、ジッとこちらを見つめている甚爾に気がついたのか、顔を上げるもすぐに目を逸らす。
──何かを隠している。
それも、こちらに対して不利益になる何かを。
問いただそうと足を踏み出した瞬間、黒い球体に文字が浮かび上がる。
(まぁ、この後聞き出せばいい)
採点が始まったということは、少なくとも玄野たちが隠匿しているのは、ミッションの成否をどうこうする類いのものではなかったということだ。
最初に点数が開示されたのは甚爾だった。
「「「さ、300!?」」」
劈くような声が部屋に響き渡る。
甚爾は思わず耳を押さえ、顔を顰めた。彼の額に青筋が浮かんでいるのだが、そんなことを周りは気にする余裕はない。
「……うるせぇな! 一々騒ぐんじゃねぇよ」
「いやいや、伏黒さんよ〜、そいつは無理な話だろ」
「300点も一気に取ッたら驚きますッて!」
坂田と桜井の超能力師弟からのツッコミを受ける。加藤たちもうんうん、と素早く頷いている。
「分かってんだろ。今回のミッションは、ボスを倒さなくても100点を取りやすかった。俺は雑魚以外にもボスクラスを2体殺ってんだ。これくらい貰わなきゃ割に合わねぇよ」
「……それがおかしいンだよな〜」
はいそうですか、と納得出来るようなものではない。
そもそもが100点を取ることすら本来は困難なのだ。簡単にボスを倒したなどと言っているが、それが凡人にとっては信じられない偉業だ。
(100点の使い道は、とりあえず"2番"を2回使うことは確定している)
"2番"は、1回選ぶ度に獲得出来る武器の種類が変わっていく。
無論、ガンツに既に獲得してある武器をもう一つ頼めば、二つ目を貰えるようだが、甚爾としてはZガンは二つも持っておく必要がない代物だ。
甚爾が欲しているのは、2回目と3回目の強化武器。
この二つは、必ず確保しておきたい。
「GANTZ、とりあえず200点分を"2番"に使う」
そう告げると、黒い球体から転送に使用されるレーザー光が天井へと発射される。1.2分程度放出し続けた後、何の合図もなくぶつん、とブラウン管のテレビの電源が落ちるような音共に停止した。
「え、100点武器は?」
「Zガンと違って部屋には入り切らねえらしいからな。"ガレージ"に置かれるらしいぜ」
「"ガレージ"ッて……何処にあるのよ?」
「さぁ? 必要な時に呼べば転送されるんだとよ」
ふと、かつて契約していた武器庫の呪霊を思い出す。
低級ながらに有用な術式を保持しており、様々な呪具や銃火器を含めた中でもトップクラスに便利な道具だった。
Zガンのような強力だが大柄な武器は、持ち歩くのに手間が掛かる。
ガンツにもあの呪霊のような機能を持ったアイテムがあれば、とつくづく思わざるを得ない。
そんなどうでもいい想起よりも、今は残りの100点の使い道の方が大事だ。
「で、残りの100点の使い道はどーすンだよ、おっさん?」
西も気になったのか、急かすように聞いてくる。
「少し迷うな」
「マジで言ッてンの? 和泉かあの髭面を再生させるかどうかで?」
「4回目の特典に俺は旨みを感じてねぇからな」
"2番"によって得られる武器は、それぞれが非常に強力かつ個性的な性能をしている。
が、それを手にすれば無条件にミッションをクリア出来るようになるかと言われると、答えは否だ。
たとえばZガンは、XガンやYガンにはない範囲攻撃と火力を持つが、不定形タイプの星人や頑丈な外殻を持つ成人には、効果が効きづらい。
4回目の特典の弱点は、甚爾の超人じみた身体能力を活かせないのだ。持っている意味がない。
それならば、"3番"を利用して和泉か風を複製させた方がいい。
そもそも、どうして甚爾が曲がりなりにも仲間を募って、他者を育成しているのか。
術師殺しとしての在り方、伏黒甚爾という人間性からは本来であればあり得ない事象だ。
そこには合理的な理由が存在する。
一つ言えるのは、甚爾が玄野たちに対して仲間意識など欠片も抱いていないということだけだ。
(……風は兎も角、和泉をこいつらが再生させる可能性は薄い。東郷に再生させてもいいが、Zガンくらいは持ってもらいたいしな)
和泉は一応は訓練の名目でメンバーと交流はしているが、仲が良いとはお粗末にも言い難い。
特にいざこざがあった玄野や新宿の件について察している節がある坂田とは、不仲とも言ってもいい関係性だ。
和泉を再生するよりも彼らは風の方を優先するだろう。
「……ガンツ、"3番"だ。和泉紫音を再生させろ」
そう口にすると、球体からレーザーが再び発射される。
床から180cm程度の高さからゆっくりと床へと降下していく。光の先には、水平面上に何かが生じている。それはまるで、宙に絵画を写し出しているようにも見えた。
1分も経てば、黒いスーツに身を包んだ長髪の青年の姿がそこにはあった。
青年──和泉は、ゆっくりと目を開く。
「……ここは、部屋か……?」
呆然と和泉は、周囲を見渡す。そして、すぐに自分が置かれている状況に気がついたようだった。
「そう、か……俺は、死ンだのか……再生したのはおまえか、伏黒」
「ああ。俺が再生させた」
「……だろうな。俺を再生させるとしたら、おまえか東郷だけだ」
額に手を当て、自嘲気味に笑みを溢す。
その声色にはいつもの覇気はなく、精神的に疲労しているようにも見える。
何に思い悩んでいるのかは知らないが、一々構ってやる道理はない。
自死でもされても面倒だが、そういった追い詰められ方ではない──言うなれば、自己嫌悪だろうか。
和泉はそのまま部屋の端へと移動し、壁に寄りかかるようにして座り込んだ。彼らしくない異様な光景に、誰もが声をかけられないでいた。唯一西だけが口角を上げていたが。
しかし、ガンツは空気を読むことなどしない。
淡々と次の採点を表示し始める。
「"2番"だ。今すぐ用意しろ」
他の選択肢を取る素振りすら見せず、西は"2番"を選ぶ。
武器庫の部屋へと入り、Zガンを片手に戻ってくる。
「ハッ、"1番"を選ぶんじゃなかったのか?」
「うッせーよ!」
田中星人に殺された際、その死に際に西は譫言のように「もうすぐ解放されていたのに」と口にしていたらしい。
心境の変化というよりは、カタストロフィが現実的に迫ってきたことによる判断だろう。
採点は次々と進んでいく。
西の次は、浦中と桜井、桜丘だった。たけしは0点だったが、桜井は55点、桜丘は60点と高得点を獲得していた。
これで桜井は合計65点、桜丘は90点を所持していることになる。
「え! え! 師匠、俺やりましたよ!」
「次のミッションでは100点取れるかもな」
今回のように大量の星人がいればの話だが、ミッションの難易度が質と量共に上がってきていることを考えれば、100点は現実的なラインとも言える。
続いて、新しい名前が表示される。
「えー! 玄野さん! 200点! 200点ですよ!」
「……玄野くん、すごい」
「やッたな、計ちゃん!」
「う、うん」
実質的な東京部屋のリーダーである玄野が、甚爾に次ぐダブルスコアを獲得したことでメンバーたちは大きく湧き上がる。
玄野は反対にあまり喜んでいるようには見えず、無理矢理笑っているようにも見えた。
甚爾はそんな玄野をジッと見つめている。
「あんまり嬉しそうじゃねぇな、玄野?」
「! そ、そンなことないッすよ……現実味がないッつーか……」
「……どうだかな」
「ッ……」
言外にオマエが何か隠していることに気づいているぞ、と釘を刺す。
玄野は罰が悪そうに目を逸らした。
そんな二人のやり取りに事情を知っているであろう桜丘以外の面々が頭を傾げている。
「け、計ちゃん! とりあえず100点メニューを選ばない?」
「そ、そうだな……」
桜丘が流れを変えるべく、話を逸らす。
甚爾と目が合うと、その瞳は緊張に揺らいでいるようにも見える。
「"3番"だ、ガンツ……風を再生してくれ」
1回目の100点を玄野は、風を再生させることに使用する。
和泉と同様にレーザーが照射され、1分も経たずに風大左衛門の姿が形作られる。
「……! ここは──」
「筋肉ライダー!!!!」
「!? な、なンば!?」
風が目を開けるや否やたけしが大泣きしながら彼の懐に飛び込んだ。
驚きながらもたけしを優しく受け止めた風は、自分がどうなっていたのかを察したようだった。
玄野に感謝の言葉を告げたあと、ポツリと風が口にした。
「……俺は、負けたンか」
「ああ。だが、おまえがあの怪物を食い止めたおかげで俺と西、たけしは命を繋いだ」
「……そうか」
東郷の言葉を風は噛み締めるようにして一言呟いた。
そんな風に、意外な人物が声をかけた。
「……風、いつか借りは返す」
「何のことだ……?」
「そうか、覚えてないのか……なら、今の言葉だけ覚えておけ」
甚爾は一部始終を見ていたため、和泉の言った言葉の意味を理解している。
和泉は、最終的には命を落としたとはいえ、その途中で風に命を救われている。
風はその時点で重傷を負っていたため、記憶にはないのだろう。
意外なところで律儀なんだな、と甚爾は和泉の顕になった一面にほんの少し面を食らった。
「計ちゃん、残りの100点はどうするの?」
再生された風によって、少し和らいでいた空気が桜丘の一言でほんの少し引き締まる。
100点メニューの3つの選択肢
・"1番"の記憶を消された上での部屋からの解放
・"2番"の強力な武器の獲得
・"3番"の死者の再生
現状、玄野を中心としたチームの中で、100点メニューで選ばれたのは"2番"と"3番"だけだ。
通常、ガンツに巻き込まれた人間は、この命のやり取りに耐えきれずに"1番"を選択することが多い。
ただ、東京部屋は甚爾や西のような例外が100点を獲得していることもあり、誰一人として"1番"を選んでおらず、部屋から解放されていないのだ。
「……計ちゃん、"1番"を──「"1番"を選ぶのはやめとけ」え?」
加藤が玄野の肩に手を置き、解放を勧めようとしたその時だった。
その言葉に被せるようにして、甚爾が口を開いた。
「ど、どういうことですか!」
「簡単に言えば、ここで"1番"を選べば、遅かれ早かれ死ぬことになる」
「ちょ、待ちなさいよ! 話が飛躍しすぎてる!」
あまりにも唐突な告げ口に、桜丘が困惑の声を上げる。
はぁ、と甚爾はため息を吐き、「俺も詳しくは知らねぇが」と続ける。
「ガンツのミッションには明確な終わりがある……らしい。予想でしかねぇが、最後のミッションの規模はこれまでの比じゃない──世界を巻き込んだものになる」
「せ、世界ッて……」
「冗談だろ……?」
突然のスケールの巨大化にイメージが追いついていないのか、面々は表情を引き攣らせる。
冷静なのは、事前に知っていた西と和泉、東郷くらいのものだ。
「今回のミッションで分かっただろ。もうガンツは一般人共を巻き込む前提で動いてる。部屋から解放されたところで、記憶も武器もない状態で巻き込まれれば死ぬのは目に見えてる」
"1番"を選んだところで、得られるのは仮初の平和だけ。
その先にあるのは、搾取される未来だけだ。
「これから起こることを知り、戦える武装を持っている今この現状こそが一番死ぬ確率が少ない。よく考えて使うんだな」
「ま、待ッてくれ伏黒さん!」
「これ以上話すことはねぇよ。俺も詳しくは知らないしな」
これ以上話すことはない、と甚爾は口を閉じる。
カタストロフィは、ほぼ間違いなく訪れる。
だが、内容自体はどれも考察の範囲を超えることはない。ただ、今回のミッションのイレギュラー要素からして、ほぼ間違いなく一般人の安否など無視したものになるだろう、ということだ。
甚爾は、この話を最初から誰かが100点を取った際にするつもりだった。
現状、この部屋から離脱者を出すのは好ましくない。
より強い星人、未だ不透明な破局の日に備えて、出来るだけ頭数は増やしておきたいというのが本音だ。
それでも止まらなければ、面倒だがより詰めて説き伏せる必要性がある。
強行手段を取るという手もあるが、現状の関係性を崩してしまうデメリットを考えれば避けておきたいところだ。
「……」
玄野は、ガンツの前で静かに鎮座している。
その表情は、後ろからでは見えない。
何を考え、何を思っているのか。
だが、甚爾には確信がある。
カタストロフィのことを口にしたのは、玄野以降の100点獲得者への牽制だ。
玄野は、解放を選ばない。
"1番"を選んだ際のデメリットを、玄野計はきっと許容出来ない。
愛とは最も歪んだ呪い──それを手放すことを、彼は良しとしないだろうから。
「──ガンツ、"2番"だ。強力な武器がほしい」
玄野は、部屋に残留するという結論を出す。
「ありがとな、加藤。けど、俺は元々"1番"を選ぶつもりはなかッたンだよ」
「え?」
「ちょッと照れ臭いけど」
頬を赤くした玄野は、恥ずかしそうに顔を背ける。
「その……俺が解放されたら、聖のことも忘れちゃうだろ?」
「あ!」
"1番"は、ガンツに呼ばれて解放される直前までの記憶を全て消去し、部屋から解放する。
つまり、玄野にとっては、この部屋で出会い、恋人関係となった聖との記憶を全て手放すことに他ならない。
「計ちゃん!」
「うわッ!?」
我慢できない。そう言わんばかりに桜丘が玄野に抱きついた。
玄野は何とか抱き止めるが、勢いを殺すことは出来ず尻餅をついた。
「もう! アンタッてホントに可愛いわね!」
「ちょッ! 恥ずかしいから離してくれ!」
「やだ❤︎」
桜丘は、人の目を憚らず、玄野へとその豊満な肉体を押し付ける。
甚爾はそれを冷めた目で見つめる。
他人がイチャつく姿を蚊帳の外から見るのは、こんなにもどうでもいいものなのか。
「……」
レイカは、それを何とも言えないような感情を孕んだ瞳で見ている。
想い人の玄野の恋人である桜丘への嫉妬、しかしそれを表立って出すことが出来ず、押さえ込んでいるのだろう。
レイカの側にいた坂田と桜丘は、彼女の身を包む負のオーラに気づき、ダラダラと冷や汗をかいている。加藤と風は気づいていないが。
「ガンツ! 早く採点を進めろ!」
痺れを切らした西がガンツへと命令する。
この時ばかりは、部屋のメンバーの殆どが西に対して心の中で感謝を述べた。
そうして、玄野と桜丘のイチャつきによりカオスな空気となっていた部屋が、徐々に元の雰囲気へと戻り始めた。
そこからは特にトラブルはなく、採点は進んでいく。
加藤とレイカは、30点程度の点数しか獲得していなかった。
どうやら『養殖』を行っていたらしく、サラリーマンや浦中に点数を譲っていたようだ。
サラリーマンたちが死んでしまったため、譲渡の意味はなかったが、その後に行われた浦中は30点程度の点数を獲得していた。
最後は、坂田と東郷だ。
二人とも100点を獲得し、"2番"を選びZガンを手にする。
流石の坂田も先ほどの話を聞いた以上は、解放を選ぶ気にはなれなかったらしい。
いや、というよりも桜井を残して自分一人だけ解放されるという選択肢を取らなかったのかもしれない。
ガンツの表面から文字が消え、ただの黒い球体へと戻る。
全ての生還者の採点が終わり、甚爾は今回のミッションの成果について考えていた。
(想定外のことが多かったが、今回のミッションは上々だな)
結果だけ見ればほぼほぼ満点に近いと言える。
邪魔者の排除。
死んだ経験者メンバーの再生。
目的とした強化武器の獲得と甚爾以外のメンバーの強化武器の普及。
甚爾に対しての依存の解消。
"1番"の選択の実質的な封印。
少しずつ進めていく予定だった目的を一気に解消することが出来た。
(まぁ、
結果はほぼ満点であり、完全なものではない。
懸念点は残っている。
それは──
(──玄野、オマエは何を隠している?)
◆◇◆
これまでにない規模のミッションが終わり、安堵する部屋のメンバーたち。
そんな中、玄野の精神は穏やかとは程遠いものだった。
突き刺さるのは、己の師範でもある伏黒甚爾の冷徹な視線。
彼は、玄野が何かを隠していることに気づいている。
玄野と桜丘は、今回のミッションで裏切り行為を働いた。
黒服星人に紛れ込んでいた弟──玄野アキラ。
偶然彼と再会した玄野たちは、アキラを殺すという選択肢を取ることが出来なかった。
アキラを生かせばミッションが失敗に終わり、点数は没収。その次のミッションでは、
そこで玄野は、一か八かの賭けに出た。
それは、アキラをエリア外に逃すという選択肢。
ミッションの対象の星人がエリアの外に逃げた場合、クリア判定がどうなるかは分からなかった。
とはいえ、みすみすとエリア内で時間切れまで逃げ続けるよりは、ペナルティを避けられる可能性は高かった。
実際、こうしてミッションはエリア内にいる全ての星人の討伐を達成したことで終わりを迎え、無事に帰還することが出来た。
だが、玄野がメンバーに内緒でそのような賭けに巻き込んでしまったのは事実。
玄野の心には、罪悪感が重荷となってのしかかっていた。
それをこのままなぁなぁにするつもりはない。
玄野は、アキラを逃すという選択肢を取った時点で、部屋のメンバーに話す腹づもりでいた。
ただ、ほんの少しだけ真実を口にする勇気が持てなかった。
だから、本当は採点が始まるまでにしようと思っていたのに、今の今まで口に出せていない。
(けど、もう後回しにはしない)
甚爾に勘づかれているから──というのもある。
それ以上にこれまで玄野をリーダーとして仰いでくれた仲間たちに、後ろめたい気持ちで接することを良しとしなかった。
ぎゅっ、と玄野の不安を悟ったのか、桜丘が手を握ってくれた。
これ以上のない応援だ。
目を瞑り、深呼吸をする。
殴られてもいい、罵声を浴びせられてもいい──チームのリーダーとして、玄野は自分がやってしまった過ちを口にする。
「みんな、聞いてくれ!!」
その場にいた全員の視線が玄野に集まった。
そして──
──あーたーらしい あーさがきた
──ミッションは、終わらない
【おまけコーナー】
・甚爾の欲している強化武器
これはファンの間でも別れる要素なんですが、2回目以降で獲得できる強化武器の順番についてです。
一応、奥先生のTwitterで開示されているのは、
Zガン→空中ユニット→ハードスーツ→巨大ロボの順番らしいです。
本作ではとりあえず4回目まではこれで行かせていただきます
ちなみになんですが、花紀が使ってたパソコンは自作とのことです。
甚爾が空中ユニットを欲している理由は、後々明らかになります。これは、原作のとあるシーンから連想した空中ユニット最大の利点から抽出いたしました。
・オニ星人の点数
公式では開示されてませんが、和泉のトータル点数からして、ボスの方は最高でも70点ということが分かっています。
ただ、オニ星人編で和泉が全く他の雑魚星人を倒さなかったと仮定しての点数なので、本作では60点とさせていただきます。原作和泉は雑魚には興味なかったということで。
他の幹部クラスの星人ですが、大体30〜40点くらいを想定しています。
氷川は50点です。
雑魚オニは1点、黒服は3点。
・全体の点数
誰がどれだけ点数を取ったのかは、原作と辻褄合わせは特にしておりません。原作では桜井が死んでるし、別に気にしなくてもいいか、ということで。
ただ、本作では、戦える人間が多いこともあり、ボスを倒した人間以外は、全体的に獲得点数自体を少なく調整しています。例外は、甚爾と玄野くんだけ。甚爾は言わずもがなですが、玄野はボスを倒してないのに100点を獲得しています。
・ペナルティ
GANTZでは、制限時間以内に星人を倒せなかった場合、持ち点の没収と次回のミッションで15点を獲得出来なければ死、というペナルティを与えられます
15点ペナルティに関しては、原作では一度しか触れられなかったのもあり、他にもペナルティがあるかもしれませんが、今回は15点でいかせてもらいます
・星人がエリア外に逃走した場合
ここに関しては、オリジナル設定でいかせてもらいました。
ただ、GANTZ:Eの千手や実写版GANTZでは、星人側が人間に乗り移った際、乗り移られた人間を討伐という形ではなく、普通に部屋に回収していました。
ミッションとしては、星人側が何らかの形で標的から外れる場合は、失敗扱いにはならないのかもしれないです。
まぁでも、15点ペナルティを受けなかった代わりに不穏な空気が流れ始めてるんですけどね。
では、今回はこの辺で!
GANTZ:F 完結後に書いてほしいもの
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GANTZ:Gにパパ黒√
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かっぺ星人後からパパ黒介入√
-
チャットルーム回
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その他(個人でメッセージでどうぞ)