【アズールレーン】ヤンデレ測定器   作:そうすけ

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初期と比べて指揮官の口調変わってましたね……。

おかしくならないように初期に自然に戻します。

ヤンデレ測定器がアップデートしてからのスタートになります。ご了承ください。



第二章
ベルファスト編


 「指揮官、遅れてしまってすまない。早速、ロイヤルの定例報告会を始めさせてもらおう」

 

 毎日の午前中の恒例、主にメイド隊による報告会が始められる。本来ならば、四陣営の合同ミーティングの後に、すぐロイヤルの報告会が入るのだけど、KAN-SENのみで行われるミーティングがあったため、予定が後押しになった。遅れたとは言っても10〜15分レベルの事だ。

 

「メイド隊は何かあるか?」

 

メイド隊代表の軽巡洋艦、ベルファストが報告を読み上げる。

 

「はい、昨日15時頃、重桜寮で愛宕様によって、ご主人様が拉致されました。たまたま近くを通った明石様、セントルイス様によって性的被害は最小限に抑えられました。愛宕様には処罰済みでございます。ベルファストからは以上でございます」

 

ベルファストさんが簡潔に読み上げる。

 

「うむ。アレには困ったものだ……本当は、一年くらい秘書官を禁止しても良いのだが、抑圧しすぎて爆発されても困るしな。教育係は何かあるか?」

 

「ご主人様の危機に、真っ先に駆けつけられなかったのは、私の落ち度でもあります。今後も警備を強化できるよう、教育致します」

 

グロスターさんは申し訳なさそうに全体、そして僕に深々と頭を下げた。

 

「まぁ、そう気を落とさないで。流石に自室に篭られていたら発見は難しい。カッコカリ同盟として、私達で強く念を押していこう。指揮官、発見された時、あなたは両手両足を鎖で繋がれていたらしいが、何か連絡手段でも使ったのか?」

 

「襲われた時、愛宕さんが大声で僕の名前を呼んでいたから、それが明石さんとセントルイスの耳に入ったんだと思うよ」

 

嘘は言ってない。表現を変えただけだ。

 

「……それならば、メイド隊の耳に入ってもおかしくは無いんだが……ベルファスト、昨日の午後の、重桜の見回りは誰が担当していた?」

 

「……シリアスでございます」

 

 ベルファストさんがバツが悪そうに言うと、僕ら三人は「あぁ……」と不安混じりの納得の声を漏らした。

 シリアスさんはドジで有名なメイド隊だと聞いている。そして僕にホールケーキを喰らわせられたので、実証済みである。

 

「……まぁ、その、引き続き、警備は強化していく事にしよう」

 

ロイヤルの報告会が終わるが、ウェールズさんは最後に、と呼び止めた。

 

「指揮官、ヤンデレ度の測定はもう行わないのか?」

 

「明石さんがバグを見つけたみたいだから、修正次第じゃないかな? どうしたの?」

 

「何でもない。それでは今日も頑張ろう」

 

今度こそ、各々の持ち場に戻る。ウェールズさんとグロスターさんはやけにソワソワしていたのが気がかりだっけど。

 

 

 

「ではご主人様、今日一日このベルファストが秘書官を務めさせて頂きます。お気軽に何なりとお申し付け下さいませ」

 

「うん。こちらこそよろしくね。ベルファストさん」

 

 

 

執務室での事務仕事が捗りすぎて、今日の分の仕事が終わってしまった。

何よりも、ベルファストさんが有能すぎて効率よく進んでいって、午前中に終わってしまった。

 

「ご主人様、お疲れ様でした。ティーブレイクとして、ベルファストの紅茶は如何でしょうか?」

 

ベルファストさんが、紅茶とお茶請けのクッキーを用意してくれた。紅茶は普通に美味いし、クッキーは塩っぱくて辛「グハァ!?」

 

「ご主人様!? 如何なされましたか!?」

 

「……随分と面白い隠し味のクッキーだね……三途の川が見えそうだ……」

 

「ご主人様!? 決してその川を渡ってはなりません!!! ……何とかして吐かせないと!!」

 

ベルファストさんは僕をソファーへうつ伏せで寝かせて、ソファーの横の外へ頭を出すような姿勢にさせると、背中をバシバシ叩いて、クッキーを吐かせた。クッキーを半分くらいしか食べて無かったのが幸い、すぐに体調を取り戻した。

 

「ご主人様! ご無事で何よりです……でもクッキーはキュラソー様が作られましたし、一体誰が……?」

 

「にっひひー! イタズラせいこー! 相変わらず指揮官は面白い反応するねー!」

 

執務室の物陰からひょっこり出てきたKAN-SEN、アバークロンビーちゃんが、塩とタバスコを両手に握っていた。

 

「アバークロンビーちゃん、ホントにイタズラ好きだね……弾薬をタバスコに変えておこうか?」

 

「あははっ! 指揮官が面白い反応してくれるからだよー! 出来るもんならねー!」

 

「あっ! 待ちなさい、アバークロンビー様! 今日という今日は逃しません……!」

 

逃げるアバークロンビーちゃんだけど、それ以上に素早いベルファストさんが首根っこを掴んだ後、胸ぐらを掴み……あ、この流れはヤバイぞ。

 

「あがががががががががが!!!!!!」

 

「……あの? ベルファストさん?」

 

「ご主人様、ご安心下さい。ロイヤルKAN-SEN式、矯正術を試しているだけですので、ご主人様はソファーでお休み下さいませ」

 

多分、効かないと思うよ……既にロイヤルのKAN-SENの二人が試しているから……。

 

 

 

 

自然とまぶたが重くなり、視界が暗くなる───。

 

 

 

 

 

 

 

「お目覚めですか? ふふっ、寝顔が大変可愛らしくて起こすのが惜しくて……」

 

目を覚ますとベルファストさんと目が合った。身体を起こして、時計を見ると10分くらいしか経っていなかった。

 

床のシミは見ないでおこう……。

 

「お? 指揮官、起きたにゃ。さっさとベルファストのヤンデレ度を測れにゃ!」

 

執務室にはベルファストさんの他に、母港の修理猫ちゃんこと、明石さんが真向かいのソファーに寝そべっている。

 

「ヤンデレ測定器ってバグがあったんじゃないの?」

 

「それがにゃ、バグ修正したら偶然、新しい機能が生まれたのにゃ! それを試して欲しいから早よはよにゃ!」

 

パソコンのモニターをバンバン叩かないで……煙が出ちゃう。

 

「えっと、ベルファストさん」

 

「お待ちしておりました。ベルファストの数値を何なりとご覧下さい」

 

 

ベルファスト→指揮官

ヤンデレ度:74

 

「そしたら今度はベルファストにタブレットを渡すにゃ。ベルファストは真ん中のボタンを押すのにゃ」

 

「こうでございますね」

 

指揮官→ベルファスト

愛情度:74

 

「ま さ か の 同 じ 数 値にゃ!!!!」

 

急に明石さんが叫ぶ。え? 数値? 僕もヤンデレ度を測られてるの?

 

「当然の結果でございます。100ではないことが少し不満ではありますが、相思相愛なのは間違いないでしょう」

 

「僕は何を測られたの?」

 

「それは秘密にゃ! 指揮官はベルファストの事をどう思ってるにゃ?」

 

唐突に明石さんに話題を振られる。

 

好印象しかないな。

 

「仕事は早いし、戦闘でも助かってるし、それによく気がつくから良い印象しかないよ」

 

当然とは思っていても、嬉しさを隠せないベルファストさんは口元が緩んでいる。僕も何だか照れてしまう。

 

「ご主人様からのお言葉、大変、光栄でございます。本日のランチはロイヤル寮でお召し上がりになりませんか? 腕の立つメイド隊が、至高の料理をおもてなし致します」

 

「腕の立つメイドって?」

 

「元メイド長・ニューカッスル様をはじめ、カーリュー様、キュラソー様、ダイドー様が担当されております」

 

これほどまでの安心感はあるのだろうか。それなら今日は、ロイヤルでお昼を頂こう。

 

「明石様もご一緒に如何なさいますか?」

 

「フライドポテトはあるのかにゃ?」

 

「勿論でございます」

 

ポテト猫も合流した。

 

 

 

 

ロイヤル寮の食堂はバイキング形式で、好きな料理を好きなだけ取る仕組みだ。規模も相まって、結構な人数だ。

 

「ご主人様達の席は既に確保済みですので、料理をご自由にお取りくださいませ」

 

早速、料理を取ってきて席に座ると、隣のグループのKAN-SENの会話が聞こえた。

 

 

 

「……最優である私は、アイツからも好かれている、そうだろう? そうだよな?」

 

「……モナーク、ジュースをフォークを使って飲んだって不安は消えないぞ」

 

「ウェールズ、お前こそ、きゅうりをストローで切るほど動揺を隠せていないではないか」

 

「……まあ。まだ数値は測定されていない。今はやれる事をやろう」

 

「やれる事?」

 

「……数値が高い事を祈る事だ……」

 

「ああ……」

 

 

 

「「指揮官、どうか私を嫌わないでくれ……」」

 

 

 

 

優雅なランチタイムな筈なのに、お隣さんの空気がお通夜レベルで重い。明石さんと会話を聞いた後、顔を見合わせ、

 

「明石さん。お隣さん、何か不幸な事でもあったのかな……?」

 

「さあにゃ。少なくともヤンデレ測定器は関係ないのにゃ」

 

僕たち二人は、フライドポテトをマドラーとストローで切っていた。

 

 

「ご主人様、明石様。ロイヤルネイビーのバイキングは如何だったでしょうか?」

 

「マドラーって意外と切れ味が良いんだね……」

 

「ストローで切ったポテトは美味しかったのにゃ……」

 

「ご主人様、明石様!? 気をお確かに!」

 

僕たちはとんでもない事に片足を突っ込んでいる、という事実から目を背けたかった。

 

 

 

 

「食後のアフターヌーンティーは如何でしょうか? きっと気分もスッキリしますよ?」

 

午後からの気分を切り替えさせるために、ベルファストさんは紅茶を淹れてくれた。

 

「うん、美味しいね」

 

「美味しいにゃ〜」

 

美味しい。美味しいはずなのに、何で明石さんはテーブルにうつ伏せたんだろうか───。

 

ベルファストさんは何故平然と笑って───。

 

意識は角砂糖のように溶けていった。

 

 

 

 

 

 

 

昨日も眠らされて、体が耐性が出来たのか、割と早めに目が覚めた。体は縛られてはいないが、周りは白い布で覆われて、ガラガラと振動が伝わる台車のような物で運ばれているらしい。

 

台車が止まると、扉が閉まる音がした。

 

足跡が近づいてきたので、僕は狸寝入りをする事にした。パサっと布がまくられ、僕は何者かに抱きかかえられて、やがてふわっと柔らかい所に移動させられた。見られている視線を感じているので、まだ目は閉じている。すると、足音が小さくなっていき、扉が開かれて、その者の気配は無くなった。

 

薄目を開けて出来るだけの範囲を見ると、

 

執務室にあるような見たことのあるパソコンのモニター、机、窓、カーテンが。

 

「ここ、執務室じゃん」

 

体を起こして見渡すと、執務室なのは間違いなかった。夢だったのか、

不思議な体験をしたみたいだ。

 

「お目覚めですか? ご主人様?」

 

ドアをコンコンと、ノックされると聞き覚えのある声が聞こえる。そして、本日の秘書官は入ってくる。

 

「ベルファストさん……僕は一体?」

 

「ご主人様はアフターヌーンティーの最中に、お休みになられていました。きっと仕事の疲れが溜まっておられたのかと」

 

そういえば記憶を辿ればそうだった。

 

「あれ? 明石さんは?」

 

「ご主人様がお休みなので、先に帰られました」

 

??? 明石さん、アフターヌーンティー中にテーブルに寝そべって無かったっけ? 

 

「僕、ロイヤル寮にいたと思うんだけど、寝ぼけてここまで来ちゃったのかな?」

 

「いえ。ロンドン様に車を派遣させて、途中から私がここまで運ばせて頂きました」

 

あれ? あの台車の振動は車のだったのかな? チグハグして分からなくなってきた。

 

「そうなんだ。ありがとね」

 

「いえ、容易い御用です」

 

「それにしても、昨日といい、眠る機会が多いですね。ご主人様に好意を抱かれるKAN-SENが多い証拠ではありますが」

 

昨日の愛宕さんの事を言っているのか。ベルファストさんはお茶目に笑った。

 

「じゃあ、執務を始めようか」

 

「はい、何なりとお申し付下さいませ。ご主人様」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「問題は、問題にしなければ、問題にはなりません。カッコカリ同盟もその限りです。キスくらいなら問題ありませんよね? ご主人様?」




こんな扱いですが、作者にとってアバークロンビーちゃんほど動かしやすい子は貴重なので好きなんです。


まさかの偶然で、書いてる途中でビックリしました。

実は数値は、キャラクターが登場して、測定するシーンの直前まで測っておりません。

さすがメイド長。あの自信は伊達じゃない。

もしよければ良かった話を聞かせてください。

  • グラーフ・ツェッペリン編
  • 大鳳編
  • プリンスオブウェールズ編
  • 愛宕編
  • ベルファスト編
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