転生したらハズレ斬魄刀の使い手だった件【完】   作:ノイラーテム

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雌伏と蠕動

●マッド まだ? 待て次号!

 事件後は傷を癒しつつ、幾つかの案件をこなしている。

一護の傷が落ち着くまで麻雀したり、現世に帰るまで修行につき合ったり、そして何より自分の強化案を練る為だ。

 

その間に起きた原作の差異、あるいは一角が知らなかった話として臨時編成の話があった。

十三隊のフォーマットを崩さず、実力を維持と運営を適正化するため、臨時編成の特別態勢を行う。

 

急務に適応した隊長が、必要なメンバーを選んでこれに当たるのだ。

まずは長の居なくなった各隊の庶務であったが……。原作で後に編成される日番谷先遣隊もこの一環だったのかもしれない。もしヘビーな戦闘であれば剣八が隊長だったろう。

 

「あれが滅却師(クインシー)の技術だったとするなら、いきなりは難しいと思います。しかし似て非なる物であれば何とか可能なのでは?」

「ホウ……。随分と挑戦的だねエ。私ならその程度は些事ダヨ」

 さて肝心なのは強化案だ。

血装は失われた技術と言うよりは時間をかけて開発され洗練されたものなので、コピーは難しいだろう。そこで考え方を変えてみたという訳だ。

 

攻撃型と防御型、自在に二つの切り替えをしようとするから難しいのである。

オン・オフで状態切り替えなら問題ないのではないだろうか? というか実際にマッドはやった。オン・オフは無理だったというより効率悪いからやらなかったそうだが。

 

「限定霊印に付属してあるヨ。好きなのを持って行きナ」

「こいつはありがたいです。みんなにも新型装備として紹介しておきますね」

 原作で副隊長以上が現世に出る時に掛けられる霊印に付属することで、効率をUPしたらしい。

よく考えたら霊圧をコントロールする技術の延長だし、吹き出す霊圧の方向性をまとめるにはちょうど良いのだろう。

 

なお俺も弓親も副隊長に勝ってるので、普通に刻印されている。

原作で一角に掛けられていたかは良く判らない。もっとも霊に影響与えないために放出する霊圧の出力制限するのだから、直接攻撃系の一角にはあんまり関係なかったと思うけどな(そもそもみんな通常の攻撃・防御・耐久は変わってない)。

 

(問題なのはグリムジョーの従属官(フラシオン)は強さが良く判らねーんだよな。藍染はその他大勢としか認識してないし)

 所詮はギリアンと言ってるが、破面前の外見は二人を除いて中級だ。

おそらく破面したのに以前の最上級に達してない奴はその他大勢でギリアン扱い(そもそもギリアンを駒にする必要もないが)。最上級を越えたモノを現行の十刃連中と比べているとしか思えない。

 

という訳で贔屓目に見るというか、想定する脅威度は中級大虚(アジューカス)にした方が良いだろう。

加入時期的に見ても後期だし、描写から言って十刃落ちした連中によく似ている。間違ってもギリアンだからと油断はしてやられるのは愚かである。

 

(十刃落ち級と仮定してそれを倒せる火力があったのだとしたら、火力が落ちたのは何とかしねえとな)

 加入時期と比較対象の問題で十刃落ちに成らなかったという可能性はある。

 

仮にそうだ。と仮定した場合だが……。

原作における一角は十刃に通じる火力があり、勝てずに倒されるレベルくらいの強さはあったのかもしれない。

 

だとしたら、俺の選択はその火力を維持したまま壊れないように耐久値を上げるか、壊れても回復するようにするだけで強くなったはずだ。少なくともマッドの協力を得て改造するとしたら、判り易い方向性だったろう。

 

(だとしたら……ミスったのか? いや、俺がしたい道の延長がコレなら考えるだけ無駄だ。ならばその状況で強くなる能力を探す)

 そういって以前にもらった資料をゴソゴソと引っ張り出す。

一護が滅却師(クインシー)の家系かもしれないという資料とか、そうだとしたら分家で色々と失伝したのだろという推測。そういったものをすっ飛ばして……過去に回収した滅却師(クインシー)の武装一覧があったはずだ。

 

「その程度の情報は暗記しておきたまえヨ。……いや、違うネ。いったい何を思い付いたんだい?」

「あったあった。こいつです。データがあるなら、ソレを参考にした方が良いと思いましてね」

 マッドの眼がスウーっと細くなった。

俺の思い付きに興味を覚えたようだ。この男は嫉妬心とか探求意欲が暴走しないうちは頼りになる。もちろん甘い汁を吸うだけなんて無理には違いない。しかし研究者なので面白い研究課題には興味を示すのである。

 

「ホウ……。随分と古い武装に目を付けるのダネ。今じゃ役立たずだろうに。剣術指南が何に目を付けたのカネ?」

 選んだ武装は滅却師(クインシー)の武装であるアイゼンだかハイゼンとかいうやつと、ヴォコ? などだ。

元から補助武装な上に、滅却師(クインシー)が千年前・二百年前と時代を経る過程で強化され、段々とオマケ扱いに成っていた武装である。

 

しかもコレは滅却師(クインシー)の霊子集積力を前提とした武装なのだ。試しに死神が自己の霊圧から発生する霊子だけで使ってみたところ、蓄積すらまともにできないゴミみたいなレベルであったという。

 

「霊圧を無意味に喰う部分じゃなくて、僅かずつでも『蓄積する』って所です。さっきのと連動させたら面白いと思いませんか?」

「アァ~。日常的に無意味に発散するリビドーを溜めて放出するということカネ? 悪くないとは思うが今更……いや、待てヨ? そうだ。それが良いネ。そうしようとも」

 最初はこのアイデアに対し難色を示したようだ。

どうやらマッドの視点だと、日常で放出する霊圧を封印ではなく貯蓄に回すというアイデアは不評なようだ。個人的には1%だろうが2%だろうが、MP溜めておけるのは強いと思うんだがなあ……。

 

なお、俺は一つだけ忘れていたことがある。

マッドはマッド・サイエンティストの略であり、涅マユリの略称でも愛称でもないのである。

 

こういう人間に発注する時は、ちゃんと指定して『コレをお願いします!』と口を酸っぱくしておかねばらなならなかったのだ。後にこのことを死ぬほど後悔することに成る。

 

●人狩り行こうぜ!

 俺の勝手な想像だが、今の龍紋鬼灯丸は原作時よりも最大火力が低い。

直接攻撃力が半減、俺自身の霊圧上昇による余禄を入れても七割と言った所ではないだろうか?

 

動かし易く成っていて剣技の連続性を入れても、相手がノイトラのような防御も高い奴だと厳しい。もちろん高速移動と回復も所持しているウルキオラ相手にはまず勝ち目がないと言っても良いだろう。先に攻撃されて死ぬ可能性を入れたら一発に賭けることもできないのだ。

 

「そこでコイツの出番な訳だが……。弓親、周辺を封鎖してくれるか?」

 マッドにお願いした霊印に付属する兵装だが、面倒くさいのか龍脈印(チャクラ)という名前になった。

活性化させると任意の能力一つを特化するか、あるいは複数の能力が微妙に上がる。これに問題も存在するが強力なバリエーションが試験的に存在する。

 

もちろん俺が使ってるのはデメリット付きの特化型だ。

 

「了解。多分だけど、他のメンツもそろそろ使うと思うよ」

「そうだろうな。その為の封鎖用簡易結界だし」

 今回のデータ収集と、情報漏洩を考慮した結界も用意してある。

マッドがデータ収集し易いようにだが、第三者の様子見を避ける為でもある。俺としちゃあ、ありがたい限りだが……。あのマッド、『誰』を想定してんだ?

 

とはいえデータは技術開発局だけで管理され、総隊長にわたる様になっている。マッドに口止めはしているので、これならば卍解を開放して問題ないだろう。

 

「俺の名前は斑目一角! てめえをあの世に送る男だ覚えときな! 流儀に反しねえなら、墓に掘る名前を聞いておいてやるぜ?」

「そんな必要は無いだろ? それに、これから殺す奴を相手に名なんぞ名乗るだけ無駄だ」

 ニヤリと笑って刀を抜き合う。

原作との差もあるからか、エドラドは最初から刀を抜いていた。

 

まずは小手調べて愉しむとしようや。

瞬歩による歩幅を途中で変えて滑る様に接近した。

 

「殺す奴の名前を聞いとくのが俺の流儀なんだが……。まあいいや。トロフィー代わりに名乗りたいと思わせてやるよ!」

「っ……そうか? だがまだまだ大したことはねーな」

 踏み込み速度を変えるフェイントに間に合わないと察したのか、掌に霊圧を溜めて防いだ。

奴の反撃を鞘で防ぎつつ、手の中でジャグリングして逆方向から切りつける。腰を落として顔を逸らせ後ろに下がって、これを回避したようだ。

 

「大した曲芸だな」

「曲芸さ。だから……騙されんじゃねえぞ!」

 限定霊印による制限を知りたいこともあって、先ほどと同じ流れを試してみた。

バックダッシュから前に出ようとするエドラドに対し、カウンターで踏み込みつつ奴の横からに回る。

 

瞬歩で軌道を変える際に、霊子で空中に足場を作る時の要領で一瞬だけ作成。

小刻みなステップは先ほどと同じだが、歩幅を大きくして足場を使った反復横跳びで代用することで高速化。半ば分身じみた残像を残して切り掛かる。

 

「無駄だ。残像なんぞ見切れる」

(ちっ。前は分身できたのによ。やはり出力が下がってやんな)

 瞬歩そのものはあまり変わらないが、足場を作る技はうまく効果を発揮していない。

あくまで踏み込み方向とタイミングを変える程度で、足場を蹴った時のような反動が生じないのだ。もし特へ移動するために霊圧を放つような移動をしたら、もっと如実に下がっただろう。

 

とはいえ内側に回す霊圧はそれほど変わっていない。

やはり体の外側に放つ霊圧こそが制限されるものなのだろう。おそらく原作での描写で判別を難しくしているのは、RPGなどで言うならレベルと魔力を両方とも霊圧と称しているためだろう。

 

だから霊圧を限定していても、隊長格が奇襲で死んだりはしない。

ただし霊圧を外に放出するような戦いをする場合。RPGでいうなら魔力で強化能力を行うバフを重視すると、能力が下がってしまうのだ。

 

ゆえに能力が限定されてはいても、白哉は目にも留まらぬ動きで主人公を倒した。

主人公や破面たちが攻撃を浴びせようと、レベルから来る体力・防御力まで落ちていないから恋次は死んでないのだ。

 

「なるほどな。お前は攻撃と防御を……」

「だから騙されるなって言ってんだろ」

 原作通りにジャグリングしながら攻防を行い、成れたところで顔にズバン。

ここで終わるのも味気ないので、体を回転させて原作に無いもう一撃を加えた。一回転して放つ斬撃がエドラドの胴も薙ぐ。

 

ここから先の流れは知っちゃあ居るが、もう少し味わいたいので残念がる演技を入れておこう。

 

「あ~あ。なんでそこで気を抜くんだよ。牽制を浴びせたなら次は本命だろうがよ」

「今のが牽制だと? ……ククク。俺が悪かった。気を抜いたら駄目だよなあ、一角」

 荒い息を吐きながらエドラドが刀を握り込む。

普通ならば致命傷のはずだが、奴らにはアレがある。

 

「俺の名前はエドラド・リオネス。確か殺し合う相手とは名乗り合うのがお前の流儀だったな」

「いいねえ。まだ先があるんだな? 俺たちの解放とは一味違いそうだ」

 奴が集中を開始した所で、俺は足を留めて観察を始めた。

ここで追撃して何もさせないなんてオチは俺たち十一番隊にはない。だいたい……奴らは解放すると体力が戻るしな。

 

「熾きろ、火山獣(ボルカニカ)

「……燃え上がれ、龍紋!」

 ここからこちらも始解。

さすがに硬度を上げた鋼皮(イエロ)を貫くのは限定解除していないと難しい。なのでさっさと解放しておこう。

 

ノロノロとして龍紋が染まる足が遅いのだが、俺の性格もあるが霊圧出力が落ちているからだろう。まあ原作の再現くらいはできるかと、刀を担いで奴の動きを待つことにした。

 

「待たせたな」

「オウ。んじゃラウンド・ツーだ」

 両腕に霊圧を溜めると真っ直ぐ距離を詰めて来る。

同じ従属官でもポウが防御と怪力による攻防型なのに対して、こいつは急上昇する火力とそれなりの速度・防御力を持ったタイプだ。多少はバランスに気を使ったという事だろうか?

 

ブリーチではよく同じタイプの敵と出会う事がある。

一角とエドラド、そしてポウ。さらに言えばポウと狛村隊長も攻撃型で、やることがかなり似通っている。

 

「その強さ。試させてもらうぜ!」

「できるならな!」

 相性の差で一方的にどちらかが勝つ場合もあるが、同じタイプだと厄介さが出てくる。

より能力の高い方が一方的に勝つ展開になるのだ。解放したエドラドと一角ではエドラドだし、卍解まで行くと一角。ここで壊れた事と他人に見せたくない事から、ポウには卍解できずに負けてしまった。そのポウだって狛村隊長が卍解すると瞬殺に成ってしまう訳だ。

 

「硬い……か」

「痛てえがそれだけだな。解放した俺の鋼皮(イエロ)の敵じゃねえ。非力なんだよ!」

 原作は強く踏み込む強烈な斬撃だけは防御したが、俺は直撃させた。

『く』の字型に曲げた斬撃で奴の表皮を切り裂いたところで、手痛い反撃を喰らってしまう。

 

燃え上がる腕から後方に炎が放たれると猛烈な勢いで殴りつける。

咄嗟に防御しても急所を庇う程度で、馬鹿みたいに吹っ飛ばされてしまった。グルグルと吹き飛ぶ過程で脚を着き、瞬間的に別方向に瞬歩を掛ける。

 

「そらあ!」

「くそが! ……その堅さこじ開けねえとな! 伸びろ、龍紋!」

 俺の吹っ飛ぶ方向に追撃を掛けたエドラドが、次なる攻撃を放ったところだ。

危く直撃を避けたが霊圧による余波が大きく、こっちは立て直すので精一杯。そこで長さを2mほど伸ばして長刀を構え直す。

 

「最初からその大きさで来いよ。もしかしたら俺が解放する前に倒せたかもしれねえぞ?」

「んな戦いのどこが楽しいんだよ。生憎とな。俺はチャンバラするために生きてるんだ」

 チャンバラするために戦うのではなく、それが第二の人生だ。

せっかく強靭さと俊敏さを兼ね備え、技の修練を磨くこともできる死神人生。何が楽しくてパーミッション(カードゲームの邪魔系戦法)せねばいかんのか。

 

「ったく。俺らを前に戦いを愉しみやがって」

「抜かせよ。死ぬ瞬間まで俺は楽しみ続けてやるぜ」

 さっきの状態で刃が通るなら、この状態で当てればそれなりのダメージだ。

というかブリーチの世界では格闘・剣術物で言う見切り距離の回避ではなく、いったん距離を離すレベルの回避だ。切り合いだって熱中するよりは、霊圧を上げてガードする方が多い。だからこそ高い防御を持つ奴も多いのだが。

 

「その思い上がり。叩きのめしてやるよ」

「足止めやがったか。大好物だぜ!」

 霊圧を溜めてガードしながら攻めるピーカーブ・スタイル。

ボクシングで前面防御をしながら攻め立てる堅実な戦い方だ。余計な動作を除いた最初の動きでの攻めと、ここぞと言う時に放つ大技が痛い。

 

俺の長刀を大振り用の武装と見たのだろうが、俺はこの長さでも普通に扱える。

だから腹なり脇を狙っても良いのだが、まずは足を留めての打撃戦こそ最大の楽しみだろう。……走り回ったらどこかで限定の問題が出るのもあるけどな。

 

(しかし強ええなあ。タイプが似てるだけあるぜ。今もこっちの技を冷静に見切りながら観察してんだろうな)

 奴の攻撃を丁寧にさばきながら、直撃したらマズイという前提で打ち合う。

長刀を回転させながら振り回すとか、走り込んで使うと思っていたのだろう。俺の動きに冷や汗を流しながらも、奴の方も丁寧にガードしていた。

 

とはいえ小刻みに殴られると痛いのはこちらの方だ。

特にジャブめいたラッシュには耐えられないので、殴られて態勢が崩れたところで肘が燃え盛るのを見た。

 

「諦めて死んどけよ! 粉微塵になるまでしたくねえんだがなあ!」

「ウルセエ! もうちっとは楽しませろい!」

 できた隙に打ち込まれるマグナム・ブロー。

振り抜いたところで両肘を燃やし、こちらが立ち上がるまでに追撃する気だ。

 

俺は咄嗟に足場を作って回転し、長刀をカウンター気味に振るった。

再度吹っ飛ばされる俺。斬撃で傷付きながらも無視して飛び込むエドラド。

 

ああ、チクショウ……楽しく成って来たじゃねえか!

やはり自分と似たタイプは良い。心が折れるどころか、ますます燃え上がって来る。ポウには共感できなかったが……もしかしたら奴は、一角ならば何か持っているはずという気概でも見たのだろうか?

 

「そうか……。そうだな。そうだな。俺と似たタイプなんだから相性が良いのは当然じゃねえか。これが良い。いや、コイツが良い!」

「……?」

 さらなる追撃に対し、『限定解除許可』が下りたと聞いたこともあって防御で済ませた。

打撃に対する霊圧防御のお陰で無様に転がって逃げずに済み、即座に動けるのがありがてえところだ。

 

「おう! 俺が勝ったらてめえを寄こせ。てめえを喰らって俺はもっと強くなる!」

「何を言いやがるやら。まだ勝てる気でいるとはな」

 他愛ない戯言だろうが奴はむしろ楽しそうに笑った。

獰猛な笑顔は猛獣であるかのようだ。笑顔とは獣が浮かべる捕食の表情であるとは、いったい誰が言ったのか。

 

「できるもんならやってみな! そいつが俺たち(ホロウ)の生き様ってやつだ!」

「させてもらうぜ。卍解! 龍紋鬼灯丸!」

 このまま最後まで肉弾戦で殺し合っても良いのだが、マッドとの約束もあった。

幾らなんでも嘘はいけない。それにコイツに対して、どこまで通用するのか。卍解した俺の霊圧と、奴の霊圧の相性を調べておきたかった。

 

他でもねえ、卍解の強化パーツにエドラドこそが最高の相性だと思ったからだ。

 

「……凄げえじゃねえか」

「世辞は良いよ。まだあんたが感心するほどの霊圧は出てねえ筈だ」

 原作より柄や刃が細身なので大太刀を二本構えているような印象がある。

そしてマッドが観察の為に取りつけた、特殊な死覇装までがセットだ。まるでどこかの邪眼使いみたいな不気味極まる目が服のあちこちにあった。

 

「俺も鬼灯丸もノンビリ屋でな。この龍紋が全部燃え上がってから全開に成る。対処するならそれまでだぜ」

「馬鹿野郎。そんなみっともない真似ができるか。……それに俺も、お前を喰らって今より強く成ってみたくなった。」

 普通の二刀流は太刀と脇差が基本だという。

とある漫画に合ったのだが、大刀二刀流は剛力の武蔵一人が可能な大技だったとか。フィクションかもしれないが、あの話を見たとき思ったんだ。

 

デカイ武器を自在に使いこなせば、それだけで十分強いってな!

純粋なパワーはただそれだけで暴力に成る!

 

「ヒュー!!」

「嘘だろ……そのサイズで始めより速いとか」

 瞬歩で接近、やはり序盤のやり直し。

しかし同じ半歩が少しずつ違い、揺れるような動きで斬撃を浴びせる。もちろんそこからはジャグリングをする必要などなかった。

 

迎撃に出る奴の拳を弾き、もう片方で切り割く。

それを防ごうとしたもう片方の腕を引き割いて、直撃こそ防がれたものの、途中で叩き切ってやった。

 

「ヤベエな。勝てる気がしねえ。……ただし、このままの話ならだ!」

「……来るか」

 エドラドは腕を落とされて観念したように見えた。

だが、俺の信じる奴ならばそんなことをしないのは判っている。

 

ゴトンと音がした時、奴が何をしたのか何となく察した。

 

「エドラド・リオネス、生涯最大の拳! 受けてくれるか?」

「ああ、こっちも受けて立つぜ」

 奴は鎧の如き生態パーツを切り捨てた。

両腕から迸る霊圧は最低限が肘から、残りすべてが腕一本に集まっている。加速に邪魔なものは全て抜ぎ去り、少しでも速く、少しでも攻撃に回すために脱ぎ去ったのだ。

 

例え戻れなくなったとしても、この勝負に勝ちたい。

原作を知ってる俺は逃げれば良いと知っていたが、そこまでするエドラドに勝ってみたくなった。

 

「オオオオオ!」

「はああ!」

 余計なことを考えずにお互い直線で。

ただ振り被って殴り、ただ振り切って切り裂く。

 

相手の速度に対し、カウンターで放つのは僅か手前で。

回り込まれたら死ぬことを判っていてなお、誰も居ないタイミングで右手を解き放つ。

 

対してエドラドもそんなことは判っていたのか、自分が斬られることを前提に拳を伸ばして来た。

俺の一撃が、反動など生じない速度で奴を切り裂くという前提で。

神速の一撃が奴を引っ掛ける事もなく通り抜けた後、その拳が俺に迫ったのだ。

 

「まさか左右に区別がねえとはな……。俺をお前の糧に……」

 

 俺は左右持ち替えて戦う時、確かに左右で頻度に差がある。

だがそれはあくまで鞘を防御手段として使い分けているだけだ。最終的に大太刀二刀流で戦うのである。片方だけが本気の斬撃であるはずがない。どちらも必殺の粋まで高めてあった。

 

原作と違って余力を残し、壊さずに勝利した。

だがそれはくまで、エドラドが防御を捨てたからだ。もし鎧じみた鋼皮(イエロ)で守り続けて地味に戦っていたら、トドメを刺す前に壊されていたかもしれない。

 

やはり攻撃力を上げる手段は必要だろう。

 

「アバヨ、お前は良い強敵(ダチ)だったぜ。俺の血肉になりやがれ」




 という訳で強化案の試験と、エドラド戦です。

●装備1:龍脈印(チャクラ)
とりあえず血装を参考にしても簡単にできるはずがないので、特化型の装備を発注。
攻撃力だけあがるとか防御型とか一点集中タイプ。または攻防型・攻撃と速度が緩やかに上がるタイプがあり、一角が使った消費や反動などの欠点があるバリエーションがあります。

限定霊印に付属して実験している装備で、完成する時は普通の死神が刺青みたいな感じで使用するはず。
その時はオン・オフもできるはずですが、間に合わせでつくられているので、霊印を付けてる人でないと発揮できません(解除しなくても効果は出ますが、一角は反動付きなので解除後にしかオンにしませんが)。

●装備2:龍血玉(カーヴァンクル)
 滅却師(クインシー)の装備を参考にした、霊圧を溜めておく装置の提案です。
まだ完成してませんし、本当に口にしたまま完成するかは不明です。というかその予定はありません。
というのもクインシーは霊子を吸収できるので高速・高効率で蓄積できますが、死神は普通に自分の霊圧の中からだけでためる事に成るので。

●装備3:追加装備
 エドラドの体をドロップ品として、装備として再利用。
普通は戦った相手の体を利用するような外道な事はしませんが、エドラドならOKしそうな気がしたので、事前に確認しておきました。

●限定霊印の効果と、エドラドに関する考察
 霊圧がレベルと魔力(MP)みたいな扱いをされるので、判り難いのですが……。
出力のみを制限しているとしました。でないと隊長格がワンパンで倒される危険性もありますしね。
ですから素地の力でなら問題ない。『支払った霊圧に付き、ダメージ・防御UP』みたいな使い方をしてると問題が出るとしています。

エドラドはイールフォルトたちと並んで、中級大虚らしい状態の画像があります。
イールフォルトは限定解除したあとの恋次が、最初から解除して全力だったら勝てるかどうか怪しい(動揺を誘ったから勝てた)と口にしています。
どちらもかなり強い破面であることが伺えますが、最低でも最大級大虚・隊長格を前提としている藍染からすると、物足りないのでその他。なのではないかと思います。
あるいはギリアンの二名と、藍染視点では大した差はないという感じで、「ギリアン程度」と口にしているのではないでしょうか。

とはいえ強さはどこまで行っても、十刃落ちクラス。
破面になった時期的な問題で十刃 → 十刃落ちになっていない。それも攻撃力と防御力の問題で、高速で動くメンツや、動かなくともノイトラには勝ち目がないと考えています。

●卍解、龍紋鬼灯丸ver1.2
 あくまで改造のための前処理を施し、観察用の手を加えただけ。
後から改造して直すような都合の良いことはなく、前処理が必要。
それもその処理を施すだけで、総合能力は下がる物としています(原作よりも強いので誤差ですが)。

前からの表現通り、柄と刃が細身で大太刀二刀流 + 背中に斧?
これに加えて、死覇装に眼の紋様が無数に浮かんでいます。

●執筆ペース
 ストックがメモ書き程度になったんで、少しペースが落ちます。
とはいえノリで書いてるだけなので、止まると危険なので、無理に考え込まずに書いていく予定に成るかと。
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